「機装兵 アカシ・ラン・ゾンム」

[解説]
聖華暦400年代初頭の時期に、土着宗教カタンタ・ハヴィ(機兵教)が実質的に支配していたバズ・デール市の政庁が、アルカディア帝国より輸入した当時最新鋭のカスタム機装兵で、第三世代機兵。
この時期は既に第四世代装兵が主流となっていたが、正真正銘の特注機であるこの機体は、厳然として第三世代機兵に分類される。
この時期は既に第四世代装兵が主流となっていたが、正真正銘の特注機であるこの機体は、厳然として第三世代機兵に分類される。
この機体を購入するための金銭はカタンタ・ハヴィの寺院から出ていたが、表向きはバズ・デール市が購入し、寺院に寄進したと言う形式を取っている。
1機のみ購入されたこの機装兵は、実は旗機オオンム・サガットよりもはるかに高性能な機体である。
しかし総司令官である頂位僧の安全に大きく気を配った造りになっているオオンム・サガットに比べ、こちらの機体は純粋に戦闘に強い事のみに重点を置いて造られている。
それ故に、この時期3名存在する、頂位僧に次ぐ幹部である戦陣僧の中でも、最も戦闘能力に長けた1名にこの機体は割り当てられ、上級の隊長機となった。
1機のみ購入されたこの機装兵は、実は旗機オオンム・サガットよりもはるかに高性能な機体である。
しかし総司令官である頂位僧の安全に大きく気を配った造りになっているオオンム・サガットに比べ、こちらの機体は純粋に戦闘に強い事のみに重点を置いて造られている。
それ故に、この時期3名存在する、頂位僧に次ぐ幹部である戦陣僧の中でも、最も戦闘能力に長けた1名にこの機体は割り当てられ、上級の隊長機となった。
この機装兵は、本来であれば帝国の外に出すのは言語道断と言って良いほどの、機密レベルの実験装置が組み込まれている。
それは一部の幻装兵や特殊な精霊機だけで実現されていた、「電場や磁場により操手の脳内反応を観測し、操縦補助に用いる」と言うシステムである。
これが発動すると、機体反応速度が桁外れに跳ね上がるのだ。
この時の反応速度は、最強格の精霊機であるゼートゥ・クァル・ゴオラに匹敵し、下手な幻装兵すらも一蹴できるほどの能力であると言えば、理解が及ぶだろうか。
それは一部の幻装兵や特殊な精霊機だけで実現されていた、「電場や磁場により操手の脳内反応を観測し、操縦補助に用いる」と言うシステムである。
これが発動すると、機体反応速度が桁外れに跳ね上がるのだ。
この時の反応速度は、最強格の精霊機であるゼートゥ・クァル・ゴオラに匹敵し、下手な幻装兵すらも一蹴できるほどの能力であると言えば、理解が及ぶだろうか。
無論、聖華暦400年代の魔導工学でその様なシステムを作り出せるはずもなく、また科学技術はこの時期ヒステリックなほどに排撃されていた。
ならば実験的装置とは言え、どうやってその様なシステムを組み込めたのか。
答えは簡単である。
大破し損壊して修復不可能となった幻装兵よりそのシステムを取り出し、この機体に移殖しただけの事であった。
何故この様な貴重なシステムが、辺境の国家体制さえ整っていない小都市へ売却される機装兵に搭載されたのか。
当然それには裏がある。
ならば実験的装置とは言え、どうやってその様なシステムを組み込めたのか。
答えは簡単である。
大破し損壊して修復不可能となった幻装兵よりそのシステムを取り出し、この機体に移殖しただけの事であった。
何故この様な貴重なシステムが、辺境の国家体制さえ整っていない小都市へ売却される機装兵に搭載されたのか。
当然それには裏がある。
帝国ではこのシステムの実験を行うにあたり、これを発動させ得る操手を探していた。
しかし探せども探せども、このシステムを発動できる操手は帝国領内では見つからなかった。
そんな時、帝国の諜報を任されていた某貴族家が、適合者の可能性が高い人材を発見する。
それがカタンタ・ハヴィの僧侶である、とある女性であったのだ。
帝国側では実験データを取るため、カスタム機装兵アカシ・ラン・ゾンムへとそのシステムを組み込んで売却した。
機体の運用データを取るために専属の鍛冶師をつけてやり、なおかつその者たちに、いざと言う時には機体を奪取して帰国する様に密命を下して。
しかし探せども探せども、このシステムを発動できる操手は帝国領内では見つからなかった。
そんな時、帝国の諜報を任されていた某貴族家が、適合者の可能性が高い人材を発見する。
それがカタンタ・ハヴィの僧侶である、とある女性であったのだ。
帝国側では実験データを取るため、カスタム機装兵アカシ・ラン・ゾンムへとそのシステムを組み込んで売却した。
機体の運用データを取るために専属の鍛冶師をつけてやり、なおかつその者たちに、いざと言う時には機体を奪取して帰国する様に密命を下して。
しかしこの件については、幾つもの誤算があった。
まず第一に、機体が目的の人物に渡らなかった事。だがこれは大した問題ではなかった。
正式にこの機体の運用を任された人物、戦陣僧のうちで最も技量や戦闘能力が高い人物もまた、そのシステムを発動させる事ができたからである。
ちなみに機体の魔導炉との相性を見るため、この機体には数人が搭乗してみたのだが、なんと全員がシステムの発動に成功していたりする。
まず第一に、機体が目的の人物に渡らなかった事。だがこれは大した問題ではなかった。
正式にこの機体の運用を任された人物、戦陣僧のうちで最も技量や戦闘能力が高い人物もまた、そのシステムを発動させる事ができたからである。
ちなみに機体の魔導炉との相性を見るため、この機体には数人が搭乗してみたのだが、なんと全員がシステムの発動に成功していたりする。
第二の誤算は、帝国が機体につけてやった専属鍛冶師たちが、帝国を裏切ってカタンタ・ハヴィに帰依してしまった事だ。
だがこれも、大問題ではあったものの、致命的とまでは言えない。
帝国がその気になれば、バズ・デール市やカタンタ・ハヴィごとき小勢力は、圧力をかけるのも攻め滅ぼすのも、たいした手間では無いからだ。
機装兵アカシ・ラン・ゾンムそのものか、もしくはせめてシステムのみでも取り戻すくらいは容易な話であった。
だがこれも、大問題ではあったものの、致命的とまでは言えない。
帝国がその気になれば、バズ・デール市やカタンタ・ハヴィごとき小勢力は、圧力をかけるのも攻め滅ぼすのも、たいした手間では無いからだ。
機装兵アカシ・ラン・ゾンムそのものか、もしくはせめてシステムのみでも取り戻すくらいは容易な話であった。
だがしかし、第三の、そして最大の誤算が帝国を襲う。
人魔大戦の深刻化である。魔神デウスーラ、その眷属たる魔族、魔神操る魔獣の大群。
これらの脅威に帝国は、バズ・デール市やカタンタ・ハヴィに構っている余裕など無くなってしまったのだ。
人魔大戦の深刻化である。魔神デウスーラ、その眷属たる魔族、魔神操る魔獣の大群。
これらの脅威に帝国は、バズ・デール市やカタンタ・ハヴィに構っている余裕など無くなってしまったのだ。
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