【ファミコンウォーズ】

ファミコンウォーズ とは、【ファミリーコンピュータ】用のゲーム。

概要

ファミコンウォーズ


ハード

【ファミリーコンピュータ】

メディア

ロムカセット

ジャンル

戦略シミュレーション

発売元

任天堂

開発元

任天堂
インテリジェントシステムズ

プロデューサー

横井軍平

ディレクター

岡田智
西沢健治

プレイ人数

1~2人

発売日

1988/08/12 (日本)

値段

FC:5,500円(税別)
Wii:514Wiiポイント
Wii U:524円
3DS:524円

レーティング

CERO:A(全年齢対象)

シリーズ

ファミコンウォーズシリーズ

移植・リメイク

【Wii】:【バーチャルコンソール】
3DS:バーチャルコンソール
【Wii U】?:バーチャルコンソール
Switch:【ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online】

【ファミリーコンピュータ】向けに発売されたゲームソフト。
ミニチュアのような兵士や軍事兵器を生産し、敵軍と戦争する戦略シミュレーションゲーム。
元々は岡田智がPCゲーム『大戦略Ⅱ』にハマり、そのファミコン版として作られたのが本作である。これを『大戦略』として出せないかと権利元のシステムソフト社に交渉を行ったが、既にボーステック社に権利を与えた後であったため、任天堂の知財部に権利侵害の有無を判断して貰った上でオリジナルの作品として販売されたという経緯がある。(参照1参照2)

戦争を題材としたゲームではあるものの、グラフィック・兵器・地名などはどこかコミカルに作られており、勢力数が2つしか無い等ゲームシステムも『大戦略』から簡略化され、誰でも遊びやすい設計が取られている。
珍しい所では、自軍側が 赤軍 で、敵軍が 青軍 という、他のウォーシミュレーションゲームとは逆の色分けが使われている。
現実世界での開発経緯は上記の通りだが、設定上では【ヤン・デルタ】が後継者育成のために作成したソフトとされている。

CMは当時公開されていた映画『フルメタル・ジャケット』のパロディで、「ファミコンウォーズが出ーるぞー!」「母ちゃんたちには内緒だぞ!」と歌いながら行進するインパクトの強いものが放映されていた。そのためにCMだけで強い印象を残し、「CMが有名なゲーム」としても知られている。

本作は後に発売されたファイアーエムブレムシリーズの原型になっており、そちらの元となった箇所も多い。
カーソルの移動や決定時の効果音等もそのまま流用されている。

ゲームシステム

基本システム

  • 基本ルール
    プレイヤーはレッドスター軍とブルームーン軍に分かれ、レッドスターから先行でターン制で戦う。
    マップはスクエアタイルのマスで構成されており、スクエア毎に「都市」「山」「海」など、土地の効果が設定されている。
    基地や工場などで軍事費(お金)を払って部隊(兵士や兵器)を生産し、生産した部隊は次のターンから自由に動かす事ができる。
    それらを動かして「都市」や「工場」を制圧して自軍の領土を拡大しつつ、敵軍の部隊を倒し、最終的に相手の基地を占領するか相手の部隊を全滅させると勝利となる。
  • 戦闘システム
    戦闘は部隊毎に決められた射程内の敵に対して攻撃ができる。直接攻撃(射程1)の部隊は移動後にも攻撃できるが、間接攻撃(射程2以上)は移動後には攻撃できない。
    攻撃すると攻撃力や部隊の相性に依存して相手の部隊を減らす事ができ、部隊数が0になるとその部隊は撃破される。
    直接攻撃できる部隊に直接攻撃を仕掛けると、反撃可能な場合は反撃を受けるため、攻撃した側も若干ダメージを受ける。
    間接攻撃の場合は相手が間接攻撃可能だとしても反撃はできない。
    部隊数が少なければ少ないほど与えるダメージは減ってしまうため、数が減った部隊は攻撃に使うよりは速やかに退散するか弾除けに使う必要がある。
    部隊によって攻撃手段が決まっており、直接攻撃と間接攻撃は必ずどちらかになり、両方扱える部隊は存在しない。間接攻撃の部隊は前述の「移動後には攻撃できない」という都合上、直接攻撃の部隊に密着されてしまうと逃げても一方的に攻撃され続ける事になるため、いかに接近されないようにするかを考える必要がある。
    部隊により攻撃範囲が定められており、「地上・空中両方」「地上のみ」「空中のみ」の3種類がある。「地上のみ」の場合、航空部隊には攻撃できず、航空部隊から攻撃された場合は反撃できない。「空中のみ」の場合、航空部隊以外には攻撃できず、航空部隊以外から攻撃された場合は反撃できない。
  • 部隊の種類
    部隊は主に4タイプに分かれており、地上を動ける歩兵の「歩兵部隊」、地上を動ける軍事兵器の「戦車部隊」、空を飛ぶ「航空部隊」、海を渡れる「海上部隊」の4種類が存在する。
    この内、占領能力を持つのは歩兵部隊のみである。
    部隊毎に得意不得意や射程が設定されており、強力な兵器ほど値段が高くなる。
    工場では歩兵と戦車、空港では航空、港では海上部隊をそれぞれ生産できる。
  • 占領と軍事費
    マップ内にある都市や工場などは歩兵部隊で占領を行える。
    占領を選ぶと歩兵部隊の隊員数に応じてメーターが増加(1人につき1ポイント)して行き、20ポイント溜まるとその地形を占領できる。
    占領した地形は占領軍側に軍事費を毎月提供し、工場などであれば兵器の生産が可能になる。
    相手の基地も同じように占領ができ、それが勝利条件となる。
  • 地形の違い
    地形はただ移動や占領ができるだけでなく、地形に応じて防御力が増えたり、移動時のガソリンの使用量が変わる。
    特定の地形は部隊によっては移動できたりできない事もある。
  • 補給
    戦闘や移動をするとガソリンや弾が減っていき、ガソリンが無くなると移動ができず、弾がなくなると攻撃ができなくなる。航空部隊の場合はガソリンがなくなった自軍ターンの開始時に墜落となる。(不時着等をするシステムは本作には無い。)
    自軍の都市や工場の上であれば「全補」を選ぶ事でそれらを全回復できる。更に部隊の人数が減っていた場合は2人補充される。
  • 合流
    減ってしまった部隊は同種の部隊であれば「合流」が可能。人数が少ない部隊同士を合流させれば元の部隊と同等の戦力に戻せる。
  • 勝利すると…
    戦闘に勝つと相手の指揮官が基地から追い出されるムービーが入る。
    その後は戦った島が勝利軍と同じ色に変わる。
    全ての島で片方の軍が勝利すると最終決戦マップに挑む事ができる。

本作の問題点

ファミコン時代の初期に発売された作品なので仕方ない部分もあるが、プレイに支障を感じる要素がいくつかある。

  • コンピューターの思考時間が長い
    本作ではユニットを「生産」するというシステムの都合上、どのユニットを生産してどう行動するかといった、操作の選択肢が幅広いため、コンピューターの思考時間が長くなる傾向がある。また、ユニットも最大48部隊なので(コンピューター側が48部隊最大まで生産することはまず無いが、20~30部隊になる事は普通にある)、それぞれのユニットを操作する時間も長い。「ウーン ウーン」と唸り続ける敵司令を頻繁に見続ける事になるのは語り草となっている。
  • ユニットを「重ねる」操作は取り消しできない
    本作では同一の種類の部隊を移動の際に重ねると「合流」、「装甲輸送車」「輸送ヘリ」「揚陸艦」に重ねると「乗る」という操作になるのだが、この操作は取り消しできない。しかも「合流された側」「乗られた側」のユニットはたとえ行動前でも強制的に行動後になる仕様なので敵が近くにいる場合等は操作ミスが致命的な事態になる可能性がある。なお、ただ移動であれば移動後「決定」を押さなければBボタンで取り消しができるので、なぜ「合流」「乗る」に関しては操作後の確認コマンドが無いのか謎である。
  • 膠着状態になりやすい
    本作ではユニットの能力は部隊毎に完全に固定で成長する要素はなく、自軍側も相手軍側も同一の部隊の種類なら同じ能力である。このため、進軍にもたつくなどでお互いの占領地域が同じくらいの状態になってしまうと、自軍も敵軍も生産できるユニットの量が同じくらいになってしまい、敵を倒す→敵に倒されるを繰り返して一向に事態が進展しない状態になりやすい。こうなった場合は何とか手薄な部分にユニットを大量に送り込んで強引に切り込んで占領していくくらいしか手段が無い。この仕様なので、まともにシステムを知った人同士で2P対戦をするとほぼこうなる。2P対戦機能できちんとした勝負は難しいのでオマケの機能だと割り切った方が良いでしょう。

キャラクター

ほとんどのキャラは勝利演出時にのみ登場。パロディや悪ふざけで作ったようなキャラが多い。

レッドスター軍

ブルームーン軍

その他のキャラ

部隊

  • 【歩兵】(ホヘイ)
    特徴:攻撃力は低い。地形に隠れた場合の防御効果が高い。敵の司令部を含む施設を占領できる。攻撃範囲は「射程1 地上・空中両方」
  • 【戦闘工兵】?(セントウコウヘイ)
    特徴:攻撃力は歩兵より高いが、移動力と弾数で歩兵に劣る。地形に隠れた場合の防御効果が高い。敵の司令部以外の施設を占領できる。攻撃範囲は「射程1 地上・空中両方」
  • 戦車A(センシャA)
    攻撃範囲は「射程1 地上・空中両方」
  • 戦車B(センシャB)
    攻撃範囲は「射程1 地上・空中両方」
  • 装甲輸送車?(ソウコウユソウシャ)
    歩兵部隊を1つ乗せることができる。歩兵部隊に対する攻撃効果が高い。攻撃範囲は「射程1 地上・空中両方」
  • 自走砲A?(ジソウホウA)
    攻撃範囲は「射程3~5 地上のみ」
  • 自走砲B?(ジソウホウB)
    攻撃範囲は「射程2~3 地上のみ」
  • 【対空ミサイル】?(タイクウミサイル)
    航空部隊に対する攻撃効果が高い。攻撃範囲は「射程3~5 空中のみ」
  • 【高射砲】?(コウシャホウ)
    航空部隊に対する攻撃効果が高い。射程は1だが逆に攻撃部隊に攻撃された場合も反撃可能なので壁のように並べる手もある。攻撃範囲は「射程1 空中のみ」
  • 戦闘機A?(セントウキA)
    航空部隊に対する攻撃効果が高い。それ故、戦闘機同士の戦闘は泥沼である。攻撃範囲は「射程1 地上・空中両方」
  • 戦闘機B?(セントウキB)
    航空部隊に対する攻撃効果が高い。それ故、戦闘機同士の戦闘は泥沼である。攻撃範囲は「射程1 地上・空中両方」
  • 【爆撃機】?(バクゲキキ)
    航空部隊以外に対する攻撃効果が高い。攻撃範囲は「射程1 地上のみ」
  • 【輸送ヘリ】?(ユソウヘリ)
    歩兵部隊を1つ乗せることができる。攻撃範囲は「射程1 地上・空中両方」
  • 【戦艦】(センカン)
    移動に手間がかかる分、どの部隊に対しても攻撃効果が高い。攻撃範囲は「射程3~5 地上・空中両方」
  • 【揚陸艦】?(ヨウリクカン)
    歩兵部隊、戦車部隊を2つ乗せる事ができる。攻撃範囲は「射程1 地上・空中両方」

関連作品

紹介動画

移植・リメイク

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最終更新:2024年03月16日 15:27