これは、荒井昭二が体験したひと夏の物語だ。



アパシー 荒井昭二

アパシー荒井昭二 ~牧場奇譚~

  • 登場作品:荒井
  • 種族:ゲーム(同人)
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 発売日:2021年10月23日/ 2025年3月1日
  • 価格:3,300円(税込)/1,650円
  • 総プレイ時間:5~40時間(平均)
  • 難易度:★★☆☆☆
  • 年代設定:現代
  • 関連人物:荒井昭二
  • 関連用語:殺される権利

概要

 『アパシー 荒井昭二』とは飯島多紀哉主催の同人サークル「七転び八転がり」が 番目に世に送り出した同人用ゲームタイトルである。本wiki中での略称は『荒井』。

 形式としては分岐ありのテキストアドベンチャーゲームである。EDは19種類。キャラクターデザインは倉馬奈未氏。
 前作『秘密』と同様に当初からソフト化はされず、ダウンロード専用販売となった。

 シナリオライターは飯島多紀哉氏に加え、『特別編』「蟲毒の地下室」などでお馴染みの海原望氏、『秘密』で猛威を振るったびたちー氏、葛斑氏、そして今回「アパシー・シリーズ」に初参加の「日野光里」氏が担当されている。

 『新生』に収録された「牧場奇譚」を根幹シナリオ(エンドロールシナリオ)とし、数々の分岐が追加されている。根幹に関しては『新生』のものとは異なる点が多少散見されるが、おおまかな話の流れは同じ。
 分岐による新展開は牧場関係のものと荒井の友人関係のものが半々の割合となっている。

 タイトルから勘違いされがちだが荒井昭二のファンディスクというわけではなく、経緯の節にある通り「牧場奇譚」の描かれなかった真実を描くというねらいから本作の制作に至ったようである。
 『アパシー 鳴神学園七不思議(鳴七)』にも本作の内容の大半は収録されたほか、2025年には『アパシー荒井昭二 ~牧場奇譚~』と銘打たれて新シナリオ「中村晃久のアルバイト斡旋奮闘記」を追加の上でSteam上で配信が開始された。
 根幹シナリオ部分は各サイトで無料配信されているため、興味が惹かれた方はそちらから入ってみるのもいかがだろうか。

あらすじ

 七不思議の集会後のある日、荒井昭二の元に坂上修一が訪れる。
 そこで坂上修一は荒井昭二の口から一年生の時の夏休みにしたという体験を聞くことになった。
 「恥の多い生涯を送ってきました」――、太宰治のあまりにも有名な一節に象徴される荒井昭二の悔恨とは?

 クラスメートの言葉を皮切りに荒井さんが青森の牧場で夏の一ヶ月を送る中、彼は好奇心に駆り立てられることになるのだろう。
 あるいは自らの同類との出会いをきっかけに、選択を迫られ知ってはいけない真実を目の当たりにするのかもしれない。
 もしくは友人たちとの交流に押し流され、とにかく他ではできない体験をして心拍数を上下させることになると思われた。

経緯

 話の発端は『新生』発売後まで遡る。まず「牧場奇譚」の分岐あり完全版の製作決定が原作者ブログで告知された(※現在はリンク切れ)。当初は『極』の追加シナリオパック内の一つとしてリリースする予定だったが、諸事情により断念という運びになった。

 代わりに『新生2』にならって、複数本のシナリオを内包するゲームの中の一本として再告知が行われ、2020年4月の生放送ではメインキャラ立ち絵も公開された。

 しかし、2020年に蔓延した新型コロナウイルスによるごたつきでしばらくの間作品が出すことができず、2021年になり当初のものから特にイラスト周りが一新され発表という形となった。
 [シナリオやシステム関係でも初期段階とは違うものになったのかもしれないが、その辺りの話は明かされていない。]

登場話早見

 前述した通り、主人公であり話し手の「荒井昭二」が一年前に関わったという牧場で働く人々にまつわる話と、荒井さんの友人やクラスメートが話の中心として展開するものとで大きく話の流れは二分される。
 前者に関しては「カズ」さんを中心として、牧場に隠されたもの(主として「肉」の正体)を探っていき、甘くひそやかな好奇心の毒に迫っていくことになる。
 この場合はカズさんから警告または誘導される形で選択の重みを再三に渡って強調されるのも特徴である。

 特筆すべきは後者の展開である。久方ぶりに再登場した「袖山勝」や「赤川哲也」など荒井さんにとって気心知れ渡った友人たちがピックアップされ、彼らの魅力が改めて深掘りされた。
 これに伴い従来の荒井さんの友人すぐ死ぬ問題が解消され、彼らが簡単に死ななくなっていたりする。

 また、本作は語り形式ではあるものの題材が怖い話に留まっておらず、物騒ではあるが日常的なエピソードも解禁されている。
 友人やクラスメートが独自の思惑に基づいて行動し、荒井さんの知らないところで自由に振る舞っているという「七不思議の集会」から離れた空気も相まって、作品構造的にはのちの『鳴七』の前身になった部分もあるのかもしれない。
 (『極』以降は「七不思議の集会」から距離を置いた作品が相次いでリリースされているため、誤った考察ではないはず……)

 くわえて事前販促で荒井さんの友人たちが「ソウルフレンズ」とまで呼称された(※実際のゲーム中では登場しない呼称)。彼らの存在そのものが本作を構成する重要なピースとしてみなされていることはほぼ間違いないだろう。

 そういったわけで既存キャラの再定義や再確認が主となっている分、新キャラは「本郷茜」と「姫乃」の二名、目立った用語は「心中(自殺)」程度と絞られている。
 ただし、曲者ぞろいの友人たちの間に割り込めるだけあって、この二名の新キャラは強烈な個性の持ち主である。そのこともあって今回の荒井さんは輪にかけた奇人変人たちに振り回される苦労人的な性質が時に出ていると考えればこれまた新境地といえる。

 なお、話を聞く側の「坂上修一」はごく一部の結末で内心の声がみられるにとどまる。
 あくまで彼の役割は荒井さんが当時どう決断したかを問いかけ、振り返って再確認するための道具立てといった風になっている。
 キャッチコピーにある通り、『荒井』は荒井昭二という少年の内省と成長の記録といった風に話の流れは絞られているのだ。 

 詳細は「登場話早見・荒井」を参照のこと。

備考

 2020年の原作者Twitterに「呪いの言霊」と「マフィアの娘」というシナリオが本作と思われるゲームに収録されるという旨の呟きが見られる。

 この「マフィアの娘」というシナリオは荒井が幼少期に遠縁の小父である「山崎哲夫」に連れられメキシコへ行くというものだったが、諸事情があったらしく未収録となった。ちなみに「呪いの言霊」は問題なく収録されている。

 マフィアとボディガード並びにその娘たちの立ち絵は生放送で公開されているので見てみてはいかがだろうか。
 2022年3月4日の公式生放送にて、無事、『アパシー 鳴神学園七不思議』にて収録されることが告げられ、実際に製品版に載ることに相成った。
 ただし、元々のプロットがコンシューマー向けに問題があるものとして差し替えを喰らったため本来『荒井』向けに構想していた「マフィアの娘」とはまた異なったものであるということを留意する必要がある。

関連動画


公式PV


関連リンク



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  • 色々と新展開があったので記述を強化したいですね。ふるってご参加くださいませ。 -- 名無しさん (2024-06-29 22:20:41)
  • 鳴神学園七不思議とか、今度出るsteam版についての記述とかいろいろ強化したいですね。とりあえず登場話早見とかは強化しておいたのでなにかしら有志の方は記述をよろしくお願いいたします。 -- 名無しさん (2024-06-30 16:44:30)
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最終更新:2025年03月02日 21:41