かいおす
パーパルディア皇国第3外務局局長。
その立場故に周囲をよく見ており、属領と属国の疲弊や統治機構の腐敗など国の問題に以前から頭を抱えていた。
皇国内で最初に
「日本の真の力」に気付き、パーパルディアから引き上げる直前の
朝田たちと独断で接触。
日本政府との独自の交渉チャンネルを得、結果として
祖国を滅亡から救うことになる。
最初に日本との外交を担当。監査軍を破った日本への警戒心と実態の見極め、そして個人的な思惑もあって慎重な対応をしていたが、それが皇族から"弱腰外交"と見られ、
レミールの音頭で外交権を第1外務局へと移管させられる。
カイオスは警告を発するも、それを無視して皇国は日本との戦争に踏み切ってしまい、彼は周囲から嘲りを受ける羽目になるが、いざ戦争が始まると皇国軍が
全ての戦闘で一方的な惨敗を繰り返す事態となり、結果、カイオスが正しかったことが
最悪の形で証明されてしまう。
エストシラント沖大海戦直後の御前会議では、日本側が「日本人虐殺事件の首謀者の引き渡し、謝罪、損害賠償」を要求していることを確認した上で、主犯である
レミールに直接質問を投げかけるなど、停戦を模索。しかし、皇帝と軍部の戦意が衰えなかったため、彼の権限では停戦に寄与することはできなかった。
そのまま、
デュロ工業地帯および陸軍基地の壊滅と、属領の一斉反乱により、皇国の支配体制は瓦解。
皇国が滅亡寸前まで追い詰められた時、日本政府と密約の上クーデターを起こし、行政大会議場を制圧、皇帝
ルディアスを幽閉。権力を掌握した上で、日本と講和(
実質的には条件付き降伏)を結んだ。
属領の反乱軍や
リーム王国も日本からの停戦の呼びかけに応じたため、滅亡寸前だった祖国の存続に成功する。
戦後は事実上の国家元首。日本側からの中々に狡猾な要求や珍妙な依頼に四苦八苦しながらも、堅実に皇国を運営している。
グラ・バルカス帝国編では、再編されたデュロに攻撃を仕掛けたリーム王国への報復を指示したり、
クルセイリース大聖王国編では連邦制を導入して元属領を州として迎えており、世界からの信頼を取り戻すために艦隊を派遣するなど、その手腕により要所要所で活躍しているようで、世界からも生まれ変わったと認識されつつある。
私心無く客観的に皇国の現状を見続けた憂国の士であり、当初は日本を使って、権力争いを起こそうと考えていたのは、属領・属国の疲弊を度外視した国の急成長により、現状維持のままでは国が傾くと確信していたが故である。そのため日本との接触以前から同志を募って密かに改革派を組織しており、上記の権力争いを利用して皇国の改革を計画していたのが、クーデターをスムーズに進めることができた要因の一つだと思われる。
また、戦略の見極めも優れており、
デュロ壊滅直前の御前会議で
アルデが提出した軍再建案の不備を即座に看破している。更に『日本が
エストシラント空爆で都市部への攻撃を意図的に避けたのは、一般人に犠牲を出すことを本気で嫌がっているからだ』と、察していた節もある。ゆえにカイオスにとっての最大懸念は属領の一斉蜂起だったのだが、こちらは他の皇国上層部は、誰一人気付くことが無かった。
なお、日本政府との交渉チャンネルを得て以降は無線機とそれ用の発電機を贈呈されており、少なくとも国の頂点に立つまではそれで随時連絡を取っていたのだが、使い慣れない仕様のせいか御茶目な失敗をしたこともあった。
ちなみに元々は第1外務局の課長の職責にあり、彼が次期局長になると思われていたが、
ルディアスの判断で当時課長補佐だった
エルトが選ばれた経緯がある。その後権力闘争に負けて第三外務局に左遷されて局長になったとコミカライズ版で書かれている。
カイオス自身は「
エルトの外交手腕は自分より上」と認めていたため、人選に不満はなかったようだが、第1外務局長の座そのものには未練を残していた模様。
書籍版第3巻の挿絵にも登場。口ひげを整えた壮年~初老の男性として描かれている。
コミカライズ版でも、
トーパ大使との会談で食事をしながら登場。まだ余裕がある時なのか、書籍版よりも若く見える。
原作や書籍版と比べると穏健な思想の持ち主というのが強調されており、部下に怒鳴りながらフェン懲罰を指示したのが別の人物に変更された。また私欲に囚われない憂国の士としての側面も強調されており、朝田たちとの会談終了後に日本を権力闘争で利用しようと考える描写がカットされ、上記の朝田とのやり取りや
ルディアスと
レミールのやり方を好ましく思わない描写が追加されている。
原作だと裏設定だった各地に同志がいたという設定が拾われたのか、
イノスと協力して裏で工作する描写が追加されている。この際に原作だとクルセイリース編で出てきた連邦制の構想をイノスに話している。
日本の技術に触れる経緯がさらに詳しくなっており、シオスの貿易商から手に入れたことになっている。
それと、どうやらカイオス邸に設置された無線機は電話でおなじみの送受話器分離型となっており、PTT方式ではない模様。
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〔最終更新日:2024年09月25日〕
最終更新:2024年09月25日 20:24