純粋恋愛維持機関

純粋恋愛維持機関(英:Agency to Maintain Pure Love、通称AMPL(アンプル))とは、瑞州情報局(ZIA)、連邦捜査庁(FAI)、国防省、国土安全保障省、国家情報室の協力の元設立された、瑞州の国家方針を達成するための独立機関である。瑞州のインテリジェンス・コミュニティーを構成する機関の一。

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純粋恋愛維持機関
Agency to Maintain Pure Love
機関章
創設 2026年
国籍
瑞州合衆国連邦
種類 独立機関
別称 AMPL、アンプル
所在地 尾治州那古野市
AMPL長官 秋山秀哉



概要

本部は尾治州那古野市の黒川情報センター(Kurokawa Information Center)に置かれている。その他、全国各地に支部が置かれている。

AMPLは「純愛至上主義(国家純愛主義)」を掲げ、「国家浮気主義」「国家不倫主義」を危険思想としている。すなわち、浮気や不倫、打算愛を一般化する考えは人間社会に不要、害悪なものとする。AMPLはこれらの思想からもたらされる、個々人間の信頼が破壊された状態を「NTR:Noxious and Treacherous Relationship(有害かつ不誠実な関係性)」と定義し、排除対象としている。

AMPLの監視対象は国家浮気主義者ないし国家不倫主義者であり、一般国民(とその性癖)を監視対象に置こうなどという非民主的行為は(たとえある程度の特例が認められるAMPLであっても)許されないものとされる。

AMPLは直接行動部隊として、ZIAから転籍した900番台部隊を含む一個大隊を擁する他、瑞州国防軍の全面的支援を受ける。

Noxious and Treacherous Relationship

力による支配、弱肉強食の世界を希求する過激思想。日常においては、対象と定めた夫婦やカップルから片方を実力行使によって引きはがすことから始まり、国家安全保障の世界では領土の拡大や緩衝地帯、植民地の確保による自国のみの利益追求と安全確保を主張する。当然として他人、他国、他民族の人権や自決権は無視するので、民主主義とすこぶる相性が悪い。AMPLの報告によれば、瑞州内にはその個人的性癖によって寄り集まったグループが多いものの、地下組織然として政治への介入をも狙っているグループも存在し、特に後者は要監視対象として同機関や連邦捜査庁が目を光らせることになる。また、そのようなグループに、他政党から追い出された先鋭的な主張グループが合流することが多々あり、急進的な非合法活動が活発化することさえある。

歴史

瑞州は、瑞州暦1949年頃から、ZIAおよびFAIの共同秘密任務として「純愛至上主義」を掲げていたが、1990年代に入りこの方針も形骸化していた。しかし2026年になって保守党の新城彰一郎が大統領となると、新城はこの方針を復活させ、これを妨害するものには武力攻撃もやむなしとして、上記の組織群の協力のもとAMPLを設立した。AMPL設立のための大統領令は、新城の就任直後の同年8月1日に発せられ、AMPLは10日に設立された。

組織

長官のもとに、行政関係を所掌する行政副長官、作戦関係を所掌する作戦副長官が存在する。二人の副長官の下には以下の部門が存在する。

  • 行政副長官
    • 総務課
    • 保安課
    • 分析課
    • 訓練課
    • 工作調整課
  • 作戦副長官
    • 特務独立大隊「鳥巣」
      • 第901本部中隊「碧鳥」:他の部隊で経験を積んだ者やZIAの背広組に属する人員で構成。主任務は鳥巣部隊の全体指揮。
      • 第902防諜中隊「啄木鳥」:瑞州特殊作戦軍司令部やその他の特殊作戦コマンド、警察組織からの出向者で構成。主任務は防諜、機密保持の多目的部隊。
      • 第903作戦中隊「狗鷲」:各軍特殊作戦コマンドからの出向者で構成。主任務は実力行使、前線での特殊作戦。
      • 第904支援中隊「星鴉」:軍や機動隊などの出向人員で構成。主任務は追尾、視察、盗聴、第903小隊の支援や共同作戦。
      • 第905情報中隊「鶺鴒」:主任務は情報操作、心理戦。
      • 第906調査中隊「海秋沙」:主任務は情報調査、監査。督戦部隊というほどではないが、他中隊の作戦監視も行う。
      • 第907警備中隊「朱鷺」:機械化警吏(MC)を運用する専任部隊。AMPLとメーカーが専用開発したホワイトリリウム系のMCを運用する。
    • 技術工作課

装備

碧鳥中隊から鶺鴒中隊までに所属する車両にはAMPLの機関章が貼られている。海秋沙中隊はその任務の性質上、敵はおろか他中隊にもその存在を察知されないように、覆面車両を用い、所属車両には機関章を貼っていない。

23式機動戦車(ZM23)AMPL所属車両
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概要 性能諸元
用途 即応展開 全長 9.23m
分類 軽戦車/空挺戦車 全幅 2.85m
製造社 六菱重工業 全高 2.55m
運用状況 現役 要員数 3名
国防陸軍のものと基本的には同一。AMPLの戦場は主に市街地であることから、他のAMPL装備と同様に、全ての配備車両に市街地迷彩が施されている。第903作戦中隊に集中的に配備され、大規模NTR事案の鎮圧を任務とする。AMPL設立前に、指定NTR組織・下半身の自由(FOLB)に対して州警察や軍による合同掃討作戦が実施された際に、FOLBの一部の過激派が砂漠内の教団施設から密輸入ないし密造した戦車で出撃してきたため、装甲車を中心に構成された鎮圧部隊は逃げ惑うしかなく、陸軍戦車部隊の投入で鎮圧された。これを教訓とし、AMPLでは指定NTR組織への抑止力もかねて、即応が可能なZM23軽戦車を導入したという経緯がある。
05式軽装甲機動車 丙仕様 兵員輸送車型(ZM05C PCV)AMPL所属車両
概要 性能諸元
用途 偵察/巡察/警戒 全長 5.04m
分類 歩兵機動車 全幅 2.54m
製造社 六菱重工業 全高 2.31m
運用状況 現役 要員数 8名
国防陸軍のものと基本的には同一。AMPLの戦場は主に市街地であることから、他のAMPL装備と同様に、全ての配備車両に市街地迷彩が施されている。第901本部中隊・第905情報中隊の車両には、この車両から指揮統制を行う場合もあるため、陸軍の部隊指揮官車と同様にアンテナが取り付けられている。第902防諜中隊・第903作戦中隊・第904支援中隊の車両は、中隊長車以外にはアンテナが付いていないが、発煙弾発射機は全車に装備されている。またAMPL特務独立大隊のうち第906調査中隊だけはZM05を運用していない。同中隊は基本的に監査や作戦監視が主任務であり、敵はおろか他中隊にもその存在を察知されないように、覆面車両を用いている。



行動基準

NTR(Noxious and Treacherous Relationship、有害不誠実な関係性)が全国的に発生するのを抑えるため、国防軍のDEFCON制度に倣い、NTR警戒レベル(NTR-WL)を定めている。またこの基準は、警戒対象人物・事象・作戦の危険性を示すためにも用いられる。

一覧
NTR-WL 1(白) 最高度の危険性を示す。現在までに用いられたことは一度も無い。
NTR-WL 2(赤) 最高度に準じる危険性を示す。警戒対象人物では、危険思想団体の指導者、幹部がこれに区分される。
NTR-WL 3(黄色) 通常より高度な危険性を示す。警戒対象人物では、危険思想団体の構成員がこれに区分される。
NTR-WL 4(黄緑) 情報収集の強化と警戒態勢の上昇を意味する。
NTR-WL 5(水色) 通常状態を示す。準備状態の上昇はAMPL長官が宣言する。



緊急性中立化・終了任務

緊急性中立化・終了任務(Urgent Neutralizing and Termination Role、UNTR)は、AMPLが行う一連の作戦であり、大抵の場合はNTR主義者などの殲滅を目標とする。NTR主義者などの発生が確認された日か、その数日後までの間に任務が策定、上層部によって承認され、場合によっては国防軍や警察組織と共同で作戦が実行される。

任務番号は「瑞州暦下2桁+発生月+発生日」が割り振られ、これは必ずしも任務が決定された日とは一致しない。

用語集

脅威評価・区分

脅威評価は「当該目標が健在であり、かつAMPLや瑞州社会に悪影響を及ぼし続けている」場合、つまり殲滅作戦実行前の報告書などに使われる尺度である。脅威評価は「白」「赤」「黄色」「黄緑」「水色」の、色を用いた5段階で決定されるが、これはNTR警戒レベル(NTR-WL)とほぼ同義である。NTR-WLと同様、白の脅威評価が用いられたことは一度もない。

また区分は、あらかじめ定められた作戦区分を表し、「実働作戦任務」「監視任務」「任務棄却」「任務内容協議中」の4つがある。さらに区分の後に脅威評価が追記されることで、その作戦がどれだけの脅威を相手にするのかが一目瞭然である。

精神汚染

NTRなどの異常事象に曝露することで発生が認められる各種の精神的影響であり、対処別に3つの段階がある。

  • 性癖クラス精神汚染
    曝露者の性癖が捻じ曲がること。瑞州には思想良心の自由があるため、表にならなければAMPLは何もしないが、表になった段階で補正措置を下す。
  • 欲求クラス精神汚染
    曝露者の性癖が捻じ曲がった上、自身もそれを実行したくなること。通常は補正措置を行うが、危険な行動が見られた場合にのみ、AMPLは曝露者に対する即時の発砲が許可される。
  • 衝動クラス精神汚染
    曝露者の性癖が捻じ曲がった上、人間性を消失し、それがしたくてたまらなくなること。一般市民に多大なる悪影響が及ぶため、AMPLはこの汚染が認められた時点で曝露者に対する即時の発砲が許可される。



報告書一覧

監視対象

各州公安委員会は、NTR対策法第3条に定める3要件(「組織の威力を使って資金を獲得している」「構成員の思想として国家浮気主義ないし国家不倫主義を肯定」「階層的に組織を構成している」)の全てに該当する団体を「指定NTR組織」としており、AMPLは各州公安から提出されたリストを用い、これらの組織を常時監視対象におく。

指定NTR組織が指定暴力団と見分けがつかないケースが多々ある。

組織名 指定年 活動地域 備考
下半身の自由(FOLB) 1988年 全国 新興宗教。思想の先鋭化が危険視され、またいくつかのテロ事件を引き起こしたことから、州警察や軍の合同掃討作戦で壊滅。しかしその後いくつかの後継組織が乱立している。
殉教旅団 2000年 濃前州 FOLBの後継組織の一つ。2005年、濃前州警察により武器密輸などの疑いで強制捜査され、組織として大打撃を被った。現在ではほぼ活動が確認されていない。
NTR民族解放軍 1999年 北海半島 FOLBの後継組織の一つ。現在でも活動が確認されているものの、武器密輸などの動きはことごとく阻止されている。
国家浮気党 1988年 全国 1986年に結成された政党。FOLBとは異なり、選挙による合法的なNTR推進運動を行っていた。思想及び良心の自由を侵害する恐れがあること、特に目立った触法行為を行っていないことから、各州公安も指定するかどうか躊躇していたが、1987年の嶺狭州下院選挙で大敗。その後組織は先鋭化していき、1990年代後半には分裂した。
国家浮気党礒道派 2000年 嶺狭州 極右NTR主義を標榜。暴力革命による既存体制の打破を目指す。現在でも活動が確認されている。
国家浮気党平馬派 1998年 薩鹿州 中道NTR主義を標榜。選挙戦による既存体制の打破を目指す。2012年に公職選挙法違反(収賄)で一斉検挙。
略奪会 1988年 三勢州 暴力団の一つでもある危険組織。現在でも活動が確認されている。
性會 1990年 児隅州 暴力団の一つでもある危険組織。現在でも活動が確認されている。
最終更新:2024年12月03日 15:32