「どうせ変身するならさぁ やっぱりムサいじいさんより
こういう若くてかわいい方がいいよね」
同作の黒幕である「お父様」ことフラスコの中の小人が
自身の感情を切り離して創り出した ホムンクルスの一体で、
その名の通り「嫉妬」の感情から4番目に作り出された。
ホムンクルスの中では最も感情が豊かかつかなりの饒舌だが、その性格はラストから「仲間内で一番えげつない」と称されるほどに残忍で狡猾。
人間という存在を「ゴミ虫」「虫けら」と見下し、人の醜さや弱さを嘲笑う外道であり、
作中序盤でマース・ヒューズを殺害し、終盤にて彼と親しかったエドワードやマスタングの反応に喜々としながらその死に様を語るなど、
ホムンクルスの中でも特に人間を見下している言動が目立つ。
それ故に自分が見下されることには敏感で、些細なことでもすぐに逆上するが、例外的に「お父様」には忠実。
一方で、その言動に反してプライドからは大雑把でガサツな性分をに叱責されている他、敵のブラフをあっさりと信じ込んで翻弄されたり、
危機的状況を脱する為に敵対関係にあるエドワードの要請を憎まれ口を叩きながらも受け入れたりと、
よく言えば素直、悪く言えば単純な性格でもある。
劇中の敵キャラの中ではスカーと並んでエルリック兄弟と交戦した数が多く、
ホムンクルスの中では最も腐れ縁となった存在である。
ホムンクルスに共通する賢者の石のストックが尽きない限り不死身の再生能力を持つ他、
固有能力として身体の変形能力を持つ。
これにより年齢・性別を問わず人間に変身できる他、犬や馬などの動物にも変身は可能で、
上腕のみを蛇にしたり、単純な構造であれば鎌などの無機物にも成れる。
ただしエンヴィー視覚で得た情報に左右されるため、ホクロが無いなど変身時に微細なミスが出る事もある。
これによりホムンクルスの中では情報収集や詐術を得意としており、
実在するアメストリス軍将校に化けたエンヴィーが故意にイシュヴァール人の子供を射殺し、
作品内の多くのキャラの人生を狂わせたイシュヴァールの内乱を引き起こしたのを始め、
この能力を生かして作中の様々な事件・出来事の裏で暗躍していた。
上記の方法で戦闘にも転用可能だが、敵の最愛の対象に化けるなどの精神攻撃も可能で、
ヒューズを殺害したのも彼の最愛の妻に擬態して動揺させて隙を突くという外道極まりない形であった。
そして、実は普段の少年の姿もこの能力による擬態に過ぎず、
真の姿は巨大な恐竜のような体の表面に無数の人の顔や体が生えたグロテスクな怪物。
戦闘能力は激増するが、見た目が醜いためエンヴィー自身はこの姿を好んでいない。
このため本来の性別は不明で、一人称もほぼ「このエンヴィー(様)」となっている。
ただし、体内の賢者の石の力が弱まり力の源である魂が枯渇すると、
エンヴィーの意思に関係無く強制的に8本足の小さなトカゲのような姿になる。
能力の応用か人にも寄生できるようだが、人間を嫌っているためかこの弱体化状態の時にしか使おうとしなかった。
また、リンの剣技を素手で捌きながらカウンターを決めるなど、素の戦闘技術も低くは無い。
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嫉妬の終焉(ネタバレ注意) |
終盤ではスカー達の策略で単独北部へ誘き出された挙句に、交戦の末に散々いたぶり蔑んできたマルコーに賢者の石を破壊されて敗北。
弱体化形態となりシン国皇帝への献上品として捕らわれるが、言葉巧みにシン国へ戻ろうとするメイを唆して中央へ向かう。
そこで運よく不死の兵を自身に取り込んで元の姿に戻るが、同時に偶然居合わせたエドや ロイ・マスタングと接触。
彼らの前で自身がヒューズを殺した真犯人である事や、目の前で彼の妻のグレイシアに変身してその卑劣な殺害手口を明かし、
憤慨するマスタング達の反応を嘲笑うが、動揺を誘うどころかその場にいた者達のほぼ全員からの怒りを買う事となり、
完全にブチキレたマスタングの錬金術でボロクズ同然に焼かれてしまう。
マスタングが人柱候補になり得る存在でありながら彼を殺しかねない真の姿で襲おうとするが、
巨体になったせいで逆に攻撃を当てやすくなっただけで不利になり、
変身能力でヒューズに変身してマスタングの動揺を誘おうとするも、ますます彼の怒りを煽る事になり失敗。
ならばとマスタングに変身してリザ・ホークアイ中尉を襲おうとしても見破られ、
彼女を返り討ちにする事には成功するも更に痛め付けようとした瞬間にマスタングに焼かれるなど、
あの手この手で人間の弱さに付け込む攻撃を仕掛けたものの、ことごとく蹂躙される羽目に。
爆炎攻撃は自滅しかねない至近距離では行使できないという弱点を突こうと接近しても、
皮肉にも自身が引き起こしたイシュヴァールの内乱での戦闘経験からマスタングに眼球だけを精密に爆撃されて通用せず、
結局再び賢者の石のストックが無くなり弱体化形態になってしまう。
しかし、同時にヒューズの件で復讐鬼となりかけていたマスタングは、身を案じたエド達の説得で落ち着きを取り戻すが、
そんな彼らをエンヴィーは嘲笑し、自分の所業を棚に上げてスカーやエド達の間にある因縁を蒸し返しながら同士討ちするように誘導する
(イシュヴァールの内乱で多数のスカーの同胞を殺したマスタングのみならず、
リザもまたスカーの同胞を多く殺害(「鷹の目」の二つ名はこの時に得た)しており、
スカーはエドの幼馴染であるウィンリィの両親を殺害した張本人、そのスカーはエルリック兄弟が交流を持ちキメラ化された少女を殺した)。
……が、そんなことは端から承知の上で共闘していた彼らは動揺はおろか迷いも葛藤も見せることは無く、
憎んで泣いて殺し殺された者同士が憎しみを捨てて仲良く手を繋いで協力している事、
長い歴史の中でホムンクルス達に騙され踊らされてきたはずの、愚かな下等生物の人間と見下してきた彼らを思い通りにできないという目の前の現実に、
逆上しながら「なんでだ!」と連呼するエンヴィーに、エドは静かに告げる。
エンヴィーの本心は人間に嫉妬しているのだと。
ホムンクルスよりずっと弱い存在のはずなのに、叩かれても、へこたれても、道を外れても、倒れそうになっても、綺麗事だとわかってても、
何度でも立ち向かい、時には周りが立ち上がらせてくれる。
人間を終始見下し嫌う言動ばかり取っていたエンヴィーの態度は、こうした自分達ホムンクルスには無い人間の強さに対する妬みの裏返しだったのである。
そしてこれらを言い放つエドの表情は敵や仲間の仇を見るものではなく、心底哀れなものを見る目であった。
その事実を指摘されたエンヴィーは、よりにもよって人間の中でも特にクソガキと見なしていたエドに自分の本心を理解されて憐れまれた屈辱と、
にもかかわらず生まれて初めて理解者を得て、長年自分を苦悩させてきた嫉妬心が解消してしまった事への歓喜がごちゃ混ぜになった涙を流しながら、
直前までしぶとく狙っていたエドの体を乗っ取るチャンスを捨てて、自ら核であった自身の賢者の石を剥がして自害してしまった。
その最期を看取ったマスタングはヒューズの仇討ちをさせずに逝った彼を「卑怯者め」と罵るも、やるせない表情を浮かべるのだった。
「こんなガキに理解されるなんて…っ!!!」
「屈辱の極みだよ…」
「バイバイ」
「エドワード エルリック……………」
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「その女房を刺そうっての?」
「いい演出だろう? ヒューズ中佐」
MUGENにおけるエンヴィー
Rogue CD氏による、『
JUS』風
ドットを用いた
MUGEN1.0以降専用の
ちびキャラが公開中。
犬に変身して突進したり、身体の一部を地面から伸ばして攻撃する技を使って戦う他、
美女に変身して色仕掛けを行い敵の動きを止めるなどコミカルな技も持つ。
超必殺技では真の姿と化して攻撃する。
AIもデフォルトで搭載されている。
出場大会
最終更新:2024年09月03日 17:03