ラスト


「何度くり返しても学ぶ事を知らない
 人間は愚かで悲しい生き物だわ」

漫画『鋼の錬金術師』の登場人物。
アニメの担当声優は2003年版が 佐藤ゆうこ 女史、『FA』版が 井上喜久子 女史。

同作の黒幕である「お父様」こと「フラスコの中の小人」が自身の感情を切り離して創り出したホムンクルスの一体で、
名が示す通り「色欲」(英語で書くと「Lust」で、「Rust(錆)」や「Last(最後)」では無い)の感情から作り出された。
外見はウェーブの黒髪と巨乳でナイスバディなプロポーションを持つセクシーな美女*1
冷静沈着な性格で謀略に長けており、ホムンクルス内では実質的な司令塔・行動隊長的なポジションに就き、
アメストリス各地を周りながら計画を遂行しており、その美貌と外見を活かして諜報を行っていた他、邪魔者の排除や牽制も行っていた。
第五研究所の戦いにおいて、初めてエドワードらの前に正体を現し牽制をかけたことで、
兄弟がホムンクルスの暗躍を知るきっかけとなった。

ホムンクルスに共通する賢者の石のストックが尽きない限り不死身の再生能力を持つ他、
固有能力として指先(正確には皮膚と一体化した手袋)を伸縮自在の鋭利な刃・棘に変える「最強の矛」という能力を持つ。
その威力は石はおろか鉄すらも容易く刺し穿つほどの貫通力を持つ。
ただし、ホムンクルスの能力である再生力を過信して防御や回避行動は行わない癖があり、劇中ではダメージを負う描写が多い。
また、上記の通り聡明で頭が切れ、序盤ではエルリック兄弟の旅の影で秘密裏に行動しながら、
用済みとなったコーネロを殺害したり、計画の支障となる傷の男の命を狙うなど暗躍した。
ただし、ヒューズを殺そうとして失敗したり、倒した敵の死亡確認をしないなど、
他のホムンクルス達と同じく人間を見下しているのが祟って優位な状況では詰めの甘さを幾度と無く見せており、
作中ではそれが命取りになってしまった。

+ 色欲の末路
エンヴィーがヒューズを殺害してから本格的に暗躍するロイ・マスタング達を牽制するため、
「ソラリス」と名乗って彼の部下ハボックに近付くも(彼が公私をしっかり分けるタイプだったため)成果は得られず、
更に逃走して彼らの協力者となっていたバリー・ザ・チョッパーを排除するため、その本来の肉体に小動物の魂を入れてけしかける自身の策を逆手に取られ、
拠点であった第三研究所を突き止められた上に侵入され、マスタング達と戦うこととなる。
マスタングとハボックに重傷を負わせ、マスタングの錬成陣入り手袋を破り捨て、
懐まで侵入したバリーを破壊し、アルフォンスとホークアイを追い詰めるが、
自分の血で錬成陣を描き錬金術を再度発動可能になった上に傷口を自力で焼き潰して復帰したマスタングの奇襲を受ける。
一度重傷を負わせ無力化したと思った相手が、自分達ホムンクルスのように再生するわけでもないのに、
こんな死ぬほどの苦痛を伴う止血を麻酔無しで行い戦線復帰してくるとは欠片も想定していなかったラストは、
対応が遅れて死ぬまで爆炎で焼かれ続けて賢者の石を消費し、それでも強引に焼かれながらマスタングを殺そうと迫るが、
寸前で賢者の石の再生能力を使い果たし、人の身でありながら自分に勝利したマスタングに敬意を表しつつ、
これからの彼の運命を哀れむかのような言葉を残しながら死亡。
ホムンクルス陣営における最初の脱落者となった。

ラストの死後、「お父様」は当然として腹芸ができるラース、プライドも外面のせいでおおっぴらに動けず、
他のホムンクルスはそもそも策謀とは無縁の気質なため、場当たり的な対処をしてはエドワードやマスタング達に出し抜かれるわ、
初期化したのに記憶を取り戻して再度敵対したグリードを終盤まで捕捉できずに後手に回るわと、
ホムンクルス陣営は何度も目立った失策を見せるようになる。
自身も詰めの甘さを何度か見せて早期退場したラストだが、この事から彼女が早々に脱落した一件がホムンクルスの大きな敗因の一つであり、
同時に自由に動けて頭も回るラストがホムンクルス内では行動隊長として非常に重要な存在だったと分かる。


MUGENにおけるラスト

Rogue CD氏による、『JUS』風ドットを用いたMUGEN1.0以降専用のちびキャラが公開中。
銀魂』の柳生十兵衛をベースにして作られたようで、高い近接戦性能やMOVESETに改変元の名残が見えるが、
性能は別物で地面から延ばした指で敵を刺す遠距離攻撃や色仕掛けで相手の動きを止めたり体力を回復させるなどの技を持つ。
超必殺技では相手を連続で切り裂く。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から

出場大会

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*1
見せ場であるマスタング戦のエピソードは、シリアス味を増やすためにギャグ描写は減らされているのだが、
マスタング及び彼女に騙されて交際していたハボックがラストと相対した際にその外見から、
「なるほどだまされる訳だ。お前ボイン好きだろ」「大好きっスボイン!」と会話する所だけは作者が担当に頼み込んで残している。
なお、ラストの着ている衣服(のように見える部分)は生来の体の一部なため「脱ぐ」事はできないのだとか。
彼女の豊かな胸元にはホムンクルスに共通する特徴である「ウロボロスの紋章」が刻まれているが、
紋章に関する情報は持っていた筈のハボックが気付けなかった辺り、二人はかなり清い交際をしていた事が窺い知れる。
色欲とは一体……


最終更新:2025年01月20日 22:37
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