ブローノ・ブチャラティ

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ブローノ・ブチャラティ - (2019/08/28 (水) 15:15:52) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2009/05/26(火) 20:33:09
更新日:2024/03/21 Thu 18:16:19
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5部 おかっぱ この味は!………ウソをついてる『味』だぜ…… したでなめる もう一人の主人公 アリアリ アリーヴェデルチ カリスマ ギャング コメント欄ログ化項目 ジッパー ジョジョ ジョジョの奇妙な冒険 スタンド使い スティッキィ・フィンガーズ チェリオ! パッショーネ ブチャラティチーム ブローノ・ブチャラティ リーダー 世界一かっこいいおかっぱ 中村悠一 仲間思い 冷静沈着 名言製造機 嘘発見器 幹部 数奇な運命を背負った男 杉山紀彰 櫻井孝宏 涙腺崩壊 熱き存在 理想の上司 真の主人公 石上静香 運命に抗おうとした漢 運命に翻弄された者 運命を狂わされた男 部下思い 黄金の精神 黄金の風



おれの名は『ブローノ・ブチャラティ』。

答えろよ、質問はすでに…『拷問』に変わっているんだぜ。



ジョジョの奇妙な冒険第5部の登場人物。
そしてジョルノに並び、本作のもう一人の主人公でもある。

名前の由来は『ブローノ(Blono)』『ブチャラティ(Buccellati)』共に実在する姓名。*1
『ブチャラティ(Buccellati)』はトスカーナ産の同名のお菓子がある。

CV.櫻井孝宏(黄金の旋風)/杉山紀彰(オールスターバトル)/中村悠一(TVアニメ版黄金の風)/石上静香(〃少年期)


【プロフィール】

  • 生年月日:1980年9月27日生まれ(20歳)
  • 身長:178cm
  • 好きな音楽:マイルス・デイビスの「アガルタ」「ビッチェズ・ブリュー」
  • 好きな映画:「イル・ポスティーノ」
  • 好きな食べ物:カラスミソースのスパゲティー、ポルチーニ茸、ホタテのオーブン焼き
  • 嫌いな食べ物:豆類、リンゴ



【人物】

犯罪組織「パッショーネ」に所属するチームリーダーの一人で、幹部ポルポの部下。
端正な容姿をした美青年で、髪型はおかっぱに近く、白地に黒い点が入り多数のジッパーが付いたスーツを着用している。
汗をかいた時のテカり具合で相手の嘘がわかる特技を持っており、汗の『味』を見ればもっと確実らしい。

…と、特技的にも外見的にも奇抜なところがあるが、
実際には冷静沈着かつ温厚、どんなに強大な存在でも決して屈しない精神力の持ち主。
自分にも他人にも厳しいが、その厳しくも優しい性格故に仲間や組織、街の人々から絶大な信頼を寄せられていた。
彼よりもはるかに年長の人から相談を持ち掛けられたり、笑顔で挨拶してくれる人がたくさんいるなど、
決して畏怖だけではなく、親しみを持って街の人は彼に接していることが伺える。
彼自身もイケメンで部下もイケメン&美少年揃いの為、街のアイドル的な人気もあったのだろう。
日本で言う所の『義理人情に厚い「昔気質の極道」』と言ったところである。*2
それは敵であっても変わらず、6億円の件で敵対したズッケェロサーレーのコンビを助命してやったり、
セッコにも「命だけは助けてやるが、しばらく再起不能になってもらうぞ(要約)」と一度は情けをかけてやった事もある。

家はネアポリスの郊外に小さいがマイホームを持っているそうで、全てが終わった後は、親と家を失ったトリッシュを(恐らく義理の妹として)引き取ろうと考えていたらしい。



【過去】

ネアポリス郊外の小さな港町で、漁師の息子として生まれ育つが、7歳の頃に両親が離婚。
母は一緒に都会で暮らそうと誘うが、強い母と違い、精神的に弱い父・パオロを一人にはしてはいけないと将来を憂い父親の方に残ることを選んだ。
ブチャラティが「優しい」のは、父親の一途な家族愛によるものだろうか。
ちなみに母親は2年後に別の男性と再婚したが、ブチャラティとの交流を続けていたようで、決して悪い母親だったという訳では無い模様。*3

しかしブチャラティが12歳のとき、息子の学費のために観光の仕事もするようになった父は、偶然麻薬の密売現場を見てしまう。
そのために密売人に襲われ、瀕死の重傷を負ってしまった。*4
ブチャラティは父を守る為、トドメを刺しにきた密売人たちを全員返り討ちに殺害してしまったことから人の越えてはならない領域にふみ込んでしまう。
裁判では正当防衛が認められ、罪には問われなかったものの、このままでは密売人の仲間が報復に来ることは確実。
追っ手から自分と父を守るため、そのまま組織(パッショーネ)に入団した。
父はその5年後、後遺症を残したまま漁師に復帰する事なく死去した。

そのため組織に忠実で、また父親を殺したも同然の麻薬を強く嫌悪していたが、後に組織が麻薬に手を染めそれを広げていたことを知り、矛盾と憤りを感じていた。
この時の心境は、彼曰く「ゆっくりと死んでいくだけ」だった。



【劇中の活躍】

そんな折ネアポリス空港でショバ代を回収していた涙目のルカが、謎の変死を遂げるという知らせを耳にする。
そしてポルポにその犯人の捜索を命令され、その過程でジョルノと対峙する。
彼との戦いの末、自身が始末されそうになるが、ジョルノがブチャラティの人間性を「いい人である」と判断して戦闘を中断する。
そして組織を乗っ取り街を平和にするというジョルノの『夢』に同調し、和解。
さらに、ポルポへジョルノに入団試験を受けるよう取り計らった。

ポルポの死後、彼の隠し財産を組織に上納したことで、『信頼と実力がある』と古参幹部のヌンツィオ・ペリーコロからお墨付きを貰い、弱冠20歳で幹部に昇進*5
ポルポが仕切っていたネアポリス地区の
  • 賭博の運営権
  • 商店やホテルの管理
  • 密輸品の管理
…などを丸ごと引き継ぎ、一気に巨大な「権力」を手にした。*6

その後、ボス直々の命令で娘であるトリッシュを護衛する任務を受ける事になり、彼女を付け狙う暗殺チームと死闘を繰り広げる。
特にブチャラティが直接対峙した、プロシュート兄貴ペッシとの戦いは5部の中でも屈指の名勝負と言われる。

物語中盤、ヴェネツィアにいるボスの元へトリッシュの身柄を届ける任務を果たすものの、
その本当の目的が実の娘であるトリッシュを、誰にも邪魔されずに自らの手で殺害する為だったというボスの鬼畜の如き本性を知る。

…ボスは、麻薬の件で一度自分を『裏切った』
そして今度は、トリッシュの件で自分とチームのみんなを『裏切った』
それだけではない。
ボスを最後まで信じ、自分達を、トリッシュを文字通り命を懸けて護ってくれた、古参幹部のペリーコロさんをも『裏切った』

二度目の、そして二重『裏切り』
かつて、上司だったポルポは、(うわべだけであろうとは言え)こう言った。


“この世で最も大切なものは『信頼』であり、”
“最も忌むべきものは『侮辱』だよ。ブチャラティ”

自分達が『正義』と信じていた組織のボスは、こんなに簡単に『信頼』を踏みにじり、
人を平気で『裏切り』、人の生命(いのち)『侮辱』する鬼畜のような奴だったのか。



吐き気をもよおす『邪悪』とはッ!

なにも知らぬ無知なる者を利用することだ…
自分の利益だけのために利用する事だ…


ボスへの『不信』は、『怒り』に変わった。
トリッシュを殺す事、すなわちそれは、
敵味方問わず、今まで犠牲になった者達の死が、全くの無駄になると言う事。
彼らの『生命(いのち)』を『侮辱』する事に他ならなかった。

敵だったとは言え、それなりの『信念』と『覚悟』を持って戦い、散っていった、チームのは、
そしてペリーコロさんは、いったいなんの為に死んでいったと言うのだ…!!



父親がなにも知らぬ『娘』を!!

てめーだけの都合でッ!


『信頼』『侮辱』され、
トリッシュと死んでいった者達の生命(いのち)をも『侮辱』された、
ブチャラティの取る道は、ただ一つだった…!!



ゆるさねぇッ!


あんたは今、再び!

オレの心を『裏切った』


遂にボスへの怒りが爆発し、激怒したブチャラティはボスに反旗を翻すも、ボスのスタンド『キング・クリムゾン』を前に成す術無く叩きのめされ、致命傷を負わされる。
寸での所でジョルノの『ゴールド・エクスペリエンス』の能力によって回復したブチャラティは、ボスを完全に見限り、組織を裏切ることを決意。

その意志を自らの部下たちに宣言し、彼らに「自分と一緒に裏切る」か「自分を見限って組織に戻る」かの選択肢を投げかけ、
結果、前者の選択肢を採ったジョルノ、アバッキオミスタナランチャたちと共にボスを倒すべく行動を開始する。

ただ、ブチャラティ本人は「ついてこいと命令してくれ」と願うナランチャに「ついて来るな」と忠告しているように、自分のやろうとしていることが無謀でハイリスクなことは理解しており、
リスクに目を向けて後者の選択肢を採り、組織に残留したフーゴを、その場でもその後も一切、批難することはしなかった。

なおブチャラティはこの一件でボスを、「吐き気を催す邪悪」と罵倒している。




【スタンド】


スタンド名:『スティッキィ・フィンガーズ』
破壊力-A
スピード-A
射程距離-E(2m)
持続力-D
精密動作性-C
成長性-D

ブチャラティのスーツと同じジッパーが体に付いた人型のスタンド。
頭部が騎士の面を思わせるバイザー状になってるのが特徴。
アニメでは空間にジッパーが現れ、その中から出てくる演出が成される。
メインカラーはブルーとホワイト。

ちなみに海外名は『Zipper Man』。まんまである。
もう少し捻ろうよ…

◆能力

殴ったものにジッパー(ファスナー)をひっつける。

ネタのような能力であるが、
  • 物体の耐久力を無視してバラバラに解体する
  • ジッパーが開いた場所に異空間を作り出して人や物を隠す
  • 傷口や物質、人体の接合
  • ジッパーが閉じる動作を利用して高速移動
  • ジッパーに物体を挟んで切断する
  • 腕をジッパーで開いてパンチの射程距離を伸ばす(いわゆる「ズームパンチ」)
  • 身体をバラバラにし、さらに心臓を分けて敵の探知と追撃を逃れる(ただしガチで死にかけた)
など応用の幅がとんでもなく広い。
更にこのジッパーは手ずから引かなくとも、遠隔操作で開閉が可能。

スタンド自体のスペックも安定して優れており、戦闘力は非常に高い。
また3部最後の心臓ネタがまさかの復活を果たした。

最大の弱点は、この手のタイプの近距離パワー型スタンド全般に言えることだが、相手や対象に触れなければジッパーの能力が使えない事。
ジッパーでの対人攻撃は、あくまでも相手を生きたまま分解するだけなので、一撃必殺にはなりにくい。*7
その為、相手が自分と同じタイプのスタンドでは、やや分が悪い傾向がある。

ラッシュ時の掛け声は「アリアリアリアリ!!」で、止めは「アリーヴェ・デルチ(さよならだ)」でシメる。

スタンド発現の要因は、やはり両親の離婚と父の死からだろう。
『父さんと母さんの仲を繋ぎ直したかった』『父さんに命を繋いでほしかった』という願望がこの強く優しい能力を産んだのかもしれない。

スタンド名の由来はローリング・ストーンズのアルバム「スティッキィ・フィンガーズ」。
スタンドの能力もこのアルバムのレコードジャケットに実際についているジッパーから。

余談であるが、このアルバムの1曲目のタイトルは「ブラウン・シュガー」。本来は三温糖や黒砂糖といった白色以外の砂糖を意味するが、彼が嫌悪する麻薬・ヘロインを意味する隠語でもある。



【名言】


「この味は!………ウソをついてる『味』だぜ……」

「おれの名は『ブローノ・ブチャラティ』。答えろよ、質問はすでに…『拷問』に変わっているんだぜ。

「こいつ…オレを殺る気だ「マジ」だ…小僧のくせにこのオレを始末しようとしている…
「ウソ」は言ってない皮膚と汗だ…こいつにはやると言ったらやる…「スゴ味」があるッ!

「ウミネコだよ…ありゃカモメじゃあねえーぜ。ウミネコだ。どうやって見分けるか?ニャアニャア鳴くのはウミネコだ。」

『任務は遂行する』『部下も守る』「両方」やらなくっちゃならないってのが幹部のつらいところだな。覚悟はいいか?オレはできてる。

アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ
アリーヴェデルチ!(さよならだ)

「貴様にオレの心は永遠に分かるまいッ!!」

「あいつはオレにいつも『勇気』を与えてくれる」















以下、ネタバレ






不思議だな…

これは「運命」とオレは受け取ったよ。

「天」がチョッピリだけ許してくれた、偶然の運命だってな…


ヴェネツィアで、お前がオレの負傷を治してくれた時

おまえがくれた「生命エネルギー」は、もう少しだけ「動く事」を許してくれたようだ



なぜ…なぜ黙っていたんだ?

あの時 ぼくの『ゴールド・E(エクスペリエンス)』は、あの時の負傷を完全に治したんだ……

その 今の異状だって元に戻れる方法が何かあったはずだ!



ジョルノ、それについては…おまえの『ゴールド・E(エクスペリエンス)』自身が誰よりも知っている事だな……?

終わったものはどうする事もできないってな

オレの「命」は…
あの時、すでに終わっていたんだ


黙っててくれるな?みんなには…



『生き返った』男】

一見ジョルノの回復が間に合ったかのように見えたディアボロ戦だったが、
実はジョルノが回復させる前に、ブチャラティの肉体は死亡していた。

『ゴールド・エクスペリエンス』が回復のために注ぎ込んだ「生命エネルギー」が死体(物体)となった肉体を動かす、さながら「生命のガソリン」のように作用したことで、
言うなればブチャラティは生前と同じように考え、行動するリビングデッドとなったのである。

ブチャラティ自身は自分の身体の変化をこの時点から自覚していたらしく、モノを食べたり飲んだりはしなくなった他、
肉体が死んでいる故に治らない傷をチームメンバーに見せないようにするなど、自身の状態を彼らに悟らせないようにしていた。*8
この状態が奇跡のようなものだと理解もしており、『ゴールド・エクスペリエンス』から注がれた「生命エネルギー」が尽きた時がタイムリミットだと悟りながら、
その残り少ない時間をボスとの戦いに使うことを決意していた。


そして、ボスを追跡する過程でアバッキオを喪ってしまうが、彼のダイイングメッセージによって、ボス…ディアボロの素顔を知る。
それによって、かつて自身と同じくディアボロに敗北したジャン=ピエール・ポルナレフのコンタクトを受けたブチャラティは、彼と落ち合うためにローマへと向かった。

その道中で負傷に気付いていない素振りと体温の異常な低さに気が付き、疑問が確信へと変わったジョルノにとうとう自分の状態を明かした。

その後ローマにて、ボス親衛隊の一人にして最強の男であるセッコと対決。
狂人のフリをやめ、利己的な本性を表した彼の能力に苦戦するが、既に死亡している自身の肉体を逆手に取った戦法で撃破。何とか辛勝する。
…しかし、この頃には既に身体機能は限界を迎えており、視覚などの感覚すら失っていた(人の“魂”を感じ取れる能力が備わっており、それで代用していた)ため、
偶然ブチャラティの状態を知ったディアボロにそれを利用され、彼をトリッシュと誤認*9させられることで、自らポルナレフの下に案内し、先回りされることになってしまった。

最終決戦では『シルバー・チャリオッツ・レクイエム』の影響でディアボロと精神が入れ替わり、ナランチャの尊い犠牲がありながらも、レクイエムの秘密をディアボロに続いて看破。
実の父親に殺されそうになったトリッシュを救う為、ナランチャの死を無駄にしない為に破壊・解除した。*10
その「解除方法」を行えば、今度こそ自分は死ぬことを理解した上で…!!

そして、レクイエムが解除された後、他の対象者と異なって肉体が死亡しているために元に戻ることが出来ないブチャラティの魂は、矢と自らの遺志を全てジョルノに託し、彼への感謝の言葉を述べながら天へと昇って行った。*11


ブチャラティの死後、組織を掌握したジョルノは彼の遺志を引き継ぎ、麻薬の撲滅・裏社会の清浄化を進めることとなった。

多くの人々との「絆」を繋ぎ、死の運命をも繋いできた青年は、
古からの死臭漂う闘技場の戦いで、少女が最後の希望を繋いだ時、自身の命と引き換えに、
「絶望」の鎖に繋がれた若き「獅子」の少年を希望の未来へ解き放ったのである。

天へ還っていった彼の周りには、その「正義」の行いを祝福するかのように天使達*12が取り囲み、彼を優しく迎えていた…。




ジョルノ…
オレは…生き返ったんだ

故郷…ネアポリスでおまえと出会った時…組織を裏切った時…にな…

ゆっくりと死んでいくだけだった…
オレの心は生き返ったんだ……
おまえのおかげでな…

幸福というのはこういうことだ……

……これでいい。
気にするな…………


みんなによろしくと言っておいてくれ…






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「両方」やらなくっちゃあならないってのが「アニヲタ」のつらいところだな。
覚悟はいいか?オレはできてる。

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