力丸


「悪意の芽、残さじ」

第一作(壱)、『弐』、『4』をアクワイア、『参』、『紅』、『千乱』を有限会社K2が開発したステルス忍者アクションゲーム『天誅』シリーズの登場人物。
「りきまる」と読む。このキャラとかの声優さんではない
シリーズの殆どの作品で主人公の一人を務める。
声優は 大川透 氏(少年時代が舞台の『弐』では 坪井智浩 氏、『4』のみ 小山力也 氏)。

戦国時代の日本を舞台に、作中の架空の国である「郷田藩」に仕える「東忍流(あずましのびりゅう)忍者」の若き頭目として活動する忍者。
主君である名君・郷田松之信(ごうだ まつのしん)に忠誠を誓っており、彼から下される命令に従って領内の悪者を成敗する。
師匠に東紫雲斎(あずま しうんさい)、兄弟子に龍丸(たつまる)、妹弟子に彩女(あやめ)がいる。忍犬の蝉丸(せみまる)も存在。

『天誅』シリーズの時系列は、『弐』→『壱』→『紅』→『参』→『4』の順となっている。
力丸は第一作から長らく代表的な主人公を務めているものの、舞台を郷田の外へと移した外伝的作品である『紅』のみ登場しない。
これは『壱』のラストの展開、およびそこから繋がる『参』との間の時期を描いた物語であるため
(軽いネタバレであるが、この時期力丸は郷田どころか現世にすら不在であった)。*1

+ 『天誅』シリーズ概要
『天誅』シリーズは、正面から敵地に突っ込んで無双する事をせず、
「敵から身を隠しながらこっそり潜入し、(地味な)忍具や忍術を駆使して任務を遂行する」というゲーム性が高い人気を博した
(派手な忍具もあるにはあるが、あくまで一度クリアした後に入手できるご褒美的な扱いであり、初期状態だと本当に地味。
 「五色米」なんてアイテムを忍者の本来の使用用途としてマジで導入した忍者ゲームは前代未聞であった)。
また、相手に気付かれていない状態で接近して攻撃することで敵を一撃必殺する「必殺(忍殺)」というシステムも本作の特徴である
(基本的に敵は雑魚の一人一人に至るまで異様にガードが固く、正面から切り結ぼうとすると苦戦必至であるため、
 ボス等のイベント戦を除いては極力プレイヤーの存在が発覚しないよう隠密に徹し、必殺を駆使して進む必要がある。
 ここが同時期の戦国ゲームである『鬼武者』等と違う点であり、力業での突破を許さない独特のゲーム性を確立していた。
 なお、死角からの不意打ちで一撃必殺するアクション(所謂ステルスキル)はSIREN等にも搭載されていたが、
 天誅のそれは相手をロックして専用の演出で行うという点で斬新であり、しかもその種類も豊富だった)。
メタルギアソリッド』シリーズなどと並ぶスニーキングアクションゲームの代表格であり、
なおかつ「本格的立体忍者アクション」の元祖でもある
(忍者ゲーム自体は『忍者龍剣伝』や『ストライダー飛竜』を始め古くから沢山世に出ていたが、
 いずれも2Dゲームが主流であり、しかも逃げ隠れする必要は無かった)。

第一作の開発当時は世の中に3D空間を好き放題に動き回れるゲームというものが(特に日本には)まだ少なく、
開発陣は当初このゲームが世の中に広く受け入れられるかどうか不安だったというが、
実際のところはニンジャ大好きな海外市場を中心にバカ売れしたことで大好評を博し、
結果シリーズ中いくつかの作品は海外でのウケを重視して作られるまでになった。
比較的歴史の浅い弱小企業であったアクワイアを一躍急成長させた、偉大なゲームであると言えよう。

……なお、変わったバグやわざと仕込んだデバッグ機能によるシュールな現象、独特な演出面といった部分でも有名であり、
一部の界隈ではそっち方面でも人気がある
(イベントシーンを地雷で台無しにしたり、死ぬ間際の敵がグロいを通り越して笑えるレベルの血を噴き出しながら長々と喋ったり)。
あと彩女=サンの尻
下記の『忍道』にもそれは受け継がれており、ごく一部の進行不能な凶悪バグ以外は概ねネタとして好意的に受け入れられている。

精神的続編(姉妹編)と言えるオリジナルのゲーム作品として、
スパイク(現:スパイク・チュンソフト)発売、アクワイア開発の『忍道』シリーズ、
発売、開発共にフロム・ソフトウェア及びアクティビジョンの『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』も発売されている。

開発や販売、権利所有の会社がコロコロ変わっており、版権の変遷が激しい作品でもある。*2
ちなみに『こちら葛飾区亀有公園前派出所』において両津勘吉と大原部長がプレイした事もある。

TAS動画
MAD


MUGENにおける力丸

Roks氏の製作した手描きドットの力丸と、その改変版が確認されている。

+ Roks氏製作
  • Roks氏製作
同氏のMFGフォーラムにて公開されていたが、現在はリンク切れにより入手不可。
ボイスは海外版の英語音声を使っているようだ。
原作での主武装である忍者刀「十六夜(いざよい)」を手に、原作での各種アクションを使いこなして戦う。
通常技はパンチとキックが三段階。
基本システムは二段ジャンプ、ランとバックステップ、前転や後転があり、原作を反映して空中斬りやレバー後ろ斬りなども搭載している。
また必殺技には強化版のEX技が搭載されている。

独自のシステムとして戦闘開始前にアイテム選択が搭載されている。
 弓矢・十字手裏剣・癇癪玉(爆弾)・煙玉・地雷・力命丹(攻撃力を上げる薬)
以上六種類の中から一種類ずつ二つ選べる(組み合わせは限定されている)。
選んだアイテムは無制限に使用可能。なおEX技ではアイテムの性能や種類が変わる(弓矢→火矢、地雷→トラバサミ、など)。

+ 技紹介
  • 投げ
肩車
柔道などの技で、相手を肩に担ぎ上げて投げるというもの

  • 必殺技
ショルダータックル
『天誅参』での奥義「螺轟」。EX技はワイヤーダメージ効果あり
壁跳び蹴り
『天誅参』の奥義「裏旋」
回転斬り>跳爪
『天誅参』の奥義。回転斬りヒット後に吹き飛んだ相手を鉤縄を投げて引き寄せる。引き寄せた後は一部の技で追撃可能。

火龍の術・結界の札
どちらも『天誅参』に登場するアイテムを用いた忍術。
いずれも発生は遅いが長い無敵時間があり、なおかつ発動前まで時間が停止する効果があるため引きつければまず当たる。
「火龍の術」は強判定・高威力。対空向き。
「結界の札」は発動すると魔方陣を出現させて範囲内の相手を硬直させる効果がある。(その間は殴り放題で、相手の浮力も消す)
八方手裏剣
苦無を複数同時に投げる。原作では地面に水平に放射状に投げるのだが、MUGENは2D格闘であるため縦に放射状に投げる。
紫電
『天誅参』の最終奥義。
片手で円を描くとその軌跡に九字護身法の呪文(臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前)が浮かび上がり、そのまま相手へと突進、
鳩尾辺りに十六夜をブッ刺し、エネルギーを充填させてから勢いよく引き抜き、相手に背中を向けた格好で決めポーズを取る。
すると相手には雷が落ちたかのような衝撃が走り倒れる…というもの。
見た目・演出共に非常に格好良く、正に必殺技といった趣き。
事実原作では発覚状態で忍殺が通用しない相手も問答無用で倒せる一撃必殺技であり、ラスボスすらも瞬殺できたりする
(ただし一人の敵にしか当たらないためタイマン専用技)。
使い続けるうちにだんだんアレ(一欠)に見えてくるかもしれない
MUGENではただの大ダメージ技にアレンジされているが、発生の遅さに見合った威力を誇る。
発生の遅さ故に単発だと当てづらいが、そこは煙玉や結界の札といったアイテムで補助しよう(原作でもそうである)。
演出もほぼ完璧に原作を再現している。使用後に体力が1になる点も原作同様。

原作を象徴する「必殺(忍殺)」システムは残念ながら再現されていないが、そこは格ゲーだから仕方が無いと言った所か。
デフォルトのAIは搭載されていないが、ホルン氏による外部AIが公開されている。
AI起動時は全てのアイテムを使い放題になるのでイントロ時のアイテム選択は飾りと化す。
小パンチがkfm仕様とのことであり、小パンチループだけで永久コンボが可能。設定でon/offが可能なのでご心配なく。
各種アイテム(忍具)を駆使したテクニカルな間接攻撃と十六夜によるコンボを巧みに使いこなし、実力は強キャラ相当。
MUGEN界の名立たる忍者達とも十分に渡り合えるだろう。
プレイヤー操作。お相手はMouser氏のハンゾウ

+ Duraceller氏製作
  • Duraceller氏製作
上記の力丸をDuraceller氏独自の『KOF』風仕様に改変したもの。
アイテム選択などの特殊システムやEX技の削除、「回転斬り>跳爪」が超必殺技に昇格、紫電使用後の反動が無いといったアレンジが施されている。
ただしReadmeの類が付属していないため、各種コマンドはcmdファイルを開いて確認する必要がある。
なお、氏のキャラ全般に言える事だが、LIFEの初期値が1500と高めに設定されている他、
専用アドオン前提と言う事なのか、大ポトレがやけくそ気味にデカいので注意。
AIは未搭載。
紹介動画(公開先へのリンク有り)

出場大会

更新停止中


*1
余談になるが、『紅』は力丸がいない事以外でも他シリーズと一風異なった独特の作風となっており、
忍者モノというよりは『必殺シリーズ』のような“始末屋”という仕事人を描く物語となっている。
殿様の命を受けて悪人を成敗するのではなく、市井の依頼人から料金を受け取って恨みを晴らすというコンセプトであり、
言わば雇われの殺し屋による復讐代行のようなものなので、主君の権威の下で行われる勧善懲悪劇とは雰囲気が全く異なる
(本編のもう一人の主人公である彩女も、登場はするものの役割はメイン主人公である凛の助太刀に徹しており、
 活躍度合いの割に自己主張は少ない)。

*2
『天誅』は元々アクワイアが企画したアクワイアオリジナルのタイトルだが、
ソニー・ミュージックエンターテインメント(SME)が開発費を捻出する代わりに版権を買い取るという契約を持ちかけ、
当時資金に困っていたアクワイアは承諾。日本ではSME、海外ではアクティビジョンが発売元を担い『天誅』シリーズが展開された。
しかし、『弐』の開発途中にSMEがゲーム部門の撤廃を決定し、
アクワイアは権利を買い戻そうとしたが、SMEから高額な取得費用を提示され、断念。
今度はアクティビジョンに開発の資金協力を請い、日本と海外とで権利を分け合う事とした。
ところが、国内版『弐』の販売準備段階にまで来ていた2000年春頃、突如SMEが『天誅』の版権をそのアクティビジョンに譲渡
この権利売却は既に決定事項だったため、アクワイアにはどうする事もできず、
泣く泣くアクティビジョンに売り上げの著作権料を支払う形で国内版『弐』を同年11月30日に発売。
その後もアクワイアは当時『天誅』の版権を保有していたアクティビジョンと交渉を続けたもののまとまらず、
これを以て『天誅』シリーズは一時アクワイアの手から離れる事となった。
『参』以後は開発をK2、日本での発売をフロム・ソフトウェアが担当する体制が続き、
『紅』発売直前の2004年7月5日にフロムがアクティビジョンから版権を取得。
そして『4』にてアクワイアが開発元として久々に『天誅』に携わる事となった。
ちなみに、フロムが版権を取得した後の作品である『紅』『忍大全』の海外発売はセガが担当している。

(以上、Wikipedia、「立体忍者活劇 天誅総合データベース~隠陽の書~・天誅参 版権問題について」より)


最終更新:2025年01月22日 03:41