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vol.3-2⑧Akira's view

最終更新:

taka18r

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vol.3-2⑧Akira's view


「いつ戻ってきたの?」
「ついさっきだよ。晶良さんがあんまり真剣だったから、声、かけなかったんだ」
 アタシは彼の次の言葉を待つ。
「あ、あの、晶良さん。勉強は…、もういい、かな? 出ない? ここから」
「うん。いいよ。出よう」
 そそくさとノートをカバンにしまい込む。席を立ち、
「どこ、行く?」
 そういうアタシの言葉は期待に震えていた。彼はアタシの目をじっと見つめてから顔を寄せて、
「2人きりになりたい。ダメ、かな?」
 待っていた言葉、だった。火照った顔を彼に向け、無言でうなずく。彼はアタシの腕を取って、やはり無言で歩きだした。
 少し歩く。人通りがまばらになったところに一軒のホテルが見えた。
「あそこ?」
 と聞くと、彼は
「うん」
 視線を前に向けたまま答えた。どうでもいいことを聞いてみる。
「ネット? 図書館での調べものって…」
「まさかっ! 違うよ。家で見てきたんだ。その、図書館の近くに、晶良さんと2人きりになれるところはないかな、って…」
 こちらを見て真面目な顔で反論する彼。
「そーよね。いくらなんでも、だよね」
「図書館ではちゃんと勉強してたよ、ぼく」
「うん。アタシは…、早くアンタと2人きりになりたかった」
「晶良さん…」
 打ち水のしてあるホテルの入り口をくぐる。真夏の平日の昼下がりだというのに、利用者は結構いるのか、はたまた掃除中なのか、部屋はあまり空いていなかった。
「和室ばかり、だね」
「うん」
 生返事。部屋なんか、どんなのでもよかった。早く、早く彼に抱かれたかった。


 和室といいながら、部屋の出入り口はドアだった。
(鍵かけなくっちゃいけないものね)
 靴を脱いで部屋に上がる。ドアがパタンと音をたてて閉まると、彼が背後から抱きつき、首筋に唇を押し付けてくる。
「あんっ」
 声が漏れる。目を開けていられない。
「この黄色のワンピース、とってもかわいい」
 彼が耳元でささやく。くすぐったくて、ぞくぞくして、やるせない。身をよじり、
「ふ、服、だけぇ?」
 不満げに漏らす。すかさず彼は
「晶良さんは、もっとかわいい。…あぁ、晶良さん、会えなくて寂しかったよ、とっても」
「アタシも。アタシもぉ。抱いて、ねぇ、きつく抱きしめて」
 彼はいったん手を緩め、アタシと向き合う。目を合わすだけで体がとろけてしまいそうだ。
「好き」
 そう言って彼の胸に飛び込む。逞しさを増したのがすぐにわかった。
「愛してる」
 言いながら腕に力を込める彼。息が漏れる。
「あぁ…」
 息ができなくて苦しくなるほど抱きしめられる。ふっと彼の腕の力が緩んだ。間髪を入れず、彼の顔がアタシの顔に覆いかぶさり、唇をふさがれる。再び彼の腕に力が加わる。
「ん~っ、…んっ、……ぅん、………ぅぅん」
 むさぼるように、久々のキスを味わう彼、そしてアタシ。どちらともなく舌を伸ばす。絡めあう。
 んちゅ…、ぢゅぅぅ、ぴちゃ…、ちゅっ…
 無意識なのだが、アタシは目を全部閉じられない。半分だけ開けている。以前、彼にそう言われたことがあり、意識して覚えていようとしたことがあった。確かに目は閉じていなかったが、何かが見えているわけでもなかった。
「ぁふ…、んふぅぅ」
 彼の舌がアタシの口内をかき回しだすと、気持ち良さがあふれ声が漏れてしまう。
 アタシはされるがまま。彼の舌が生き物のように動きまわる。緩急をつけて、歯を、歯茎を、舌の裏側を、愛撫してくる。


 熱いキスを中断して、彼はアタシを抱き上げる。
「晶良さん、やせた?」
 太くなった腕でアタシを軽々と持ち上げ彼が言う。アタシは顔をそっと左右に振り
「ん~ん。アンタが…、アンタ、逞しくなったね」
 彼の、男としての成長がうれしくて目を細める。頬がぽっと熱くなる。
 隣の部屋に敷かれていた布団のわきまできて、彼はアタシを抱いたまま腰を下ろした。アタシは彼の両脚の上で体を起こし、両手を彼の首にまわす。
「好き、大好き。ねぇ、愛して…、いっぱい…、いっぱい愛して」
 彼は目を合わせたままコクンとうなずき、アタシの大好きな言葉を言ってくれた。
「晶良さん、愛してる」
 何度聞いても顔が熱くなる。しかも、ずいぶん久しぶりに聞いただけに、体まで熱くなった。
 再び唇が重なり濃厚なキス。彼は羽毛の掛け布団を勢いよく跳ね上げ、アタシを抱えながら身を横たえた。それから唇を離し、アタシの体を真っ白なシーツの中央に寝かせた。
 着ていたTシャツの裾をつかんで一気にまくり上げると、ブ厚い胸板が目に飛び込む。アタシは右手を伸ばして掌を彼の胸に滑らせる。
「男らしく、なったね」
 吐く息が熱い。彼ははにかんで
「なんか、恥ずかしいや」
 そう言いながら、彼はアタシの両肩をつかみ体を反転させようとする。その動きを察し、自分でうつ伏せになる。
 彼の吐息が耳にかかる。彼の手がアタシの服を脱がしていく。
「このワンピース、脱がしたかったんだ」
 耳元でうれしそうに言う。彼はさっとブラのホックを外し、右手をシーツと胸の間にこじ入れてくる。喜々として指に力を込めてくる。
(声…、出ちゃうぅ…)
「あんっ、えっち」
「そうだよ。ぼくは、エッチなんだ。もっとエッチなこと、するよ?」
 そうしてほしいけど、さすがに言葉には出せない。代わりに口からもれるのは、
「はぁ…、あぁ…、あんっ」
 熱を帯びた喘ぎだった。


「晶良さん、体、少し持ち上げて。自分の腕で支えて」
 耳を甘がみし舌を這わせながら、彼が要求してくる。
「えぇ~? あっ…、はぅ…、恥ずかし…ぃょぉ」
 抵抗を試みるが、彼は首筋に『チュっ、チュっ』と音をたててキスをして、アタシの防衛線を突破しようとする。
「晶良さん、お願い」
 そう言って、彼はアタシの腕を強引にずらしていく。胸がシーツから引き剥がされていく。すぐに彼の両掌が胸を覆う。指が柔らかなふくらみの感触を確かめるようにゆっくりと動きだす。
「あぁぁ…、あぁん、はぁぁぁ」
「胸、おっきくなったね。晶良さんの胸、柔らかくて大好き」
「あっ…、ダ…メ…ぇ、感じ…ちゃ…うぅ」
 快楽の世界に追い込みながら、彼がアタシに覆いかぶさってきた。お尻に熱いかたまりが押し付けられるのが、パンティ越しに感じられた。
「あっ、お尻が…、はうっ…、はぅぅ…、お尻があついょぉ」
「もう、大きくなってるの、わかる? 晶良さんに入りたがってるの、わかる?」
「ぅん、うんっ。アタシもぉ、アンタが…ほしぃ」
 恥ずかしいけど、それがアタシの本音だった。アソコが濡れているのがわかった。
 パンティをずり下ろされ、このまま貫かれてもいい、とまで思ったが、彼はまだまだ前戯を楽しみたかったようだ。
「んあっ!」
 彼は背中に舌を這わしてくる。これまでなかった刺激がアタシに大きな声をあげさせる。
「きれいな肌。すべすべしてる」
「あぁ…、ぃぃ…、いいっ!」
 彼はパンティに手をかけ一気に引き下ろし、すぐに顔をお尻に寄せてくる。
「あっ、いゃ、やっ…、恥ずかしいよぉ、ダメぇ」
 羞恥心を蹂躙するように、彼は双丘を揉みしだき、柔肉を唇ではさみ、舌で嘗めてくる。
「あっ、あっ、あ~ん、あぁ~、はぁ~ん」
 彼が軽く爪をたてて脇腹を引っかく。
「んあっ! あっ!」
 1オクターブ、声が高くなった。


 ヌプっ。
「んあぁぁぁっ!」
 濡れそぼったアソコに何かが挿入された。
 ニチャ…、くちゅ…、ぴちゃ…
 聞きたくもない淫靡な音が耳に届く。
「ぃやっ! やぁっ! だぁめぇ…よぉぉっ」
 アタシがかきまわされている。彼の人指し指が、アタシのアソコをかきまわしている。
「あっ! ぅっ! んあぁぁぁっ!」
 別の指が敏感な突起に触れる。頭の中が真っ白になる。
(あぁ…もっと…もっと…もっとぉ!)
 もちろん口には出せない。まだ羞恥心が勝っている。でも、体は正直だった。それを彼が言葉にする。
「すごい…。晶良さん、すっごく濡れてるよ。感じる? 感じてるの?」
 答えられない。彼の指がスピードを増していく。アタシは枕に顔を埋ずめ、声が大きくなっていくのを隠そうとする。
「いやっ! だめっ! やぁっ、やっ、やぁぁっ! ぁぁぁぁ、ぁ、ぁっ、…んあっ!」
 ふっと意識が途切れる。
「はっ! …はぁ…はぁ…はぁ…、あぁぁ…、あっ、あぁっ!」
 意識が戻って目に入ったのは、部屋の天井だった。いつの間にか、アタシは仰向けにされていた。意識はなくしていたが、口からは間断なく歓喜の喘ぎをもらしていたらしい。
 アソコへ与え続けられている快感は、これまでのものとは違っているのに気がつく。『濡れた感覚』におののく。
 ペロペロと、彼の舌の感覚が敏感な部分全体を襲っている。聞こえてくるのは
 ぴちゃ、ぴちゃ…、ちゅぷ…、ぺちゃ、ぺちゃ…
 なんて、いやらしい音なんだろう。耳が、感じやすい耳がものすごく熱くなる。恥ずかしさは最高潮なのだが、あたしの口から吐き出されているのは
「あぁ~っ、あんっ! あんっ、あぁん、はぁ~んっ!」
 あられもない喘ぎ声だった。
 意を決して目を開き、顔を持ち上げる。最初に目に飛び込んできたのは、自分の両太腿だった。そこにくい込む彼の指。アタシの両足を大きく左右に押し広げている。


 その真ん中に黒いものが見えた。夢中でアタシのアソコを嘗める彼の頭だった。彼が上下左右に頭を動かすと、ちらっと彼の舌が垣間見える。卑猥に、てらてらと濡れ輝くベロ…。
「あぁ…、あぁ…、あぁぁぁ…」
 言葉が出てこない。いくら家を出る直前にシャワーを浴びてきたとはいえ、ホテルに入るなり『行為』に突入してしまった。
「シャ、シャワー、浴びてない…、だめ、だよ…ぉ」
「気にしないよ。晶良さんのだもん、きたなくなんてないよ」
「あぁ…、ああっ! ぁぁ…だめ…だめぇ」
 恥ずかしくて、感じすぎて、もう目を開けていられなかった。途端に快楽の波が押し寄せてくる。
「あっ! あっ! んあぁっ! んあっ! あっ…あ────っ!」
 体が仰け反り、背中はシーツを離れっぱなしだ。
「─────っ!」
 また意識が遠のいた。
「はぁ…はぁ…はぁ…、はぁぁ…、はぁ…はぁぁぁ」
 意識が戻りアタシは口を開けて息をする。彼はようやくアソコへの口撃をやめ、今度はおっぱいを攻めている。
 右手が乱暴に左の乳房を揉みしだき、右の乳首を唇がやさしくはさんでいる。左右の刺激の差が脳髄をしびれさせる。また、声が出る。
「はぁ~ん、あっ、あっ、あっ、あふっ、はぁぁぁ」
「いい?」
 彼が硬く大きくなった乳首から唇を離し聞いてくる。答える代わりに喘ぐアタシ。
「あふっ! んあぁっ! んあっ!」
 それに満足したのか、彼は左の乳首に舌を這わせてくる。歯を当ててくる。
「あんっ! あぁんっ! あ~んっ!」
 さらに、彼は右手を再びアソコにもっていき、指を侵入させてくる。
「はぅっ!」
 痺れるような快感が体を貫いた。背筋に電流が走ったかのようだ。
 激しく指が出し入れされ、それからクリトリスをこすられる。痛いほど目をぎゅっと閉じ、快楽の波に溺れた。
「あぁ…あぁぁ…、あぁっ! んあっ! ま…またぁ、あっ! あぁっ! あ────っ!」


 …どのくらい意識を失っていただろう…。
 重いまぶたを引き上げると、アタシの視界に入ってきたのは、大好きな彼の顔。
「…好き…」
 絞り出すように、やっと声を出す。彼はにっこり微笑んでから唇を重ねてきた。ゆっくりとしたキス。彼の重みが心地よい。
 彼はそっと離れると体を起こし、アタシの両足を広げていく。彼の次の行為に期待と羞恥が膨らんでいく。
 さあ、いよいよ、というタイミングで、アタシははっとする。
「あっ、ダメ。きょうは危ない日なの。ねぇ、あれ、つけて、お願い」
 彼もはっとした表情になり、
「あ、うん」
 と言って、脱ぎ捨てたGパンからスキンの袋を取り出した。
 彼はアタシの足の間で、天を衝くほど大きくなったおちんちんにスキンを被せていく。アタシは恥ずかしくって直視できず、顔を横に向けてしまう。
 彼が膝を少し前にずらす。アタシの両足が持ち上げられ、そして広げられる。
 目を閉じて、じっとその瞬間を待つ。彼は右手でおちんちんを握りしめ、それを上下させてアタシのアソコにこすりつけてくる。舌とも、指とも違う刺激がクリトリスに加えられる。
「ぅう~ん、ぁっ…」
 でも、それはアタシがいまほしい刺激じゃなかった。
「じ、焦らさない…で…、ねぇ…」
「どうしてほしいの?」
 意地悪をする彼。
「ほ…ほしい、のぉぉ」
 恥ずかしい…。
「何が?」
 アタシは我慢しきれず彼の腰に手をまわして引き寄せようとする。
「あぁ…、意地悪…しないで…、入れ…て」
 何を? と聞かれたら、アタシはなんと答えるんだろう。でも、それはいらない心配だった。
「あ───────っ! あっ! んあぁぁぁっ!」
 一番奥まで彼のおちんちんが入ってきた。頭の中で火花が飛び散る。


 ほんの数か月前、アタシの体を引き裂くような苦痛を与えるだけだった『肉凶器』。それがいまでは、とてつもない快感をもたらす『魔法の棒』に感じられた。
 無言のまま、腰を前後に揺する彼。そのたびアソコから背骨を通して脳髄に快感が走り、アタシにあられもない喘ぎ声をあげさせた。
「んあっ! あんっ! あぁっ! あっ! あっ! あ──っ!」
 まるで酸欠の金魚みたいに口を開けたまま喘ぐ。彼は少しも休む間をくれず、ただひたすら快楽の淵にアタシを追い込んでいった。
 唐突に彼が動きを止める。やっと目が開けられた。
「はぁ、はぁ、はぁぁ」
 大きく息をするアタシに彼の顔が近づいてくる。彼の胸とアタシの胸が合わさる。
「あぁ…」
 うれしくて声がもれちゃう。彼はアタシの目を射抜くように見つめ、真剣な表情で言った。
「愛してるよ、晶良さん。ずっと、ずっと愛してる」
 いいしれない感激が目を閉じさせる。それまでシーツをぎゅっとつかんでいた手を彼の背中にまわす。
「うれしい…。アタシも、アンタのこと、ずっと愛してる」
「うん」
 彼が唇を求めてくる。むさぼるように舌を絡ませた。キスをしながら彼は動きを再開させる。少しずつ、ゆっくりと、彼がアタシをかきまわしていく。
「んっ! んんっ! んんぅっ!」
 うめくようにもらすと彼はようやく唇を外し、いまさら、の質問をしてくる。
「晶良さん、痛く、ない?」
「うん、うんっ! 痛くない、よ。…それより」
「え?」
「あぁ…、モット」
「聞こえないよ?」
 うそだ、と思ったが、彼がぐいと奥まで突いてきた瞬間、大きな声が出てしまう。
「あ───っ! もっとぉぉっ! もっとぉ!」
「もっと、どうすればいい?」
 意地悪。アタシをこんなにも乱れさせて…。ちょっぴり彼が憎く思えてくる。


「も…っと、もっと突いてっ」
 恥ずかしさで、だと思う…。言って、顔が熱くなる。
「こう、かな?」
 彼がゆっくりと腰を前進させる。快感で全身が燃えるようだ。
「あっ! そ…ぉ…、ぃ…ぃいっ」
 意識して、ではなかったが、アタシは彼の背中に爪をたてていた。彼は痛そうな素振りを見せずに、あたしの両手首をつかんでシーツに押し付けた。それから体を起こし、アタシを見下ろして、
「もっと、深く、入れるよ」
 アタシの返事を待たずに、彼はアタシの奥深くにおちんちんを突き入れてくる。彼とアタシの間隔は髪の毛1本入れることもできないほどだ。
「んあっ! あ──っ! いいっ、いいのぉっ」
「晶良さんの中、とっても熱い。すっごく気持ちいいよ」
 彼の上ずった声が遠くに聞こえる。
 彼に組み伏せられ、両足を広げられて、深々と貫かれているアタシ。恥ずかしい、なのに、『次の展開』を期待している自分がいる。
 あたしの脳は考えることを放棄してしまった、かもしれない。感覚が思考を凌駕したのかもしれなかった。いまはただ、快感をむさぼることを脳は命じていた。
「ぁぁあぁぁあ、…は…ぁ…あぁ…あっ」
 動かない彼がもどかしい。要求を口にしろ、と脳が命じている。羞恥心をどこかに放り出して『はしたない』言葉がこぼれ出る。
「ねぇっ! もっとぉ」
 顔を彼に向けるが目は開けられない。彼が落ち着いた口調で言う。
「もっと? もっと、どうすればいいの?」
「あぁ…あぁ…もっと、もっと、えぐってっ! もっと、もっと、かきまわして、ねぇっ!」
 彼の顔は上にある。彼の両手はアタシの腕を押さえている。なのにアタシは乳首に刺激を感じていた。ピンっと立った乳首がぴりぴりと痺れるような感覚に襲われていた。
「んあっ! あっ、あっ、あっ、あ──っ、あっ、あっ、あっ、んあ───っ!」
 彼が腰を動かす。ときにはこね回すように、あるときには杭打ち機のように直線的に…。乳首の快感は空気との摩擦が生んでいた。彼が動くたび、乳房が大きく波打った。


 彼はアタシの手首を解放すると、今度は足首をつかんだ。それから、力強く広げていく。
「あぁ…ぁ、ぁ、ぁ、ぃやぁ…、だめぇ…、恥ずかしぃぃ」
 アタシのお願いは聞き入れられない。足はこれ以上ないほど広げられてしまった。
 アタシは恥ずかしい部分を隠そうとして、自由になった手をのろのろと動かしていく。
「だめだよ、晶良さん。よく見えないよ」
 なんてこと言うんだ、アタシの彼は…。年下のくせに…いや、年は関係ないか。
「見ちゃ、やぁ」
「晶良さんの声、かわいいっ」
 アタシの必死のお願いも、彼の『興奮剤』にしかなっていないようだ。彼はじっとその部分を凝視しながら、腰をゆっくり大きく動かし始めた。
 電流が、いや快感が走り抜ける。また声が出ちゃう。
「はぅっ、はぁっ、ぅあっ、あっ、んあっ!」
 彼がまた、アタシの足を持ち上げて動かし、自分の肩に持っていった。そのまま体重を前にかけてくると、アタシは二つ折りにされていた。腰に彼の重みがのしかかる。
「! ふ、深いっ! 奥に…、奥にぃぃ…」
 顔を左右に振り、信じられないほどの快楽に耐えようとする。しかし、それは無駄なあがきだった。彼のスピードが上がる。全体重をかけてアソコに腰を打ちつけてくる。
 もう声が出ているのか、わからない。アソコが、体が、脳が、すべて溶けていった。
 頭の中が真っ白になっていく。意識がどこかに飛んでいく瞬間、彼がアタシの名前を叫んだのが、遥か彼方に聞こえた。
「あきら、あきら、晶良ぁぁぁぁぁぁっ」

 セミの声がうるさい、そう思った。
 重ったるいまぶたをこじ開けると、彼の顔がそこにあることがとっさに理解できない。もう一度、目をつぶって脳が活動を再開するのを待つ。
「晶良さん?」
 彼の呼びかけが唐突にアタシの意識を現実に引き戻した。
「あぁ…、好き、よ。アンタ、大好き」
「ぼくも。晶良さん、大好き。愛してる」
 その言葉に満足して、アタシはまた目を閉じた。そのまぶたに彼の唇が触れる。


「ん…ぅん…」
 くすぐったくて、気持ちがいい。
「聞こえないね」
「え?」
 びっくりしたように顔を上げる彼。
「さっき、ね。セミの声がうるさいって思った」
「う、ん」
 彼が困ったような顔つきになる。
「アンタがさ、アタシのこと、いじめるから…。アタシ、壊れちゃったのかな」
 ちょっぴり非難の意を込めて、彼をにらんでやる。彼は予想以上に狼狽し、
「え…、そ、そんな、こと、ないよっ。いじめるなんて、そんなこと、ないって」
 そんな彼がおかしくって、つい意地悪したくなってしまう。さっき、いろいろと恥ずかしい思いをさせてくれた復讐、そんな気持ちもちょっとはあったが…。
「そぉお~? アタシが恥ずかしがるの、楽しんでたでしょぉぉ?」
「い、いや…ぁ、え…っと、そのぉ」
 彼は真っ赤になった顔をぷいと横に向けて、言い訳がましく言った。
「だって、かわいいんだもん」
「もおっ、ばか」
「あは。でも、ほんとのこと、だよ?」
 大好きな笑顔を見せて彼が答える。アタシは彼の頭に手を伸ばし引き寄せた。唇が重なり舌を絡める。
「ん…、ぅぅん、んあっ」
 彼がまだ硬いままのおちんちんを動かす。後戯にしては刺激が強く、大きな声が出てしまう。
「だめぇ、休ませてぇ」
「え? あ、うん」
 彼が戸惑っている。その顔には、そんなつもりじゃないのに、って浮かんでいる。彼は名残惜しそうに腰を引いていき、おちんちんをアタシから引き抜いた。
「ぁぁん」
 彼がアタシから出ていったとき、最後の快感が走った。アソコはまだジンジンしている。
 大きく息をつきながらアタシの横に寝転がる彼。
「はい」
 と言って差しだした彼の左腕に、アタシはちょこんと頭を乗せた。


「ごめん」
 彼がいきなり謝ってくる。
「? ん~、なにがぁ?」
「そのぉ、久しぶりだったから…」
「なによ、わかんないよ?」
 顔を横に向け、上目遣いで彼を見る。なんでだろう、彼は本当に申し訳なさそうな表情をしている。胸騒ぎがしてくる…。
「晶良さんとずいぶんしてなかったから、早く出しちゃった…。ごめん」
 杞憂もいいとこ、だ。あきれて声が出てこない。ドキドキして損した気持ちになる。…ったく男ってヤツは、んなことばかり気にしてんの~!?
「ばかものぉ。早いとか遅いとか、女のコにはなんだっていーの。好きな人と抱き合えるがいいの」
 諭す。彼は半信半疑な視線をアタシに投げて、なおも聞いてくる。
「ほんと?」
「ほんと、よ」
 強く言いきる。納得したのか、彼の表情がぱーっと明るくなり、
「ねぇ、晶良さん」
「なによ?」
「感じた?」
「へ?」
 彼の言ってる意味がすぐにはわからず、変な声を出してしまう。
「だから、さ。良かった、かなぁ?」
 やっと質問を理解したアタシは彼に背中を向け、真っ赤になって吐き出す。
「知らないっ!」
 めげない彼は背後からアタシの肩にそっと手をかけ、
「かわいい、晶良さん」
 などと、うれしそうに言う。
「もぉぉ」
 ため息まじりでもらしたアタシは、太腿のところに冷たい感触を覚えた。
「あれ?」
 と言いながら身を起こす。


 冷たい、と感じたシーツのところを掌で探り、アタシはますます真っ赤になる。そこは、ちょうどアタシのアソコがあったところ。直径30㎝ほどもある濡れ染みができていた。
「こんなに濡らしちゃった…。アタシ、はしたない女…だね」
 目を伏せて自嘲気味につぶやく。と、言い終えるかというタイミングで彼が
「そんなことないよっ。晶良さんは、その…、かわいくて、きれいで、素敵な女性だよっ」
 彼のあまりの慌てぶりに笑ってしまいそうになる。そして、気持ちがじんわりあったかくなった。
「アタシね…、いっぱい、感じたよ。おかしくなっちゃうんじゃないかって思ったくらい」
「愛してる」
 彼は真剣な顔をして、アタシの目を見つめて言う。照れくさい、それにアタシは現実に戻っていた。
「…ねぇ。汗、いっぱいかいちゃった。お風呂…、シャワー浴びたいな、アタシ」
 何を考えたのか、彼はごくりとつばを飲み込んだのがわかった。
「こらっ。きょうはもうできません。アタシはもう、ごちそうさま」
「え~っ!? 久しぶりに会えたのにぃ。いっぱい、いっぱい晶良さんとしたいよぉ」
「アタシのこと、愛してるんでしょ? たまにはアタシの言うこと、聞きなさいよね」
 彼はなおも不満そうにブツブツと言う。
「だって、だってさ…」
 してるときとは大違いの彼。思わず知らず、お姉ちゃん気質を刺激される。アタシはやさしく彼の頭を撫でて、
「アタシね、アンタのものだよ。だからね、そんなに焦らないの。がっつかないの」
「…うん」
 なんか、かわいそうにすらなってくる。それでも心を鬼にする。っていうか、彼のこーゆー顔に何度だまされたか、記憶がよみがえってきていた。
「また、今度っ!」
 歌うように、楽しげに、アタシは彼に最後通牒を突きつけた。彼は口を尖らせ、さも不満そうにもらす。
「ちぇ~」
 アンタは子供かっ!? 心の中でツッコミを入れている。
「さっ、シャワー浴びに行こ?」
 両手を大きく広げて彼を迎える。アタシの望みどおり、彼は軽々とアタシを抱き上げてくれた。
「2つ下なんて思えないよ。男、って感じ。頼もしい!」
 目を合わせて褒めまくる。彼は恥ずかしげに、それでいて誇らしげな笑顔を見せた。

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