アルベド


「ご命令を、至高なる御身よ
 我等の忠義すべてを御身に捧げます」

小説投稿サイト「Arcadia」に掲載されて2012年にKADOKAWAエンターブレインより商業化された、
丸山くがね氏のライトノベル『オーバーロード』の登場人物。
アルベドという名称自体はラテン語の「」を意味する言葉であり、後述のニグレド・ルベド共々錬金術における重要用語でもあるため、
この人が忌み嫌う種族や『ゼノサーガ』のボスキャラなど、他の作品でもそこそこ出て来るタイプの名前である。
アニメの担当声優は 原由実 女史。
+ ボイス
『チェインクロニクル』
『オバマス』
『PSO2NGS』
このファン

web版では登場しておらず、主人公のアインズが軍勢の首魁という立場上ほいほいナザリック外に出せず、
活躍の機会が減り影がやや薄くなってしまったため、
書籍化にあたってアインズ不在時(人間サイドの英雄モモンとして活動時)に彼に代わってナザリックを率いる守護者統括として追加された。
あとおっぱい要員。シャルティアは偽乳だしアウラは男装が似合う程度にぺたんこだし。…マーレ?女装男子だよ。プレアデスならソリュシャンとかいるけど
しかし同時に明確なアインズへの恋愛描写もあり、実質的に書籍版メインヒロインであるといえる。

最高位の悪魔(サキュバス)でナザリック地下大墳墓における全NPCの頂点に立つ存在であり、他の守護者を統括する役職にある。
タブラ・スマラグディナというプレイヤーによって生み出されたNPCの一人であり、
タブラがギャップ萌えだったため「元々最高位の天使として生まれる筈であったがその際に夢見る国の化け物と融合した醜悪な姿で誕生した」
「ちなみにビッチである」などの設定が与えられていた。
「ユグドラシル」サービス終了を皆で迎えようとしたが結局1人で迎える事になったギルドマスターのモモンガ(後のアインズ)により、
遊び心で設定文の最後にある「ちなみにビッチである」を「モモンガを愛している」に書き替えられていたのだが、
異世界への転移によりナザリックのNPC達が自我を手に入れた事で彼女も自意識を獲得し、
設定された通りアインズに対して狂信的な愛情を抱く存在と化した。

「下等生物があ!
 アインズ様、わた……私の大好きな超愛してる御方に痛みを与えるなど
 ごみである身の程を知れーーっ!」

なお、悪気は無かったとはいえ、悪戯心で設定を変更したのが原因でアルベドが自分を愛するようになった事について、
アインズ自身は「かつての仲間の子供を汚してしまった」として激しく後悔しており、
この事実もアルベドに伝えられているが、本人は全く気にしていない。

……むしろ、そう命じてもらった事を彼女はNPCへの「そう在れ」という命令(プログラム)を越え、心から彼を愛し出している。
その感情は、最早本来の自分の創造主タブラ・スマラグディナへの被造物としてのそれを凌駕し、
他のナザリックNPC達とは一線を画したモモンガという個人への紛う事無き「愛」である。

「アインズ様……最後にお残りになられた慈悲深きアインズ様……!
 どうか、いつまでもわたくし共の上に君臨して下さいますよ……う……
 心より、お願い致します!……どうか……どうか……っ」

ツノや羽根を除けば見た目は絶世の美女だが、これは仮初の姿であり真の姿は別にある。*1
ナザリックの他の面々の例に漏れず人間を下等生物と見なして見下しているが、
積極的に殺しにいくタイプではないため、ナザリック基準ではこれでも慈悲深い人物だと紹介されている。

ただし設定改変は決して良い結果のみを産んだわけではない。
アルベドのこの狂信的とも言える愛の深さは、本来「ビッチである」という設定によって拡散される事で緩和・無害化していたのだが、
設定改変の結果、アルベドにとってはモモンガ=アインズ・ウール・ゴウンさえいれば他はどうでも良くなってしまったのである。
ナザリックの同胞達はともかくとして、アインズをただのモモンガ個人に戻してしまう、自分達を見捨てた他の創造主達を嫌悪しており、
加えて設定改変の際にモモンガが他のギルドメンバーに対して怒りを覚えていた事も影響しているのか、
アインズがかつての仲間達の痕跡を探すよう命じている一方、アルベドはそうした痕跡を残さず抹消しようと画策しているなど、
アインズとの間には致命的な齟齬が生じており、これが今後決定的な破滅をもたらすのではないかと危惧されている。
また、公式ソーシャルゲーム『MASS FOR THE DEAD OVERLORD(略称「オバマス」)』で明かされた裏設定であるが、
「モモンガがアバターであった異形種でなく現実通りの種族人間であった場合、彼女はがっかりする(意訳)」と公式で明言されてしまっている。
……まあ、「アインズ・ウール・ゴウンを愛している」でもなければ「鈴木悟を愛している」でもなく、「モモンガを愛している」と入力したが故であろう。
果たして、本編では彼女の恋はどのような形で終着となるのか……。

アニメ一期EDテーマソング『L.L.L.』は、そんな彼女のモモンガへの狂愛をイメージとした歌。
一見サイケデリックながらも歌手による澄み渡る美声で歌い上げられた曲だが、
その英語による歌詞を日本語訳するととんでもない激重感情ポエムが込められていると原作ファンを中心に好評となった。
そして本編ではモモンガラブで奇行を繰り返すシーンが一期における出番の基本だったので、
「このEDの美女ヒロインいつ出てくんの?」等と原作未読勢と既読勢の双方から弄り倒される事に

戦闘時には、全身を覆う黒色の甲冑を着用したまさしく悪魔のような姿になり、巨大なバルディッシュを振るって戦う。
HPや物理防御は全階層守護者トップクラスであり、魔法防御も主君であるアインズに匹敵するなど防御特化のタンク役だが、
戦士職故に攻撃性能は同じ戦士職にして攻撃専門役であるコキュートスやセバスにこそ劣るものの低くは無く、
実際にアインズのナザリックNPC達への想いを聞き感極まって襲い掛かった際には、
護衛のエイトエッジアサシン複数人掛りでも引き離せず他の守護者の助力が必要だった程の、見た目に反した豪腕を見せ付けた。
……が、前述の設定改変の結果サキュバスの癖して双角獣(バイコーン)に騎乗できない弊害が発生してしまった
(バイコーンは知名度のある方の一角獣(ユニコーン)が清らかな乙女(処女)を好むのに対し、淫らな女(非処女)を好むとされる)。
アルベドの悲願はそれこそアインズにバイコーンに乗られる身体にしてもらう事だろうが、
生憎アインズ様のそれは現実世界日本でも使わず仕舞いのまま骨の体になって消滅した

なお、名前が「白」を意味するとは先述の通りだが、
ホラー染みた演出抜きにはモモンガですら真面に会話も出来ないが、性格はとても優しいやはりギャップ萌えキャラの「ニグレド(黒)」と、
設定上ナザリックどころか作品世界最強レベルだが作者直々に今後出番無しと言及される哀しき存在「ルベド(赤)」などの妹が存在する。


MUGENにおけるアルベド

Xkleitoss氏による、『JUS』風ドットを用いたMUGEN1.0以降専用のちびキャラが公開中。
外見は甲冑姿だが、平時の姿もイントロで一瞬だけだが登場する。
主にバルディッシュを振り回す攻撃や衝撃波を飛ばす技で戦い、超必殺技では斬り付けた相手を爆発させる。
AIもデフォルトで搭載済み。
DLは下記の動画のコメント欄から

出場大会

  • 「[大会] [アルベド]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
その姿・正体については原作でも未だ明かされていないが、「夢見る国の化け物」というタブラの初期設定文や、
シャルティアに作中で「大口ゴリラ」と罵倒された、ナザリック女性陣らの入浴時の台詞の「毛深い」「背が高い」等の評から、
所謂クトゥルフ神話におけるドリームランドという次元の地底深くに棲む、
四本腕が生えて口が縦に割れた巨大な毛むくじゃらの人食いの怪物(直立二足歩行のゴリラとも形容される)「ガグ」でないかともされる。
ラヴクラフトの著作『レッド・フックの恐怖』において、女悪魔「リリス」の真の姿が雌のガグであるという風説が言及されており、
リリス≒サキュバスの本性が「毛むくじゃらの大口ゴリラ」である事の根拠として参照した人がいたのであろう。


最終更新:2025年06月20日 13:53