「蝶のように舞い、蜂のように刺すって感じ?」
バンプレストの『
スーパーロボット大戦
』シリーズに登場する、ゲームオリジナルのロボット(PT:パーソナル・トルーパー)。
初出は『スーパーロボット大戦COMPACT2』三部作の『第2部 宇宙激震篇』。第2部では
主人公機
という扱いになる。
その後、リメイク作『~IMPACT』やバンプレストオリジナルロボット・キャラクター達がオリジナルの世界観やシナリオ、設定の下に集合した
『OG』シリーズでは相棒の
アルトアイゼンが主役級の活躍をするため、こちらはいわばヒロイン機とでも呼ぶべき機体となっている。
名前の意味は独語で「白騎士」。
ゲーム中の人物やファンからは単に「
ヴァイス」と呼ばれることが多い。
アルトアイゼンと同じくマリオン博士により開発された機体であり、
ゲシュペンストMk-IIをベースに開発された。
こちらはアルトとは対照的に『亜音速で飛行することによって敵の攻撃をことごとく回避し、その長距離兵器を駆使して超々距離から敵中枢に打撃を与える』というコンセプト。
「
超長距離狙撃なのに当たることが前提」の武装選択、「
当たらなければどうという事はない」ばりの激烈な機動性、そして機体には「
装甲が付いてない」という
何か根本的な部分で間違っているコンセプトで作られている。
ちなみに装甲のように見えるのはあくまでただの空力カウルでしかない。
これは地球の技術のみで空中機動を実現するためにはそのぐらいした上でバーニアを大幅に増設しないといけなかったのが尾を引いている。
*1
が、有り得ない機体の脆さと機体コストがかなり高かったことや高すぎる機動性からくる操縦の難しさも相まって、当然のごとく量産されなかった。
というか
平行世界に至っては、
ゲシュペンストMk-IIIが正式採用されたのにも関わらず、ゲシュペンストMk-Ⅳ(仮)として検討されたこちらは机上の空論に終わったという始末。
OVAではフル改造してボーナスに装甲アップ付けて、さらに強化パーツで底上げしてるんじゃないかってくらい頑丈だったが。
こんな無茶苦茶な設定を持つ機体だが、OVAでは型落ちしたとしか思えないほど被弾し、そして敵機に命中させられなかった。
なんなんだバルトール。
最近「必中」「ひらめき」を覚えないエクセレンが悪いとも言える。
主な武装は「オクスタン・ランチャー」という長大な銃。
銃口が二つあり、実弾とビームを撃ち分けて攻撃可能。
ビームのほうはヴァイスのジェネレーターから直接エネルギーを供給されているため、他のPTでは使えない。
ビームはEモードと呼ばれ、威力に劣るが射程に優れ、実弾砲はBモードと呼ばれ、射程がないが威力に優れる。
他、EモードとBモードを連携させて放つWモードという技も存在し、こちらがヴァイスの事実上の
必殺技となっている。
ゲーム中の戦闘デモでエクセレンが解説するように、オクスタンとは「槍」という意味である。
馬上槍(ランス)と歩兵槍(スピア)を折衷したような形状の槍で、馬上槍としても、歩兵槍としても扱えるように考案された槍であり、
ビーム砲としても実弾砲としても使える武装ゆえに、この名が付けられたと思われる。
他、左腕の三連ビームキャノンやスプリットミサイルなどの牽制用武装もある。
遠距離狙撃特化型と近接突撃特化型という真反対かつ尖りまくったコンセプトの為、兄弟機のアルトアイゼンとは
互いの長所を活かし短所を補い合う非常に相性のいい組み合わせとなっている。
その為、後の作品ではこの両機のデータを元にして最初から二機編成を前提に設計された試作機
「ビルトファルケン」「ビルトビルガー」が開発されることにもなっている。
武器がハサミで脱衣機能付き
というまたぞろマリオン博士らしい
マ改造イカレコンセプトのビルガーとは違い、
ヴァイスの特性を受け継ぎつつマリオン博士以外にも
元旦那まともな人が開発に携わったファルケンの方は
そこそこまともなバランスに仕上がっている。
ゲーム中ではパイロットのエクセレンがその普段から見せる軽い性格とは裏腹に
捕らわれ属性持ちのため、よく離脱することになる。
最終的に
触手アインストに捕まった際に侵食を受け、ライン・ヴァイスリッターとして新生する。
その結果
真ゲッターロボばりの空中機動やら分身やらのインチキくさい能力を多数持つに至った。
そして、洗脳されたエクセレンと共にプレイヤー部隊の前に立ち塞がる事になる。
なお『COMPACT2』シリーズだと、この時条件を満たしたかどうかでエクセレンが再加入した際の乗機(とゲッターチームの乗機)が変わる。
…のだが、初出の『COMPACT2』では必殺技である「ハウリングランチャーX」が存在していなかったためイマイチ火力が不足気味で、
リメイク版の『IMPACT』ではライン・ヴァイスリッターにするとアルトアイゼン・リーゼとの合体攻撃である
ラブラブアタック「ランページ・ゴースト」が使えなくなるなど何かと不遇。
しかもライン・ヴァイスリッターはCOMPACT2・IMPACT共に真ゲッターとの二者択一なので…
???「二度目からは『真』一択だ」
原作の戦闘デモ
MUGENにおけるヴァイスリッター
アルトアイゼンなどを作ったKn氏によるものが公開されている。
空中機動性が高めの射撃型コンボキャラ。OGs仕様のためプラズマカッターは装備していない。
その代わり近接戦はオクスタン・ランチャーで
ぶん殴る。そういう武器じゃねえからそれ!
また設定通り装甲も薄め(Lifeが750)。
新MUGEN用だが、旧MUGEN用のDEFも同梱されている。
AIは入っていないが、旧MUGEN向けの外部AIをちぃたま氏が公開している。
出場大会
*1
一応EOT(Extra Over Technology)と呼ばれる
地球外知的生命体の技術を使えば重力制御や高出力動力炉がある為そこまで極端にしなくても飛べるのだが、
マリオン博士は技術的に不安定であるとのことで採用を渋っていた(当時のEOTは殆どの技術が完全には解明されていなかった)。
結局ものすごく不本意ながら重力制御装置「テスラ・ドライブ」および新型動力炉「プラズマ・ジェネレーター」を搭載することになったため、
この機体のテーマ曲が「白銀の堕天使」という曲名なのはマリオン博士の心境も含んでのことかもしれない。
(ただしテスラ・ドライブもプラズマ・ジェネレーターも技術自体は純地球産で、EOT扱いされているのは元々戦艦などにしか搭載出来なかったものが、
EOTの解析・応用により機動兵器サイズまで小型・高性能化できるようになったため)
まぁ、ヴァイス以後のマリオン製PTはほぼ全機(アルトアイゼン・リーゼの場合はバランサーなどに)当然の如くテスラドライブが付いてるけどな!