瑞州航空宇宙機構

瑞州航空宇宙機構(ずいしゅうこうくううちゅうきこう、英:Zuishu Aeronautics and Space Agency、ZASA)は、瑞州合衆国連邦政府内における宇宙開発に関わる計画を担当する連邦機関である。

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瑞州航空宇宙機構
Zuishu Aeronautics and Space Agency
ロゴマーク
創設 1958年
国籍
瑞州合衆国連邦
長官 中田裕之
所管 大統領府・総務省・文部科学省・商務労働省
人員 15300人
予算 4000億円
本部所在地 瑞京府京師区



組織・施設

瑞州の宇宙開発組織は元々三軍に加え、宇宙開発組織など様々な組織が存在していた。秋幸久大統領以降、これらの機関を統合する動きが進み、瑞州航空宇宙機構(ZASA)が発足している。軍の宇宙開発については過去には三軍がそれぞれ開発を行っていたが、現在では国防総省が総合的に行うようになっている。

ZASAの主な活動は宇宙開発を行う軍、民間、政府機関などの各部局の調整と、独自での宇宙開発であった。宇宙開発が国によって協力に推し進められた1960年代ごろにはZASAが主力で開発から生産までを行っていた。しかし、近年では予算の減額からロケットの開発は企業の援助や、軍からのロケット技術の移転などで費用を抑える傾向にある。民間企業としては軍用ミサイルを生産する企業に加え、商業軌道輸送サービス企業などが存在する。これらの企業は国家やZASAから強く支援されているが、民間の打ち上げ企業ということになっている。これらの民間企業に商業軌道輸送サービスを全面的に担わせることも期待されている。現在ZASAが中心的に行うのは宇宙探査のための衛星や探査機の開発研究である。

ZASAの本部は京都にあり、ここからすべての支局に指示を出している。大隅宇宙センターではロケットの部品を輸送するための鉄道も運営されていた。各分野ごとの研究施設の一覧は、下記のとおりである。これらのうちのいくつかは、歴史的あるいは管理上の理由から複数の設備を持っている。

  • 瑞京本部:瑞京府京師区
  • 薩鹿川内研究センター:薩鹿州薩鹿川内市
  • 児隅宇宙センター:児隅州霧洲市
  • 滝頭山宇宙センター:参河州鴫原市に所在。ロケット発射場、ICBMテストサイトを有する。滝頭山空軍基地と共用。

航空機

ZASAでは科学調査や宇宙飛行士の訓練などに使用する航空機を多数運用しており、これらの機材を運用する人員も多数雇用している。機体は瑞州軍の払い下げなどを民間機として再登録したものが多いが、新規取得や実験機の新規開発も行っている。施設の多くは飛行場に隣接しているため、貨物や研究者の移送は自前で行っている。

政策

スペースリターナー計画

スペースリターナー計画は、瑞州の再使用型宇宙往還機(Reusable Launch Vehicle)システムの計画として唯一実現した計画であり、1970年代後半から1980年代にかけてZASAの主要な焦点となった。当初は頻繁に打ち上げ可能な完全再利用型の機体として計画されていたが、開発コスト削減のため、消耗品の外部推進剤タンクを使用する設計に変更され、1985年までに4機のデルタラムダ(宇宙船本体部)が建造された。デルタラムダとは、ギリシア語におけるΔιαστημικό Λεωφορείο(天空バス)の頭文字同士の組み合わせである。

その主な構成要素は、外部燃料タンクを備えたスペースプレーン型宇宙船と、その脇にある2基の固体燃料発射ロケットである。宇宙船本体よりも大きな外部タンクは、再利用されなかった唯一の主要部品であった。デルタラムダは高度185~643kmの軌道を周回し、低軌道飛行なら最大積載量の24,400kgまでのペイロードを運ぶことができた。ミッションは5~17日間、乗員として2~8名の宇宙飛行士が搭乗した。

デルタラムダの一覧

  • ΔΛ001-EX リュラ
  • ΔΛ002 エクレウス
  • ΔΛ003 サジタリウス
  • ΔΛ004 アリエス
  • ΔΛ005 デルフィヌス
  • ΔΛ101-S キャンサー
  • ΔΛ102-S アクエリアス
  • ΔΛ103-M シグナス
+ 各デルタラムダの詳細
各デルタラムダの詳細
スペースリターナー・リュラ
ΔΛ001-EX Space Returner Lyra
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ΔΛ001-EX リュラは、スペースリターナー・デルタラムダの試作1号機であり、型式名の末尾に-EX(Experiment)が付与されている。愛称の「リュラ」はこと座に由来する。試作実験機であるため、大気圏内のみの飛行能力を持つ。

飛行ミッション一覧
・FFT-1(1977)
・FFT-2(1977)
・FFT-3(1977)
・FFT-4(1977)
・FFT-5(1977)

機体概要
瑞州 型式名 ΔΛ001-EX
飛行回数 5(大気圏内) 船外活動 0
衛星放出 0 乗員 >3
初飛行 1977年(滑空試験) 最終飛行 1977年(FFT-5、無動力飛行)
スペースリターナー・エクレウス
ΔΛ002 Space Returner Equuleus
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ΔΛ002 エクレウスは、スペースリターナー・デルタラムダの2号機である。愛称の「エクレウス」はこうま座に由来する。1号機のリュラは大気圏内専用の試作実験機であるため、宇宙に到達した最初のスペースシャトルである。
28回目のミッション前検査で耐熱パネルに穴が開いているのが見つかり、打ち上げ後の帰還が不可能と判断されミッションは中止、エクレウスは退役処分となった。しかし宙兵隊により攻撃衛星計画「オンシジューム」が策定されたことにより、デルタラムダの貨物室とロボットアームを転用した大気圏内への帰還を前提としない軌道周回型衛星整備ドッグが考案される。ドッグ転用機の一号機としてエクレウスが選定され、改装作業を受けた後に打ち上げられた。XPCS-1と再分類され宙兵隊の管轄となったエクレウスについては同項目で記載している。

飛行ミッション一覧


機体概要
瑞州 型式名 ΔΛ002
飛行回数 船外活動
衛星放出 乗員 7
初飛行 最終飛行
スペースリターナー・サジタリウス
ΔΛ003 Space Returner Sagittarius
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ΔΛ003 サジタリウスは、スペースリターナー・デルタラムダの3号機である。愛称の「サジタリウス」はいて座に由来する。
10回目の打ち上げ直前に、低温を理由とした氷の貼り付きが起き、打ち上げは中止となった事件が起きている。
宙兵隊により攻撃衛星計画「オンシジューム」が策定されたことにより、デルタラムダの貨物室とロボットアームを転用した大気圏内への帰還を前提としない軌道周回型衛星整備ドッグが考案される。ドッグ転用機の二号機としてサジタリウスが選定され、改装作業を受けた後に打ち上げられた。XPCS-2と再分類され宙兵隊の管轄となったサジタリウスについては同項目で記載している。

飛行ミッション一覧


機体概要
瑞州 型式名 ΔΛ003
飛行回数 船外活動
衛星放出 乗員 7
初飛行 最終飛行
スペースリターナー・アリエス
ΔΛ004 Space Returner Aries
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ΔΛ004 アリエスは、スペースリターナー・デルタラムダの4号機である。愛称の「アリエス」はおひつじ座に由来する。

飛行ミッション一覧


機体概要
瑞州 型式名 ΔΛ004
飛行回数 船外活動
衛星放出 乗員 7
初飛行 最終飛行
スペースリターナー・デルフィヌス
ΔΛ005 Space Returner Delphinus
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ΔΛ005 デルフィヌスは、スペースリターナー・デルタラムダの5号機である。愛称の「デルフィヌス」はいるか座に由来する。試作機であるため、大気圏内のみの飛行能力を持つ。

飛行ミッション一覧


機体概要
瑞州 型式名 ΔΛ005
飛行回数 船外活動
衛星放出 乗員 7
初飛行 最終飛行
スペースリターナー・キャンサー
ΔΛ101-S Space Returner Cancer
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ΔΛ101-S キャンサーは、スペースリターナー・デルタラムダのアビオニクスの試験と訓練用の模擬装置であるため、型式名の末尾に-S(Simulation)が付与されている。愛称はかに座に由来するが、宇宙船として完成しておらず、当初はデルタラムダの一部として数えられていなかったため、この愛称は型式名とともに退役後に追贈されたものである。実際の軌道船のハードウェアとフライトソフトウェアを統合し、模擬飛行環境でテストするZASA軌道船アビオニクス研究所に置かれていた。

機体概要
瑞州 型式名 ΔΛ101-S
飛行回数 飛行不可能 船外活動 -
衛星放出 - 乗員 -
初飛行 - 最終飛行 -
スペースリターナー・アクエリアス
ΔΛ102-S Space Returner Aquarius
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ΔΛ102-S アクエリアスは、スペースリターナー計画におけるデルタラムダ軌道船の移動と取り扱い訓練用のモックアップ、模擬機であるため、型式名の末尾に-S(Simulation)が付与されている。愛称はみずがめ座に由来する。鉄と木でできた、1977年にZASAが無名の設備試験品として製作した簡略模型が初代であり、後にそれを元にした実物大の金属製模型が製作された。
初代アクエリアスは、道路のクリアランス、クレーンの能力、構造物内の適合性などを確認するために使用された他、車両組立棟、オービター処理施設、着陸施設での地上クルーのテストにも用いられた。アクエリアスは、実際のオービターとほぼ同じ大きさ、形、重さであるため、より繊細で高価な1号機・リュラを使用することなく、設備試験を行うことができた。
スペースリターナー計画が順調に軌道に乗るとアクエリアスの役目は終わり、長期間保管されていたが、1983年に博覧会展示のために民間企業が購入。木製モックアップをベースに外観を細部まで詳細に復元した金属製の実物大模型が製作され、博覧会で展示された後、この模型はZASAに寄贈された。この時にZASAはΔΛ102-Sの型式名と、それまでは通称として使われていた「アクエリアス」を正式な愛称としてこの模型に送った。

機体概要
瑞州 型式名 ΔΛ102-S
飛行回数 飛行不可能 船外活動 -
衛星放出 - 乗員 0
初飛行 - 最終飛行 -
スペースリターナー・シグナス
ΔΛ103-M Space Returner Cygnus
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ΔΛ103-M シグナスは、スペースリターナー計画におけるデルタラムダ軌道船の実物大模型であるため、型式名の末尾に-M(full size Model)が付与されている。ZASAやノースズーイッシュ・カント社などの製造関連企業から提供された回路図、設計図、記録文書を使って製作された。シグナスの機能の多くは模擬製作に過ぎないが、着陸装置など一部の部品はスペースリターナー計画でも実際に使用されたものが使われている。
展示場所では、シグナスに隣接して、外部タンクの実物大模型(もともとステニス宇宙センターが適合試験用に使用していたもの)と結合した2つの固体ロケットブースターがある。またシグナス内部にはペイロードのモックアップ、宇宙飛行士が使用するオレンジ色の発射・突入用与圧服の初期モデルを着用したマネキン、制御装置や計器を備えた模擬コックピットなどを見ることができる。
愛称の「シグナス」は、はくちょう座に由来している。

機体概要
瑞州 型式名 ΔΛ103-M
飛行回数 飛行不可能 船外活動 -
衛星放出 - 乗員 0
初飛行 - 最終飛行 -
+ スペースリターナーのミッション一覧

FTT:Free Flight Testing
TISM:Transport into Space Mission

打上げ日 ミッション デルタラムダ 着陸地点 乗員 内容
1977年8月12日 FFT-1

()リュラ



()南牧宙兵基地





2
初の大気圏内自由飛行
1977年9月13日 FFT-2 2回目の大気圏内自由飛行
1977年9月23日 FFT-3 3回目の大気圏内自由飛行
1977年10月12日 FFT-4 4回目の大気圏内自由飛行
1977年10月26日 FFT-5 5回目の大気圏内自由飛行
1981年4月12日 TISM-1

()エクレウス
初のスペースリターナーのフライト、エクレウス号初飛行。
1981年11月12日 TISM-2
1982年3月22日 TISM-3 鹿嶋射撃場
1982年6月27日 TISM-4

()南牧宙兵基地
1982年11月11日 TISM-5
()4
初の実用飛行。衛星放出。
1983年4月4日 TISM-6
サジタリウス
サジタリウス号初飛行、衛星放出、スペースリターナー初の宇宙遊泳。
1983年6月18日 TISM-7 衛星放出。
1983年8月30日 TISM-8 ()5 初の夜間打ち上げ、夜間着陸。
1983年4月12日 TISM-9 エクレウス



今後の目標

宮崎圭介大統領時代に「マルス計画」と呼ばれる計画が立てられた。これは人類を再び月へ運び、さらにその技術から火星へ向かうという計画であった。この計画によって一時的にZASAの予算が増加し、有人惑星探査のためにZASA内部の資金も大きく割り振られたが、国内の経済状況の変化から予算が再び減少に戻り、次の政権に就いた土屋賢史大統領により計画は完全に廃止された。しかしながら、土屋大統領もこれに代わる新たな方針として2030年代半ばまでの有人火星探査計画を公表している。この計画では瑞州は火星に行くために注力し、火星の周りの周回軌道に人類を送り込むという計画である。

その後、さらに次の政権に就いた嵯峨野達郎大統領は月面開発を足がかりにして火星への有人探査を目指す新たな方針を2019年に表明しており、ZASAも2029年までに再び月面への有人着陸を目指す「ケイコク計画」を2019年に公表している。



広報

児隅宇宙センターや滝頭山宇宙センターは宇宙技術の博物館になっており、また、宇宙技術の告知に利用されている。また、ZASA独自に専門チャンネルのZASAテレビを持っており、有人宇宙飛行のミッションの中継や、記録映像の公開、製作したドキュメンタリー、宇宙番組や科学番組などを一般向けに放映している。

最終更新:2025年03月14日 00:54