機装兵エクス・ブールヌィ
正面
背面
[解説]
聖華暦791~796年の間に開発されていた自由都市同盟の試作型機装兵。
調律計画の一環として開発された第六世代機兵で、800年代における同盟軍の主力機として開発されていた。
797年の唐突な計画の変更により主力機兵としての座を退くが、広報用の機体や重機兵フォッシュの正式な配備までの情報撹乱用の機体として聖華暦800年まで運用され続けた。
調律計画の一環として開発された第六世代機兵で、800年代における同盟軍の主力機として開発されていた。
797年の唐突な計画の変更により主力機兵としての座を退くが、広報用の機体や重機兵フォッシュの正式な配備までの情報撹乱用の機体として聖華暦800年まで運用され続けた。
この計画の変更には一年に渡る長い話し合いがあり、ロココ設計所及びグループ企業は反対し続けていた。
しかしこの計画の変更を確固とする事件が発生した。それは未完成の機体ではあったが、エクス・ブールヌィのうち1機が聖王国へ流出したことである。
機体を流出させたのはロココ系機兵が主力機であり続けることに対して何らかの不満を持つ企業による工作だというのが専らの噂だが、現在機体を流出させた犯人は判明していない。
しかしこの計画の変更を確固とする事件が発生した。それは未完成の機体ではあったが、エクス・ブールヌィのうち1機が聖王国へ流出したことである。
機体を流出させたのはロココ系機兵が主力機であり続けることに対して何らかの不満を持つ企業による工作だというのが専らの噂だが、現在機体を流出させた犯人は判明していない。
ブールヌィは聖華暦700年代に都市同盟軍の主力機体として運用されていた機装兵ヴェーチェルを簡略化した設計の機体であり、調律計画初期にロココ設計所が開発した機装兵plan792が基礎となっている。
本機ではヴェーチェルで得られた記録を基に様々な問題点の解決が行われた。
ヴェーチェルではそれまでの従来機から大幅に運用コストが増加しており、その結果から調達数は少なく、コストの低いリャグーシカを運用し続ける部隊も多かった。
本機ではヴェーチェルで得られた記録を基に様々な問題点の解決が行われた。
ヴェーチェルではそれまでの従来機から大幅に運用コストが増加しており、その結果から調達数は少なく、コストの低いリャグーシカを運用し続ける部隊も多かった。
それに至った一番の理由はヴェーチェルの複雑な内部構造にあると考えられている。
リャグーシカから一新した新規の駆動システムは運動性や機動性を向上させる代わりに部品調達のコストやメンテナンス性等を犠牲にしていた。
さらに使用されていた魔力収縮筋はリャグーシカと比較して頻繁な交換が必要だったこともコスト増の要因であった。
言わば身軽な重りである。
リャグーシカから一新した新規の駆動システムは運動性や機動性を向上させる代わりに部品調達のコストやメンテナンス性等を犠牲にしていた。
さらに使用されていた魔力収縮筋はリャグーシカと比較して頻繁な交換が必要だったこともコスト増の要因であった。
言わば身軽な重りである。
ブールヌィではその関節構造を多少簡略化することによりコスト削減を図った。
魔力収縮筋も脚部等の戦闘機動に大きく影響する箇所はヴェーチェルと同様の物を、それ以外の部分はリャグーシカ系の安価な魔力収縮筋を流用した。
これによりヴェーチェルと比較すると運動性能が若干低下してしまったが、それをある程度補う為に背部には一基の魔導スラスターが搭載された。
この低コスト化はさらに別の恩恵もブールヌィにもたらしている。
それはヴェーチェルが規格外の荷重に対しては第五世代機と比べると弱かった構造の堅牢性を改善したことである。
魔力収縮筋も脚部等の戦闘機動に大きく影響する箇所はヴェーチェルと同様の物を、それ以外の部分はリャグーシカ系の安価な魔力収縮筋を流用した。
これによりヴェーチェルと比較すると運動性能が若干低下してしまったが、それをある程度補う為に背部には一基の魔導スラスターが搭載された。
この低コスト化はさらに別の恩恵もブールヌィにもたらしている。
それはヴェーチェルが規格外の荷重に対しては第五世代機と比べると弱かった構造の堅牢性を改善したことである。
ブールヌィで行われた低コスト化は内部構造の簡略化だけでなく、小型化もなされた。
本機はヴェーチェルから頭一つ分縮小しており、その分の機体面積が減ることで装甲の費用等も多少浮いた。
その浮いた費用分でブールヌィには正面装甲の重要箇所に調律計画で開発された装甲用新素材が採用されている。
これにより操手の生存性も向上している。
本機はヴェーチェルから頭一つ分縮小しており、その分の機体面積が減ることで装甲の費用等も多少浮いた。
その浮いた費用分でブールヌィには正面装甲の重要箇所に調律計画で開発された装甲用新素材が採用されている。
これにより操手の生存性も向上している。
しかし機体の小型化が良い結果だけをもたらした訳ではない。
縮小された内部の空間は魔導炉や転換炉等の内装を圧迫していた。
そうして内装のグレードを下げざるを得なくなった開発陣は冷却システムを犠牲にした。
これが原因でブールヌィの活動限界時間は最長で10分などという極めて短い時間となってしまった。
これを解決するために一人の技術者が画期的なシステムを考案した。
それがポニークーラーシステムである。
このポニークーラーは名前の通りポニーテール状のパーツで、機体内部の熱を吸収し、外部に放熱する。
縮小された内部の空間は魔導炉や転換炉等の内装を圧迫していた。
そうして内装のグレードを下げざるを得なくなった開発陣は冷却システムを犠牲にした。
これが原因でブールヌィの活動限界時間は最長で10分などという極めて短い時間となってしまった。
これを解決するために一人の技術者が画期的なシステムを考案した。
それがポニークーラーシステムである。
このポニークーラーは名前の通りポニーテール状のパーツで、機体内部の熱を吸収し、外部に放熱する。
ポニークーラーの効果は想像以上のもので、従来の冷却システムとほぼ同程度の性能を発揮した。
だがこのポニークーラーにも欠点があり、放熱の際に発光するため、夜間の作戦行動や隠密作戦に不向きであることである。
しかしそれを補って余りある程のポテンシャルをポニークーラーは秘めていた。
そのためロココ設計所ではブールヌィ以降もポニークーラーの研究が行われている。
だがこのポニークーラーにも欠点があり、放熱の際に発光するため、夜間の作戦行動や隠密作戦に不向きであることである。
しかしそれを補って余りある程のポテンシャルをポニークーラーは秘めていた。
そのためロココ設計所ではブールヌィ以降もポニークーラーの研究が行われている。
これらの低コスト化とそれに伴う設計によりヴェーチェルの問題点は殆んど解決されていた。
だがしかし、ヴェーチェルにはまだ厄介な問題が残されていた。それは複雑な操縦である。
ヴェーチェルはある程度簡略化されているとはいえ操縦に繊細な動作を要求されるケースがあり、やや上級者向けの機体に仕上がっていた。
そのため扱いやすさの面では第五世代機の方が優位であるケースすら存在していた。
だがしかし、ヴェーチェルにはまだ厄介な問題が残されていた。それは複雑な操縦である。
ヴェーチェルはある程度簡略化されているとはいえ操縦に繊細な動作を要求されるケースがあり、やや上級者向けの機体に仕上がっていた。
そのため扱いやすさの面では第五世代機の方が優位であるケースすら存在していた。
これを解決するために使用されたのがロディナイズ式操縦槽である。
これは調律計画の一環として自由都市同盟軍共通操手操開発計画で考案された新型の操縦槽であり、設計のベースは同盟軍人が訓練兵時代に一度は触れるリャグーシカII型の物をベースにしている。
誰もが触ったことのあるシステムというものは訓練の期間を短縮し、その後もある程度機体を使いこなすことが出来るというメリットがあった。
これは調律計画の一環として自由都市同盟軍共通操手操開発計画で考案された新型の操縦槽であり、設計のベースは同盟軍人が訓練兵時代に一度は触れるリャグーシカII型の物をベースにしている。
誰もが触ったことのあるシステムというものは訓練の期間を短縮し、その後もある程度機体を使いこなすことが出来るというメリットがあった。
こうした設計によりヴェーチェルで挙げられた問題点は概ね解決され、ロココは自信を持って軍における新たな蛙のポジションとして本機を大量生産する予定であった。