グリード


「『ありえない』なんて事はありえない
 今 お前の目の前にいるのがそれ(・・)だ」

漫画『鋼の錬金術師』の登場人物。由来は所謂「七つの大罪」の一つである「Greed(強欲)」。
なお『仮面ライダーOOO』に登場する怪人は「Greeed」(「e」が一つ多いが元ネタは同じであり、錬金術で生み出された存在である事も同じ)。
ロッキー』のライバル(『3』以降は親友)はリードなので注意。
アニメの担当声優は2003年版が 諏訪部順一 氏、『FA』版が 中村悠一 氏。

同作の黒幕である「お父様」ことフラスコの中の小人が自身の感情を切り離して創り出したホムンクルスの一体で、
その名の通り「強欲」の感情から作り出された。
その出自を体現するかのように「この世の全てが欲しい」といって憚らない正に強欲な男だが、
その一方で嘘はつかない」「女には暴力を振るわない」「自分の物は全力で守り抜くという矜持を持ち、
ホムンクルスの中ではある意味最も人間味のある性格をしている。
そのため、「自分の欲はここじゃ満たされない」という理由から本編より120年前からお父様の元を去り、
その後、軍の実験で合成獣となった元兵士達や世間のはみ出し者達を集めて自由奔放に生きていた
(なお、この部下達も全員がグリード的には「自分の物」だが、先述の矜持もあってか関係は極めて良好である)。
本編時点では永遠の命を得る方法を模索しており、その過程で鎧に魂を定着させたアルフォンス・エルリックに目を付け、
エルリック兄弟と接点を持つ事になる。

当初はチンピラめいた青年の姿をしていたが(通称「初代」)、キング・ブラッドレイ率いる軍に捕まり、「お父様」の要請を拒否した事で初期化された。
中盤でホムンクルスのアジトへ侵入したリン・ヤオにお父様が「強欲」の賢者の石を注入した事で、
人間ベースのホムンクルスとして復活した(通称「二代目」、二人合わせて「グリリン」とも)。
復活間もないころは記憶を失っておりお父様にも忠実であったが、
リンの意識も完全には消せず、一つの肉体に二つの意識が同居しているような状態であった。
そんな中で、ホムンクルス達の施設に迷い込んだかつての部下ビドーに再会した際、
記憶が無いままかつての仲間を手にかけてしまった衝撃と、リンの叱責を鍵刺激として記憶が復活。
その勢いのままホムンクルス達から離反する。
その後、逃亡の最中にエドワード・エルリック達と再会してからは行動を共にし、
エドワードと共にお父様とホムンクルス達の計画を阻止するべく戦った。

ホムンクルスに共通する賢者の石のストックが尽きない限り不死身の再生能力を持つ他、
固有能力として体内の炭素の結合度を変化させる事ができ、
これにより表皮を硬化させる「最強の盾」と呼ばれる能力を持つ
ダイヤモンド並に硬化された身体の防御力もさる事ながら、その硬度故に攻撃でも絶大な破壊力を発揮できるが、
全身硬化すると『名探偵コナン』の犯人のような全身真っ黒の姿(当人曰く「」)になるため、全身硬化はあまり好んでいない。

また、相手が錬金術師かつ体術に長けた存在の場合、結合の度合いを変化させられる事で能力を無効化されてしまうという弱点がある。
もっとも、エドワードのように練成陣を使わず練成できる錬金術師でも無ければ実行は難しいのだが。
加えて再生と硬化は同時に行えず、硬化にも若干時間がかかるため、
再生中に反応を上回る速度で連続で攻撃を受けると為す術が無くなる。
二代目として復活して以来主導権はグリードが握っていたが、
記憶を取り戻して以降から戦況に応じて戦闘技量に長けたリンと人格を交代させて戦うようになった。

+ 強欲の行く末(ネタバレ注意)
日蝕による国土練成陣後、神の力を得た「お父様」を見て、
あの力を手に入れれば世界を自分のものにできると喜ぶグリードだったが、
ホーエンハイムのカウンターにより賢者の石のエネルギーを不足したまま神の力を抑える羽目になった「お父様」に、
潤沢な賢者の石のストックとして狙われる
(この時点で他のホムンクルスは無力化されたプライドを除いて全員死亡している)。
そんな中でも賢者の石を補充させないという打算ではなく、純粋な仲間意識から自身と共闘するエドワードや、
彼と共に人知を超えた神の力を行使する「お父様」相手に臆する事無く肩を並べて立ち向かう人間達を見て、
自分が最も欲していたものは世界でもこの世の全てでもなく、このような苦楽を共にする「仲間」だったと悟る。

「もうわかってるんだろう グリード」
「お前が欲してやまなかったのは"あれ"なんかじゃなイ」

「ああ そうだ 俺が欲しかったのは

     こいつらみたいな仲間だったんだ」

しかし、ついに限界寸前となった「お父様」の悪足掻きでリンと共に吸収されそうになる。
もともと「お父様」から生まれてきた身であるため「お父様」に引っ張られる力の方が遥かに強く、
身体からグリードを引き止めようとするリンの魂まで一緒に引き摺り込まれかけたが、
グリードの制止も聞かずに抵抗するリンを前に「一緒に戦おうぜ、相棒」と信条を破って最初で最後の嘘をつき、
その言葉に油断したリンを不意打ちで強引に精神世界から引き離し、分離する形で「お父様」に吸収される。
そして、グリードは「遅めの反抗期」と称しつつ炭素結合度操作能力を駆使し、
同化した「お父様」の身体を脆い鉛筆の芯のようなボロ炭に変え続けるという自爆同然の手段で内部から「お父様」を消耗させ続けた。
最終的に激昂した「お父様」によって、自らの命である賢者の石と切り離され意識の消滅が決定的となるが、
欲しかったものは全て手に入れていたと自覚し、欲望は既に満たされていたと理解していた強欲の化身は、
魂で繋がれた友のために自身の命を手放し使い潰す事すらも惜しむ事は無かったのである。
そして、リン達に向けて穏やかな笑顔を遺したまま、儚く消滅していくのだった……。

「…ったく。 チビもリンも
ずいぶん俺様になめた態度とってくれたもんだ……」

「十分だ あぁ もう十分だ
   なんも要らねぇや がっはっは… じゃあな」

「魂の…… 友よ」


MUGENにおけるグリード

Rogue CD氏による、『JUS』風ドットを用いたMUGEN1.0以降専用のちびキャラが公開中。
外見は初代準拠で、硬化した爪や手刀によるインファイトをメインにして戦う性能をしている。
また、硬化して一時的に無敵になる技もあり、消費するゲージの数だけ無敵時間は伸びる(途中解除も可能)。
超必殺技では全身硬化して飛び掛かる。
AIもデフォルトで搭載されている。
DLは下記の動画から


「俺は強欲だからよ 金も欲しい!女も欲しい!
            地位も! 名誉も!! この世の全てが欲しい!!」

出場大会

  • 「[大会] [グリード]」をタグに含むページは1つもありません。


最終更新:2025年01月18日 19:31