鎌池和馬氏のライトノベル『
とある魔術の禁書目録(インデックス)』及びそのスピンオフ作品『とある科学の超電磁砲(レールガン)』の登場人物。
名前の読みは「しょくほう みさき」。
存在自体は一部1巻で示唆されていたが、スピンオフの『超電磁砲』で先行して登場し、
そこから長い時を経て新約6巻にて『禁書目録』本編に登場するという変則的な軌跡を辿っている。
更には2021年度には『とある科学の心理掌握』というスピンオフ作品が連載された。
アニメ版での担当声優は
浅倉杏美
女史。
御坂美琴と同じく常盤台中学に所属しており、学園都市の中でも7人しかいないレベル5の超能力者の1人。
何らかの強さや勢いを表現する時に「○○力(りょく。
ちからとは読まない)」という言葉を多用する口癖がある
(例:「愉快力」「天才力」)。
長い金髪かつ中学生離れした爆乳の美少女。なお、中学1年の頃は当時の美琴よりも低身で貧乳だったと明かされており、
たった1年で20㎝近く背が伸びた上に乳も増えたらしい。
成長期ってレベルじゃねーぞ!?
また、目には星のような模様があり、能力の影響を受けた者にも同じ模様が浮かぶ。
可憐な容姿とは裏腹に、他のレベル5達の例に漏れ得ず倫理観や常識に欠けている部分が多々ある。
常盤台中学入学前は、暗部側である能力開発施設「才人工房」第一研究室に所属しており、
真意を隠しつつ自身を利用しようとする研究者達に囲まれて過ごしていた事もあり、後述の能力も相まって他人との協力や信頼といった概念を嫌っている。
ただし他人と見なしていなければ派閥の取り巻きや友人など身内への面倒見は良く、
他者への能力の行使を厭わない反面、「行使した場合には最後まで責任を持つ」という自分なりのルールを定めていたり、
学園都市の闇に囚われそうになっている人物を救おうとするなど、彼女なりに倫理観や正義感も持っている。
大覇星祭の開会式で食蜂と共に選手宣誓を行った
削板軍覇が勝手に予定していた台詞に無いアドリブを続け、
最終的にいつもの謎爆発をかまして場の空気を持って行った時は唖然としつつ自分より目立った軍覇に敗北感を抱くなど、
「レベル5の中では」という前置きが付くなら美琴の次に常識人である。
常盤台における最大派閥を率いており、派閥のメンバーからは「女王」と呼ばれている。
本人が信頼を重視しないのと対照的に、派閥メンバーからの信頼はかなり厚く、
新約11巻で食蜂が「100%完全な私欲の為だけにあなた達を操る」と宣言した際も、誰一人として嫌悪感一つ見せずに受け入れていた。
美琴とは全く反りが合わず、初対面以降いがみ合っている。
ただし、両者とも全面的に拒絶しているわけではなく、木原幻生相手に共闘してその野望を挫く、
他人の夢を追体験できる「インディアンポーカー」で(美琴や食蜂も含む)有名人のあられもない姿の夢を拡散したBLAUを折檻するといったように、
共通の敵が出るなどの有事の際は阿吽の呼吸で共闘しており、帆風をはじめとした食蜂派閥の面々からは仲の良い友人関係だと思われている。
何故か『超電磁砲』で美琴の前に
上条当麻が来た時に、名乗ったり紹介してもいないのに「上条さん」と名前を呼ぶなど、
それ以前から彼の事を知っているような反応を見せたが……。
+
|
ネタバレ注意 |
実は食蜂は本編以前より御坂美琴及び上条当麻と接点がある。
御坂のDNAマップを用いて試作された妹達が生み出されるより以前に、いわば「クローン0号」であるドリーという個体が、
クローンを長持ちさせるための実験データ採取目的で作られて才人工房と呼ばれる研究機関にて管理されていたのだが、
ドリーの親友であった少女が諸事情で引き離されたことで大きなストレスを抱え、
実験に支障が出ることを危惧した才人工房は同施設で能力開発中だった食蜂に協力させて、
彼女の能力で食蜂をドリーの友人の少女と誤認させて精神の安定化を画策した。
とはいえ、ドリーは元より長生きできることを想定して作られていなかったため、
彼女はしばらく食蜂と共に過ごした後ついに肉体の限界を迎え倒れたのだが、
研究者が回収する直前に食蜂に「おなまえきかせて」と頼み本名を聞いた後で「ありがとう」と告げこの世を去った。
つまり、時期は不明だがドリーは偽の記憶に途中で気付きながらも食蜂のことも本心から友達と考えていたのである。
その後、インデックスと上条が出会う1年前、食蜂はひょんなことから上条と出会っていた。
この時は互いに名乗り合うこともなく、諸事情で急いでいた上条と出会い頭で衝突し、
不幸にもお互いの荷物が散乱し、上条が落とし忘れた携帯電話を食蜂が拾う、というだけの接触であった。
再びの出会いはそれから三日後の街中からは大きく離れた山中の人造湖畔で、
親友となったドリーを亡くしたりいろいろな出来事で精神的に疲れ切っていた食蜂は、
自身の記憶を消去する、つまり一種の自殺行為を試みようとした。
そこへある理由から偶然上条もその場所に訪れ、結果的に食蜂の自殺未遂は止められる。
以来、彼女と上条はたびたび街中で出会っては、とりとめもないやりとりを重ねて親密になっていった。
だが、ある時く「デッドロック」と呼ばれる能力開発が頭打ちになった者達がレベル5の食蜂操祈を狙って襲撃事件を起こし、
詳細は不明ながら上条が食蜂を守り切ったものの重傷を負い、しかも血圧低下によるショック症状が起き、麻酔も使えない状態になり、
このままだと病院に着く前に手遅れになるが、麻酔を投与すればさらに血圧が下がるため応急処置も出来ない状態となっていた。
そこで食蜂が自身の能力で痛覚の遮断を行い応急処置を施すことが可能になったのだが、
後述の代償によりある医者によると「呼び出し経路の破損」、つまり脳内における人の顔や名前を格納する部分が食蜂の枠だけ物理的に潰れた、
要するに上条は食蜂の記憶を全て失い、新たに記憶を上書き・蓄積することもできない障害を負ったのである。
この結果、上条は「第五位」や「メンタルアウト」という「他人」なら噂程度の知識としては知っているが、
食蜂操祈という「知人」の顔や名前を正しく認識はおろか記憶もできなくなっている。
食蜂が御坂にトゲトゲしい態度を取るのはドリーの一件も当然あるが(クローンの件は御坂も被害者だが彼女が騙された事実をどこまで把握しているか不明)、
最大の理由は御坂がいつも上条の傍にいれる事、つまり自分が失った掛け替えのない立ち位置にいるのを見て、つい嫌味なことをしてしまうのが非常に大きい。
|
+
|
能力について |
レベル5の中の序列は第五位で能力の種類は「心理掌握(メンタルアウト)」。
記憶操作・ 読心・人格の洗脳・念話・想いの消去・意志の増幅・思考の再現・感情の移植・人物の誤認などなど、
精神に関する超能力ならありとあらゆる事象を実現できる十徳ナイフのような能力。
動作原理は「ミクロレベルの水分操作」で、主として脳内物質の分泌、血液・髄液などの配分の制御などによって実現する。
副次的な効果として食蜂自身も精神干渉に対する強力な耐性を備えているが、
その気になれば自分自身に能力を行使する事も不可能ではない。
一度に操れる対象には限りがあるが、才人工房で研究されていた、
食蜂の大脳皮質の一部を切り取って培養・肥大化させた巨大脳「外装代脳」と同調すれば、
何千人もの人数を数キロ先まで一度に操作し、渋滞で混雑する道路を開かせたり、
二千人ものパニック状態の群衆に向けて、操作対象から常盤台生のみ細かく外した上で操作する事も可能だった。
ただし、大覇星祭編で木原幻生に幻想御手を応用して食蜂と同じ脳波に調律することで制御を乗っ取っられたため、
食蜂が自分の記憶にあるリミッター解除コードと自壊コードを認識を逆転させる形で記憶を改竄し、
その改竄した事実も忘却した末に負けるという策で幻生に自壊コードを打ち込ませ、
外装代脳の破棄と引き換えに倒したため、これ以降は使用不可能となっている。
性質上、人間以外の動物や機械には能力の大半が通じない(蓄積された情報を読むサイコメトリなどは行使可能)。
また、生体電流にも影響を受けるため美琴のように 電磁バリアを張れる相手にも効かない。
超能力である以上、もちろん幻想殺しで無効化できる。
しかしこの能力は脳に直接効果を及ぼしているため、右手で頭を直接触らなければ打ち消すことは出来ない。
この他、水分を操作するという性質上、身体の水分バランスが著しく崩れている相手に使用すると、意図しない副作用が残る事もある。
ついでに、純粋な身体能力は極めて低く、おまけに運動音痴なため、本体の戦闘力は低い。
能力使用時には原則リモコンを押すが、必須という訳ではないものの無いと精度が落ちる。
これは能力が強力かつ効果・種類の範囲が多岐に渡るせいで、
安定して制御するために自己暗示として「区切り」が必要なためである。
小学生の頃の食蜂が「今の私の能力じゃ記憶を完全に消すことも書き換えることも難しい」と発言しており、
表向きは最初から本編時点のように強力な能力ではなく成長を経てレベル5に到ったという事にされているが、
その施設の研究者達はその時点で洗脳されており、
実際には小学生ながら「レベルを本来より低く偽装して自分を高く売り込めるタイミングまで手の内を隠していた」
ことが示唆されており、他の大半のレベル5と同じく非凡な地頭を幼い頃から備えていた模様。
|
MUGENにおける食蜂操祈
kano1氏(Adelina Cano氏)による、『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』風
スプライト*1のキャラが某所で公開されている。
洗脳したのか自派閥所属者かは不明だがモブの常盤台中学生徒を
呼び出して攻撃する他、
超必殺技では婚后光子を呼び出して攻撃する。
AIは
強ランク程度の強さのものがデフォルトで搭載されている。
出場大会
*1
中華圏で配信された『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』のドット絵を使用したソーシャルゲームで、
ユージオなどと共に登場していたらしい。
最終更新:2025年02月13日 19:24