鋼魔獣対処マニュアル
最早、ベテランを通り越して単なる老いぼれに過ぎない私であったが、引退までに屠ってきた鋼魔獣の数が、どうも呆れるほど飛び抜けていたという。
長く冒険者稼業を続けていれば、さして珍しい事では無いと思うのだが……
まぁ、私は老いぼれるまで生き残れたのだ。そう思えば、私は運に恵まれていたのだろう。
まぁ、私は老いぼれるまで生き残れたのだ。そう思えば、私は運に恵まれていたのだろう。
それにしても、なんでまた、酔狂な事を考えつく奴がいるもんだか……
『鋼魔獣に対処する為のマニュアルを作って欲しい。』
孫の遊び相手をしながらの平穏な隠居生活をしている時に、組合から唐突にその話が舞い込んだ。
私の経験を後進の役に立てる為に、力を貸して欲しいと言われた。
私の経験を後進の役に立てる為に、力を貸して欲しいと言われた。
私の功績を褒められて、多少は気分も良くなっていたのだろう。報酬も悪くない。
ついついその気になってしまって、うっかり引き受けたまでは良かったが、こんなに面倒な作業になるとは……
ついついその気になってしまって、うっかり引き受けたまでは良かったが、こんなに面倒な作業になるとは……
やはり老いたな……
……まぁ、嘆いていても作業は終わらんし、諦めて、ぱぱっと済ませてしまおう。
孫の遊び相手をせにゃならんのだ。
孫の遊び相手をせにゃならんのだ。
基本、防御したら負けると思って差し支えない。
幸い、戦闘パターンが単調なので、動きをしっかり観察すれば、避ける事は容易い筈だ。
機体前面にバルカン砲が付いているのに、こちらが距離を取っての射撃戦に持ち込まない限り、使ってこないのも好都合だ。
だから、シュトルッツォ単体であるなら、数台現れても対処は可能だ。
幸い、戦闘パターンが単調なので、動きをしっかり観察すれば、避ける事は容易い筈だ。
機体前面にバルカン砲が付いているのに、こちらが距離を取っての射撃戦に持ち込まない限り、使ってこないのも好都合だ。
だから、シュトルッツォ単体であるなら、数台現れても対処は可能だ。
だが、コイツで最も気を付けなければならないのは、コイツが他の鋼魔獣、特にネコグモとクジャク、この二種と緊密な連携を取るところだ。
その場合、危険度は格段に、いや、腕利きであろうとも細心の注意を払わねばならぬ程に危険になる。
その場合、危険度は格段に、いや、腕利きであろうとも細心の注意を払わねばならぬ程に危険になる。
連携をしたシュトルッツォは、必ず陽動を行なってくる。特にガムシャラに吶喊して来る場合は、ネコグモかクジャク、あるいはその両方が潜んでいるのは間違いない。
ネコグモは死角から飛び付いて来て自爆攻撃をして来るし、クジャクは離れた位置からレールガンで狙撃して来る。
どちらもまともに食らえば絶命は必至だ。
ネコグモは死角から飛び付いて来て自爆攻撃をして来るし、クジャクは離れた位置からレールガンで狙撃して来る。
どちらもまともに食らえば絶命は必至だ。
シュトルッツォがどちらかと一緒に現れる確率はだいたい5割、三種とも揃って出るのは、まぁ2割と言ったところだ。
決して高い確率では無いが、最初っからシュトルッツォだけで出てくるなどと思わない事だ。
決して高い確率では無いが、最初っからシュトルッツォだけで出てくるなどと思わない事だ。
用心と観察。
これを常に心掛け、相手の動きから推察出来る様にならねば、いくらマニュアルなんぞ読み耽っても意味の無い事だ。
これを常に心掛け、相手の動きから推察出来る様にならねば、いくらマニュアルなんぞ読み耽っても意味の無い事だ。