「かわいそうに‥‥君には このすばらしさがわからんのか‥‥
人間と人間が 一つにとけ合い‥‥
身も心も分かち合えるのですよ!
憎しみも‥‥争いもない すばらしい世界‥‥
それを得るためには 汚らわしい肉体など捨てねばならんのだッ!」
スーパーファミコンでスクウェアから発売されたRPG『LIVE A LIVE』の近未来編(キャラデザイン:
島本和彦)に登場する
ラスボス。
「
おでお インコだいぶつ」と読む。通称「おインコ様」。
なお、原作での戦闘中の名前は単に
「隠呼大仏」とだけ表記されている。
リメイク版では「大仏」が引っかかったのか
「大隠呼像」へ変更された。
*1
普段はインコだらけの御出居寺の裏の池に鎮座しているただの
変な大仏だが、
クライマックスで「御出居様」がこの大仏に降臨して動き出し、
主人公・田所アキラの操る巨大ロボ・ブリキ大王と戦うことになる。
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事の顛末(ネタバレ注意) |
液体人間── 陸軍が極秘に開発していた新兵器の動力源である。
その名の通り人間を液体化したものであり、わずかに残った人間の精神力が非常に強力なエネルギー源となる。
アキラは父親を殺した暴走族「クルセイダーズ」との戦いの末その極秘兵器に接触するが、
黒幕・陸軍総帥ヤマザキ、御出居寺の住職・雲龍、科学者・ 生きているのにシンデルマン(※「シンデルマン」はドイツに普通に存在する名字)の3名の、
「すべての人間を液体人間にし、争いのない世界を作る」という野望を知ってしまい、
クルセイダーズを背後で操っていた陸軍は彼を消すために侵攻を始める。
陸軍の野望を打ち砕くため、アキラとその仲間達は 古代バビロニアの生んだ巨大ロボット「ブリキ大王」の出撃を試みるが、
起動には多大な(それこそ液体人間が必要になる程の)エネルギーか、人間の意志による念力が必要だった。
液体人間を使うわけにはいかず、しかしアキラの超能力では何度も失敗するという状況の中、
マタンゴ( 怪しいキノコ。作中の描写から、興奮剤の類と思われる)によって精神力を強引に増幅させた昭和の漢、
無法松が起動に成功し、襲撃を受けたアキラ達を火事の現場から救出するも、副作用によって絶命する。
今際の際に彼はアキラに自分と、そしてアキラの父親の過去を伝え、
その意志を受け継いだアキラは、全身全霊の念力によってブリキ大王を再び起動させる。
そして黒幕達の待つ御出居寺に鎮座していたのが、この隠呼大仏である。
寺の裏池に溜まった2000人分の液体人間とインコ達の血肉、寺の住職・雲龍の祈祷が、大仏像を最終兵器として起動させたのだった
(ページ下部の台詞は、この際の雲龍のものである)。
彼らはあくまで自分達の行動を「 救済」 であると主張したが、アキラの心は決まっていた。
「ざけんなよ‥‥そんなカッコに ならなくてもな‥‥
一つにはなれんだよ! なあ‥‥」
从从从从从从从从从 <そうだろ 松ッ!> 从从从从从从从从/
最終決戦
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ネタ込みでもおkという方はこちらをどうぞ
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原作中の性能
2000人分の液体化された人間の精神力で動く大仏というグロい設定とは裏腹に、結構可愛い見た目をしている。
しかし、「液体人間呪縛」という間違いなく液体人間を使用した攻撃があったりする。さりげなくグロい。
その他のわざとしては「けるる~しょうわ」「けるる~きっく」など仏教的だったり鳥的だったりな攻撃をしてくる。
平仮名表記なのがまた可愛らしい。
しかしこの時アキラは強力なバビロニアンロボット「ブリキ大王」に乗り込んで戦うため、普通に戦っていれば全く苦戦しない。
……というか、7回くらい何も考えずバベルノンキックするだけでゴゴゴ……とか音を立てながら死ぬ。
ちなみにもう1つ「ナム~の後光」(リメイク版では「後光」)というブリキ大王に大きなダメージを与える強力な技も持っているのだが、
本来は反撃専用技である上に、対応技が隠呼大仏には効果の薄いハロゲンレーザーなので、滅多に見ることはないだろう。
ただしプレイヤーが最終編で隠呼大仏を操作する際は使用制限が解除されているため、思う存分連発可能。
もし近未来編でもこれを連発できる仕様になっていればもっと強敵だったであろう。
本作はRPGとしてはかなり細かく腕を使う技、足を使う技と言った技の細かな区分があり、
大仏様の攻撃には腕技、足技を封印するものがある。
普通のケースでは関節技等を使用すると封じる事ができ、
格ゲーやってる現代編ではそれなりに活躍する。
このため、攻撃を受けると高威力のバベルノンキックや、連発技のメタルヒットなどがどんどん使用不可能になっていく事が多い。
これはつまり、
ロボットモノの最終決戦でお約束である、
主人公メカが壊れて武装を失っていくシーンが再現可能ということである!
……実際には高威力の攻撃が封じられても負ける要素は無いので単にめんどいだけだが、分かる人は盛り上がれる展開である。
リメイク版の戦闘シーンでは画面の下にヤマザキ(CV:玄田哲章)、シンデルマン(CV:中尾隆聖)、雲龍(CV:千葉繁)がおり、
豪華声優陣が演じる彼らが戦闘ボイスを発している。
ちなみに、発売後2年経って『
新世紀エヴァンゲリオン』でも液体人間、
ひいては「全人類の液体化および融合による苦難からの救済」という概念が登場したが、
この種のアイデアの嚆矢はグレッグ・ベアのSF小説『ブラッドミュージック』であるとされており、
両作品共にこちらがアイデアの源泉であると思われる。
さらに、2013年になってから近未来編のシナリオ担当者の井上氏によって、
近未来編インコ大仏の後ろの額に書かれてる文字はオーム。
半年後
オウム真理教の事件が起こって、ポアされるんじゃないかとヒヤヒヤした。【豆知識】
という衝撃の事実が明かされた。
実際、
原始編キャラデザイン担当の小林よしのり氏もオウム批判が原因で何度も暗殺されかけたと言われているので笑い事ではない。
尤も「オーム(ओम्)」はインド系の宗教で普通に使われている言葉なので、
密教系漫画や『
聖闘士星矢』の乙女座のシャカの必殺技とかで普通に使われていたりするが。
ブリキ大王によって憑依していた御出居が拠り代の隠呼大仏像諸共撃破されると、大仏が瓦礫となった事で2000人分の液体人間を辛うじて治めていた池は
崩壊した大仏の重量が加わった事で容量を超えて溢れてしまい、首謀者のヤマザキ・シンデルマン・雲龍を飲み込む因果応報の末路を迎えた。
「よろこびな‥‥ てめえらも 一つになれんだ‥‥」
MUGENにおける御出居隠呼大仏
他の『LIVE A LIVE』ボスキャラや
ブリキ大王の製作もしているIF氏による、
原作の
ドット絵を使用したキャラが製作されていたが、現在は入手不能。
原作ゲームの戦闘画面を再現したものとなっており、移動は上下左右のキーでマス目を跨ぐことで行われる。
さらには
ステージを自分のホームに上書きし、
BGMも
MEGALOMANIA(原作でのボス戦用BGM)を流す(BGMに関しては流さないように設定することが可能)。
CPU専用でもなければ
ATBが搭載されてるわけでもないため攻撃を見切るのは難しいが、技名が画面上部に表記されるのでそれで対応すべし。
DEF200と硬く、攻撃がほぼ回避不能かつ
全てガード不能なので、火力と体力の高いキャラでなければ倒すのは骨が折れる。
AIもデフォルトで搭載済み。
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技解説 |
- 液体人間呪ばく(X)
- 相手に向かって飛んでいく飛び道具で、当たるとゲージが減少する効果がある。
- けるる~しょうわ(A)
- 大仏のいる横軸全てが攻撃範囲。
具体的に言うと、ほぼ画面いっぱいの高さの大仏の横軸全てにガー不の攻撃判定がある。
- けるる~きっく(Y)
- 自分の周囲に攻撃判定。しょうわや後光に比べると地味。
- ナム~の後光(B)
- けるる~しょうわと同じ攻撃範囲。原作でのプレイヤー仕様と同様、普通に使用可能。
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「今こそ!この大隠呼像に!
われらをお救いになるためッ!
御出居様がお降りになるでけるッ!!」
出場大会
出演ストーリー
プレイヤー操作
*1
リメイク版では宗教絡みのネタを自粛しているらしく、これ以外にも隠呼大仏の技の一つ「ナム~の後光」が「後光」に、
幕末編や最終編で入手可能なアイテム「マリアのベール」が「聖女のベール」に変更されている。
あと「妙子のパンツ」が「妙子のヘソクリ」になっているなど、下ネタもNGな模様。その割には原始編の下ネタの多くはあまり改変されてないが。
最終更新:2024年11月17日 15:50