ナランチャ・ギルガ

登録日:2011/08/17 (水) 17:35:55
更新日:2019/09/12 Thu 03:41:03
所要時間:約 7 分で読めます





ブチャラティィィィィィィィィ
行くよッ!オレも行くッ!行くんだよォ――ッ!!

オレに「来るな」と命令しないでくれ―――ッ!

トリッシュはオレなんだッ! オレだ!
トリッシュの腕のキズは、オレのキズだ!!


ナランチャ・ギルガは漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の第5部「黄金の風」の登場人物。

名前の由来は「ナランチャ」はイタリア語の古字で「オレンジ(Narancia)」。
「ギルガ」はイタリアでは一般的な姓。(日本で言う「鈴木」や「田中」みたいなもの)

CV.瀧本富士子(黄金の旋風)/三瓶由布子(オールスターバトル)/山下大輝(TVアニメ版黄金の風)

【概要】

ギャング組織「パッショーネ」のブチャラティチーム(護衛チーム)の一員でありスタンド使い。
スタンドは『エアロスミス』。

見た目は華奢で小柄かつ童顔な美少年。
…であるが、年齢は17歳と、ジョルノ(15歳)やフーゴ(16歳)よりも年上である。

同チームのアクションシーンとして有名なギャングダンスの創始者でもある17歳
こんな若々しい子が17歳で女の子な訳(ry*1
年齢にそぐわない見た目(ショタ的な意味で)を気にしているのか、彼らに自分の方が年長だとよく主張している。
だが、トリッシュには結構懐かれてたようで、終盤では彼女のお兄ちゃん代わりにもなっていた。
だが二人並ぶとおねショタっぽくなる不思議
マンガは「北斗の拳」が好き。
本人は「女の子の気持ちはよくわからない」そうだが、トリッシュの心情をチームで一番理解を示していたのもナランチャであった。
陰では(ショタコン的な意味でも)モテていただろう。
実は裏設定ではブチャラティチームは全員「自分が一番女の子にモテてる」と思ってるらしく、興味自体は年相応にある様子。

戦闘ではスタンドによって周囲の警戒を担当しているが、便利な能力を持っているせいか敵スタンドの広範囲無差別攻撃を真っ先に喰らい戦闘不能にされてしまうことも少なくない。
その際はコンドームみたいにペラペラにされたり、ヨボヨボのじーさんにされたりと、かなりひどい扱いをされてしまう事も。
回復役のジョルノがいなければそのまま再起不能にされていたであろう場面も…。


【劇中の活躍】

カプリ島ではほぼギャグ要員であったが、本格的な活躍はトリッシュの護衛から。
買い物中に暗殺チーム1番手であるホルマジオと対戦。
ベテランの暗殺者である彼の老獪な手口に大苦戦するが、なんとか辛勝。
同時に、ブチャラティチームVS暗殺チームの火種を作ってしまう。
そして所持金も買い物品も全部燃えてしまった

中盤、実の父親に殺されかけたトリッシュと、父親に捨てられた自身の姿が重なり、最後の最後まで悩んだ末にブチャラティらと共に組織を裏切る。
その時一人残ったフーゴの事は、他のメンバー同様一切責める事はしなかった。
去ろうとするボートにクロールで追い付ける泳力の持ち主。
…細いのに体力あるなお前。

その直後、スクアーロティッツァーノカップルコンビの精神攻撃を、ジョルノとの連携でギャグめいた描写ながらも撃破。
この際、チームでは三番目にジョルノを完全に認めた人物となった。

サルディニア島では、本人としては「スタンドで偵察していたら攻撃されたので、周囲にいた唯一の生命反応に向けて反撃した」としか認識していないと思われるが、
実はこの間に
ドッピオリゾットの交戦を誘発
②互いに意図しない形ではあったが、リゾット(暗殺チーム)と最初で最後の共闘をしてボスをあと一歩の所まで倒しかける
③…が、最終的にボスに能力を利用され、リゾットにトドメを指してボスを助ける形となってしまう
…と、というかなり複雑なことをしてしまっている。
さらに「アバッキオがボスの顔と手形を遺して逝く」という物語的に絶妙な退場を遂げた原因でもある
結局、暗殺チームとの戦いは エアロスミスに始まり、エアロスミスに終わることとなってしまった。
なお、アバッキオの死亡シーンでは唯一泣き叫んでいた*2辺り、アバッキオは口は悪いが兄貴分として面倒見が良かったことがなんとなく分かる。
本人も懐いていたのだろうか。


【過去】

庭師の家で生まれたが、4歳の時母親・メーラを眼病で亡くし、堅物な仕事人間だった父には愛されず*3、堕落した生活を送っていた(今で言うとネグレクト)。
母親が亡くなってからは父親に対する反発心で家を飛び出して不良仲間と共に万引きをしながら生活しており、当時は「友情」こそがこの世で一番大事なものと信じていた。*4

ある日、信頼していた親友のチンピラ(兄貴)に強盗と暴行の濡れ衣を着せられ、少年院へ収監される。
出所後、自らも眼病を患い、孤独なまま社会に投げ出された15歳のナランチャは、この時完全に人生を捨てていた。*5

なお、ナランチャに濡れ衣を着せたチンピラは第五部に於いても屈指のクズ野郎*6
「ナランチャの眼病は母親譲り」というデマ*7を他の友人達に流していたらしく、それを鵜呑みにした彼らは今まで親しくしていたナランチャを避けるようになってしまった。*8
だが、そのデマを一番信じていたのは、皮肉にも出所後にチンピラの濡れ衣に気づいたナランチャ自身であった。

だが、そんな『夢』『希望』もない地獄の日々は、ある日終わりを告げた。
一人、孤独に残飯を漁る浮浪児になっていたところを偶然通りかかったフーゴに拾われる。

「こいつにスパゲティを食わせてやりたいんですが かまいませんね!!」

のシーンはインパクトのある一枚絵で有名。

彼を通じてブチャラティに保護され、病気も完治する。
恩を返す為、自分もギャングになってブチャラティの下で働きたいと申し出るが、
ナランチャが安易にギャングの道に入ろうとしていることにブチャラティは激怒した。
無論ナランチャをギャングの世界に巻き込みたくないという理由もあったが、本当の理由は入団試験の際にポルポによって殺された連中を何人も知っていたからである。*9

その後ナランチャは家へ帰され、学校にも通い始めた。*10
しかし「何の関係も無いはずの自分を、親よりも真剣な態度で怒ってくれた」と感じた彼は、ブチャラティに憧れるようになる。
ナランチャの中でのヒーローは、自分に『希望』を与えてくれたブチャラティであり、それは揺るがなかった。


男っていうのは、ああいう人のために働くものだ。

そう感じた彼はフーゴの協力も得て(恥パより)秘密裏に「試験」を受け合格し、組織に入団する。

その際ブチャラティと一悶着無かったのだろうか……


学校を満足に通っていない為、教養・知識が無く、敵味方問わず頭の悪さを指摘されている。
普段教育係として基礎教育を施しているフーゴからその理解力の無さにブチキレられボコボコにされる、なんてことは日常茶飯事。
しかし本人もこのことを気にしており、馬鹿にされるとキレてナイフを振り回す。
俗に言う「人を見下す言い方はよくない!」である。


スタンド


「飛べ!エアロスミス!」

スタンド名:『エアロスミス』

破壊力―B
スピード―B
射程距離―数10m(アニメ版ではB評価)
持続力―C
精密動作性―E
成長性―C

ラジコン並の大きさの、ミニチュア戦闘機型のスタンド。
機銃や爆弾、自身での突撃で攻撃する。
機銃による攻撃は殺傷能力が高く、道路中を容易に火の海にもできるし、弾痕をハゲにして残す事もできる(かもしれない)。
また、前面にあるプロペラは敵を切り裂く刃にもなるため、弾切れを起こしても攻撃自体はできる。

パラメーター上の破壊力の評価はBと、遠隔操作型よりのためか少し低いようにも見える評価付けだが、
おそらく本物並みの速度の機銃や爆弾は、『リトル・フィート』のような生半可な近距離パワー型相手なら正面から押し勝つことができるほど強力。
射程も数10mとなかなか長い。作中描写から、100m以上ありそうだと思うのは気のせいということにしよう

◆能力

上記の機銃や爆弾の他、特殊能力として、二酸化炭素を探知する能力を持つ。

ナランチャ本人が目視出来ない場所にスタンドや本体が居ても、
ナランチャの目元に出現するレーダーを通して周囲の二酸化炭素の発生状況を知る事ができるので、
これを参考に敵の位置を推測することで、射程範囲内であれば敵を追跡・遠隔攻撃することが可能。

ナランチャ自身が目視でコントロールする時は、少し離れた場所の車のガソリンタンクを狙撃できる程度には精密射撃ができるが、
レーダーを見ながらコントロールする時は標的を点と丸でしか認識できないので、正確な狙いは付けられないのが最大の弱点。

スタンドを出す時には滑走路に見立てて伸ばした彼の腕から飛び立ち、戻す時にも同じ動作で格納される。

ちなみに、コクピットにはミニチュアサイズの搭乗者がいる。
名前は「スミス」さん
交戦中に「彼」の存在に気付いたホルマジオは、(この人誰!?)と言わんばかりにちょっと目を丸くしていた。

ナランチャの「父親からの独立」「鳥のように自由に飛びたい」という願望が見え隠れしたスタンドと言える。

名前の由来は言わずと知れたロックバンドグループ「Aerosmith」。


ラッシュ時の台詞は「ボラボラボラボラ……ボラーレ・ヴィーア(飛んでいきな)」*11


【台詞集】



「何だと……低能(クサレ脳ミソ)って言ったな…~~人を見下す言い方は良くない!殺してやる!殺してやるぜ~~フーゴ」

「ぎゃははははーーッ こいつ 名前占いで 『大地獄』行きだぜェーーッ」

「『買い物して来い』って、命令…………
『未』完了…………。金も品物も…全部燃えちまった………」

「痛みを感じるってのは 治るって事……
いい前兆で喜ぶ事じゃあないのよォ?」

「はあああああああ~~~ ため息でるなあああ、こういう「庭」
ほっとするうう…うう… 美しい……。
こーゆー庭で 日なたぼっこしながら 子供時代のこと思い出して
ノスタルジィにひたりたいなあ~~~」

「あれッ!急に目にゴミが入った! 
見えないぞッ 2人なのかよくわからないぞッ‼」
(見ていない!オレは見てないぞ なあーんにも見てないッ!)

「ひるむ………!と 思うのか…… これしきの これしきの事でよォォォオオオオ
オレたちはよォ……… このヴェネツィアを……… 何事もなく …みんなで脱出するぜ
それじゃあな……」







以下、ネタバレ




オ…オレ… 故郷に帰ったら 学校行くよ…
頭悪いって 他のヤツにバカにされるのも けっこういいかもな…

アツアツのピッツァも食いてえ!
ナラの木の薪で焼いた 故郷の本物のマルガリータだ!
ボルチーニ茸ものっけてもらおう!

そんで…もしフーゴのヤツに会えたら…「頭悪い」ってまたバカにされるのも、けっこういいかもな…
アバッキオは…いなくなっちまったけど…


トリッシュ! あんたの事は最後まで護りぬくぜ!!
オレたちが!!!





鎮魂歌(レクイエム)は静かに奏でられる】



終盤、『チャリオッツ・レクイエム』の能力で身体が入れ替わるという混乱と共に勃発した、コロッセオでのディアボロとの死闘の最中、彼には新しい『夢』が出来た。
「戦いが終わり、無事故郷に帰ったら、ギャングをやめてまた学校に行くというささやかな『夢』が。
それはブチャラティが願っていた事でもあり、本能的に彼の「死」を予感していたからだったのかもしれない。
そして、また学校に行くのは、今まで逃げ続けた父親ともちゃんとまた向き合う、という決意の表れでもあった。
…ブチャラティが、安心できるように。

アニメではフーゴにもまた会いたいという台詞が追加され、フーゴとの決裂は(いい意味で)なんとも思っていなかった(今はちょっと別れただけで、また会えると思っていた)事がハッキリ明かされた。


…だが、上記の死亡フ……決意も空しく、その感知能力を警戒した*12ディアボロの『キング・クリムゾン』によって鉄柵に全身を串刺しにされるという凄惨な方法で殺害された。
ちなみに、上記の死亡フラグはダイアーさん、マルクに並ぶジョジョ三大死亡フラグと言われているとかいないとか

攻撃されたシーンが映らずにである。勿論断末魔の声すらもなく…。
劇的な戦闘も何もない、あまりにも呆気なさすぎる死であった。
「時を飛ばした」上での殺害だったので、一瞬たりとも痛みも苦しみもなかったであろう事だけが、せめてもの救いかもしれないが…。

ジョルノ(身体はナランチャ)の治療で肉体は修復されたが、そこにナランチャの魂はすでに無く、「空洞」となったジョルノの肉体に本人が戻り、魂無きナランチャの遺体だけが残された。

何処にもいない… 空っぽなんだ…!!

魂は… 逝ってしまった…!!

その死に顔は、まるで眠っているように穏やかで、安らかなものであった。
アバッキオに続きナランチャまでも犠牲になってしまった一同に動揺が走る。
ブチャラティは無念の表情で歯を食い縛り、一緒にバカをやってきた親友のミスタも、短い間ながらも彼と兄妹のように確かな絆を築けたトリッシュも、そのあまりに儚すぎる死に大号泣した。
そして、5部の劇中でジョルノが涙したのも初である。


しかしここは戦場、彼の死をこれ以上悲しんでいる時間は無い。
ボスは近くに潜んでおり、攻撃は既に始まっているのだ。
ボスを追撃しなければならないジョルノは、今はナランチャの遺体の周りに弔いの草花を咲かせ、もう誰も彼を傷つけられないようにするしかできなかった。
アニメにて、彼に捧げた花は「瓢箪」。
花言葉は『幸福』『平和』そして『夢』…。


ジョルノの言葉は、かつてナランチャがアバッキオの死に際しての「ここにおいていくのかよ」という叫びに対する答えだろう。


──鋼の翼を持って未来へ羽ばたこうとしていた少年は、どす黒い真紅の『悪の太陽』に翼をもがれ、地に堕ちてしまった。

だが、その彼を最後に温めた黄金の『正義の太陽』は、
彼の死を決して無駄にしない為にも、『悪の太陽』を滅する決意を更に固めるのであった。


…そして、決裂の後、ネアポリスに一足先に帰り、ブチャラティ達を一人寂しく待っていたフーゴの元に、一瞬、飛行機のような「鋼の鳥」のシルエットが飛ぶ。
それに気づき、今にも落ちてきそうな空を見上げるフーゴ。


「………!!」
(ナランチャ…!?)

その場所は奇しくも、フーゴとナランチャが初めて出会った、ブチャラティチームが行きつけにしているリストランテの路地裏であった…。

「鋼の鳥」は、遠く故郷を離れ、先に旅立った友の眠るサルディニア島も横切る。
そして雲海を抜けた「鋼の鳥」は、本物の鳥…燕の姿となり、『悪の太陽』に邪魔されることなく、自由の空へと、翼をはためかせて高く、高く飛んでいったのだった…。



君は…ここに…おいて行く…

もう誰も君を…これ以上傷つけたりはしないように…決して…

だが君を必ず故郷に連れて帰る







『追記・修正してこい』って命令………………『未』完了………
項目も……BBSも……全部……燃えちまった……

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*1 その童顔と体型から女の子と勘違いした人も多い模様。

*2 他の三人もアバッキオの死に衝撃と悲しみを受けていたが、唇を噛み締める等して必死に抑えていた。

*3 ただでさえ仕事一筋で家族に冷たい父親だったが、メーラが亡くなった後は全くナランチャに見向きもしなかったという。少なくともDV男ではなかった。後々亀の中にあった『庭』という雑誌に対するナランチャの反応を見る限りナランチャ自身は「庭師」としての父親の事は尊敬していたようだ……

*4 アニメ版で親友のチンピラが「いいのかよ? 学校行かねえで。お前はまともな家の出だろ?」と口にしていた事から、本質的に不良仲間からは変わり者として見られていた模様。

*5 ナランチャの眼病は少年院で警官に殴られた後に化膿した感染症によるものである。

*6 しかも名無しのモブである。第五部でタメを張れるのは例の二人組やボスくらいだろう。

*7 ナランチャは母親の眼病についてはこのチンピラにしか話しておらず、出所して初めて「裏切られた」と感じるようになった。

*8 アニメ版ではチンピラが出所後のナランチャと再会するシーンが追加されており、冤罪に対する罪悪感も無く眼病をネタにした罵倒でナランチャをコキ下ろす等、ゲスな本性が強調されている。また、犯行後は一時的に行方をくらませてナランチャに疑いをかけられるよう仕向けていた事が明かされた。

*9 組織を裏切った時を見る限りでは、その後もブチャラティは、ナランチャとフーゴには機会があればカタギに戻ってほしいと願ってたようである

*10 父親との関係は既に修復不可能であった模様。

*11 イタリア語訳版では「vola vola vola……vola via」volaとは、volare(飛ぶ)の二人称に対する命令形。

*12 『シルバーチャリオッツ・レクイエム』により、この時の彼らはスタンド能力がパワーアップしていた。