ワッカ


「オレはワッカ このビサイド・オーラカの選手兼コーチだ」

旧スクウェア(現・スクウェア・エニックス)のRPG『FINAL FANTASY X』の登場人物。
担当声優はロロノア・ゾロ等でお馴染みの 中井和哉 氏。

スピラの辺境にあるビサイド村に住む23歳の青年。
主人公のティーダと同じくスポーツ「ブリッツボール」の選手であり、
ビサイド村を本拠地とする弱小チーム「ビサイド・オーラカ」では監督兼コーチも務めていた。
また、ユウナのガードも兼ねており、ビサイドに流れ着いたティーダを保護し、
ユウナと出会うきっかけを作った人物でもある。

基本的に面倒見の良い好青年なのだが、エボンの教えに反する機械とエボン教に反抗的なアルベド族が絡むと、
一転して普段の人柄からは想像もつかないような差別的な言動を見せる。
これは物語開始前にワッカの唯一の肉親である弟のチャップが自警組織である討伐隊に入隊し、
エボンの教えを守らずアルベド族の作った機械兵器を使用して『シン』と戦い、戦死した事に由来する。
日々教義を守って敬虔な暮らしを送っているワッカはこの出来事を通じて、
弟はエボンの教えに反して『シン』を生み出す原因となった機械とそれを使うアルベド族のせいで死亡した、と考えるようになった
(両親も幼い頃に『シン』に殺されて顔すら覚えていない)。
ただし、このような価値観や言動はスピラに住む人々にとっては珍しいものではない。
彼に限らずスピラの住人は、エボン教の「人の驕りから『シン』が生まれた」「『シン』は機械を敵視する」、
「教えに忠実であればいつか罪が償われ『シン』はいなくなる」「アルベド族のような機械を使う異端者がいるから罪は消えない」、
という教義を教えられて育てられ、それを素朴に信じて生きている者が多数を占めている。
ワッカ自身はティーダがユウナを助けるために掟を破った際にも、掟破りと罵る村人がいた中にあって、
それが善意から来た行動であるとして庇う姿勢を明確に示すなど、敬虔な信者だが決して狂信者では無い。
しかしワッカはチャップの死と悲しみを受け止められず、エボンの教えを心の拠り所として、
「教えを守っていれば弟は死ななかったはず」という考えに囚われて機械を憎み、
やがてはエボン教に反する者全般を憎むようになったのである。

「わかってんのか?『シン』が生まれたのは人間が機械に甘えたせいだろうがよ!」

ティーダには初対面の時から親しく接していたが、これは彼がチャップに似ていたのも理由の一つ。
言い方は悪いがティーダに優しくする事で弟を亡くした心の傷を埋めようとしていた節があり、
その事で弟の元恋人であったルールーから叱責を受けている。
ただし、ルールーもまたチャップの面影をワッカに見出して心の傷を埋めようとしていた部分が見られ、
ワッカへの叱責は自己嫌悪にも等しい。

以上の事からも分かるように、アルベド族への差別的な面こそあれども決して悪人ではなく、
人並みに善性も人間的な弱さも抱えた、良くも悪くも人間味のある、
「スピラの典型的な一般人」を体現したような人物である。

+ 以下、後半ネタバレにつき注意
そんなワッカだが、ストーリー後半でエボンが裏で教えに反して機械を利用していた事を知り、
信じてきた「常識」を真っ向から引っくり返され、自分やスピラの信者達を裏切っていたエボンへの信頼を急速に失う。
果ては「シンは人の罪であり、罪を償えばいずれいなくなる。だから理不尽だけど受け入れるしかない」という、
全てのスピラの住人に根付いていた情報がまやかしの希望だと突き付けられ、
エボンの教えを忠実に護ってきた彼にとっては裏切りに等しい数々の事態に、精神的な弱さを露呈してしまう。
しかし、ティーダに引っ張られる形で、現実を受け止める事を決意。
弟の死と向き合い、エボンの偽りの教えを離れ、アルベド族のリーダーであったシドに対しても、
「よく知らないくせに話聞こうともしないで毛嫌いしていた」と謝罪する等、精神的に大きく成長
(幸いにもシドからは「エボンの連中を嫌っていたのは自分も同じ」「(所属無関係に)いい奴もいれば悪い奴もいるだけ」と笑って受け入れられた)。
最終的に究極召喚に頼らずにユウナと共に『シン』を討つ戦いに挑んだ。
……「ある真実」に気付かないまま。

ストーリー前半のエボン教を妄信して思考停止しているカルト宗教の信者同然の言動が祟り、
メインキャラの一角でありながら『FF10アルティマニアΩ』のキャラクター人気投票結果では8位とかなり低い。
ただし、繰り返すが彼はスピラの住人として一般的な価値観の持ち主、いわばストーリー中での「スピラの一般人代表」としての役割を与えられている。
むしろ皆が認める善人であるワッカが「エボンの敬虔な信者」としての言動を取るからこそ、
プレイヤーはスピラにおけるエボンの教えの根深さをより深く実感できるし、
同時にそのワッカの後半の変化を通じてスピラの人々が歪んだ教えから解放されていく過程と、未来への可能性を確かに感じ取れるのである。

なお、ブリッツの選手としての彼は悪く言えば全てにおいて「中途半端」。
少なくともそこらのモブよりは実力はあるようだが、元プロの選手であるティーダと比べると大きく見劣りする。
この辺は作中のミニゲームでワッカを選手としてスカウトした際にも反映されており、
「主人公専用技以外の全てのスキルを習得可能だが、ほとんどの能力が主人公の劣化のFW」といういかにもSLGの名ありモブのようなステータスとなっている。
一応ビサイド・オーラカメンバーと一緒に参戦するとボーナスが入る専用アビリティを持ってはいるが、
そのオーラカのメンバーが安定して好成績を出せる選手達かというと……。
また監督としても、彼が率いるビサイドオーラカは一度も初戦を勝ち上がった事が無いという、
筋金入りの弱小チームとして作中世界でネタにされるような代物である。*2
こうなってしまっている理由の一つに、様々な事情からブリッツの練習に集中出来ない状況が長く続いていた事もあるようだ。
作中序盤でそんな中途半端な現状にけじめをつけるためにワッカは上述のシーズン開幕戦で引退を宣言する事になるが、
ティーダという強力なストライカーを加入させ、初めて必勝の決意を抱いたオーラカが勝利を掴み取れるかどうかは、プレイヤーの手と運にかかっている。

ちなみにそんな彼がブリッツボールを武器にしている理由は、アルティマニアの説明によると「剣などの武器を扱う才能が無かったから」らしい。
実際戦闘中の彼は巧みにボールを操っているし、機械は当然使う気にならないだろう事を考えると、彼なりに考えた末での戦い方なのかもしれない。

+ 他作品におけるワッカ
スクウェア・エニックスとディズニーのコラボゲーム『KINGDOM HEARTS』シリーズ(以下KH)では、
ソラリクの生まれ故郷であるディスティニーアイランドの住人として登場している。
ティーダ、セルフィと共にFFシリーズからのゲストキャラクターであるが、
原作とはパラレルな存在であり、年齢も異なる。


原作中の性能

状態異常攻撃の得意なアタッカー。ブリッツボールを投擲して戦う。
パーティメンバーの中で唯一通常攻撃が遠距離攻撃となっており、飛行系の敵には特に強い。
また、ブリッツの選手なので水中戦にも対応している。

オーバードライブ技は「スロット」。スロットは機械じゃないのかよ!?教えはどうなってんだ教えは!*1
作中のミニゲームでもあるブリッツボールの景品で新たな技を獲得する仕様になっており、
ストーリーそっちのけでブリッツをやり込めば序盤から強力な技が使用可能。
特に「アタックリール」は早期に入手可能にも関わらず最大12ヒットと非常に性能が高く、アタッカーとしての評価を上げる最大の要因になっている。

一方で、そのブリッツボールをプレイせずに進行させた場合、アタッカーとしては大きく型落ちしてしまうキャラでもある。
本作の最終武器である七曜の武器「ワールドチャンピオン」、およびそれの強化に必要な「水星の聖印」、前述した「アタックリール」は、
いずれもブリッツボールのプレイが入手条件であり、また事前知識がなければ難しいミニゲームの一つであるため、
プレイスタイル次第で一軍入りするか、そうでないかが分かれるようになっている。


ネットにおける扱い

海外のコミュニティではそのルックスや劇中の立ち位置で割と早い時期から同性愛ネタで弄られており、
日本でも電子掲示板「ふたば☆ちゃんねる」で2016年頃からネタ動画が投稿されるようになった。

2020年にはNHKの番組「全ファイナルファンタジー大投票」で、キャラクター部門の順位が53位という微妙な順位であった事がネタにされた。
とはいえ、約3300体のキャラが対象となった中で100位以内に入れただけでも健闘したと言えよう。
ちなみに52位には『FF9』のベアトリクスが、54位には『FF4』のゴルベーザがランクインした。

2021年頃から、Switchへの移植やバーチャルYoutuberの実況動画などにより『FF10』再ブームの流れが出始めたが、
爆発的に広まったのは音MADメドレー「おとめっど」をベースにした合作MAD「おとわっか」が投稿された2022年5月7日からである。*3
メドレー内の「コネクト」(MUGEN的には「メザメタコー」の元ネタ)のパートが、
ワッカが「ティーダのチ○ポ気持ちよすぎだろ!」(実際は伏字も音消しも無し)とひたすら連呼し、後半は合唱になるというシュールな内容で注目を浴び、
コネクトパートの切り抜き動画が第三者の手でTwitterに投稿された事がきっかけで、ニコニコ内外で空前のワッカブームが発生した。
おとわっか自体も1ヶ月足らずで300万再生を達成したが、その次の日にスクウェア・エニックスの申し立てで権利者削除された。
削除の原因は、あまりに有名になりすぎた上際どい下ネタが多数含まれていた事とも、
別のパートの演出に配信禁止の映像が使われていた事とも言われているが、真相は不明。
ワッカを別のキャラクターに差し替えたり、カラオケで「コネクト」を「おとわっか」の歌詞で歌った動画は削除の対象になっていない。
その後も『MOTHER』のBGM「Pollyanna」に歌詞を付けた「ぷにぷにワッカさん」なる動画がブームになるなど、ワッカブームは衰える事なく続いている。

ちなみに当の直球下ネタには元ネタが存在しており、
『ディシディアファイナルファンタジーNT』のネットバナー広告における「ティーダのコンボ気持ちよすぎだろ!」という謳い文句がそれにあたる。
なお、このコピー文に反して実際のティーダはコンボがあまり繋がらないキャラであるため「実際はそんなに気持ちよくない」と評判であった。
件の謳い文句もティーダに近しい人物故かワッカの発言として扱われている風潮があるが、実際にそんな発言はしていない。
そもそもワッカを含め作中の登場人物は本編ではティーダの事を名指しで呼んでいない
(これは本作がシリーズ初のフルボイス作品でありながらティーダの名前を変更できるというシステム上の事情もあるのだが)。

なお、原作のワッカは同性愛者では断じてなく、続編の『FFX-2』ではルールーと結婚して子供も生まれている。
性的嗜好をネタとして扱う事自体がセンシティブな行為で嫌う人も多いため、ネタを披露する場所は弁えるように。


MUGENにおけるワッカ

ワッカブーム真っ只中の2022年6月に2体が立て続けに公開された。
いずれも二次創作のネタを含むため、そのような要素が嫌いな人は注意。

+ 漂流物の屑氏製作 ユウナのガード ワッカ
  • 漂流物の屑氏製作 ユウナのガード ワッカ
ヨコハマタイヤの改変キャラで、タイヤの代わりにワッカの顔が降ってくる。
「おとわっか」に影響を受けて製作されたもので、
試合開始時にコネクトパートの一つ手前のヤマダ電機パート(通称「ヤマダ寺院」)が、勝利時にコネクトの合唱パートが流れる。
加えて顔が出る度に「53位」の声が流れるのでやかましい。

「狂で戦えるヨコハマタイヤ」がコンセプトのためか改変前から攻撃力が上がっており、
通常カラーである1~5Pでも狂中位上限~狂最上位下限の強さ。
カラー差が4種類あり、7~11Pは攻撃力上昇と毒ダメージ追加、
12Pは7~11Pに加えて放出量の増加とフライングの解禁、6Pは神キャラ向けの撃破挑戦となっている。
設定で体力減少量の変更も可能。

+ ですからー氏製作 3Dモデル
  • ですからー氏製作 3Dモデル
2022年6月29日公開。
同製作者のカンフー満太郎フレイザード等と同じく、グラフィックにオリジナルの3Dモデルを使用している。

基本システムは同製作者の3Dモデルキャラに搭載されている「R-MIX」仕様。
強弱のパンチ・キックに分かれた4ボタンと、特殊技の発動に使う2ボタンの6ボタン式。
ブレイカーズの我慢補正を始めとした各種補正も搭載。

原作を意識してか、必殺技と超必殺技の大半がブリッツボールを投げる飛び道具で構成されている。
ボールは4種類の軌道で投げ分けが可能で、ガードされても削りダメージがあるため投げ続けているだけでも強い。
ボールに特殊効果を付ける技もあり、スリプルはボールを投げる通常必殺技にダウン属性が追加され、
ブラインはボールを当てた後に出した通常必殺技に無敵が追加される。
通常技もリーチがそこそこ長く、特殊技のワッカタックルやステップキャンセルを利用したコンボもダメージ源になる。
飛び道具が強力な反面、常に無敵のある技が存在しないため切り返し手段に乏しい。

超必殺技は5種類あり、いずれも発生保障があり威力も申し分ないため、積極的にボールを投げてゲージを溜めていきたい。
内4種類は原作のオーバードライブ技から取られているが、唯一原作が元ネタでない瞬獄殺風の移動投げ「素敵だね」は、
楽曲の「素敵だね」が流れる中、ティーダがワッカを後ろから抱きしめるという演出が流れる。
技前後の意味深なセリフも相まって、原作再現が中心の中で異彩を放っていると言える。

AIはデフォルトで搭載されており、AIレベルを11段階で設定可能。
強さは並~強クラス。
プレイヤー操作


「へっ! ここで逃げちゃあ…オレぁ オレ自身を許せねえよ。

 たとえ死んだってな!」

出場大会

  • 「[大会] [ワッカ]」をタグに含むページは1つもありません。

プレイヤー操作

実況付きP操作 Tarie配信(82キャラ目操作キャラ、ですから―氏製)


*1
厳密にはエボン寺院の教えにおいても「ありとあらゆる機械の使用」が禁じられている訳では無く、
寺院によって「どうしても人々の生活に必要」等と判断された場合などは、極めて稀な例外として使用が許可される事もある。
ワッカの身近に存在した物としてはブリッツボールのコートとなるスフィアプールの設営装置や、
エボン教の巡礼ルート上にある巨大な川を渡れる特殊な動物に乗客を乗せるための昇降装置などが該当する。
スピラで使用されている船舶には大型の捕鯨砲のような銛打ち機が装備されている事も珍しくないが、
こうした道具や風車などの動力装置と「機械」の線引きがどこにあるのかは、少なくともゲーム中では語られていない。
しかし、戦いの道具である機械兵器や銃器などは流血を伴う人の罪と結び付くという事もあり、
寺院の教えにおいても明確に存在を否定し、スピラから消し去るべきとされている物である。表向きには

*2
もっとも、これは彼自身も含めたチーム全体の士気の低さや目標意識の希薄さが大きいため、彼一人が悪いわけではない。
仮にも世界的に人気のあるスポーツのプロチームとして、目標が「精一杯頑張る」では当然であろう。
ただし上記の評価はあくまで「シーズン開幕時に行われるトーナメント戦」での話であり、全戦全敗を続けている訳では無い。

*3
厳密には3日前に前身に当たる動画「合作『FINAL FANTASY X』」が投稿されたのだが、
18禁の同人誌をネタにしたパートがアウトだったらしく1日足らずで管理者削除されている。
その後、削除原因となったパートの修正やその他諸々の追加を施して投稿されたのが「おとわっか」である。


最終更新:2022年07月11日 22:07
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