「ぼく武藤遊戯の宝物は、じいちゃんにもらった”千年パズル”」 「これが解けたらなにか願いがかなうんだって。 よーし絶対完成させるぞ~!」
+
担当声優
緒方恵美
東映動画版、『モンスターカプセル ブリード&バトル』
風間俊介
『デュエルモンスターズ』以降(下記以外)
長浜満里子
『デュエルモンスターズ』赤子時代
鯨井康介
『ARC-V TAG FORCE SPECIAL』
風間氏はジャニーズJr.のメンバーであり、当初は声優経験皆無のジャニーズタレントが演じる事に不安の声が上がり、
実際暫くはあまりの演技の下手さに視聴者も悶絶した(それでも二つの人格を明確に演じ分けているなど後の才能の萌芽はあった)が、
約四年という長期に渡る放送期間で徐々に上手くなっていき、終盤ではプロの声優顔負けの名演を一人二役で見せていた。
こういった経緯と後述のようにニコニコ動画での遊戯王MAD人気も相まって、風間氏は「ニコニコで一番愛されているジャニーズ」 の称号を得るに至っている。
だが、アーケードゲーム『デュエルターミナル』では主人公にも拘らずまさかの代役起用となった 。
風間氏がジャニーズ所属故の大人の事情だと思われる。
ゲーム自体にエンドロールが無く、公式もキャストの公表はしていないためこの代役が誰なのかは不明であるが、鯨井氏という説が有力。
しかし2016年のゲーム『最強カードバトル』では再び風間氏が担当。
原作の1年後の世界を描いた同年の劇場版『THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』でも風間氏が表と闇の両方を演じ、ファンを歓喜させた。
逆に
蔵馬 役でも有名な緒方女史の場合は流石の演技力で、「気弱な少年/恐ろしい何者か」を演じ切っており、
そのあまりの迫力と格好良さから、初代遊戯の人気もかなり高い。
しかし初期闇遊戯は凶暴すぎるためか、こっちが悪役とも呼ばれたりする。
特に「ハハハハ 走れ走れー!迷路の出口に向かってよー!」と言った時には王様の目が完全に逝ってしまっていた。
しかも原作で王様が所謂馬鹿笑いをしたのはこの時だけである。
そのためか
「初期の王様がこの調子なら史実の王様は暴君 だったのでは…」 と議論が交わされるほど。
改心後はあまり悪どい事はしなかったが、記憶編の遊闘322「幻のNPC!!」にて悪人顔が復活した(前述の和賀郡)。
ちなみに「遊戯王ボーカルリスト」というCDでは、エレキギターを持ち表遊戯と一緒に映る光景がある。
+
ボイス 集
緒方女史(『モンスターカプセル ブリード&バトル』)
表遊戯VIDEO
闇遊戯VIDEO
風間氏(『デュエルリンクス』)
表遊戯
闇遊戯
鯨井氏
「週刊少年ジャンプ」に連載された漫画『遊☆戯☆王』、並びにそれを原作としたアニメの主人公。「
語られる怪力乱神 」とは無関係。
祖父の武藤双六から譲り受けた、今まで誰も解いた事が無いという「千年パズル」を完成させ、その身にもう一つの魂を宿す事となる。
無類のゲーム好きで、実家で祖父がゲーム屋を開いている事もあって様々なジャンルのゲームを知っており、その腕前もかなりのもの。
やや気弱で優しい性格。当初は
いじめられっ子 で、千年パズルにも「親友が欲しい」と願うほどだった。
得意なはずのゲームでも追い込まれて裏人格の出番、という展開が多かったため一見裏人格に劣る印象があるが、
実の所自分への自信のなさで委縮してしまい実力を発揮できないためらしい。
だが、芯の部分では裏人格や並み居る強敵にも負けない強さを秘めており、裏人格の危機を救う事も多々あり、その強さを認められている。
裏人格の遊戯の事は「もうひとりのボク」と呼ぶ。
作中に登場するカードゲーム「マジック・アンド・ウィザーズ(
デュエルモンスターズ )」に限らず、
あらゆるジャンルのゲームの腕前が相当なものである事から知能自体は高いはずだが、
学校の成績の方はあまり芳しくない様子(親友で元不良生徒の
城之内 よりマシな程度)。
まあ、勉強そっちのけでゲームばかりやってるからだろうが。
「さあ、ゲームを始めようぜ」
「これは、『闇のゲーム』だ」
こちらは千年パズルに宿るもう一人の遊戯。(初登場の時の相手は牛尾哲。あの『
5D's 』に出てきた人である)。
ファンからは「闇遊戯」「王様」と呼ばれる事が多い。その他、「裏遊戯」「遊戯王」「アテム」「ATM」などとも呼ばれる
(これに対して、通常の遊戯はファンからは主に「表遊戯」「相棒」「AIBO」などと呼ばれる)。
作中では主に「遊戯」「もう一人の遊戯」と呼ばれる。表遊戯は「もう一人のボク」と呼んでいる。
一部のキャラ(アニメオリジナルキャラ)は「名も無きファラオ」と呼ぶ(彼は名前を忘れているのであって無いわけではないが)。
小説版では表人格の遊戯との区別として、「遊戯王」が通称として使用されていた。
表遊戯とは対照的に非常に自信に満ちており、どんな強敵にも臆せず立ち向かう。
原作初期では、目に余る行為をしている相手や怒りを向けるべき相手に「闇のゲーム」を持ちかけ、
持ち前のゲーム勘で相手を打ちのめし、今までの行いに対する「
罰ゲーム 」を与えて回っていた。
ちなみに、カードゲームばかりだと思われがちだが、初期ではそれ以外にも色々とやっていた。
古代エジプトではゲームとは神聖な儀式であり決闘法だったという設定から、
ジャンプ王道のバトル漫画でその勝負の方法がゲームという作品だったわけである。
やっていたものは幅広く、現代のテレビゲームや
TR PG から将棋のような古典的な遊戯まで押さえている。
『デュエルモンスターズ』(DM)もここまで人気にならなければ一つの章で扱われるだけのゲームになったはずである。
しかし本作品のヒットにより、それまで
大人の趣味だったTCG(トレーディングカードゲーム) が子供達にも知れ渡り、
『デュエルマスターズ』等、次々と子供向けTCGが作られる様になった。
(ちなみに『
ポケモン カードゲーム』は『遊☆戯☆王』以前から発売されている)。
作品のメインテーマとなったカードゲームにおいても、相手の裏をかき一発逆転を仕掛ける知力と、
欲しいカードを欲しい時に自在に引き当てる強運を持ち、劇中でデュエルに敗北したのはたった三回
*1 、
アニメオリジナルのドーマ編ではラフェールに惨敗したのみである。
当初は冷酷さも顕著で敗者に容赦なく、割と洒落にならない罰ゲーム(
丸焼き ・精神崩壊など)を仕掛けていたが
(「ファラオの呪い」のイメージも前面に出したキャラだったため。だからこそ「闇のゲーム」なのだし。
敗北者にかける事ができる魔術はいつの間にか使われなくなった)、
遊戯に影響されたのか路線変更の影響か、非道な所業や言動は見られなくなっていった
(龍札というゲームではルールの関係上、結果的に相手の魂を犠牲にせざるを得なかったが)。
……ただし終盤では、表遊戯や友人達がいない所で、
相手の息子を人質にして攻撃をやめさせようとした 事があるが(後に「和賀郡」と呼ばれる)。
付け加えるなら、後述するバーサーカーソウルなどのように、
後期以降でも敵に追い討ちを行う程度などはよくある事だったりする。
また、周りの人物は闇人格の彼の事を「かっこいい遊戯」や「
名無し の
ファラオ 」と呼んだ事がある。
なんで名無しなのかというと、彼自身が自分の本来の名前を忘れてしまっていたから。
自身について書かれた石版の一部が欠損してしまった事が原因らしい。
こちらは表遊戯の事を
「相棒」と呼ぶ。
あと、どういうわけか言葉遣いが昭和テイスト。
ナウい。
もっと腕にシルバー巻くとかよ(さ) !!
表遊戯と闇遊戯が意識して交信できるようになってからは二人で相談してデッキを組んだりしているらしく、お互いの信頼が窺える。
遊戯自身のデッキは「ブラック・マジシャン」を筆頭に、「クリボー」「ギルファー・デーモン」など闇属性を軸としたデッキに、
「エルフの剣士」「バスター・ブレイダー」「絵札の三銃士」などの戦士族を加えた物を主に使用。
また、「
ブラック・マジシャン・ガール 」「磁石の戦士」といった、「仲間との絆・結束」をテーマとしたカードも愛用している。
物語の終盤に表遊戯は自身だけのデッキを作る事になるため、そちらでは「ガジェット」や、
「サイレント・ソードマン」「サイレント・マジシャン」といったレベルアップするモンスターを使用している。
特殊な構築故に癖が強く、一見弱そうに見えるが状況で爆発的な威力を発揮するタイプ。どこか本人らしい。
クリボーなどの弱小カードでも逆転の切り札になり得るなど、1つのエースカードに拘る海馬とは対照的な性格のデッキとなっており、
この傾向は以降の『GX』や『5Ds』の主人公やライバル達にも受け継がれている。
ちなみに、各登場人物と関わりの深い女性型モンスターカード(所謂「嫁カード」)は、
闇遊戯が「ブラック・マジシャン・ガール」、表遊戯は最終戦でフィニッシャーになった「サイレント・マジシャン」と言われている。
なお、「こんな物全部突っ込んでデッキが回る訳がない」とはカード物の漫画お約束のツッコミ。
でもカードとの絆を深めれば必要な状況で必要なカードを引けたり、 デッキに入れてないカードが助太刀してくれるのが『遊☆戯☆王』である。
とはいえ物語の進行における都合上、必要なカードが引けるまでデュエルを長引かせるわけにもいかないので、仕方のない所ではあるのだが。
ちなみにどれほど重いかというと、神含めて上級モンスターが10体以上入っているという、シリーズ通してトップクラスのヘビーデッキである。
それでも『GX』の主人公の十代曰く、この神3体が入っていた頃のデッキが「遊戯のデッキの中で最強だった頃のデッキ」だそうだが。
その神3体入りデッキを倒した表遊戯のデッキは?とか言ってはいけない
ちなみに、『OCG』でも欲を出さずエースカードを2、3種類までに絞れば遊戯風のデッキも十分構築可能。
難度の高い複合デッキも「ブラック・マジシャン」+「バスター・ブレイダー」はサポートの共有が可能なので比較的組みやすい。
逆に登場人物が現実的なデッキを使っているカードゲーム漫画もあるにはあるが、
こちらはこちらで「使い古された戦法」「有名デッキを自分が考案したみたいに振舞うライバル」なんてツッコミが入ったりする。
尤も作者が全国大会で毎回優勝できるほどのデッキ構築の天才でない限り、斬新克最強なデッキなんて無理な話なので。
そもそも『デュエルモンスターズ(原作漫画ではマジック&ウィザーズ)』自体、冒頭の通り一章限りのネタして適当にでっちあげた代物のため、
コナミが商品化するまではルールが酷過ぎて、TCGを知る者からは突っ込まれまくっていた
当時の日本でTCGと言う物を知っていたのは「大きなお友達」だけだが
(ちなみに下記の「東映版」の頃に発売されたバンダイ版TCGは、
当時の原作通りのルール の所為でクソゲーそのものである)。
一方で表遊戯の方の使用カードは元々ガジェットが手札の安定が評価を得ていたが、
第6期にてストラクチャーデッキ『マシンナーズコマンドー』の登場で才能が一気に開花。
2010の世界大会で遂に頂点を取るほどにまで至り、初代主人公使用のテーマの威厳をしっかり保った。
またシリーズ全般に言える事だが、「言葉のドッジボール」と評される遣り取りがこの作品の伝統となっている。
例を挙げると「Q. 今のは? A. ああ」とか「Q. 伝説って? A. ああ!それってハネクリボー?」、「
おい、デュエルしろよ 」などが有名。
+
原作ネタバレ注意
闇遊戯は実は3000年前の
エジプトの王 、正真正銘のファラオであり、
真名は
「アテム」 。名前の由来は古代エジプトの太陽神「アテン」から来ている。
父親が病で死去した後、若くしてファラオの座に着き、国が盗賊王「
バクラ 」に襲われた際には、
千年パズルの力を持って封印の石版から三体の神・三幻神を呼び出し操った事で伝説のファラオとも呼ばれる。
バクラの襲撃を端に発した、闇に心を捉われ邪神ゾークとの契約を結んだ部下「闇の大神官アクナディン」と、
神と互角以上の力を持つ「白き龍」を従えた部下「神官セト」との三つ巴の大きな戦いの末、
ゾークに敗北してしまうが、最期に自らの魂ごと闇の大神官の魂を千年パズルに封じ、
千年パズルを砕き封印する事で世界を守った
(後付けではあると思われるが、初期の闇遊戯が凶悪な面構えで罰ゲームを連発していたのも、
「アテムの魂が闇の大神官の闇の力に影響されていたため」と後の文庫版で作者に解説されている)。
なおこの時、“アテム”という名は彼の跡を継いだ神官セトの計らいもあり、
石版や神殿等からはファラオの名が刻まれた箇所は殆ど削り取られ、千年アイテムと共に冥界の扉を開くための「鍵」となった。
*2
遊戯と共に前世から因縁がある多くの強敵との戦いに勝利し、
遂に千年パズルに封じ込められた「アテム」と「闇の大神官」の記憶によって投影され、
どちらの魂が現世に舞い戻るかを決定する究極の闇のゲーム「闇のRPG」による記憶戦争で全ての記憶を取り戻し、
最後は3000年前の因縁の敵を完全に滅ぼす事に成功した。
全てが終わった後、自身の魂を冥界に導き安らかに眠らせるための「戦いの儀」(デュエル)を遊戯と行う。
お互い今まで登場したカードを次々と繰り出す激戦の末、最後の一手を遊戯に読まれて敗北し、惜しまれながらも冥界へと去っていった。
余談だが、この最終戦にてアテムは「自分の引きたいカードを引き当てる力」を発動させていたりする。
手札が0枚の時に「俺はビッグ・シールド・ガードナーを召喚する!ドロー!」と召喚するモンスターを宣言してからカードを引いている。
イシズさん曰く「ドローとは運命によって導かれるものだと思っていましたがファラオはその運命をも操っている」との事。
…
なんなんだこのカードゲーム 。
+
その後の出演、影響など
アテムが去ったその後も元々の遊戯は決闘王(デュエルキング)であり続け、
数年後の世界である続編『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』ではアカデミアに彼が使っていた
デッキのレプリカが展示される(流石に神のカードは入っていないがそれ以外は全て再現されている)というだけで、
整理券が配られるほどの好評を博するなど、最早その強さは伝説化している。
それ故に神楽坂というキャラがレプリカデッキを盗み、十代と対戦する事となった。
ちなみにこのレプリカデッキ、最終的には卒業デュエルの優勝者のプレゼント対象にされるに至っている。
また、『GX』二期で十代達が童実野町に修学旅行に訪れた際には、
バトルシティ編の舞台になった所が、現実の
聖地巡礼 の如く十代達に名所扱いされるなど影響力も大きく、
十代達は遊戯に会いたがっていたが、祖父の武藤双六から遊戯は旅に出ていると言われ、会う事はできなかった。
ちなみに上記の「旅に出ている」という設定から
ニート 扱いされている。
デュエリスト達の憧れの存在として時折名前は出てくるが、本編に『GX』時代の遊戯が実際に登場したのは僅か2回、
物語の最初と最後のみである。
どちらも
目元より上は陰になっていたり 見切れていたりで表情は窺い知れないが、
『DM』時代より背が伸びて落ち着いた雰囲気を持ち、アテムとも似ていながらまた違う存在感を放っていた。
第1話では新主人公である遊城十代と偶然に出会い、役割を引き継ぐかのように「ハネクリボー」のカードを彼に贈っている。
『GX』最終回では現代の遊戯とハネクリボーの導きで十代は『DM』の時代にタイムスリップし、
当時の遊戯とデュエルする事になる。このデュエルを通じ失っていた大切な物を思い出した十代の全力の攻撃に、
当時まだ冥界に帰還する前のアテムの人格が現れ…。
そして、『遊☆戯☆王』シリーズ
10周年記念 映画『超融合 時空を超えた絆』では、
デュエルモンスターズが元で破滅した未来を変えるべく、
ペガサス を抹殺してデュエルモンスターズ自体の存在を消去しようと企むパラドックス相手に、
遊星、十代と夢の共演&共闘を果たしている。
ちなみに『5D's』本編では遊戯自体は出演や話題は無いものの、
この映画で遊星の時代においても伝説として語り継がれている事が明らかにされており、
遊星からも「さん」付けで呼ばれている。
この映画の物語は後の『5D's』本編にも大きく関わってくる。
+
原作最終話のその先へ
遊戯王シリーズ20周年記念作品である『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』にも登場。
本作は原作漫画最終話の後日談(時系列的には1年後)となっている。
それもあってアニメシリーズの要素は少し匂わせる程度に留まっている。
一方でルールはOCGに近い。また、アニメ媒体では初のライフ8000スタートが採用されている。
アテムは海馬の記憶から作られた、立体映像を利用した決闘にて登場。
あくまで記憶から再現されたものであるため、本人ではない。
主に劇中で登場するのは表遊戯。今作でも主人公の1人である。
原作最終話から1年が経ち、精神的に成長。顔つきもどこか精悍になっている。
プロのゲームクリエイターを目指し、将来的にはドイツの世界大会に挑む事を夢見ている。
デュエルの腕前は戦いの儀の頃からさらに向上している。
藍神の用いる特殊ルール「次元領域決闘」にもすぐに対応し、
自身のモンスターをあえて弱体化させる事でこのルール限定のループコンボを発動し勝利、
海馬との決闘においても複数のカードによるコンボを利用して強大なモンスターたちに対抗、
最後はかつての戦いの儀のように死者蘇生の発動を封じた戦法で実質勝利を収めた
(『実質』と表記したのは、海馬のライフが0になる前に決闘が中断したため)。
デュエル中に対話するなどして自身の意思を伝えるといった行動を取る事もあり、
しかもその行動を受けて相手がどう動くのかを計算に入れた上で戦術を構築する など、
そのプレイングは原作者をして「遊戯って鬼だな」と言わしめた。
最終戦となる、千年リングに残っていた邪念によって変貌した藍神
(その見た目から「星4悪魔族」などと形容される事もある)に仕掛けられた、
闇のゲームの次元領域決闘版こと「暗黒次元領域決闘」では海馬と組んで挑むも苦戦。
海馬が倒され、自身も力尽きかけるが、冥界より一時的にアテム本人が降臨 。
こちらでは台詞は一切なく、決闘においては遊戯とアテムが重なるような演出がなされていた。
事前に効果によって得ていたドローでマハードを引き、効果で召喚。
相手の最後のモンスターを打ち破り、勝利。千年リングを破壊し、因縁に終止符を打った。
その後、再び2人の遊戯は向かい合う。言葉こそなかったが2人は確かに通じ合い、
アテムは笑みを浮かべつつ帰還、遊戯もまた涙を見せず、アテムをしっかり見送った。
+
カードゲームではよくある事
不思議アイテムの力を借りてるとはいえ、創世神を呼び出したりと、
はっきり言って後付けとはいえゲームで勝負する漫画の主人公としては過大過ぎる設定及び能力な気がするが、
遊戯の後継者たる原作終了後も製作が続けられる続編シリーズの主人公達も、負けず劣らず物凄い事になっている。
3作目『
遊☆戯☆王5D's 』では流石に次元や宇宙規模ではなくなったものの、
バイク乗りながらデュエル とか、
一つのモンスターを召喚するのに
多くの人々の生贄が必要 だの
冥界の王 や新世界の神 だのと別ベクトルでヤバくなり、
さらにはデュエルするためのバイクと
合体 までする奴まで現れたり、果ては過剰なカード召喚が要因となり、
人類がほぼ全滅した破滅の未来になる という事態になる程に至った。
最終的には主人公の
不動遊星 が飛行可能になったバイクに乗って
生身で大気圏突破しつつ明鏡止水の境地を突破し全身金ピカになり 、
未来を変えるために発端となった永久機関ごと街を消そうとする人類最後の生き残りの未来人と死闘を繰り広げた。
4作目『遊☆戯☆王ZEXAL』では、主人公の九十九遊馬が
霊体のような相棒と合体変身して 鎧を装着した上に 、
カードをその場で創造しドローする、直前のデュエルで創造したカードをデュエル外で武器として実体化させる、 ドローした(つまり既に確定している)カードを書き換える、相棒を失った完全に生身の状態でカード創造をやってのける、 ついには復活した相棒と合体し世界そのものに展開されたリアルダメージ付きフィールド魔法を別空間で塗り替える と実に絶好調。
世界を創造し、現在・過去・未来の全てが記されあらゆる運命を決められるカードの存在が語られたり、
最終回では遊馬やガチ一般人のヒロインを含む仲間達が
何の説明もなく生身で空を飛んだり したが、
この頃にはもはや視聴者もその程度の展開は普通に受け入れていた。
それどころか終盤に登場人物の天城カイトが
宇宙で宇宙服を着ていた事を視聴者に突っ込まれる始末。 …何かがおかしい。
5作目『遊☆戯☆王ARC-V』では主人公である榊遊矢が、
第1話からカードを書き換えた上に新たにルールを創造する という前代未聞の事態を引き起こした。
また、遊矢が住む世界であるスタンダード次元と融合次元、シンクロ次元、エクシーズ次元の召喚法別に4つの次元が分かれており、
主人公である遊矢がその元凶の断片、つまりラスボスだった のである…。
6作目『遊☆戯☆王VRAINS』では、
「リンクヴレインズ」というネットワーク世界でアバターを用いてデュエルをする事が盛んになっているという設定で、
モンスターゾーンと魔法・トラップゾーンが3つの状態でデュエルを行うスピードデュエルと、
通常のデュエルであるマスタールールの2種類のルールがあるのだが、現時点ではスピードデュエルのみで条件が揃えば発動できる「スキル」が存在し、
主人公である藤木遊作(Playmaker)のスキル「ストームアクセス」は、
ライフポイントが1000以下になった時に、データストームという膨大なデータからランダムにリンクモンスターを手札に加えるという、
歴代の主人公のカード創造能力をスキルという形で再現している。
また、ストームアクセスで入手したデータであるリンクモンスターは、
ログアウトした後でもカードの状態で実体化し、以後のデュエルでも普通に使用可能。
むしろこんな連中がカードゲームで勝負しその結果に従う事が異常?
遊戯王だから仕方ない。
まぁ呪術的な物なのだろう。
元祖TCGである『
マジック:ザ・ギャザリング 』からしてカードデッキは「呪文の書そのもの」と言う設定である。
それこそ「カードゲーム以外では
核兵器 であろうとも倒す事は不可能」と言い切っている作品さえあるし、
真面目なオカルト漫画でさえ麻雀で殺し合いをした事がある
(
負ると落とし前を付けさせられる (前述の通り初期の『遊戯王』もそうだった)とかではなく、
「悪霊が「陰の手牌」を揃えると
体温を奪われて 凍え死ぬ」「退魔師が「陽の手牌」を揃えると悪霊が祓われる」
みたいに「麻雀牌で八卦図(魔法陣)を作って術を行使する」と言った感じで殺り合っていた)。
タロットカードを魔法の媒介に使う(間違っても
こう いう 使い方 ではない)というのも古典中の古典である。
+
……しかし昔どっかで聞いたような設定 ですな。
連載開始当初の『遊☆戯☆王』は怪奇物の雰囲気が強く、明らかに『三つ目がとおる』を意識していた節がある
(額に第三の目が浮かぶ、第1話で不良を廃人にするなど)。
ただ誤解なきように言っておくと、決して安易な設定のパクりなどでは無く、
気弱な少年から人格が変わり、悪漢を様々なゲームで仕置きしていく……というストーリーは『遊☆戯☆王』独自のものであった。
対する写楽は、世界征服を目論んでおり(ただし三つ目族である写楽には
当然の権利 だとか)お世辞にも正義の味方だとは言い難く、
マフィアと組もうとした挙句、決裂したら潰すなどもする(結果的に悪人を倒した事になるが)。
また『遊☆戯☆王』初期の悪人はエゴの暴走で自滅するパターンが多く、その意味では『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造の方が近かったり、
苛められっ子が一見して邪悪とも思える様に豹変しつつ家族や友人のために悪を裁いていくあたりは『魔太郎がくる!』の浦見魔太郎の影響も指摘される。
後年になってカードゲーム路線に転向したものの、作者含め、初期の頃の雰囲気に愛着がある読者も多い。
+
さらなる余談
今からすると信じられない話だが、カードゲームに移行する前の『遊戯王』の人気は低迷気味であった。
特にシャーディーの登場した辺りは打ち切り候補にも挙がる事があるほど低迷したとされており、
過去回で人気の高かった「マジック・アンド・ウィザーズ」を軸にする路線変更を行なった事でなんとか人気が回復。
その後はカードゲーム作品として世界中で人気を博したのはご存知の通りである。
これらについて、当時同誌で下ネタギャグ漫画「幕張」を連載中だった木多康昭氏は、
担当編集者の瓶子吉久氏(当時高橋氏の担当であり、後に編集長も務めた)に対して、
「駆け引きとか増やしたほうがいいよ!これとか参考にしてさ!」と、『賭博黙示録カイジ』の単行本を手渡したというエピソードを語っている。
……が、何故か参考にした結果は王国編における「スターチップと参加者の劣悪な待遇(羽蛾など大会の上位者は好待遇)」という部分であり、
「そこじゃねえだろ!」と呆れたという。
また木多氏は、講演会において「もしも幕張をやめなかったら、ブレイク前の遊戯王が終わってたかもしれない」とも語っている。
ただしこれらに関して木多氏以外からの証言は現状確認できないため、実際に氏の言動や去就がどの程度作品に影響したのかは不明。
ニコニコにおける武藤遊戯
「何勘違いしているんだ…!? まだ俺のバトルフェイズは終了していないZE!!」
ニコニコでは闇人格の遊戯は主に職業そのままに
「王様 」 、本名から
「ATM」 の愛称で呼ばれる。銀行の機械とは関係ない。
本来の遊戯も「AIBO」の愛称で呼ばれる。
こういう呼び名になっているのは、『遊☆戯☆王』のタイトルロゴの後ろに
「YU-GI-OH!」 という独特なアルファベットも綴られている事から。
『遊☆戯☆王』関係の動画のコメントには、半ば強引に☆やアルファベットを盛り込む事が定番となっている。
また前述の通り、初代遊戯の事を
「魔王 様」 と呼んで区別する向きもある。
ニコニコ動画のデュエル対戦MADなどでは、大体の場合──
AIBO>>>>>>>>魔王様>>>>>>>>>王様
といった強さで表現されている事が多い。
確かに王様も原作では常勝無敗なのだが、メンタル面での弱さが目立っているためだと思われる
(ニコニコでは豆腐メンタルなどと言われる事も)。
その点、常に威風堂々とした佇まいの魔王様、覚醒すると冷静沈着にデュエルを進めるAIBOの方が強く見えるのだろう。
ただし魔王様の頃は自ら仕掛ける闇のゲームの関係上と、ピンチの場面でも物語序盤のためか、
精神的に追い詰められる事はあまり無く、AIBOは上記の様に元々芯が強く、
『遊☆戯☆王』の登場人物ではメンタル面最強と言われているので、王様と比べるのは少し酷である。
そもそも原作でも王様は精神の弱さこそ指摘されているものの、どんな状況でも決して涙は見せないなど、
実際には王様は一般人よりも高い精神力を持っている。
こういった扱いをされる原因は、間違いなく王国編におけるアニメオリジナルデュエルと、ドーマ編で泣きまくった事が原因だろう。
更に言えばこのシーン等はニコニコではネタ扱いされているものの、
普通に見ればどんなに精神が強靭な人物でも泣きたくなる様な酷い目に遭っている。
あくまでアニメオリジナルや一つのネタでしかない、という点には留意しておくべきである。
「覚悟しろよ! この虫野郎!!」
「もっと腕にシルバー巻くとかさ!」
また『DM』第50話にて、
杏子 と一緒に登校しようとする遊戯(AIBO)から、
千年パズルを首から下げる服装は派手過ぎないか聞かれたATMが、
まだ地味すぎるからと「シルバー(ブレスレット)」を巻く事を提案した時のセリフから、
ATMはシルバーが好きという二次創作ネタが生まれ、上記のずっと俺のターン、
社長こと海馬瀬人のエネミーコントローラー、『DM』第200話での井上作画並に定番のネタとして定着した。
ただしAIBO自身は「ボクには似合わないよ」と断っている。
しかし、後に杏子とデートする際、そのアドバイスを覚えていたのかシルバーのブレスレットでめかしこむ事になる。
肝心の王様は「あいついまいちセンスないぜ」と無情にもバッサリ切り捨てていたが…。
「爆☆殺!」
表遊戯(AIBO)も表遊戯で、下記の動画が投稿された頃から「闇遊戯以上に鬼畜な存在」 としてニコニコ動画に君臨する事になる。
「闇遊戯はメンタル面が弱い」という二次設定(視聴者の印象)もこの頃から定着し始めたようだ。
+
まだ俺のネタ解説は終了してないZE!
ちなみに上記のバーサーカーソウル、PSPのゲーム『タッグフォース3』において、
ゲームオリジナルカードとして突如実装された。
OCGのルールに沿って多少効果の変更がなされているが、
「モンスター以外のカードを引くまでこの処理を繰り返す」という効果テキストが入っているので、
相手のライフポイントが0になってもカードをドローし、ダメージを与え続けなければならない
(たとえ相手のライフポイントが0であっても同時に自分の山札が無くなれば引き分けとなる)。
Vジャンプの攻略本でも「もはや伝説となったカード」 とまで書かれている。
ちなみにこの『タッグフォース』シリーズ、毎回流行のネタに便乗して登場人物に「人がゴミのよう」と言わせたり、
配信されたデッキレシピの名前が「
ポポポポーン 」や「
僕と契約して決闘者になってよ! 」だったりとフリーダムである。
デッキの内容も名前通り。
また、このゲームは続編である『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』のものだが、
その『GX』では『DM』のバーサーカーソウルの回を再放送した週に、『GX』での本放送でバーサーカーソウルの回同様、
魔法カードの効果で卑劣な手を使った敵に十代が怒りをぶつけるかの如く
オーバーキル を行った。
更に、『デュエルターミナル』においても闇遊戯が特定状況下で、
「まだ俺のバトルフェイズは終了してないぜ!」の台詞を言って速攻魔法を発動する模様。
いくらなんでも流行に便乗しすぎである。
そしてバーサーカーソウルの回の放送から10年が経過、アニメも5代目が始まる節目の年、
遂にバーサーカーソウルのOCG化が決定した。
『OCG』ではモンスターの連続攻撃ではなく、バーンに変更されている(恐らく直接攻撃で効果を発動できるモンスターとのコンボを防ぐため)。
アニメに比べてダメージが減っている他、回数制限が付いた。
ちなみに、OCGでは相手のライフが0になった時点でデュエルが終了するが、
TCG(海外版)では裁定が異なり、一連の処理が終わるまでデュエルが終了しないとされている
(つまり相手のライフが0になっても効果が終了するまでダメージを与え続ける)。
また『ARC-V』も
ニコニコチャンネル
にて毎週土曜日に配信されており、第1話と最新話が無料で視聴可能となっている。
攻撃の殆どがモンスターの召喚やカード効果を駆使した攻撃となっている。所謂要塞キャラで、中距離遠距離が強い。
近距離がやや苦手で、知属性かつ
体力低めなため打たれ弱い のが弱点。
必殺技 で三幻神を召喚して攻撃させるが、無敵時間が無いので途中で攻撃を喰らってしまう。
そして三幻神のランクが原作と逆になっており、
「オシリスの天空竜 > オベリスクの巨神兵 > ラーの翼神竜」 の順番に強い。
遊戯の使用頻度という点から考えればこの順になるのも仕方ないかもしれない。
そして実際の『遊戯王OCG』でもほぼこの序列になった
その他、一部のコマは
死者 蘇生 が使用可能であり、デッキ内の他のバトルキャラを復活させる事ができる。
とはいえ当然ながらデスマッチルールでは無効なため出番は少ないかも。
『
ボボボーボ・ボーボボ 』でボーボボのアフロから登場した事があるためか、彼とは互いに相性がいい。
『ジャンプスーパースターズ』ではスーパータッグ技「澤井版オシリスの天空竜」も存在した。
MUGENにおける武藤遊戯
+
樹(ju)氏製作
『JUS』仕様の遊戯にアレンジを加えたもの。
現在は2016年のフリーティケットシアター終了によるサイト消滅で入手不可。
原作再現 だが、4コマでの技しか搭載されておらず、死者蘇生はライフ回復・パワーゲージ満タンという仕様に変更されている。
更に、同じく『JUS』ドットの
キワミ を
ストライカー として呼び出す事ができる。
王様ボイスとAIBOボイスを選択できる他、
AI もデフォルトで実装済み。
+
GTFoxN6Y氏製作 Uno Yugi
MUGEN1.0以降 専用。
世界的有名カードゲーム『UNO』を使って戦う遊戯。
なんと声優・
花江夏樹氏のYouTubeチャンネルにて行われたUNO動画での小野賢章氏のボイスが使われている 。
AIは搭載されていない。
+
InSeph氏製作
『
JUS 』風
ドット を用いたMUGEN1.1専用の
ちびキャラ 。
手札を最大6枚までストックでき、カードに応じたモンスターやセットカードによって攻撃を行う。
カードが尽きてもドローで補充できるが、その間は隙だらけになる。
モンスターの攻撃は基本単発だが、「狂戦士の魂」使用時のみコンボ攻撃ができる。
「封印されし~」のモンスターだけ特殊で、使用しても攻撃判定は無いが、
5種類全部発動しきると
エクゾディア が出現して
即死攻撃 を放つ。
AIはデフォルトで搭載されている。
「俺の勝ちだ!!」
出場大会
出演ストーリー
*1
しかも一回は相手が
「お前が勝ったら死んでやる(意訳)」と自殺宣言 して遊戯が降伏した事による敗北で、
デュエル自体は勝利が確定していた。その相手とは他ならぬ
海馬瀬人 である。
ただし海馬のページにも書いてあるが、実際は海馬の勝利が確定していたのは有名。
*2
よって当然ながら我々の知る歴史上のファラオの名にアテムという人物は記録されていない。
設定上はエジプト第18王朝期のファラオであり、三千年前という事からも18王朝の末期にファラオになったと考えられる。
モデルとなったのは実在した悲劇の少年王ツタンカーメンであり、彼の在位時期もこの辺りとなっている
(尤も、近年の研究ではツタンカーメンは足に障害を持ちながらもステッキを手に活発に行動していたという説や、
戦車に乗って戦争を勝利に導いていたのではないかという説も提唱されており、
若年で亡くなった事を除けば、伝説化したほど悲劇的人物ではない可能性も出てきている)。
第18王朝はツタンカーメンが世継ぎを残さず早逝した事による混乱を経て、将軍ホルエムヘブが最終的にファラオとなって安定させたが、
ホルエムヘブもまた世継ぎを残さず崩御したため、彼の親友でもあった宰相ラムセス1世が即位した事により断絶、第19王朝が始まる。
このあたりももしかすると「友人であった神官セトが後を引き受けた」という流れのモチーフとなったのだろうか?
ちなみに有名なラムセス2世=
オジマンディアス はこのラムセス1世の孫にあたるため、もしかするとアテムの事も話には聞いていたかもしれない。
最終更新:2025年03月09日 00:46