ゴールド・エクスペリエンス(ジョジョの奇妙な冒険)

登録日:2010/08/02 Mon 10:45:53
更新日:2025/03/23 Sun 15:30:08
所要時間:約 10 分で読めます





生まれろ…… 生命よ…

生まれろ新しい命よ…


『ゴールド・エクスペリエンス(黄金体験)』とは、『ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』の主人公、ジョルノ・ジョバァーナスタンド能力


破壊力 - C
スピード - A
持続力 - D
射程距離 - E(2m) (アニメ版だとCに変更)
精密動作性 - C
成長性 - A


【概要】

ジョルノ・ジョバァーナの操る人型スタンド。
スマートな機械的なデザインで、瞳がないライト状の眼をしている。
デザインのモチーフはてんとう虫。

メインカラーはゴールドとパールホワイト。装飾はレッド(原作)かマゼンダ(アニメ)。

なお、海外版では大人の事情『Golden Wind』の名称になっている。


【能力】

殴った物に生命エネルギーを与える能力を持つ。
その効果は対象が物体か生物かで変わり、

○物体に生命エネルギーを与えたとき


  • 生命を宿らせた物体を、対象を植物や小動物といった「命あるもの」に変化させる
何に変化させるかは本体であるジョルノの意思で決めることが可能な他、発動する(変化する)タイミングも任意で変更できる。
こうして生み出された生命は、本物と全く同じ習性や特徴を持ち、ある程度なら変化後の行動を制御することも可能で、
例えば誰かの持ち物をこの能力で生物とした場合、元の所有者、あるいは元々あった場所に戻ろうとさせることで特定が可能である。

また、生物が生きられる環境であれば、それがどれだけ過酷な環境であろうと「そこで生きていける」体質の生物に変化させられる。
そのため、例えば生物にとって猛毒なガスが充満している環境であれば、生まれつきそのガスへの抗体を持った生物に変化するが、
逆に超低温下など、生物が生身では絶対に生きられない環境では生物に変化させることはできない。

動物ではなく植物に変えた場合は、生命エネルギーを送り込み続けることで最終的に樹木にまで生長させることが可能であるが、
その樹木を切り出すなどすれば、樹木(生命)から材木(物体)となるため、能力は解除され、元の物体に戻る。

その他、ゴールドエクスペリエンスの能力で生まれた(変化した)生物は、他者から攻撃を受けた場合、
攻撃してきた相手にその攻撃と同じ攻撃とパワーをそのまま反射する性質を持つ。

生物やその一部などは、歯などの例外を除いて別の生物に変化させることは出来ないようだが、
外的要因で切り飛ばされた人間の身体の一部や、体外に出た血液は「物体」として扱われるため、問題なく生物に変化させられる。

物語中盤には、スタンドの成長により、物体を生物ではなく生体パーツへと変化させ、欠損した部分に嵌め込むというやり方で怪我の治療が可能となった。
ただし、元から治療する能力というわけではなく、欠損部位の生体パーツを作り、それを傷口にくっつけるだけなので、
生体パーツが身体に馴染み、完全に定着するまでは傷や怪我の痛みそのものは消えない。
パーツが完全に定着すれば、能力が解除されたとしても元の物体に戻ってしまうなんてことはない。


○生物に生命エネルギーを与えたとき


  • 生物に過剰な生命エネルギーを与えることで、対象の意識や感覚を暴走させ、全ての動きをゆっくりに見えさせ、動きも非常にスローにする
生命エネルギーを与えられた相手は感覚が鋭敏になってしまう上に、自分以外の動きがゆっくりと感じられてしまうため、
ダメージを受けると通常より遥かに鋭い痛みを、感覚的にはかなりゆっくりとした速度でずっと受け続ける羽目になり、
一撃ならまだしも、何度も連続で攻撃されると、傷で死ぬ前に痛みのショックで死んでしまうと推測される*1
反面、この能力の発動中は本体であるジョルノ自身も動きがゆっくりになってしまうため、場合によっては窮地を招く。

  • 生物に過剰に生命エネルギーを与え続けることで、成長を促進させる
劇中では地下にある常緑樹の根に生命エネルギーを与え続けることでその生長を急速に促進し、その一生を終わらせて枯れさせた。


なお、効果の中には使いにくい為か、中盤以降使用されなくなったものもある。
その中で、生み出した生物のダメージ反射能力については、ジョルノ自身が「こいつはまだ自分に従順というわけじゃない」と攻撃者を制止する一幕があることから、
第三部冒頭の『星の白金』(スタープラチナ)同様に、この時点ではジョルノは自身のスタンド能力を完全にはコントロールできておらず、
変化した生物の自衛反応として、本体の意思に関係なく、勝手に発動していた可能性が考えられる。
実際、ブラックサバス戦で見知らぬ老人のために怒りを覚えて精神的に成長した後は反射しなくなっている*2


○その他

三部以降の主人公のスタンド(『星の白金』、『クレイジー・ダイヤモンド』、『ストーンフリー』)の中では唯一、パワーがAではない。
しかし、ジョルノがジョジョ主人公お決まりの、拳や蹴りのラッシュ攻撃をすることはあり、その際は「無駄無駄」「WRYYYY(ウリャー)」と連呼する。

また、チョコラータの『グリーン・ディ』との戦闘にて、ジョルノが自身のスタンドを「近距離パワー型スタンド」と称しているところを見ると、
成長性が『A』であることと、この戦いまでにかなりの実戦経験を積んでいることを踏まえると、パワーが『B』くらいまで成長していてもおかしくはない*3


○弱点

スタンドの射程の短さと、スタンド本体での打撃が主たる攻撃手段であること。

このスタンドの特性上、攻撃する際にはスタンドもジョルノ本人も相手に肉薄しないといけないのだが、
似たタイプのスタンドである『星の白金』や『クレイジー・ダイヤモンド』ほどは格闘戦に強くない上、
『世界』の「時間停止能力」のように、特に下準備せずとも射程の短さを補える特殊能力を持っているわけではないので、
特に格闘戦に優れたスタンドを持っている敵と戦う場合は、その反撃や迎撃を受けやすい。

生命エネルギーを操る能力も対象に拳で触れないと発動できないため、拳を負傷すると戦闘力は大きく削がれてしまう。
なので、『ノトーリアス・B・I・G』のように触れること自体が危険な相手には基本的に打つ手がない。
ジョルノは動植物を作り出す攻撃で相手の死角を突くことでこれらの弱点をカバーしていた。

また、ハッキリ明言はされてないが、劇中を見る限りではどうやら哺乳類や鳥類などの、「精神性に対して高い知能を持つ生物」には変化させられなかった様子。*4

なお、射程距離に関しては描写でややブレがあり、ポルポの独房の奥にあった拳銃をバナナに変えるシーンなどは明らかに2mの範囲を超えている。
他にも暗殺チームの追跡を逃れる際に自動車10台をカエルに変えるシーン等ではどう見てもスタンドだけが広範囲に動き回っている。
このためか2018年10月から放送されたアニメ版第1話のスタンドパラメーターでは射程距離がCに変更されている。


【余談】

  • 生命を吸い取る吸血鬼(DIO)に対する生命を産み出すスタンド
  • 吸血鬼の弱点である『太陽』を表すてんとう虫がモチーフ
  • 枯れかけた命(花)を甦らせる、殴った敵に過剰な生命エネルギーを与える…など、波紋法との共通点が多い
…など、強烈な吸血鬼(DIO)へのアンチテーゼが籠ったスタンドである。
かつて死にゆく前に足元に波紋で花を咲かせた黒騎士ブラフォードと、死亡したナランチャの周りに花を咲かせて弔ったシーンをだぶらせた人も多いだろう。
もしかしたら、ジョルノの中に流れるジョナサンの血が発現させた「対・吸血鬼(DIO)」とも言えるスタンドだったのかもしれない。

名前の由来はプリンスのアルバム『The Gold Experience』から。
荒木氏がプリンスを最も好きなアーティストと公言していることは有名な話だが、
「黄金の風」というサブタイトルや作風、スタンド能力*5も本作から強い影響を受けている可能性が高い。
また、このアルバムの発売日は1995年9月26日と5部開始時点(1995年12月11日)ではほぼ新アルバムに近い存在だった。
余談だがこのアルバムの発表当時(1994年~2000年)、プリンスは「♂」と「♀」を混ぜたようなシンボルマーク*6に改名して活動をしていた。
これに似たシンボルマークが4部後期で空条承太郎東方仗助の服装にも描かれているが、関係性は不明。


以下、第5部終盤のネタバレ注意











終わりのないのが『終わり』


ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム


第五部のラストにて『ゴールド・エクスペリエンス』が“矢”に貫かれる事で発現した『レクイエム(鎮魂歌)』
CV:朴ロ美(ゲーム版黄金の旋風)/渡辺美佐(ASB、EoH)/小野賢章(アニメ版黄金の風)

破壊力 - なし
スピード - なし
持続力 - なし
射程距離 - なし
精密動作性 -なし
成長性 -なし
※なし=測定不能。通常のスタンドの概念を超越しているため、パラメーターそのものがもはや意味を成さない。

【概要】

""に貫かれた直後『ゴールド・エクスペリエンス』の中から脱皮するように出現。
シルエットは人型のままだが細部のデザインが変化。目に瞳があり額には"矢"が付いている。
同じく"矢"によって進化した『チャリオッツ・レクイエム』は進化直後に本体が実質死亡したためか暴走状態に陥ったが、
こちらは進化してからも本体であるジョルノが健在なためか、進化前同様、ジョルノの意思でコントロールできる。

一方、「スタンドを超えたスタンド」に到達した影響か、スタンド自身の『自我』が発現しており、ジョルノの意識が無い状態でディアボロに対し自発的に言葉を発する場面もある。

進化後も従来の生命エネルギーを与える能力は健在で物体をより強力なエネルギーを纏った生物へと変化させることが出来る。
一見すると進化前の能力が強化されただけに思えるが、実はもう一つ新たな力、「動作や意志の力をゼロにし、真実に到達することを出来なくさせる能力」
……簡単に説明すると自分へのありとあらゆる攻撃などを無効化する能力を得ている。





コレが………『レクイエム』……………ダ!!
オマエが見テイルモノハ確カニ『真実』ダ

確カニオマエノ能力ガ実際ニ起コス『動き』ヲ見テイル……

シカシ………実際ニ起コル『真実』ニ到達スルコトハ決シテナイ!

ワタシの前ニ立ツ者ハドンナ能力ヲ持トート絶対ニ!行クコトハナイ

コレガ

『ゴールド・E・レクイエム』




追記・修正は、『黄金の精神』を探し出してからお願いします。

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最終更新:2025年03月23日 15:30

*1 あくまで一度、感覚が暴走した状態で殴られた経験から来るブチャラティの予測で、実際にそれが死因となったことはないが、職業柄殴り殴られに慣れている彼が「耐え切れない」と感じるほど、感覚が暴走した状態でのダメージは強烈なのだろう

*2 その前にブチャラティ戦があるが、この際には生み出した生物にブチャラティが攻撃するシーンはない

*3 『ゴールド・エクスペリエンス』のパラメータは(おそらく)劇中で初めてブチャラティと出会った時点でのものであるため

*4 序盤ではほとんど描写されなかったが、中盤で人間の部位を、終盤でディアボロとの最終決戦で壊されたミスタの拳銃の部品をモグラに変えたシーンが描写された。妥当に考えれば、ジョルノの精神性が成長したからであり、以前は本当に変えられなかったのだろう。

*5 本アルバムは1994年にリリースされたアルバム『Come』と対になるように制作された。そちらは「死」をテーマに制作された徹頭徹尾暗い雰囲気のアルバムで、対して「再生」をテーマに作られたのが本アルバムとのこと。

*6 読みは存在しないが便宜上「ラブ・シンボル」と呼ばれることが多い