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※注意 この項目には『FGO』のネタバレしかありません |
第一部の最期の特異点の物語である7章『絶対魔獣戦線バビロニア』のラスボス。
伝承において、メソポタミアの神々は真水であるアプスー、塩水であるティアマトから生み出されたとされ、
その後、子供である神々は原父アプスーに反旗を翻し世界の支配権を獲得するが、
夫への愛より子供達への愛が勝っていたティアマトは子供達の行為を穏やかに容認した。
しかし、神々は母であるティアマトにさえ剣を向け、ティアマトは嘆き、狂い、新しい子供として十一の魔獣を産みだしてこれと戦うが、
戦いの末、ティアマトと十一の魔獣は敗れた。神々は彼女の死体を二つに裂き、天と地を造り、これを人界創世の儀式としたとされる。
しかし型月世界にてこの伝承は完全な噓ではないものの本質を突いていない。
型月世界のティアマト神とは生命を生み出す「原初の海」、
つまり、まだ惑星に生態系が確立されていなかった原初の時代に生命を生み出した土壌そのものである。
しかし、それは同時にティアマトという神性は呼吸するかのようにランダムに「生命」を生み出す存在であるという意味で、
だからこそ生命体が星に準じた知性を獲得して生態系が確立した後は、この神性はもはや全自動ブラックバス放流装置のような、
既存の生態系を破壊する邪魔者でしかなくなり、並行世界でもなければ、一枚の敷物の下にある旧世界にでさえない、
世界の裏側──生命がおらず生まれることもない虚数世界に追放されてしまったのである。
ティアマトが自分の意志で新たな生命体の誕生を止めることは不可能。それは人に対して呼吸しないままでいろと言っているのと同義である。
故に世界は善悪抜きにしてティアマトを拒絶しなければならず、そしてティアマトは抵抗して殺し合った。
憎悪ではなく、ただ両方に「分かり合えない」「共存できない」摂理があったが故に。
かくして虚数世界に追放されたティアマトだが帰還を諦めることはなく、
そして第一部の黒幕であるゲーティアの手で帰還に成功した彼女は、
現存の生命体である人類を一掃した後、新生命体達の母へと返り咲こうと試みた。
7章に登場したティアマトは人格らしきものは確認できない。
理想をなくしたのか、はじめから理性がないのか、どちらともとれる。
しかしどちらにせよ、この彼女は「母」という存在を極めて単調化したシステムのようなもので、
ただ子供を産み、育て、愛でる事だけを存在意義としており、しかし、これを否定されたために人類を排除しようとする「脅威」でしかなく、
それは用済みとして捨てられた恨み・憎しみ・悲しみや、自分の脅威を除こうとする防衛本能もあるが、
何よりもう一度地球の生態系を塗り替え、全ての母に返り咲く「喜び」に耽るために殲滅の道を選んだ生きた大災害に他ならない。
以上の本性を以って彼女のクラスは決定された。創世の神など偽りの名。
其は人間が置き去りにした、人類史に最も拒絶された大災害。母から離れ、楽園を去った罪から生まれた最も古い悪。
冠位の守護者グランドサーヴァント七騎を以てしか対抗できない人理を喰らう獣のクラスの一角、
「回帰」の理を持つ人類悪「ビーストII」である。
その力は第一部の他の特異点に登場した他のラスボス達全員を遥かに凌駕しており、
封印状態のファム・ファタール時でも保有する魔力量は七つ分の聖杯を上回る超々々級魔力炉心と比較することさえままならず、
この時点で水爆に匹敵する魔力の行使を可能とし、ペルシア湾に居ながらにしてウルクを吹き飛ばすことが出来る程。
また、体内には膨大な生命原種が貯蔵されており、あらゆる眷属をほぼ無尽蔵に生み出すことができる。
作中では黒泥「ケイオスタイド」から1億を超えるサーヴァントに匹敵する怪物「ラフム」を生み出しており、
中でもティアマト直属の11体のベル・ラフムは、個としては魔神柱すら上回る魔力を持っている。
自己改造、個体増殖、生体融合と様々な権能を持つが、何より強力なのが「塩基契約(アミノギアス)」で、
ティアマトの発生させるケイオスタイドに触れた生命体を侵食し、細胞クラスでの意思束縛が結ばれ、強制的に自身の眷属としてしまう。
さらに、人類悪に共通するスキル「単独顕現」の効果で時間移動を用いたタイムパラドクス等の攻撃は無効化し、
加えてあらゆる即死系攻撃をキャンセルしてしまう。
何よりティアマトの特性において最も特筆すべきは、ティアマトは存在全てが生命の源そのものであるため「死」という概念を持たず、
同時にティアマトが全生命の母という事自体が「地球上に生きている生命体がいる」という理屈で逆説的に彼女の存在を証明してしまう事にある
(人類が存在する→なら人類や生命の起源であるティアマトが存在するはず→ならティアマトが死ぬ=「存在しない」状態はおかしい→人がいる限り不死身)。
総評して1騎で世界を滅ぼせる攻撃力、無尽蔵に戦力を生み出せる創造能力、普通の環境下では絶対殺せない不死性を備え、
型月のボスキャラにありがちな「普通では勝てない相手だけど突かれたら格下相手でも負けてしまう特定の弱点」が一切無い、
全く付け入る隙が見当たらない理不尽すぎる敵で、Dr.ロマンの分析結果に対してあの ギルガメッシュすら「ええい貴様ティアマトの太鼓持ちか!」
と思わず八つ当たり気味に怒鳴ってしまう程であった。
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第一部以降のティアマト |
『Fate/GrandOrderArcade』では別霊基「ラーヴァ/ティアマト」として実装された。
カルデアにより、討伐され再び眠りについていたが、ビーストⅥ/Sの存在を感知。「自分の負けが無駄になるのは気に入らない」という理由で、
自らの幼体として作り出したアルターエゴを「黙示記録帯」へと送り出した。
通常のアルターエゴは、核となる「サーヴァントの断片」が欠けた部分を何らかの形で補って成立する存在だが、
ティアマトの場合はオリジナルが規格外のため、断片だけでもサーヴァントとして成立してしまっている。
アーケード版とのコラボイベント『螺旋証明世界 リリムハーロット』ではイベントに先駆ける形で実装された。
やはりクラスはアルターエゴ。
宝具は自我を保ったまま一時的にビースト本来の姿に回帰する「毅き仔よ、創世の理に抗え(ナンム・ドゥルアンキ)」。
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MUGENにおけるティアマト
N氏の製作した『
JUS』風
ドットを用いた
MUGEN1.0以降専用の
ちびキャラが某所で公開中。
見た目はビースト時のファム・ファタール準拠で髪で隠されてはいるがきわどいので注意。
アーケード版のような光弾やビーム主体で戦うキャラとなっており、超必殺技では全画面攻撃を放つ。
AIもデフォルトで搭載されている。
上記の他にも、francis-zabi氏によるものも存在する。
出場大会
最終更新:2025年06月30日 10:18