しあわせウサギのオズワルド

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世界的に有名なクリエイターであるウォルト・ディズニー氏らによって生み出されたウサギのキャラクター。カーネフェルを使う方はこちら
無論、持ち主にサンドバッグ代わりにされ続けた結果怪異の一種と化したウサギのぬいぐるみでもない
「オズワルド・ザ・ラッキーラビット」とも。デビュー作は「トロリー・トラブルズ」。
後のディズニー社の体制、そして後に世界的に有名となるキャラクターの誕生に関わった存在である。


経歴

まだウォルト氏の名前が有名になる前の時期、ディズニー社のアニメに登場する猫のキャラ「ジュリアス」が「フィリックスパクリ」と抗議を受けた際、
ジュリアスに代わるキャラとしてオズワルドは生み出された。
ウォルト氏の卓越した演出とアブ・アイワークス氏のコミカルな作画により、オズワルドは公開直後から人気を博した。
しかし、人気が高まるにつれ、配給元であるユニバーサルとウォルト氏の間で、ギャラとライセンスの所有権について対立が起こる。
ユニバーサルはギャラの値下げを拒否されるや否や、
「オズワルドの権利がディズニー側ではなく、当時ディズニーとユニバーサル社の間を取り持っていたミンツ氏とユニバーサル側に存在する」
という契約だったのを盾に、制作者であるはずのディズニー社からオズワルドの制作権利を取り上げてしまう
さらに、ディズニー社の作画スタッフに引き抜き工作を仕掛け、残念な事に多くのスタッフがこれに応じてしまい、
ディズニー社に残ったのは、アイワークス氏と作画に関わっていない僅かなスタッフのみとなってしまった
(ユニバーサルの手段は当時から見ても悪質だったが、ウォルト氏も儲けはスタッフのギャラに回さず全て作品の質の向上に注ぐなど、問題はあった)。

かくして、人気キャラのライセンスと優秀な作画スタッフを得たユニバーサルだったが、予想に反してオズワルドの人気は低下していった。
それは、オズワルドを支えた中核となっていたウォルト氏とアイワークス氏という柱を失った事で作風が少なからず変化したのも原因の1つだが、
オズワルドを失いながらも諦めなかったウォルト氏とアイワークス氏が苦心の末に生み出し、後に世界的に有名となるキャラクター………
即ち、ミッキーマウスという最大最強の競争相手が誕生したためだった。
その後、オズワルドはランツ主導の元でデザインや作風の改変が繰り返され旧来のファンからも失望を買い、
さらにユニバーサルオリジナルのウッディー・ウッドペッカーなどの他のドル箱が誕生した事で、遂に制作が途絶えてしまった。

以上のように、オズワルドはミッキーの兄とも言えるキャラクターでありながら、制作サイドの諍いに振り回された悲劇の存在として知られている。
また、ウォルト氏はオズワルドを奪われた屈辱を生涯忘れず、ディズニー社が厳格な権利管理体制を敷く原因となった。
どこかで歯車が違っていたら、現在ディズニー社の「顔」となっていたのは、ミッキーではなく彼だったのかもしれない。
ところが2006年、どうしてもディズニー社の名物アメフトアナウンサーが欲しかったユニバーサル・ピクチャーズとの取引によって、
遂にディズニーの手元に版権が返還され、ようやくオズワルドをディズニーキャラとして使用できるようになった。
ただしディズニー社は恨みを忘れたり捨てたわけではなく、『カールじいさんの空飛ぶ家』では明らかにミンツ氏がモデルと思しきヴィランが登場してたりする*1

そして2010年、Wii用ソフト『エピックミッキー~ミッキーマウスと魔法の筆~』にて、
約80年ぶりにディズニー作品への登場が実現した。
英語版の声はフランク・ウェルカー氏が担当している。

前述のような経緯から、本来なら自分が得るはずだった人気を奪った、弟同然の存在であるミッキーマウスに対して非常に鬱屈した思いを募らせている…
という認識がファンの間では広まっていたが、公式も同様の見解を持っていたのか、
同作では「イレーザーの災い」などにより人々に忘れられてしまい、自身の人気を奪ったミッキーマウスを敵視するキャラとして描かれている。
無論これは、最終的に和解して感動的なエンディングに至るための前フリである。

日本でも『エピックミッキー2』のローカライズにおいて、初めて日本の声優があてがわれているが、
キャストの個別のクレジットが存在しないため、誰が声を担当したのかは定かではない。
なお、アニメやゲーム作品以外であればこれ以前にもユニバーサル時代に、
オズワルドとのタイアップ商品「オズちゃんランドセル」というランドセルのCMで出演している。
こちらのCMでは 野沢雅子 女史が声を担当した。ランツ時代のデザインだけど

余談だが、ウォルト氏が手掛けた26作品のうち7作品がフィルムが現存しておらず視聴不可とされていたが、
その内の1つである「ネックンネック」の不完全版のフィルムが2018年に日本国内で発見されるという出来事があった。


MUGENにおけるオズワルド

Crow Sar氏の製作したキャラが公開中。
当然と言うかなんというかディズニー版のデザインのドットで作られている。
ウサギらしく機動力が高く近接攻撃が得意だが、
超必殺技では、大量の兎を呼び出す、ミサイルを降り注がせるなどの弾幕技を多く持つ。
また、キーブレードを用いた近接攻撃も存在する。
AIも搭載されている他、ややサイズが大きめのキャラも別途公開されている。
旧バージョン
DLは下記の動画から

現在、ディズニーは非営利の二次創作には寛容な態度を取っているが、
節度とマナーを守ってMUGENキャラを使用しよう。

出場大会

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*1
老冒険家チャールズ・F・マンツ(Charles F Muntz)。
主人公であるカールじいさんが幼少期から憧れていた伝説的な冒険家なのだが、
幻の鳥を探しに秘境へ行ったきり消息不明になり、老境に達したカールじいさんが秘境に辿り着いた際に対面。
70年もの間、秘境でずっと幻の鳥を探し続けていた事が明らかになった。
当初はカールじいさんと意気投合するものの、カールじいさんが幻の鳥を見つけた事を知ると、それを横取りしようと襲いかかってくる。
さらに彼の拠点には秘境を訪れた多くの冒険家達の私物が飾られているため、これまでも何人も殺害していた模様。
「亡き愛妻と過ごした家を秘境に運ぶ」事に何よりも固執して他の全てを蔑ろにしてきたカールじいさんと、
「幻の鳥を捕まえる」事に何もかもを捧げて他の全てを犠牲にしてきたマンツは鏡写しの存在となっており、
マンツの姿を通して自分を顧みたカールじいさんは、愛妻の思い出を胸に、新たに出会った仲間達を守るため奮闘する事になる。
名前の綴りがチャールズ・ミンツ(Charles Mintz)とほぼ同じ、深く落ち窪んだ目つきなどがそこはかとなく似ている顔立ち、
そして作中でのその立ち回りなどから、ミンツ氏をモデルとしているのではないかと言われている。
ただウォルト氏自身は(もちろん内心複雑な思いはあったにせよ)ミンツ氏に対して、
「アニメーションに対して高度な品質基準を保ち続けていた」と一定の評価をしている。
だからまあ、カールじいさんの憧れの冒険家だったって設定も尚更匂わせになっちゃうんですよね


最終更新:2025年07月26日 11:52