オディ・オブライト


「俺はヤツらにきっちりと刺してやったよ‥‥
 止めをな!」

旧スクウェアのSFC用RPG『ライブ・ア・ライブ』の現代編(キャラデザイン:皆川亮二)におけるラスボス
リメイク版での担当声優は 銀河万丈 氏。
作中の異種格闘技界において最強の格闘家を目指すため、人の心を捨て魔人となった男
敗北者には死を」を信条としており、同じく最強を目指す主人公・高原日勝に敗北した格闘家達を全員殺害。
最後に高原に勝負を挑んでくる。

上半身裸で肩と背中に刺青をしており、通常画面の2頭身ドット絵でも大きく表現されているほどの巨漢。
また公式イラストでは数珠を持っており、リメイク版でも名前を名乗る前のメッセージ欄に「破戒僧の男」と表記されている事から、
「最強」に取り憑かれた殺人鬼となる前は仏門の人間だったのではないかと思われる。

元ネタは「殺人風車」の異名を持つ実在の巨漢プロレスラー「ゲーリー・オブライト」だと思われる。
ただしゲーリー氏はハゲていないし、殺人風車というのもあくまで比喩である。
ちなみに元ネタの綴りは「Gary Albright」だが、Lは読まないためオルブライトにはならない。「of Light」でもない。

戦闘中の名前表記は苗字が略されて「オディー・O」。何故か伸ばし棒付き。続けて読むと……。
なお、最終編では高原が彼の石像を見て「オ オブライト! オディ・オブライトじゃねえか!」と言っているので、
表記ゆれの範囲でどちらでもいいのかもしれない。ややこしいので本項では基本的に苗字のオブライトで記す。

また、戦闘前の彼と高原との掛け合いは非常にアツいと評判。
+ 全文
「手ぬるいぞ 高原 日勝‥‥あの程度のザコに勝ち
 ヤツらの技を得て 最強になったつもりだろうが‥‥
 それは お前だけではない‥‥俺はヤツらにきっちりと刺してやったよ‥‥
 止めをな!
 甘っちょろいガキのナムキャット‥‥
 見せかけだけのルチャ野郎。
 関節技だけのハン。
 所詮ウドの大木のイアウケアに
 道化にすぎんマックス‥‥
 そしてあの森部とかいう老いぼれ‥‥
 どいつも己の弱さ故に死んでいったのだ。お前の名を残してな。
 倒した者の命を絶てずして‥‥真の勝利などない‥‥!
 ‥‥俺か‥‥?
 俺こそが『最強』‥‥オディ・オブライトだ!!」

「‥‥てめえ‥‥
 てめえのやってる事は格闘技じゃない‥‥
 ただの殺りくだ!
 ナムキャットの足技‥‥グレート・エイジャの飛び技‥‥
 ハンの関節技 ジャッキーの力‥‥
 モーガンのパワー。森部のじーさんの奥技が!
 そして‥‥

      この俺の怒りがッ!てめえをブッ潰す!!」

近未来編の「なあ‥‥そうだろ 松ッ!」に並んで、『LIVE・A・LIVE』全編を通しての名台詞に挙げるファンは多い。
が、「殺戮」の「戮」がひらがなだったり、ジャッキーの「力」とモーガンの「パワー」で被ってたり、
「奥義」を間違えて「奥技」と言ったりしているのは気にしてはいけない

知力25だからしょうがない*1

なお、皆川亮二氏が時田貴司氏に宛てたサイン色紙に高原とオブライトを描いているが、
何故か穏やかな微笑で高原と背中を合わせており、なんだか主人公の頼れる相棒キャラにしか見えないと評判。



原作中の性能

オブライトは高原とは違い格闘家達の技をそのまま真似るのではなく、それを独自にアレンジしたオリジナル技を使う。そっちの方が主人公らしくね?
どの技も威力が非常に高く、「アクロDDO」「デスズサイズ」を喰らえば2発、アクロDDOは下手をすると1発で死亡する。
攻撃一辺倒という訳ではなく、「テリブルシャウト」で自身を回復させる能力も持つ。
高原はオブライトの技をラーニングする事はできない。
ちなみにこの試合のみ負けてもコンティニューのカウントダウン画面が現れ、何度でもコンティニューが可能。
リメイク版では「MEGALOMANIA」の流れるタイミングが変わっているが、コンティニュー時はSFC版と同じく戦闘画面から流れるようになる。


+ オブライトの使用技一覧
アクロDDO
攻撃範囲は真正面の1マスのみとかなり狭いが、高威力+麻痺のかなり恐ろしい技。食らうとほぼ敗北確定。
ただし、オブライトの正面にさえ立たなければ一切使われずに済むので、慣れたプレイヤーならばこの技を見る事はない。
逆に最終編でオブライトを使用した場合はこの技を連発するだけで勝てる。
元ネタからDDOは「デンジャラス・ドライバー・オブライト」の略と思われる。
デスズサイズ
1~2ヒットする蹴りを放つ。ダメージがそこそこ大きい上に、オブライトの周囲に接近していると、どの向きでも使ってくる。
このため何の策も無く下手に近寄れば、あっさりと敗北を招く。一応C.H.ホールドで自動反撃もできるが焼け石に水。
テリブルシャウト
「ウォー!」という叫びと共に体力を少し回復。高原の気合いためとほぼ同等。
回復量も同じく少なめだが、何度も使われると試合が長引くため面倒な技。
骨法鉄砲
遠くから敵に突進する技。範囲はあびせげりと同じだが、骨法とは名ばかりでショボい威力な上に追加効果も全く無い。
オブライトの技の中で一番弱いため、距離を離してわざとこれを出させつつ遠くから攻めるのがセオリーになっている。

+ 実はこの4つだけではなく…(※ネタ)
てめえのやってる事は格闘技じゃねえ‥‥

+ で、実際苦戦するかというと…
高原は特定の技を受ける事でその技を習得する能力を持っており、その中に「あびせげり」という技がある。
この技は、遠距離からのとび蹴りで相手の向きを変えるという特性があるのだが、
このゲームは「敵は1ターンに移動(方向転換含む)と攻撃を同時に行えない」というシステムのため、
「あびせげりで攻撃範囲外の向きにオブライトを向かせる→オブライトがこちらを向く→あびせげりで(ry」で上記二つの技を完封できてしまったりする。
たまにミスしたり向きが変わらない時があった場合、遠距離技「骨法鉄砲」をしかけてくるが威力は低く、そのまま競り負けてしまうのだ。
ずっとあびせげりのターン!
システムが敵に回ってしまった、何とも不遇なボスである。
尤も、あびせげりはやや覚えにくい部類の技なのだが、じゃあそれがなければ苦戦するかというと、
その場合は、相手の全ての能力を4分の1または0にする上に重ね掛けできる「通打」を1~2回使用してから、
モーガンから覚えられる「Gスープレックス」をかければ、ほぼ確実にオブライトは麻痺。
後は、通打→Gスープレックスと交互に使い続ける事で、麻痺から回復できないまま、これまたオブライトは封殺されてしまう。
ただし、その場合うっかり斜め下に立ってアクロDDOを喰らわないようにしなければならない。
逆に言うと他の技をちゃんと習得してても上記の二つを覚えていなければ大幅に勝率が下がる
というか、大概のボスは通打の前に丸裸にされてしまう。本格的に装備・レベルが充実してくる最終編ではさらに猛威を振るう。
ぶっちゃけ、高原の存在意義は主に通打。
何せ通打があればタイマンでラスボスに初期レベルで勝てたりするという、正に公式チートな技だが、まぁスクウェアだしなとも言えるか…。
なお、通打とあびせげりはどちらも骨法使い・森部生士からラーニングできる
したがって、オブライトとの戦いを前述の台詞を借りて表現するとこんな感じになる。

「森部のじーさんの奥技…森部のじーさんの奥技…森部のじーさんの奥技…
 森部のじーさんの奥技…森部のじーさんの奥技。森部のじーさんの奥技が!
 そして…森部のじーさんの奥技がッ!てめえをブッつぶす!!」
まあ「Gスープレックス」のモーガンのパワーと、「気合ため」の回復によるこの俺の怒りは入るかもしれない
ドロー!あびせげり!ドロー!あびせげり!(26:52~)

まぁ、正面から戦えば、前述のように高威力でマヒ効果を持つ技があるモーガンのパワーと、
反撃技(=持ってれば自動で出る)も兼ねて相手の行動を制限する効果もあるハンの関節技、
回復技があるこの俺の怒りは、有効な技として候補に挙がるのだが……。
このように森部生士は習得技が突出して高性能な事、高原の作中での台詞から「 森部のじーさん 」の愛称でファンから親しまれている。
そんな森部のじーさんを「森部とかいうジジイ」などと強いとか弱いとか関係無いただの悪口で呼んだ挙句、
「骨法鉄砲」なんて訳が分からない上にショボい技しか編み出せなかったオブライトは、全く見る目が無いと言わざるを得ない。
そしてこのじーさんのお陰で他の格闘家の影が薄い…。まぁ、技が死に技なだけで、格闘家としてはキャラは立っている、はず

オブライトを擁護する意見としては、森部の名を最後に上げていることからそれなりに実力者として評価していることが窺え、
「技の切れや実力はガチだったのだが、年老いている(ジジイである)故に衰えがあり最強とは呼べなかった」とするものがある。
功夫編の心山拳老師と似たようなものか。
リメイク版では「ジジイ」が「老いぼれ」に変更されたことで、より加齢による弱体化という面が強調されるようになっている。
骨法から作り上げた技が微妙な件は、森部(と他の格闘家)は高原にオブライトを倒させるために、
敢えて奥義を封印して戦い、その対策を立てられないようにしたのではと推察されることも。
ちなみに「鉄砲」は相撲の突っ張りの稽古に使われる用語なので、恐らくは森部とイアウケアの技の融合で編み出したのではないかと言われている。

リメイク版では通打に強烈な調整が入った事で若干落ち着いたが、あびせハメは健在のため、やっぱりあまり苦戦はしないようになっている。
敵のゲージが可視化される仕様になったので行動妨害もしやすい、というのも拍車を掛けている。漸く「ジャッキーの力」や「ハンの関節技」の出番である
また、この時だけ高原が技の持ち主である強敵へ呼びかけるアツい専用ボイスが出ることがあるので、全員の技を試したくなるようになっている。

「楽しもうか‥‥殺し合いを‥‥!」

ちなみに実際の通打(掌底)とあびせ蹴りはこんな技

なお、かなりのやり込みが必要だが、技を一切ラーニングせず高原の怒り(初期技)のみで勝利する事も一応可能。


「理解したか‥‥?
 『最強』とは 人の命をも奪えるかどうかで
 決まるのだ‥‥!!」


MUGENにおけるオディ・オブライト

IF氏によるものが存在していたが、現在は入手不可。
ディスプレイネームは原作準拠で「ODIE O」となっている。
同氏のライブアライブボスと同じく、背景・BGMが原作と同じものになり、自身の移動はマス目単位で行う(BGMはON・OFFの設定が可能)。
モーションも原作と同じく1枚絵(上向きも含むと2枚だが)が動くだけなので、見た目だけで動きを見切るのは難しいが、
技名が画面上部に表記されるので問題は無いと思われる。
技は原作の4つ+αだが、どれもガード不能かつ全身に攻撃判定が発生する。
さらにハイパーアーマー持ちで、敵の攻撃を一定確率で無効化(「ミス!」と表示)する
同氏の御出居隠呼大仏ほど鬼畜ではないが、攻撃判定も広い。
また、高原日勝と戦わせると原作まんまのイベントが発生する。『LAL』ファンは必見。
AIは搭載されていないが、適当に動かれるだけでも強い。

+ 技解説
アクロDDO(x)
原作で出せなかった鬱憤を晴らすがごとく、敵がどこにいようとロックして飛んでいく。
ただしジャンプして着地した瞬間にしか攻撃判定が発生しないので、すぐにダッシュすれば避けられる。
デスズサイズ(a)
自分の周囲全方位に攻撃判定が発生。やはり接近しないと当たらないが、原作同様時々2ヒットする。
骨法鉄砲(y)
アクロDDOと同じく、敵の位置にロックして突進。隙はアクロDDOに比べて小さいが、そのぶん威力でやや劣る。
テリブルシャウト(b)
自分の体力を回復。アーマーはそのままなので、出せば必ず回復する
対抗するには、硬直中に回復量を上回るダメージを浴びせるしかない。
アルゴスの瞳(c+z)
同氏のオディワン・リー対戦時専用。リーが最後に使った技をラーニングして使う。一度に使えるのは直近の1つのみ。
元ネタは原作そのものではなく、幻想入り作品「 東方魔王譚 」でオブライトとリーが戦うシーンより引用。
ちなみに原作ではプレイヤー用の攻撃アイテムであり、効果も「石化にらみ」で全く異なる。

どの技も1回1回のモーションが長いが、喰らった敵の硬直時間も異様に長いので、当てさえすれば問題ない。
高機動にまかせて動き回るAIや、ちびキャラ相手にはデスズサイズ中心で。


「‥‥ フ‥‥ こ‥‥これから始まるのだ‥‥
 本当の最強への道は‥‥
 ‥‥次から次へと‥‥ 俺の様なヤツが現れる‥‥
 最強のためには 自らの命すらいとわぬ‥‥
 ‥‥俺や‥‥お前の様なヤツらがな‥‥

 ‥‥ それでもお前は‥‥ 人間で‥‥いられるか‥‥な‥‥?」

出場大会

  • 「[大会] [オディ・オブライト]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
「殺りく」という表記に関しては、殺戮の「戮」の字が常用漢字ではない事もあり、
読みやすさ等の点からあえて「殺りく」とする場合も少なくない(PC等でも単語として変換可能)。
また、SFCの解像度では上手くフォントが作成できなかったという事も十分に考えられる。事実、同様の理由で簡略化されている漢字がいくつか存在する。
さらに容量の面を考えると使い道としては「殺戮」という単語にしか使えない「戮」をわざわざ用意するほどのものかという問題もあり、
この変換について高原だけを責めるのは酷というものだろう。
リメイク版では使える文字の数が増加したので、殺戮はきちんと変換されるようになっている。
リメイクでも何故か「まっ殺」がそのままだった知性Dもいるのに
また「奥技」については功夫編でも一律同じように表記されている上にリメイク版でも変更されなかったので、
本作における表記としてはこれが正解と解釈するプレイヤーもいる模様。
辞書的な「奥義」がコツや真髄といった概念的な物を指す言葉であるのに対し、本作における「奥技」はいずれも特定の技である事から、
原義を尊重して意図的に表記を変えている可能性もある。

なお「力」「パワー」が被っている件は、ディレクター兼シナリオの時田貴司氏によると当時はノリで台詞を書いていたために素で気付かず通してしまったらしく、
リメイク版でもファンサービスとして敢えて残されている。
ちなみに英語では「Jackie's strength」「Max's determination」と区別されている。
前者はそのまま「ジャッキーの力」。後者は多義語なので解釈が難しいが、
マックスのキャラ的に「マックスの熱血」ないし「マックスのアツさ」と言った所だろう。


最終更新:2023年11月03日 20:40