+&link_anchor(1.){初代『ストリートファイターII』のガイルのバグ技} +&link_anchor(2.){『餓狼伝説』シリーズのギース・ハワード、及びロック・ハワードの投げ技} 他、『[[カイザーナックル]]』の[[梨花]]、『[[デッドダンス]]』の[[紫狼]]も同名の投げ技を持つが、ここでは割愛。 ---- *&aname(1.,option=nolink){1.} 初代『[[ストリートファイターII]]』の[[ガイル]]のバグ技 #image(guile-superthrow.gif,title=これはひどい) &font(16,b,i,green){「俺がただ待っているだけの男でないことを見せてやろう」} 対戦格闘の創始者的存在の初代『ストリートファイターII』での、ガイルのバグ技。 リバーススピンキック(一定距離以内でレバー入れ立ち強キック)が出る間合いで ''「←方向溜め→後10フレームくらい間を置いて、任意のレバー方向+強キック・中or強パンチ」'' というコマンドを成功させるとガイルが一人でジュードースルー(中パンチでの[[通常投げ]])のポーズを取り、 その時は相手がジャンプ中だろうがどこにいようが投げられたかのごとく地面に叩き付けられるというものである。 これは完全無敵の[[昇龍拳]]の上昇中どころか、金網に張り付いている[[バルログ]]やダウン中の相手ですら、その『&bold(){無敵状態を貫通}』して投げてしまえる。 さらに投げモーション中のガイル側も完全無敵(尤も投げモーションが無敵でないケースは、タッグ戦が標準装備なゲーム以外ではかなり稀)である為、逆に相手側がそれを阻止する手段が一切存在しない。 しかもダウン中の相手には連続で決めることができてしまえる極悪技である。 さらに[[スタン値>気絶]]があるためこれでスタンさせられるとほぼ絶望的な状況になる。 というのは通常スタン状態の相手に何かしら技を当てればその状態が解除されるが、 この技の最も恐ろしい点がスタン状態を維持したままという後のストIIIシリーズのスタンコンボに似た状態である。 しばしば誤解されるが、成立する間合いは上記のように非常に広いものの無制限ではない。 なお、このバグ技に開発者はまったく気づいておらず、香港のプレイヤーがこれを発見し、 カプコンにVTRを送ってきたことによってその存在が知れ渡ったのであった。 ただでさえ「[[待ちガイル]]」という悪名があるのに、こんな極悪技まで使われりゃ、そりゃリアルファイトにも発展するだろう。 『ハイパーストリートファイターII』の初代仕様ではこのバグ技は削除されている''(当たり前だ)''。 しかし、『カプコンジェネレーション 第5集~格闘家たち~』及び『カプコンクラシックスコレクション』に収録されている初代ストIIでは この「真空投げ」も完全に移植されている。 この移植版ではAC版初代ストIIでは不可能だった同キャラ対戦も可能になっており、 両者が全く同時に真空投げを発動すると''両者が吹っ飛ばされる''という珍現象が起きる。 ただし、タイミングが非常にシビアで一瞬でもズレると遅れた側が負ける。 |>|これが真空投げだ!| |&nicovideo(sm12997){280,180}|&nicovideo(sm7005236){280,180}| #region(むちゃくちゃマイナーな余談) [[GUILTY GEAR]]シリーズを世に送り出したサミーからかつてリリースされた実写取り込み格ゲー『[[サバイバルアーツ>ヒリュウ]]』において ハンナというキャラクターがそのままズバリ「真空投げ」という技を持っているが、 その性能が地上の相手ならどこにいても投げてしまえる(ただし[[発生は激遅>死に技]])という、ガイルのものを大分マイルド化したような代物であった。 …うん、そうなんだ。筆者もふと検索して引っかかったので初めて知ったんだ(´・ω・`) MUGENにもキャラがいないようなゲームなんでこの事実を知る人もむちゃくちゃ少ない事だろう…。 #endregion ---- **MUGENにおける真空投げ(ガイル) MASA@DAS氏製作のガイルにmimimimi氏製作の[[AI]]([[待ちガイル]])に実装されており、ピンチになった時に使ってくるようになっている。 ただし[[AI]]のみが使用可能で[[プレイヤー操作]]では出すことができない。 相手キャラが12Pのパレット(12Pに限り狂キャラ化するキャラは少なくない)を使用していたり、 ゲージが4以上溜まってる([[アルカナハート]]のキャラ等)と真空投げを自重しなくなってしまう。 なお、真空投げはAIの設定で使わないようにすることもできる。 元々バグ技であるのだが、[[あえて仕様として実装>バグ昇竜]]させるとは末恐ろしい。 ただしMUGENの仕様上、相手がどんな状態でも強制的に投げてしまうバグ技ではなく、 通常投げの[[攻撃判定を全画面に広げている>全画面判定]]だけにすぎない。 そのため相手が"NotHitby"で投げ無敵を保っている状態や、[[喰らい判定(Clsn2)自体を設定していないキャラ>オメガトムハンクス]]には通用せず、 原作ではおおいにネタになった「完全無敵の[[昇龍拳]]を投げる」「金網に張り付いている[[バルログ]]を投げる」といった光景は再現出来ない。 なお、攻撃判定を持つ[[昇龍拳]]には[["ReversalDef"(当身)を併用することで擬似的に投げる事が可能>オメガトムハンクスキラー]]であるが [[阿修羅閃空]]などの攻撃判定を持たない無敵移動技に対してはどうしようもない。 ……と思いきや、永続ターゲット等であらかじめ相手本体のターゲット確保ができていれば上記の状態であっても投げることができるようであり、実の所原作通り「&bold(){無敵状態を貫通}」できることが判明している。 これはWinMUGENに限らず、新MUGENである1.0や1.1でも可能。 昨今の[[神キャラ]]製作者が1.0以降を敬遠している理由に「1.0以降では%nバグや親変更といった技術が使えなくなった」という事情があるが この「永続ターゲット」は1.0以降でも使用可能で、真空投げはいまだ健在である。 しかし、いずれにしても[[凶悪キャラ>神キャラ]]などに多く見られるステート抜けを実装しているキャラにはまず通用しない。 |真空投げは8:30から。| |&nicovideo(sm1981146)| 他には or2=3氏製作のガイルにも裏モードを選択することでこの技を使えるようなっており、間合いやコマンドも原作通りで出せる。 またKAZ氏製作のガイルにも標準で実装されている。こちらもコマンドは同じであるが相手の距離とは無関係に出せる。 また[[AI]]も相手が[[空>アイアンマン]][[中>センチネル]][[要>Dr.ドゥーム]][[塞>ストーム]][[モ>ベガ]][[ー>ジェダ・ドーマ]][[ド>マグニートー]]キャラと判定(長時間上空で滞在している状態を検知)すると出してきたり、[[一部キャラの>バルログ]][[特定行動>ダルシムズ]]に対しても的確に出してくる。 くねくね氏制作のガイルにも搭載されている。 なおこれら三者のガイルには上述の永続ターゲットを使用しているので、ターゲットを取られていた場合は無敵移動技等で回避することができない原作再現仕様となっている。 また[[スタン状態>気絶]]の相手に決めた場合、原作と違い解除されるのでそこはまだ有情というべきである。 とおもいきやKAZ氏作のHSF2仕様ガイルはその点まで完全再現していた。実に恐ろしい。 また何故かKAZ氏製のガイル(世紀末、HSF2仕様共)の真空投げには一部の[[凶悪キャラ>神キャラ]]に対して[[P2Name]]指定が施されており、対象キャラには[[即死>即死攻撃]]技となっている他、[[パワーゲージ>ゲージ]]が強制的に0になる。 //ガイル以外のキャラは原作(ストII)上で存在しないので、原作に関係ないキャラは除外。 一応[[人操作>プレイヤー操作]]の地上時限定で、技中にずっとレバーを後ろに入れ続けることにより回避自体は可能。 ただし、永続ターゲットは原則的にガード入力を継続することで回避できる仕様となっているのだが、 それ以外の行動が一切出来ないため、そこからの切り返しは相手側に何らかの[[隙>反確]]が無い限り原則不可能である。 何にしろ&bold(){MUGEN}に於ける『&bold(){無敵貫通}』と『&bold(){完全無敵}』はお互い相容れない『&bold(){矛盾=イタチごっこ}』同士である。 本項目はその攻撃『&bold(){矛}』の代表である。 対する『&bold(){盾}』とは完全無敵の代表である「[[阿修羅閃空]]」となる。 といいつつじゃあ、&bold(){無敵貫通}の『&bold(){真空投げ}』と&bold(){完全無敵}の『&bold(){[[阿修羅閃空]]}』どっちが勝つんだ? という&bold(){議論}は当然ながらあったことは事実である。 結論からはまず「&bold(){MUGEN}」ではなく原作「&bold(){[[ストII>ストリートファイターII]]}」シリーズでは『矛』である「&bold(){真空投げ}」の&bold(){勝ち}である。その理由は無敵状態である『上昇中完全無敵の昇龍拳のリュウorケン』、『金網によじ登るバルログ』の対し打ち破り一方の自身には負けが無いという事実である。 MUGENでは『[[神キャラ]]』と呼ばれる存在にはそれらに対して当然ながら対策が施されている。 ---- *&aname(2.,option=nolink){2.} 『[[餓狼伝説]]』シリーズの[[ギース・ハワード]]、及び[[ロック・ハワード]]の投げ技 #image(shinku_g.gif,title=宿敵は投げ捨てるもの) 相手を下半身から浮かすように掴み、両腕で円を描くような動きとともに後方に大きく投げ飛ばす技。 『餓狼伝説SPECIAL』で通常投げの一つとして初登場、『REAL BOUT 2』で[[必殺技]]に昇格。 客演作品にも登場しているが、こちらも通常投げになっている場合と[[コマンド投げ]]になっている場合がまちまち。 [[コマンド]]も↘+ボタンだったり→+ボタンだったり一回転だったり→↘↓↙←→だったりで安定しない。 モーションが独特なため当初から人気はあったものの、微妙に出しにくい、[[起き攻め]]しにくい、[[連続技>コンボ]]に組み込みにくいなど 「[[魅せ技>ロマン技]]」に近いポジションになりがちだが、コマンドが一回転になったRB2では [[特殊技]]の「雷光回し蹴り」を[[空キャンセル>キャンセル]]することで擬似的に移動投げとして使うことが可能で、 &bold(){「雷光投げ」}と呼ばれる重要な崩しテクニックになった。 スタッフが意図したのかどうかは定かでないが、このあたりのテクニックは後述のロックの真空投げに通じるものがある。 RB2ではさらに上位技として[[潜在能力>超必殺技]]「羅生門」が追加されている。 こちらは相手を真上に放り投げ、落ちてきたところに強烈な掌底を叩き込むという見るからに痛そうな技で、実際ダメージも高い。 掌底が決まると同時に、ホワイトアウトした背景に大きく「羅生門」の書文字が浮かぶという印象的な演出が入る。 決まったときの爽快感と見た目の格好良さから、ギース数々の技の中でも屈指の人気を誇る技である。 近年の『[[THE KING OF FIGHTERS]]』でも頻繁に起用されており、 マスターギースをはじめとしたMUGENのギースもよく使用するので、[[サムネホイホイ]]で見かける機会も多いだろう。 P.o.t.S氏のギースの場合背景の白黒が逆転して黒地に白文字となっている。 #image(shinku_r.gif,title=義父は投げ捨てるもの) ロックのものは完全に必殺技のコマンド投げ扱いで、コマンドも一回転で統一されていた。 『餓狼MOW』では投げ間合は狭いし発生も遅いが、他に頼れる技がないロックにとっては重要な崩し手段兼火力である。 しかしオヤジ同様、下段避け攻撃であるアークキック&link_anchor(*1){*1}から空キャンセルで出せるため、 下段無敵のまま接近して投げることが出来る。これもロック使いには重要なテクニック。 さらにロックの場合、高速移動技「レイジラン・Type「シフト」」からキャンセルで出して表・裏から揺さぶることが可能で、 これが決まると通常よりも相手を高い軌道で投げることができる(通称&bold(){「レイジ投げ」「シフト真空」})。 「コマンド投げで表裏二択を迫っても」と思うが、シフト真空は相手のバックステップを狩れるため、起き攻めの強化に一役買っている。 さらにブレーキングに対応しており追撃が可能。 ブレーキングしても真空投げ自体のダメージは減らないため、ここからのコンボはロックとは思えない高火力を生み出す。 自分画面端の真空投げ(または対戦相手画面端でのシフト真空)から8~9割奪うことも可能である。 通常真空、シフト真空の違い、画面位置などで追い打ち出来る技が違うため、きっちり全部覚える必要があるものの、 最弱を争う厳しい性能であるロックの数少ない武器になり得る技で、 この技と[[超必殺技]]「シャインナックル」を上手く使いこなせるかどうかがロック使いの腕の見せ所である。 なお「羅刹」という専用追撃技があるが、やたら当てにくいわ当てたところでダメージは低いわで、はっきり言って使えない。 見た目は格好良いのだが、おそらく原型と思われる「羅生門」とは比較にならないダメっぷりである。 唯一の使い道は真空投げで相手をKOした時に羅刹を入れることでゲージをちょっとだけ回収することくらい。 それ以外の条件ならBR弱烈風拳に全て劣っている。 『[[CAPCOM VS. SNK 2>CAPCOM VS. SNK]]』や『[[NEOGEO BATTLE COLISEUM]]』でも有効な崩し・コンボの起点となり、 ロックの主力と言っても過言ではない重要な技となっている。 『CVS2』では羅刹も実用レベルになっており、特に最後をMAX[[レイジング>レイジングストーム]]で締めるコンボはダメージ・魅せともに申し分なし。 『[[KOF XIV>THE KING OF FIGHTERS]]』ではとうとう[[天地返しコマンド>大門五郎]]に変更になり、ジャンプに化ける心配なしに仕掛けられるようになった(一応アークキック空キャンも可能ではある)。 …それはいいが、逆にtypeシフトからのキャンセルはやりにくい。これに関しては一回転コマンド避けなくてよかったのに… また真空投げ自体のダメージが''相手が地面に落ちた瞬間''に入るように変わったため、 下手な追撃するくらいならブレーキングだけして起き攻めに移る方がよかったりなんかも。 羅刹はEX版で出すと自動でやってくれるようになり、さらにワイヤーダメージになったので追撃も決めやすいと EX必殺技らしく申し分ない性能になっている。 …さらには実装直後のバージョンではコマ投げの癖に浮いた相手を投げることまででき、 端背負いの位置でなら''EX真空投げがMAXモードが終わるまで入り続ける''というゲージ効率パナイ投げコンボができたのだが、 流石にアップデートですぐに不可能になってしまった。見た目には面白かったんだが… なお『[[サムライスピリッツ 天下一剣客伝>サムライスピリッツ]]』の[[黒子]]も「黒子真空投げ」としてこの技を使う。 追加入力で「黒子羅刹」を出せるため、ロックの方が元ネタであるようだが、 その動作は旗を振り上げ→振り下ろして飛び道具…あれこれ[[ぜんぜん違う技>斬鉄]]じゃ…? &s(){そもそもこの剣サム黒子、[[京>草薙京]]のポーズで[[八神>八神庵]]の闇払い撃ったりしてるけどさ} MUGENでは、[[コンバット越前]]もこの投げ技を使ってくる。 ただし越前の場合は投げた相手に攻撃判定が発生しており、敵味方問わずヒットするようになっているので、 画面端に追い詰められたときにこの投げを使うと自爆してしまったりする。 ---- &aname(*1,option=nolink){&color(red){*1}} この技名は『カプエス2』で最初に登場。カプコンが独自につけたものかとプレイモアスタッフが判断したのか、 『NBC』ではこの技名を使用せず単に「下段避け攻撃」とシステムの説明通りな名前にされていた。 が、『KOF XIV』で再登場の際この名前が復活。 元『餓狼』スタッフの小田氏が入ることを考えると、『MOW』時代から決まっていた技名だったのだろうか? (この頃には通常技などの名前は発表されないのもザラになっていたとはいえ) ----