vol.1⑤Present
「はいっ。こちら薔薇のオープンハートアレンジが3つ、それとお荷物が2つ。3人さまからですぅ」
「えっ、あっと。はいっ。晶良、サインしといて」
なんとなくご主人さまらしくふるまってしまう。
(なんか…、こんなところが、年下だよなぁ)
ブスっとしつつも、
「ありがとう。ご苦労さま」
と笑顔で言うあたりが、らしいというか…。ドアがバタンっと閉じて、まじまじと、それを見る。
いきなり届いた薔薇の花のプレゼント。うれしい、というか、あまりの豪華さに引いてしまう。
「3人から…って、だれとだれとだれ、からだろ?」
「えっとねぇ、赤い薔薇はCC社システム管理部から。へぇ~、リョースったら顔に似合わず素敵なこと、するじゃない。それとぉ、青い薔薇が、佐藤一郎…って、だれよ、これぇ?」
「メッセージカードがついてる。見てみよう」
「えっ、あっと。はいっ。晶良、サインしといて」
なんとなくご主人さまらしくふるまってしまう。
(なんか…、こんなところが、年下だよなぁ)
ブスっとしつつも、
「ありがとう。ご苦労さま」
と笑顔で言うあたりが、らしいというか…。ドアがバタンっと閉じて、まじまじと、それを見る。
いきなり届いた薔薇の花のプレゼント。うれしい、というか、あまりの豪華さに引いてしまう。
「3人から…って、だれとだれとだれ、からだろ?」
「えっとねぇ、赤い薔薇はCC社システム管理部から。へぇ~、リョースったら顔に似合わず素敵なこと、するじゃない。それとぉ、青い薔薇が、佐藤一郎…って、だれよ、これぇ?」
「メッセージカードがついてる。見てみよう」
闇の女王より腕輪所持者とその伴侶へ
で始まるメッセージ。
「ヘルバ姐さん!?」
驚く晶良にうなずいて、メッセージを読み上げていく。
で始まるメッセージ。
「ヘルバ姐さん!?」
驚く晶良にうなずいて、メッセージを読み上げていく。
まずは、結婚おめでとう。
祝いの品なら少しでも華やかなほうがいいだろう!?
ともに戦い苦難を乗り越え、そして結ばれた2人のために、選ばせてもらった。
気に入ってもらえる、と思う。
ふふ…らしくないかしら?
そうそう、佐藤一郎とは偽名だ。住所も架空のものだからな。それらの『記号』がないと、荷物は送れないので。念のため。
祝いの品なら少しでも華やかなほうがいいだろう!?
ともに戦い苦難を乗り越え、そして結ばれた2人のために、選ばせてもらった。
気に入ってもらえる、と思う。
ふふ…らしくないかしら?
そうそう、佐藤一郎とは偽名だ。住所も架空のものだからな。それらの『記号』がないと、荷物は送れないので。念のため。
「へぇ~。さすがヘルバ姐さん、人間ができてるなぁ」
ニコニコ顔の晶良。機嫌はすっかり良くなっている。続きを読む。
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──ところで腕輪所持者よ、おまえ、だれを選んだのだ?
無駄に明るい呪紋使いは、人妻で子持ちだから論外として…。
あからさまに好意を示していた目の細い双剣士か?
無口なくせに、お前を見つめる目は妙に熱かった重槍使い?
いろいろ手ほどきを受けていた関西弁の剣士、かしら?
現実的なところでは、九州の資産家の娘の重斧使いに、逆玉?
無駄に明るい呪紋使いは、人妻で子持ちだから論外として…。
あからさまに好意を示していた目の細い双剣士か?
無口なくせに、お前を見つめる目は妙に熱かった重槍使い?
いろいろ手ほどきを受けていた関西弁の剣士、かしら?
現実的なところでは、九州の資産家の娘の重斧使いに、逆玉?
読むのがつらい。晶良から嫌なオーラが出ている。心の中で血の叫びをあげてみる。
(ヘ、ヘルバぁ、困るよ。波風たてないでよぉ~)
「続き、読んで」
低く、うなるような晶良の声。逆らえっこない…。
(ヘ、ヘルバぁ、困るよ。波風たてないでよぉ~)
「続き、読んで」
低く、うなるような晶良の声。逆らえっこない…。
元アイドルグループの鈴木遊夏とかいう娘とも親しそうに話していたよな?
司と昴は…、まあ違うか。
おまえとよく一緒にいた、あの重剣士…
司と昴は…、まあ違うか。
おまえとよく一緒にいた、あの重剣士…
「そ、そう、そうだよ、ヘルバ! まったくぅ」
エアコンの利いた部屋で、とっても嫌な汗をかきながら、ほっと息をつく。
「続き」
「は、はいっ。えっとぉ」
「続き」
「は、はいっ。えっとぉ」
──あの重剣士、と同じエディット・キャラの…ミミル? リアルでは結構、発展家の娘だったが。
「なにが。そう、なのかな?」
(こ、怖い…。続き、読んじゃえ)
(こ、怖い…。続き、読んじゃえ)
そうそう、腕輪継承者の双子の妹、もう食べごろ、だな?
(これは…、ただのお祝いなんかじゃない! 別の目的を持った何かが、うごめいている…)
(これは…、ただのお祝いなんかじゃない! 別の目的を持った何かが、うごめいている…)
「ア・ン・タ」
「こじんじょうほうほごほうは、どおなっているんだあ」
セリフ、棒読み…。
「わぁ~ん!」
テーブルに突っ伏して、いきなり泣きだす晶良。
(ウソ泣きっぽいけどなぁ。でも、そんなこと言ったら殺される…)
「ひどい人、玲奈ちゃんにまで色目を使ってたなんてぇ」
「そんなことっ! 違うってば、これはヘルバの悪い冗談だよっ」
「やっぱり、若い娘のほうがいいんだぁ~。わぁ~ん」
(そりゃあ、そうだけど…。じゃなくて! 取り付く島がないよぉ)
「ぼくはっ! 年下とか年上とかじゃなくて、晶良が好きなのっ! 愛してるのっ!」
「私が初めてってウソなんでしょー。アタシ、こんな浮気ものに処女を捧げちゃったんだぁ。わぁ~ん」
「ほんとだよっ。ぼくの最初の人は晶良。神に誓うよ!」
(神さま、ゴメンっ!)
「こじんじょうほうほごほうは、どおなっているんだあ」
セリフ、棒読み…。
「わぁ~ん!」
テーブルに突っ伏して、いきなり泣きだす晶良。
(ウソ泣きっぽいけどなぁ。でも、そんなこと言ったら殺される…)
「ひどい人、玲奈ちゃんにまで色目を使ってたなんてぇ」
「そんなことっ! 違うってば、これはヘルバの悪い冗談だよっ」
「やっぱり、若い娘のほうがいいんだぁ~。わぁ~ん」
(そりゃあ、そうだけど…。じゃなくて! 取り付く島がないよぉ)
「ぼくはっ! 年下とか年上とかじゃなくて、晶良が好きなのっ! 愛してるのっ!」
「私が初めてってウソなんでしょー。アタシ、こんな浮気ものに処女を捧げちゃったんだぁ。わぁ~ん」
「ほんとだよっ。ぼくの最初の人は晶良。神に誓うよ!」
(神さま、ゴメンっ!)
両手で顔を覆ったまま、肩を震わす晶良。
(マジか? 演技か? でも、絶対何か、ある。それに、ここで引き下がったら、一生頭が上がらなくなる。よしっ!)
おのれの第六感を信じて、
「…晶良は、ぼくが信じられないんだ…。悲しいな…。ぼく、嫌われた? 嫌われてもしようがないか…。もう、問題ないのに。ぼくは出ていくよ。これからも、友達でいてくれたら、うれしいな」
声から色を消し張りをなくし、さらに表情を殺す。一世一代の大芝居。吉と出るか、それとも!? わざと大きな音をたてて椅子を引く。
「えっ!?」
と晶良が顔を見せた瞬間、心の中でガッツポーズ! やったねっ! 笑いをかみ殺す。
(やっぱり、ウソ泣きだ。ったく、ヘルバめぇ。さては、出張中に晶良と打ち合わせしてたなぁ。ヘルバのことだから、証拠を残すなんてことはないだろうし…あぶない、あぶない)
「あ、あの、さ。…ダメ、出てっちゃ」
しどろもどろの晶良。内心では、きっと舌打ちしていることだろう。
(さぁ~て。お仕置き、お仕置き)
「だって、晶良はぼくのこと、嫌いになったんだろ?」
「違うっ! そんなこと、ない。ちょっと意地悪してみたくなった、だけなの」
「ふぅ~ん。ご主人さまを困らせる、悪い奥さんだね、晶良は」
「ごめん…」
「埋め合わせ、してくれるよね?」
「………」
「てんてんてん、じゃない、でしょ?」
「はい…」
下を向いて小さくなっている晶良。
(ムチの次はアメを与えなきゃ、ね。ん? ムチ、かぁ。それも悪くないかな。ま、いいや。カードはいつでも切れるし)
(マジか? 演技か? でも、絶対何か、ある。それに、ここで引き下がったら、一生頭が上がらなくなる。よしっ!)
おのれの第六感を信じて、
「…晶良は、ぼくが信じられないんだ…。悲しいな…。ぼく、嫌われた? 嫌われてもしようがないか…。もう、問題ないのに。ぼくは出ていくよ。これからも、友達でいてくれたら、うれしいな」
声から色を消し張りをなくし、さらに表情を殺す。一世一代の大芝居。吉と出るか、それとも!? わざと大きな音をたてて椅子を引く。
「えっ!?」
と晶良が顔を見せた瞬間、心の中でガッツポーズ! やったねっ! 笑いをかみ殺す。
(やっぱり、ウソ泣きだ。ったく、ヘルバめぇ。さては、出張中に晶良と打ち合わせしてたなぁ。ヘルバのことだから、証拠を残すなんてことはないだろうし…あぶない、あぶない)
「あ、あの、さ。…ダメ、出てっちゃ」
しどろもどろの晶良。内心では、きっと舌打ちしていることだろう。
(さぁ~て。お仕置き、お仕置き)
「だって、晶良はぼくのこと、嫌いになったんだろ?」
「違うっ! そんなこと、ない。ちょっと意地悪してみたくなった、だけなの」
「ふぅ~ん。ご主人さまを困らせる、悪い奥さんだね、晶良は」
「ごめん…」
「埋め合わせ、してくれるよね?」
「………」
「てんてんてん、じゃない、でしょ?」
「はい…」
下を向いて小さくなっている晶良。
(ムチの次はアメを与えなきゃ、ね。ん? ムチ、かぁ。それも悪くないかな。ま、いいや。カードはいつでも切れるし)
「もう、怒ってないよ」
後ろから包み込むように抱きしめ、やさしくささやく。
「ほんとに?」
振り返る晶良の瞳からこぼれた涙を吸う。服の上から胸を揉む。さすがに抵抗しない。
「愛してるよ。あとで、たっぷりかわいがってあげるから、ね」
そう言ってキスし、
「ヘルバのメッセージ、2枚目があるよ。読んでみよう」
後ろから包み込むように抱きしめ、やさしくささやく。
「ほんとに?」
振り返る晶良の瞳からこぼれた涙を吸う。服の上から胸を揉む。さすがに抵抗しない。
「愛してるよ。あとで、たっぷりかわいがってあげるから、ね」
そう言ってキスし、
「ヘルバのメッセージ、2枚目があるよ。読んでみよう」
──1枚目はジョークだ。許せ。
「世界に咲いた漆黒の薔薇」よ。
かつてザ・ワールドに平和をもたらしたときのように
「腕輪所持者」を支え、励まし、力を合わせて、
幸せな家庭を築くことを祈る。
おまえたちには、それができるはずだ。わたしはそう信じている。
これも…ふふ、らしくないかしらね?
「世界に咲いた漆黒の薔薇」よ。
かつてザ・ワールドに平和をもたらしたときのように
「腕輪所持者」を支え、励まし、力を合わせて、
幸せな家庭を築くことを祈る。
おまえたちには、それができるはずだ。わたしはそう信じている。
これも…ふふ、らしくないかしらね?
(こんなマトモなこと書けるのに、とんでもない悪だくみを画策する…。ヘルバ、食えないヤツ)
晶良は感激している。さっきの一件のせいか、涙腺が緩んでいるのかもしれない。続きを読む。
晶良は感激している。さっきの一件のせいか、涙腺が緩んでいるのかもしれない。続きを読む。
──花とともに送ったものは、
ちょっと言いにくいんだが、わたしの、その、てなぐさみ、だ。
新婦が喜ぶものばかりだが、結果的に新郎にも喜んでもらえる、
そう思っている。一針に、心を込めた、つもりだ。
ぼうや、お幸せに!
ちょっと言いにくいんだが、わたしの、その、てなぐさみ、だ。
新婦が喜ぶものばかりだが、結果的に新郎にも喜んでもらえる、
そう思っている。一針に、心を込めた、つもりだ。
ぼうや、お幸せに!
ヘルバからの贈りもの。送られてきた宅配便の袋を開けると、ショッキングピンクの地に黒い薔薇の刺繍が施されたエプロンが入っていた。
「わぁ~、素敵ぃ。この刺繍、ヘルバ姐さんが…」
「ヘルバもよくやる」
2人して、ヘルバのPCが刺繍をする姿を思い浮かべ、ぷっと吹き出してしまう。
「それにしても、結果的にぼくも喜ぶって、どおいうこと?」
「あっ、黄色い薔薇と、もう一つの箱は、だれからなの?」
何かを察したかのように、慌てて話題を変えようとする晶良の態度。頭の中にはぼやけたイメージがあるのだが、なかなか像を結ばない…。
「ねぇ? どおしたのよ?」
「えっ? ああ、なんでもない。えっと、こっちはね。御園真理子さん…」
その名前を口に出して、晶良と2人、ユニゾンで
「昴からだ!」
「…と佐久間杏、さん?」
「杏、って司よね? でも、彼女の苗字は確か、庄司だったよね?」
「メッセージが添えてある。読んでみよう」
「ヘルバもよくやる」
2人して、ヘルバのPCが刺繍をする姿を思い浮かべ、ぷっと吹き出してしまう。
「それにしても、結果的にぼくも喜ぶって、どおいうこと?」
「あっ、黄色い薔薇と、もう一つの箱は、だれからなの?」
何かを察したかのように、慌てて話題を変えようとする晶良の態度。頭の中にはぼやけたイメージがあるのだが、なかなか像を結ばない…。
「ねぇ? どおしたのよ?」
「えっ? ああ、なんでもない。えっと、こっちはね。御園真理子さん…」
その名前を口に出して、晶良と2人、ユニゾンで
「昴からだ!」
「…と佐久間杏、さん?」
「杏、って司よね? でも、彼女の苗字は確か、庄司だったよね?」
「メッセージが添えてある。読んでみよう」
ご結婚、おめでとうございます。
いつか、このような日がくると、ずっと思っていました。
…ごめんなさい。言葉にすると大事なことが
こぼれ落ちてしまいそうで…。
お幸せに。〈Mariko〉
いつか、このような日がくると、ずっと思っていました。
…ごめんなさい。言葉にすると大事なことが
こぼれ落ちてしまいそうで…。
お幸せに。〈Mariko〉
Anneです! 苗字見て驚いた?
実は、オッサンの養女になりました。
お義父さんの本、買ってね! 印税入んないと生活できないから(笑)。
「アンヌーン」なんて、オススメだよ!
そうそう、お義父さんが再婚したときには、お祝い、ありがとうございました!
万智子お義母さんも喜んでました。
いつまでも、お幸せに、ね!
実は、オッサンの養女になりました。
お義父さんの本、買ってね! 印税入んないと生活できないから(笑)。
「アンヌーン」なんて、オススメだよ!
そうそう、お義父さんが再婚したときには、お祝い、ありがとうございました!
万智子お義母さんも喜んでました。
いつまでも、お幸せに、ね!
「司…杏って、明るくなったなぁ。続き、読むよ」
プレゼントは、2人で選びました。
私たちのどちらもが満足できた逸品ですよぉ。
一つだけ、注意を。
晶良さん。一人で楽しまず、必ずご一緒に使用するようにしてくださいね。
それでは、再びお会いできる日を楽しみにしております。
私たちのどちらもが満足できた逸品ですよぉ。
一つだけ、注意を。
晶良さん。一人で楽しまず、必ずご一緒に使用するようにしてくださいね。
それでは、再びお会いできる日を楽しみにしております。
「??? 何を送ってくれたんだろう?」
「開けてみましょうよ。なんか…ワクワクするよね」
「開けてみましょうよ。なんか…ワクワクするよね」
包装紙をはずし、細長い箱を開ける。そこには…、
「わっ、何よ、これぇ!?」
「…大人の…オモチャ…」
男性自身を模したそれは30㎝ほどもあり、怪しく黒光りしている。
「やぁ、もお!」
晶良は両手で赤くなった顔を覆ってしまうが、指の間からチラチラとそれを見ている。
「それにしても、私たちのどちらもが満足、って…。あの2人…」
「百合、だったんだぁ。アタシたちの結婚式の2次会にきてくれた2人って、見ているほうが恥ずかしくなるくらい、ラブラブだったもんねぇ」
照れくささもどこへやら、晶良が納得したように話す。
(女って、こういう話題、好きだよなぁ)
「晶良はさ、そおいう経験、ある?」
軽い気持ちで聞いてみる。ところが、予想に反して晶良は微妙な反応を見せる。
「えっ! えっ…と。ないことは、ない、ってゆ~か。あの、言いにくいんだけどぉ…高校時代、にね…、テニス部の先輩に、ね」
「え~っ! な、なにがあったの?」
意表をつく展開にどぎまぎしてしまう。晶良はもじもじしながら
「わっ、何よ、これぇ!?」
「…大人の…オモチャ…」
男性自身を模したそれは30㎝ほどもあり、怪しく黒光りしている。
「やぁ、もお!」
晶良は両手で赤くなった顔を覆ってしまうが、指の間からチラチラとそれを見ている。
「それにしても、私たちのどちらもが満足、って…。あの2人…」
「百合、だったんだぁ。アタシたちの結婚式の2次会にきてくれた2人って、見ているほうが恥ずかしくなるくらい、ラブラブだったもんねぇ」
照れくささもどこへやら、晶良が納得したように話す。
(女って、こういう話題、好きだよなぁ)
「晶良はさ、そおいう経験、ある?」
軽い気持ちで聞いてみる。ところが、予想に反して晶良は微妙な反応を見せる。
「えっ! えっ…と。ないことは、ない、ってゆ~か。あの、言いにくいんだけどぉ…高校時代、にね…、テニス部の先輩に、ね」
「え~っ! な、なにがあったの?」
意表をつく展開にどぎまぎしてしまう。晶良はもじもじしながら
「キス、されたこと、あるんだ…」
「キ、キス…だけ?」
「当ったり前でしょ! その先をせがまれたときは固まっちゃったけど、我に返って逃げだしたわよ」
「ふぅ~ん」
(あ~、ビックリしたぁ。まだまだ、ぼくの知らない晶良がいるんだ)
「だっけどぉ。なんつーもの、送ってくるんだ、あの2人は。使わないわよ、アタシは! …って、なによ、その目…」
晶良は、ぼくの瞳の奥に暗い炎が灯るのに気がついたみたいだ。無性に喉が渇く。コーヒーを飲み干し、切り出す。
「あ、あのさぁ…」
そのとき、パソコンがポ~ンと気の抜けたような音を発し、メール着信を知らせる。
「なんだよぉ」
ブツブツ言いながら、メールを開く。
「ヘルバかよっ」
ぶっきらぼうに言って、声を出してメールを読む。
「なになに、『そろそろ届いたころだろう。注意書きをつけるのを忘れていた。くれぐれも、裸エプロンなどに使用するなよ。いいか、裸エプロンはダメだからな』…だって」
「あ、あ、当ったり前よ。そんな恥ずかしいカッコ、できますかっ!」
真っ赤になって、ぶんぶんと顔を横に振る晶良。その姿を見て、ようやく像が重なった。
(! これだったのかぁ。なんで気がつかなかったんだろ、くぅ~)
「ねぇ、晶良さん。あ、あの。お願いが、あるんだけど…」
「アンタが"さん"付けするときって、やらしいことばっか求めてくるんだかんね!」
「えっ、そうなの? 全然気づかなかった」
「えぇ。そ~よ。そ~なのよ。アタシ、ヤだかんね!」
「まだ、何も言ってない…」
「キ、キス…だけ?」
「当ったり前でしょ! その先をせがまれたときは固まっちゃったけど、我に返って逃げだしたわよ」
「ふぅ~ん」
(あ~、ビックリしたぁ。まだまだ、ぼくの知らない晶良がいるんだ)
「だっけどぉ。なんつーもの、送ってくるんだ、あの2人は。使わないわよ、アタシは! …って、なによ、その目…」
晶良は、ぼくの瞳の奥に暗い炎が灯るのに気がついたみたいだ。無性に喉が渇く。コーヒーを飲み干し、切り出す。
「あ、あのさぁ…」
そのとき、パソコンがポ~ンと気の抜けたような音を発し、メール着信を知らせる。
「なんだよぉ」
ブツブツ言いながら、メールを開く。
「ヘルバかよっ」
ぶっきらぼうに言って、声を出してメールを読む。
「なになに、『そろそろ届いたころだろう。注意書きをつけるのを忘れていた。くれぐれも、裸エプロンなどに使用するなよ。いいか、裸エプロンはダメだからな』…だって」
「あ、あ、当ったり前よ。そんな恥ずかしいカッコ、できますかっ!」
真っ赤になって、ぶんぶんと顔を横に振る晶良。その姿を見て、ようやく像が重なった。
(! これだったのかぁ。なんで気がつかなかったんだろ、くぅ~)
「ねぇ、晶良さん。あ、あの。お願いが、あるんだけど…」
「アンタが"さん"付けするときって、やらしいことばっか求めてくるんだかんね!」
「えっ、そうなの? 全然気づかなかった」
「えぇ。そ~よ。そ~なのよ。アタシ、ヤだかんね!」
「まだ、何も言ってない…」
「わかるわよっ。アンタの考えそぉなことくらい。この、スケベ!」
「だから、何も言ってないってば」
「ど~せ! アタシに裸エプロンさせて、この変な道具を使ってみよう…とか、でしょ」
「それ、いいね!」
「えっ? アンタの考えてたことって…、もしかして、違う…の?」
(もちろん、そうさ。でも、イジメちゃお~っと)
「ぼくはただ…、みんなへのお返し、奮発しなきゃ、って」
「そ、そ、そ、それは、そうね。ちゃんとしないと、ダメよね」
「だけどさ。晶良がそういうこと、したいんなら…」
「ア、アタシは別に…」
「してみたいな、ぼくは。裸エプロンで悶える晶良。…うん、見てみたいっ」
「やぁだあ~。恥ずかしいじゃないのぉ。もぉ、考えらんない!」
「でも、考えたんだ」
「それは! アンタが、その、そぉいうこと、したそうだなって、思ったから…」
「よくわかってるじゃない。さすが、ぼくの奥さん」
「ほんとにしたいの? ヤ、だよ。泣いちゃうよ?」
ぼくはSEXが好きだ。何事にも本気で取り組む、というか、好奇心旺盛に生きてきたし、それで人生結構うまくいっている。SEXも同じ。愛情表現として大事だし、なにより気持ちいいじゃないか。
それに、相手が晶良というのも大切なポイントだ。8年も交際して結婚したくらいだから相性はもちろんいいのだが、体がまたよく合うのだ。
でも、晶良はSEXに対して積極的ではない。初めてのときから、ベッドの上ではまるで年上っぽくない。それでも、デートを重ねてわかったことがある。あごをちょっと引いて上目づかいにぼくを見つめて黙っているときは、「おねだり」サインだってこと。
ただし、いまの晶良は「ほしそうな」感じではない。恥ずかしさと一生懸命戦っている様子だ。ザ・ワールドでは後先考えずに突っ走るタイプだったのに。といっても、弟の救出とSEXの追求を同列に論ずるわけにはいかないか…。
(素直にやってくれそうにないなぁ。よ~し、カードを切っちゃお)
「だから、何も言ってないってば」
「ど~せ! アタシに裸エプロンさせて、この変な道具を使ってみよう…とか、でしょ」
「それ、いいね!」
「えっ? アンタの考えてたことって…、もしかして、違う…の?」
(もちろん、そうさ。でも、イジメちゃお~っと)
「ぼくはただ…、みんなへのお返し、奮発しなきゃ、って」
「そ、そ、そ、それは、そうね。ちゃんとしないと、ダメよね」
「だけどさ。晶良がそういうこと、したいんなら…」
「ア、アタシは別に…」
「してみたいな、ぼくは。裸エプロンで悶える晶良。…うん、見てみたいっ」
「やぁだあ~。恥ずかしいじゃないのぉ。もぉ、考えらんない!」
「でも、考えたんだ」
「それは! アンタが、その、そぉいうこと、したそうだなって、思ったから…」
「よくわかってるじゃない。さすが、ぼくの奥さん」
「ほんとにしたいの? ヤ、だよ。泣いちゃうよ?」
ぼくはSEXが好きだ。何事にも本気で取り組む、というか、好奇心旺盛に生きてきたし、それで人生結構うまくいっている。SEXも同じ。愛情表現として大事だし、なにより気持ちいいじゃないか。
それに、相手が晶良というのも大切なポイントだ。8年も交際して結婚したくらいだから相性はもちろんいいのだが、体がまたよく合うのだ。
でも、晶良はSEXに対して積極的ではない。初めてのときから、ベッドの上ではまるで年上っぽくない。それでも、デートを重ねてわかったことがある。あごをちょっと引いて上目づかいにぼくを見つめて黙っているときは、「おねだり」サインだってこと。
ただし、いまの晶良は「ほしそうな」感じではない。恥ずかしさと一生懸命戦っている様子だ。ザ・ワールドでは後先考えずに突っ走るタイプだったのに。といっても、弟の救出とSEXの追求を同列に論ずるわけにはいかないか…。
(素直にやってくれそうにないなぁ。よ~し、カードを切っちゃお)