"The cosmic balance tilts…"
(宇宙の均衡が乱れておる)
"…And for the first time, I cannnot right it."
(我に正せぬ乱れとは、初めてなり)
"But what could exist that is mighty enough to thwart the will…
…Of the living tribunal?"
(我、リビング・トリビューナルを凌ぐ者……そは何者なるか?)
マーベルコミックス に登場するキャラクター。初出は1967年の『Strange Tales #157』。
コズミック・ビーイングス (コズミック・エンティティとも)と呼ばれる、宇宙の法則を司る神々の一柱。
*1
黄金の体を持つ巨神で、三つの顔が体の上に浮かんでおり、
それぞれ全て見えている顔が公平、フードで全て覆われているのが必然、下半分だけ露出している顔が復讐の意味を持つ。
首に当たる部位が無く、顔は体と接続されていない。
平行宇宙を含む全マーベルユニバース内における、ありとあらゆる力と権能を持ち、宇宙の運行そのものを司る。
また、宇宙全体に影響が及ぶほどの大事件が起こった時には、その善悪を見定め、判決を下す。
判決においては3つの顔全ての合意が必要とある。
それは人類などと言う卑小な一個の生命体などの善悪を遥かに超越した視野に立って裁かれるため、凡愚の理解の及ばぬ結論に至る場合もある。
例:
エターニティ「
サノス がインフィニティ・ガントレットで
全宇宙の生命の半数を抹殺したのだが 」
トリビューナル「彼は汝が統べる宇宙の主の座を欲しているだけだ。強者が弱者を駆逐するのは自然の摂理である。
無罪 」
*2
彼の全体像を言葉で表すなら、
マーベルユニバースにおいて最強最大の存在である。
『Marvel vs. DC』に登場したマーベルユニバースのそのものの化身
ブラザーズ は流石の彼にも止め切れなかったり、
そのブラザーズは彼が生み出した存在という事になったり、
彼に無限の力と権能を与えた
ワン・アバブ・オール というさらなる上位存在が登場したり、
*3
そのワン・アバブ・オールの力であるハート・オブ・ザ・ユニバースの力を得たサノスには敗北したり
*4 と、
例外事項がいくつかあるものの、基本的に彼が負ける事は無い……と言うか、
全智全能の超宇宙規模の裁判官なので、ヒーローとヴィランの戦いには参加しないのである。
ハート・オブ・ザ・ユニバースの力には及ばないものの、
インフィニティ・ガントレットより強い という話もある。
彼が出向くような事態は即ち宇宙全体を揺るがす大事件であり、何事も無く宇宙を統括できている時には紙面に出てくる機会が無く、
抑えきれない事件が勃発して初めて登場して(ヒーローコミックなので)事件の解決はヒーロー達の手に委ねられるため、
ページ冒頭にある『Marvel vs. DC』での台詞のような感じの出番が多い。
創作作品における全能の神の出番は「
全能の神 でもどうにもならないので
主人公 なんとかしてくれ」となってしまうのが常であり、
本当に全能の神が解決してしまったら「
デウス・エキス・マキナ 」
(ラテン語で「機械仕掛けの神」、転じて古代ローマ歌劇において終盤に登場する大掛かりな装置で釣り上げられて登場する「神」の役)、
即ち
「どれだけ登場人物達が頑張っても所詮どうにもなんないので最後に凄い存在が問題全部解決してくれました」 という、
作品内ではめでたしめでたしかもだが読者は読んでてつまr…腑に落ちない推奨されない話の類型になってしまうのである。
『Marvel vs. DC』ではページ冒頭の台詞に続いて、DCユニバースの超存在スペクターと共に
「まさか、こんな事が……」 (あり得るや……!?) と、
両世界の化身たる巨神ブラザーズの存在に驚愕するも、
ヒーロー達の対戦が終わり、敗北したDCユニバースが消滅する危機を「両世界を融合させる」という方法で回避。
さらに両世界が再分離した後にブラザーズ同士の直接対決による両世界崩壊の危機に対しても、
ブラザーズの規模から見れば遥かに小さな存在ながら全力で阻止にかかり、
両世界の守護者たる新ヒーロー・アクセス、両世界の代表たる
バットマン と
キャプテンアメリカ がブラザーズを和解させるまで世界の維持を完遂した。
他のエピソードでは、マーベルユニバースにおける全能の力であるインフィニティ・ガントレットを守護することになった
アダム・ウォーロック が、
その力を持て余し気味になってしまった時にガントレットの分割を命じたり、
さらなる全能の力であるハート・オブ・ザ・ユニバースの力をサノスが得た時には、
(数々の悪事の前例があるので)力を放棄するよう命じ
たものの反逆されて鎮圧に失敗し たりと、
宇宙を揺るがす規模の力が発生した事件の際に登場している。
ここまでの規模のキャラクターとなると、日本の漫画のキャラで言えば『
ドラゴンボール 』の大神官が彼に近い存在だろうか(ワン・アバブ・オールが全王)。
『
MVC3 』に登場したギャラクタスが、『
MVC1 』の時点では
「格闘家やヒーローに倒されるような存在では無いのでゲームに出すのはNG」
とされた事があったが、
それは正に彼のためにある言葉であった。
MUGENにおけるリビング・トリビューナル
…そんなマーベル最大のチートキャラがついにMUGENにまでやってきてしまった。
マジで何故作った
製作者の欄には author ="BLAGOY/ALEXZIQ/KIMCZI/Yolomate pals/Edit~Up by DC VS MARVEL" とある通り、
多数の製作者による共作あるいは改良が何度も施されてきたキャラで、
MUGEN1.0以降 専用。
現在は海外サイト「The Mugen Multiverse」にて代理公開されており、DC VS MARVEL氏によって更新されたバージョンが最新版となっている。
性能に関しては設定に基づいた論外キャラとか
神キャラ では無く、精々並~強ランク程度の性能である。
地球の生命体相手に手加減してる ってことすか?
一応LIFEは2000、ATKが140と常人よりも高く設定されてはいるが、原作から見ればゼロがいくつあっても足りない。
操作方法は『
MVC 』系の6ボタン仕様だが、空中強攻撃がダウンを奪えずエリアルレイブがほぼ死んでいる点には注意。
必殺技 ・
超必殺技 ではビームを放ったり、広範囲にエネルギーフィールドを発生させたりする他、
NEO-DIO のような回転蹴りやら
三角跳びからの彷翔十字鳳 やらといった怪しげな技も繰り出したりするが、
まず
こいつが殴ったり蹴ったりする姿が凄まじい違和感なのでさしたる問題では無い。
上述の原作設定を読んで期待した人には肩透かしもいい所である。
まあ、そこまで堅い事を言い出したら異次元の邪神 がたかがビームガン持ったミュータント やら対ミュータント用ロボット ごときに コテンパンにのされるのはおかしいでシュと言う事にもなるので、そこは格ゲー補正 と言う事で……
AI はデフォルトで搭載されているが、洗練されたAIで動くヒーロー達とは戦えないだろう。
紹介動画(こちらからDL出来るものは旧版なので注意)VIDEO
この他にMatreroG氏による、彼をフィーチャーしたMUGEN1.0以降専用の
ステージ 「Balance Of The Multiverse」が公開されている。
背景にいるエターニティとインフィニティ(冒頭画像のキャプションを参照)の存在感が凄いステージである。
"We have only delayed the inevitable."
(これでは、来るべき終末を先延ばしにしているだけだ)
"The brothers must be reconciled… the Brothers must be will-ing to coexist…the Brothers…"
(ブラザーズの考えを改め、共存を望ませねばならぬ…)
出場大会
*2
彼の主人である後述のワン・アバブ・オールも、サノスが全ての多次元宇宙を消してしまった際に何もしなかったくらいなので、
「何もしない」事が宇宙の法則的には最善らしい。
神の視点なら、人類が動物 を絶滅させたのと大差は無いし
*3
マーベルユニバースの真の最強存在として名高いワン・アバブ・オール(One Above All)だが、
コズミック・ビーイングスに列する天空種族セレスティアルズのリーダー格に
全く同名のキャラクターがおり、
どちらも超宇宙的存在かつ登場時は最強キャラとして現れるため滅茶苦茶紛らわしい。
なんで名前を重複させたんだマーベル編集部。
まあ、これ以前から完全に同名の別キャラクターがちょくちょく出ているので
仕方ない 。
参考:海外のマーベルwikiでの両「ワン・アバブ・オール」の説明(外部リンク、英語)
*4
ハート・オブ・ザ・ユニバースは多次元宇宙全ての造物主ワン・アバブ・オールのパワーソースなので、
そんなものを使われたら代理人に過ぎないトリビューナルが勝てないのは道理である。
では「ハート・オブ・ザ・ユニバースを手に入れたサノスとOAAがガチやったらどうなるの?」という疑問を持つ人が居るかもしれないが、
双方は造物主と被創造物の関係であり、OAAは「サノスの存在自体を無かった事に出来る」ので、
これは流石に勝負にならない 。
最終更新:2024年07月09日 01:28