人口膾炙を望む夢追い人



荒井昭二(あらい しょうじ)

  • 登場作品:学怖,学怖S,四八,VNV,AMC1,AMC2,学恋,学恋2,特,学恋V,追加,新生,月下美人,極,ドラマCD,秘密,荒井
  • 二つ名:死に魅入られた男
  • 種族:人間他
  • 職業:鳴神学園高校 二年B組
  • 年齢/誕生日:16歳(1978.11.18.-)
  • 身体:160cm/52kg ♂ B型
  • 好きな/嫌いな食べ物:アスパラ、牛タン/ニンニク、トマト
  • 関連人物(その1):相沢信彦《噂,正体?》,曽我秀雄《クラスメート,親友》,宗一郎《兄》,中山太一《同級生》,守山《犠牲者》,山本道夫《部活》,市ノ瀬京子,中山真美華《?》,荒井規子《娘》
  • 関連人物(その2):赤川哲也,荻野有矢,小野里順也,袖山勝,時田安男,馬淵清隆,横内彰道《友人》,中村晃久《クラスメート》,佐々木先生,早坂桃子《知人》
  • 関連人物(その3):浅田茂,安藤,飯田先生,上原,遠藤,大山幸二,小野和宏,金井章一,神谷真由子,桑畑達也,小山,斉藤先生,逆さ女,桜井先生,沢田絵利,染谷浩二,武田直子,中山葉子,森川,山辺,《噂》
  • 関連用語:七不思議の集会,語り部(1995),殺人クラブ《所属》,屋上,スクール・デイズ《魅了》三時の怪人,霊界黒電話《噂》

概要

 「七不思議の集会(1995年度)」を開くに当たって集められた語り部の一人。常にうつむき加減でぼそぼそと喋る、暗い雰囲気の少年。主人公にとっては上級生だが、礼儀正しく対等な形で語りかけてくれる。

 人間の異常心理や霊の危険性を軸に据えた話をするが、博学なこともあって一風変わった分野について持ちネタを開帳することも多い。普段は物静かだが、調子を崩さないまま時に語気を荒げたりと、二面性でなく意外な側面を見せるような展開が多い。
 本人の体験談でなく伝聞形式の怖い話でも感情移入を促すような語り口の上手さを持つ。

 基本的には公平な視点から物事を語るが、裏を返せば異常者などにも好意的な視線を向けるということにもなる。
 常識人として罪の糾弾が出来る一方、自身の価値観や美意識に則って危険人物を見逃すことが出来るなど、岩下さんに準じた意外な我の強さを見せることも。

 自己評価が低めかと思えば、自尊心が強かったり、内には熱い感情を秘めていたりと展開によって見せるギャップの多さが母性本能や同じく闇を抱えた男性の共感を誘うのか、風間と並んで人気の高い語り部として認識されることが多い。
 外見は冒頭で挙げた通りの印象の小柄な少年という点で一貫している。目に隈が付くか、目を隠すか、などといった細部の解釈が違う程度である。人形の印象があるのか、陰気さや不気味さと美しさ儚さの狭間にいるような独特の雰囲気を持つことが多い。

 ちなみに『小学怖』シリーズでは愛娘荒井規子」が登場し、父譲りの語りを繰り広げてくれる。

「荒井の友人」
 意外と言うべきか、人付き合いを厭いそうな陰気さや知識を鼻に掛けた上から目線の言動に反して、彼は「孤立」という状態から縁遠い存在である。
 ファンの間で標記の様なカテゴリすら出来あがっている様に、話ごとに毎回異なる友人たちが登場し、実は登場する友人・知己の数は語り部でも上位を誇る。
 [ただし、大体の分岐において確実に友人を獲得しているのは確かであるが、このシリーズは基本世界観としてパラレル・ワールドを採用しており、この友人たちも各作品・各話ごとの世界観にて同時偏在しているとは限らないため、一概に「荒井昭二は交友関係が広い」と言い切ってしまうのは少々早計に過ぎる。]

 友人の多さの理由として挙げられるのは、彼の評論者としての姿勢だろうか。
 上から目線であり極めて辛辣ではあるが、その才能や熱意が本物であれば素直に認め、胸襟を開いて称賛するのが荒井昭二と言う存在である。

 彼の友人には芸術家肌や職人肌、マニアの類など何がしかのこだわりある分野に一家言を持つ人間が多い。そういう人種にとって、単なる批判屋で終わらない深い知識と分析眼を持つ彼と言う理解者は得難い存在なのかもしれない。 
 そうでなくとも、この年頃の子らにとって、自らが熱中する話題で一緒に盛り上がれる相手というのは友情を育みやすい存在であろう。

 最後に。
 数多くの友人が登場する荒井シナリオだが、そのほとんどは彼の語る話の中で亡き者になっていることが多く、『荒井の友人』という称号はある種の死亡フラグとしての意味合いも兼ねていたりする。

四八

 富山県シナリオ「肝試し」、千葉県シナリオ「学校であった怖い噂」に登場。
 名前と性格を借りてゲスト出演した「学怖」メンバーの一人である。

 「肝試し」。
 富山県ではなぜか墓場におり、肝試し中の小学生と遭遇する。そして、普通に挨拶して去っていく。ついでに、宿泊先の住職「萩中帯善」に担がれたことを教えてくれる。
 貴重な正面からの笑顔を拝むことが出来、荒井ファンにはたまらない?
 「笠部辰寛」という祖父がいたことが判明する。父方か母方かは不明。
 しかしこの笠部という男、萩中曰く「二年前に死亡した小学生」であり、二人の話が本当だとすると「どうして二年前に死んだ小学生に高校二年の孫が存在するのか」という疑問が産まれてしまう。

 「学校であった怖い噂」
 千葉県では逆さ女の話と、逆さ女の話を新聞に載せないで欲しいという内容のメールを坂上に送る。
 載せてしまうと……。

 『学怖inよんはち』では、定番「屋上」と相沢さんの話を引っさげ参戦。



アパシー・シリーズ

 旧作で書かれた様々な恐怖の中から、特に「生きている人間の怖さ」に焦点を当てたシリーズでは、語り部たちの性格もより一層破綻気味になっているが、荒井さんもその例にもれず、旧作のものを受け継ぎつつもマッドさが強調されたものになっている。
 具体的には、人形の話に代表される様な、どこか亡霊を思わせる不気味さや儚さがなりを潜め、代わりに屋上の話の様な、良心や倫理をどこかに置き去りにした様な無機的な観察者の顔をする機会が増えた。
 その様は、幼稚で利己的な好奇心のままに、高度な理屈と弁術を駆使して相手を唆し打ちのめす、理路整然とした狂気の体現者とでも言うべき態と化している。

 一方で、普段の態度が気弱な本性を隠す仮面であるかの如き、人間関係に不器用な可愛らしさもクローズアップされる様になった。
 彼のキャラ壊しは実は『学怖S』の時点から既に開始されていたのだが、同人と言うフィールドに移ったせいかどうか、アパシー・シリーズにおいてその傾向は拍車をかけて加速する事になる。

VNV

 『VNV』では展開の都合によって語り部達のダークサイドが強化されており、彼もまた独りよがりの詭弁による理論武装で自己を正当化し、凶行も凶行と思わぬサイコになっている……のであるが、その理論展開が突き抜け過ぎていて、恐怖や不快感を感じる前に呆気に取られてしまうのが正直なところである。
 『VNV』において、常識や倫理を意に介さず自分ルールを押しつけて来るのは岩下さんもそうなのだが、彼の場合はその言動がどちらかと言うと思春期特有のアレな病気であり、迫力で岩下さんには到底及ばないどころか、お茶目さすら感じられてしまうのは如何ともし難い。
 正直、『VNV』ではその言動が不快感満載で笑えない代物になった風間さんの代わりに、彼がギャグ畑に足を突っ込まされている感すらあるうえに、自身の熱烈な主張に対しその風間さんから常識視点での皮肉をかまされるという、『旧作』の関係から考えれば憤死ものの屈辱を受けるくだりも。

 理屈に走り過ぎて良心と良識が欠落した様なサイコぶりと共に、愛玩動物の奇行を眺めるが如くの妙な愛嬌もまた、以降の彼のキャラクター像形成に大きな影響を与えていると言える。


AMC1

 「恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記」に登場。
 他の語り部たち同様に殺人クラブ部員として主人公「倉田恵美」の命を狙う。
 ターゲットのことは実験のモルモットに似た認識でいるらしく、興味の赴くままに対象を観察するマッドな面を多く見せている。
 ちなみに今回持ち出す凶器は『VNV』に引き続きチェーンや、イメージに合ったか鎌など。
 語り部男性陣では最も小柄だが、輪にかけて非力な倉田たちにとっては彼もまた脅威の殺人鬼に他ならない。ある一幕では怪力と評される荒業も見せている。

 「本編」ルート。


 「坂上視点七不思議の集会」ルート。


 「成りすまし」ルート。




 「新語り部集結」ルート。


 「付き添い」ルート。


 「倉田家襲撃」ルート。


 「人間狩り」ルート。


AMC2

 今回の持ちネタは「正しいフィギュアの作り方」。
 創造主と被造物の淫靡な関係を描き、最後は美についての根源的恐怖にまで至る。

 『AMC2』内で唯一飯島氏が直接手がけたシナリオでもあり、分量も最長。
 各所に電話取材を敢行した結果誕生したと言う薀蓄を長々と述べる荒井さんの姿は彼に染み付いたモノマニア属性にとって一種の到達点だろう。
 が、発言こそ極めて変態的ではあったが、今回の荒井さんはあくまで傍観者に留まる。主眼はあくまで「曽我秀雄」と言うマッド・アーティストである。

 曽我くんが作中で行ったことを客観的に見れば倫理など軽くぶっちぎった暴挙だったが、荒井さんが当の彼に抱いている感情が親愛一択と言うのも面白い。
 所々心理分析を挟みつつ、目的成就のためなら殺人を視野によぎったりもしていたが友情自体は揺るがないという器用さも見せている。

学恋

 攻略対象の一人として登場。
 「図書室」で勉学に励みつつ、新作ゲームの開発にいそしむという日常を送っている。


学恋2

 全編に登場。
 全編で恒例の攻略対象としての参戦である。

 新堂編「荒井」ルート。
 あまり接点の無い二人の交流が描かれる。
 屋上と言う愛する場所に彼はいつもいるのだが、意外なことに荒井さんは見るからにスポーツマンである新堂さんに話を持ち掛ける。
 「男らしさ」と言われても笑わずに親身となって接することで、新堂さんとの間に尊敬できる先輩後輩の関係として、またそれ以上にかけがえのない友情を築くことができるだろう。

 風間編「荒井」ルート。
 屋上→焼却炉という、旧作ではトラウマになった人も多いであろう死亡フラグのワンツーを食らって平然としている風間さんという衝撃の開幕となる。
 中山真美華の言葉に乗って、荒井さんが気になった風間さんは荒井さんの精神世界に突入することになるのだが……。

 そして、荒井さんの過去の心の傷と対面することになる風間さんだが、成功すれば彼の心を開くことができる。
 今まで仲の悪いイメージしかなかったこの二人の間に一時であれ友愛の感情が目覚めるという珍しい展開である。

 なおこのシナリオの中で荒井さんは私服姿を披露しているが、これは『アパシーミッドナイトコレクションvol.1』攻略本のインタビューに従えば親が買ってきたものを部屋着として採用しているだけと思われる。 

 岩下編では全編の攻略が相当進まない限りは登場しない。
 演劇に必要な能力は高いのだが、少し機嫌を損ねるとすぐ退部するやる気の低さに加え、十一人中最も低い友好度と苦手な練習の多さが足を引っ張る――という攻略難易度の高い候補者となっている。

特別編

 語り部の一人として登場。
 冒頭で話の切っ掛けをいくつか提示してくれると言う親切なやり方をしてくれる。
 『VNV』「ゲーマーの条件」のような極端な話の運びは流石になかなか見つけられないが、主体性を持たないと馬鹿にされて終わることもある中々に難儀な人でもある。
 今回、上から目線の物言いは健在だが、話の登場人物が愚かなことも多いので致し方ないか。

 恒例となっている落下系の話については二パターン揃えている。こちらは深い人間考察が映える「誕生日プレゼント」と打って変わって『特別編』でも最高クラスの血腥さを誇る「プールの飛び込み台」。
 また、スポーツ系の怪談であっても新堂さんとは話の運び方が違うことにも注目したい。


追加版
 引き続き語り部の一人として登場。
 「正しいフィギュアの作り方」をはじめに荒井さんの奇妙で一風変わった友人関係にまつわる話を多く取りそろえることになった。
 荒井さんという人格について真正面から見据えることになるシナリオ「影男」などは懐かしいサッカー部設定を踏襲しており、オールドファン向けにも「弱さとはなにか?」という命題にひとつの答えを出した名作である。


学恋V




新生

 語り部の一人として登場。
 同じく語り部のひとり「荒井規子」とはまさかの親子共演である。
 ただし、本作『新生学怖』は舞台設定が無く個々の短編は完全に独立した形式であることもあって、この父娘が絡むことはない、残念。

 「牧場奇譚
 夏休みの一ヶ月を使った青森の牧場での生活――という失礼ながら荒井さんには全く似つかわしくないと思われたシチュエーションの中で、牧場の人々、特に一人の男性「カズさん」との出会いと別れを描く。

 冒頭で、危険な知的好奇心に基づいて行動するという自身の行動原理を明かすことで荒井さんらしさをアピールする流れはいつも通り。
 と思いきや、そのことを愚かと自嘲するような奥行きも備えている。
 その理由は、カズさんと過ごした短くも濃密な時間を思えば納得かも知れない。

 ついでに言っておくと、きつい肉体労働を一ヶ月間耐え抜いた根性もまた、意外性といった意味では荒井昭二の新境地として挙げられるかもしれない。

月下美人



 本作でも「七不思議の集会」は開かれるが、シリーズの主舞台である「鳴神学園」の露出度は控えめである。
 なぜなら『極』は『四八』&『学怖inよんはち』の設定と、「年代不定の現代」を時代設定に据えたオリジナルの舞台設定であるため。そんな中、荒井さんは富山県からやってきた他校の語り部として登場する。

 「飛び下り自殺の人体実験」
 おなじみ『学怖(S)』から抜粋された根幹シナリオである。明記すべき点としては先に述べた通り、舞台が富山県の学校になっている点と新キャラ「真下弘美」の追加および『四八』との接点として「都市伝説家族」が出演している点が異なる。

 「狂気山脈
 新堂誠の派生シナリオ「ゲーム実況怪談」から派生するシナリオ。
 荒井さんの学校の所在地は名が示す通り日本でも指折りの山岳地帯「富山県」。いわゆる「荒井の友人」のひとりである「小野里順也」もまた、山に魅せられる者のひとりに過ぎないはずだった。

 しかし、病に倒れた小野里くんは本来なら遊ぶはずもなかった登山シミュレーションゲーム『蒼天の白き神の座』にのめり込み、天険に挑み、山頂から臨む風景を、深淵を覗き込むことにすべてを投じるようになってしまう。

 荒井さんは彼の凶行に気づいてはいたが、好奇心もあって止めることはなく、だからといって加担することもなく、病床の見舞いをする距離感から彼のことを見守っていた。
 果たして、小野里くんが荒井さんに何を思っていたのかはわからない。しかし、元気だった頃の小野里くんが見せてくれる写真のことを、荒井さんが好きだったことは確かである。

 このシナリオは『極』に散見される「クトゥルー神話」がモチーフとされる話のひとつであり、直接的に新堂誠の派生シナリオ「百点塾」と明確にリンクする。
 また、創作物のハズだった存在が現実を侵食してくるというテーマにおいても共通するだろう。


ドラマCD



秘密



今後の展望





最終更新:2021年07月19日 09:35