バリー・ザ・チョッパー


「オレは生きた人間の肉をぶった斬るのが大好きだ!!
 殺しが好きで好きでたまんねェ!!」

「我殺す故に我在り!!

 オレがオレである証明なんざそれだけで充分さァ!!!」

漫画『鋼の錬金術師』の登場人物。麦わらの一味船医とは無関係。
作中では「死刑囚ナンバー66」とも呼ばれている。
アニメの担当声優は2003年版が 伊藤健太郎 氏、『FA』版が 梅津秀行 氏。
梅津氏ボイス集(『ハガモバ』)

かつて23人もの犠牲者を出し、アメストリスのセントラルを震え上がらせた連続猟奇殺人犯。
元は肉屋だったが、動物の肉を切り分けるうちに包丁を振るうことに快感を感じるようになり、
やがて妻を惨殺しその後も夜な夜な町に出歩いては辻斬りを行ってた快楽殺人鬼である。
表向きは死刑判決を受けた事になっていたが、ホムンクルス達の手引きで死刑を免れる代わりに、
アルフォンスと同じ原理で魂を鎧に定着され、スライサーという死刑囚と共に元第五研究所の番人となっていた。
ただし当人は好きな人殺しができるから従っていただけで、ホムンクルス達に恩義も忠誠心も持っていなかったが。

人体錬成の謎を追って第五研究所に潜入したエルリック兄弟と対決。
冒頭の台詞の通り「我殺す故に我在り!!」と殺人に生き甲斐を見出しているため、鎧に定着された自分の存在を一切疑っておらず、
逆にアルフォンスに対して「エドワード・エルリックの弟という人格を植え付けられた架空の存在ではないか?」と疑問を突き付け、
彼を動揺させて戦いを有利に運んだ他、その後しばらく兄弟間の不和を招く要因となった。
その場での戦いはエルリック兄弟の援護にロス少尉とブロッシュ軍曹が駆け付けたこともあって決着がつかず、
第五研究所の爆破によって有耶無耶のまま終わった。

以後の運命は、原作完結以前に制作された03年版アニメ、原作とで大きく異なる。

+ 03年アニメ版(ネタバレ注意)
生前の殺人鬼時代に、女装をしてアメストリス軍に精肉を搬入している姿が描かれた。
素顔も痩身の優男だが、女装時はかなりの美女で、声まで 石津彩 女史に変わっている。
本作では元ネタであるジャック・ザ・リッパーに近い女性専門の殺人性癖者として設定されており、
ウィンリィをターゲットとしたことでエドワードと対決、その機械鎧を破壊するなど生前からの恐るべき戦闘力が描写された。

鎧に魂を定着された後は、第五研究所の警備役以外にも軍の命令で暗殺を行っており、
指示に従って自ら第五研究所を破壊して隠蔽工作を行った後も軍部の命令を受け、様々な工作を行うべく暗躍。
最終的にはイシュヴァール難民虐殺任務に従事中、アジトに乗り込んできた傷の男によって破壊され死亡した。

+ 原作版(ネタバレ注意)
原作版では03年アニメ版とは大きく異なる運命を辿る。
ホムンクルスによる第五研究所隠蔽の爆破に巻き込まれながらも生還を果たし、脱走。
その後は市街に潜んで殺人鬼稼業を再開したが、襲いかかったホークアイ中尉に返り討ちに遭って一目惚れ。
そして、彼女に馴れ馴れしく絡もうとしているのを見たマスタングはガチで消し炭にしようとしていた
以後そのまま東方司令部に居付き、あろうことかエルリック兄弟の協力者の一人になる
様々な情報提供の他、ヒューズ中将殺害の濡れ衣を着せられたロス少尉(と、不法入国がバレて投獄されていたリン・ヤオ)の救出などで活躍していたが、
自身の生前の肉体を刺客として送り込まれた事を逆手にとって敵の拠点を突き止めで
エルリック兄弟と共に第三研究所跡地に潜入した際、ラストと遭遇。
生前の妻にそっくりだからという理由で襲いかかるも、一瞬で全身をバラバラにされて脱落した。

この時点ではまだ魂を定着させた血の刻印は無傷だったため、行動不能ながらも死んではいなかったのだが、
抜け殻となった元の自分の肉体に襲われ、かつての自分自身の手で刻印を破壊されたことにより、完全に消滅した。
偶然襲われたようにも見えるが、元の肉体はそれが何かを分かっていて破壊に及んだため、ある種の自殺とも言える。

こちらでは03年アニメ版と異なり、「肉を解体すること」に悦びを覚えて殺人鬼になった事が強調されており、
攻撃する際に部位を叫んだり、自店の肉を不味いと言ったから殺した相手がいたりと、より「殺人肉屋」となっている。
またディフォルメされたシルエットでしか出てこない生前の姿も、恰幅の良い男性といったデザインになっている。
愛用の肉切り包丁はその後ゴリウスダリウスに拾われ、人形兵戦で彼の武器として活躍した。

本作では端役として登場しながらも数奇な運命を辿って活躍する事になるキャラが何人もいるが、彼もまたその一人で、
第五研究所でスライサー兄弟と共に消滅する予定だったのを作者の直感によって生存ルートに変更され、このような結末になったのだとか。
また、アルフォンスに自分の存在に疑念を抱かせたり、その後の協力者としての活躍といった部分の他、
魂が鎧という本来の肉体でない場所に無理やり定着させられた現状は「拒絶反応」という限界がいつか訪れる。
つまりそのままだとやがて器と魂の定着が維持できずに突発的に死んでしまい、しかもいつその時が来るかは誰にも分からない、
いわば「時限爆弾付きの身体」であるとアルフォンスに教えたのは彼であり、
中盤であっさりと退場してしまうキャラクターながら、作劇的に彼が果たした役割は大きい。

ちなみに奥さんがラストにそっくりな絶世の美女だったのはマジだそうな。

武器としては主に肉切り包丁を使用する。
鎧の体になった後も快楽殺人鬼としての嗜好を失っておらず、むしろ殺人鬼であることを誇りにすら考えているが
(自分が殺した被害者達の情報も名前だけでなく日付や殺した際の状況などの詳細まで正確に記憶している)、
狂気的な言動とは裏腹に巧みに心理戦を行ったり、電話にて相手の反応から盗聴を警戒していることを察して、
相手の話に合わせてアドリブで女喋りして正体を隠すなど頭は悪くない
(下記の台詞はその際のものだが、アニメ版では残念ながらカットされてしまっている)。
器となった鎧の名前は「スカルヘッド」という名前で、アルフォンスの器となった鎧「オーガヘッド」と同じ職人の作品という設定がある。


「やーんごめんなさーい
 バーニーちょっとマスタングさんとお話ししたかっただけなの

 ふたりの将来にかかわる大事なお・は・な・し♡」


MUGENにおけるバリー・ザ・チョッパー

Rogue CD氏による、『JUS』風ドットを用いたMUGEN1.0以降専用のちびキャラが公開中。
包丁を振り回す近接戦が得意な性能となっているが、斬撃を飛ばす飛び道具も持つ。
超必殺技では相手を二本の包丁で連続で斬り付ける。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から

出場大会

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最終更新:2025年07月23日 07:00
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