World of Tanks

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World of Tanks - (2017/01/26 (木) 22:15:06) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2017/01/14 Sat 03:00:39
更新日:2024/01/28 Sun 03:45:03
所要時間:約 61 分で読めます





World of Tanks(略称Wot)とは、海外のオンラインゲーム会社「ウォーゲーミング」社によって開発・運営されているオンライン戦車TPSゲームである。

2010年、ロシアでサービスが開始される。その後は人気に伴ってヨーロッパ、アメリカ、アジアなどにも展開していき、2012年からは公式で日本語にも対応している。基本となるWindows版他、現在では箱◎、箱1、PS4でも展開中。

基本プレイが無料であることもあり、プレイ人口は非常に多い。MMOとしては世界最大級の巨大サーバーを誇り、 サーバー同時接続数のギネス記録 まで持っているほど。


「どんなゲーム?」


端的に言えば 「戦車だけの多人数対戦TPS」 でだいたいあってる。ルール(ゲーム形式)は色々あるが、主軸となるのはランダムにマッチングされる「ランダム戦」。

これは一定の法則でオートマッチングされた15人vs15人(最大)で対戦するゲーム形式で、敵を全滅させるか、あるいは目標陣地を占拠した方が勝利となる。

他にもあらかじめ組んだチーム同士で行うチーム戦(7vs7)、それより規模がでかい中隊戦(15vs15)、クラン同士で領地争奪戦を行うクランウォーズなどがある。

戦闘で勝つことで資金(クレジット)と経験値を得られ、得た経験値を投じて砲やエンジンなどのパーツを、そして後継機となる戦車を開発していくことができる。
例えば4号戦車で経験値をためて7.5cm24口径砲から7.5cm43口径砲に改良したり、チハたんで経験値をためることで1式チヘへ派生したりといった感じ。

「どんな戦車が出てくるの?」


基本的には第二次大戦中に用いられた戦車がメインだが、開発を進めると最終的には冷戦半ばぐらいの第二世代MBTまで登場してくる。
現時点での時系列上の「最新」戦車は1970年代半ばに開発されていた中国のWZ-132。

戦車は各国ごとにツリー分けされており、例えばティーガーに乗りたければドイツ戦車の振りだしであるライヒストラクトーア→2号戦車→3号E型→4号A型→4号D型→4号H型→VK 36.01 (H)→ティーガーという具合に順次開発していくことになる。

またそれぞれの戦車には国籍とは別に、「Tier(ティアー)」「車種」というタイプの区分もある。

tierというのは単純に言えば戦車の「レベル」に相当するもので、1から10まである*1
これは例えばtier6の戦車の砲はtier5の戦車の装甲をぶち抜けるが、逆の砲撃は弾かれて全然ダメージが通らない、といった具合にかなり顕著な差となって表れる(無論、例外はある)。

車種というのは戦車の「職業」に相当するもので、軽戦車・中戦車・重戦車・駆逐戦車・自走砲の5種がある。
車種によって性能の傾向には大きな違いがあり、またチーム内で求められる役割もだいたい車種で決まってくる。(こちらにも例外はある)

「戦闘はどんな感じ?」


基本はTPSだが、交戦距離は500m以下だし、耐久力はHP制…といった「ゲームらしさ」と、砲弾の貫通力が装甲厚を下回る場合は跳弾してダメージが通らないといった「戦車らしさ」とがせめぎ合っている。

まあこれに関しては正直ようつべなりニコニコなりで動画を見てもらった方が早いだろう。そう、そんなゲームです。

戦車の操作自体は一般的なWASD+マウス操作で、特に難しくはない。しかしこのゲームで重要なのは反射神経やエイミング技術などの所謂「ゲームのうまさ」よりは、むしろ「知識」の方である。

  • 「目の前の戦車の正面装甲は80mm、側面は60mm、俺の戦車のAP弾がこの角度から抜けるのはキューポラ部かのぞき穴か足回りのみ」
  • 「敵の主砲の装填速度は11秒、1発撃たれたら飛び込んで側面に張り付ける」
  • 「敵戦車の視界は320m、このまま進んで来れば視界340mでカモフラージュネットを張ってる俺の方が先に発見できる」
  • 「敵はおそらくあのあたり、この岩陰から出れば発見できるがあの丘からも射線が通ってしまう」

などといった知識がさっと出てくるかどうかが、そのまま勝敗に繋がってくる。勿論、操作技術もいらないわけでは決してない。FPSなどでエイミングに慣れてる人はそれだけで有利だろう。
まあぶっちゃけ一番大事なのはガッバガバなマッチングを制する運である*2

戦車の緒元は前述の通り(武装とか装甲厚とかエンジンの馬力とか)史実に忠実であったり、ゲームバランスの都合上(搭載できる装備とか砲の貫通力とか威力とか)そうでなかったり。

戦車は「カスタマイズする」というよりは基本的に一本道で「強化していく」感じになる。
ビルディングの余地もあるが、戦車のパーツではなくカニ眼鏡*3やカモネット*4などの拡張パーツ、あるいは乗員の習熟度やスキルなどの方である。

「本当に無料でいけるの?」


基本的にはいける。特に中tier帯までならなくても全然問題ない。

本ゲームの課金は直接金で買うもの、またゲーム内の特殊通貨(ゴールド)を購入し、それを使って購入するものとがある。

といった具合に多岐にわたる。

しかしこれらは総じて「稼ぎの効率を上げる」ものでしかなく、対戦を有利にするもので、かつ課金でしか買えないというものは存在しない。
しかもこれらの課金要素は、ゲーム内イベントなどで結構大盤振る舞いされる。

とはいえ「稼ぎの効率」には顕著な差が出てしまうのも事実であり、その効率は低tierでは大差ないが、高tierではそれこそ3倍~5倍にまでなる。
tier6ぐらいまでなら課金せずとも問題なくプレイできるが、それ以上の高tierになると、収支のいい課金戦車の一台ぐらい、
あるいはプレミアムカウントやフリー経験値変換あたりは必要に応じてやらないと、相当に時間(収支の良い低tier帯で稼ぐ時間)がかかることは覚悟せねばならない。


「戦車の種類」


・軽戦車

文字通りの軽量級。つまり一般的に足回りが軽く動きが素早く、そして装甲が薄く火力が弱い。つまり相手と撃ち合うことを任務とする戦車ではない。やろうと思えば重戦車をぶっ殺して帰って来られる変な奴もいるにはいるが。
通称LT*11

ではその主任務は何なのかと言うと、「偵察」である。
このゲームの戦車はそれぞれ自前の視界範囲を持っており、自身の視界内に捕捉した敵戦車だけを画面に表示する仕組みになっている。
しかしその範囲の外にいる見えない戦車も、チーム内の誰かが敵を発見することで、チームの全員の画面に表示することが可能なのである。
つまり自力では200mしか見えない重戦車でも、400m離れた敵戦車を先行した軽戦車が見ていれば、重戦車はその距離からでも敵戦車を見て砲弾を撃ち込むことができるというわけ。
この「敵を視界内に収めて他者に提供する」行動のことは 「スポット」 と呼ばれ、偵察行動の基本になる。

つまりチームの眼となって敵を見つけ、他の戦車に撃ってもらうというのが軽戦車の主なお仕事になる(自分で見てる相手にダメージが入ると、観測ボーナスという形で攻撃したのと同様のポイントが入手できる)。
ほとんどの軽戦車は、同tier内の他戦車と比べて視界範囲が広く、隠ぺい率も高くなっており、偵察にうってつけと言える。

また偵察以外にもその足を活かして後方をかく乱したり、敵陣形の穴を見つけて突破し後方の自走砲をたたいたり、視界の悪い重戦車に随伴して早期警戒役を務めたりと、多様なお仕事が要求される戦場の便利屋でもある。

性質上、プレイヤーのスキルや知識への依存度が非常に高く、初心者ではその性能を充分に活かしにくい。
だが逆に地形や戦車データを熟知した上級者が使うと文字通り「神の目」をチームに供給することができ、チームの勝利に決定的な役割を果たすこともできる。

著名な車両で言えばM24チャーフィー、レオパルト(西ドイツのアイツではなくWWⅡの方)など。

・中戦車

軽戦車と重戦車の中間に位置するバランス型戦車。その装甲と火力は軽戦車ほど貧弱ではなく、機動性や隠ぺい性は重戦車程劣悪ではない。
通称MT*12

総合的な性能バランスのよさから、必要に応じて軽戦車のような偵察や機動戦闘も、重戦車のような戦線維持も、駆逐戦車のような待ち伏せ狙撃も…といった具合に 多様な戦術に対応することが可能
またチームの中でもそういった臨機応変な立ち回りが要求される渋いポジション。

更には戦車自体にも軽戦車に近い機動性を持つもの、あるいは重戦車に近い装甲をもつもの、駆逐戦車のような火力をもつものなど個性豊かなラインナップを揃えている。
そのため、前述のように戦況に合わせた適切な行動はもちろんのこと、各々の戦車の特性によっても取るべき立ち回りは変わってくる。

そのバランスのとれた性能から、初心者でもそれなりに立ち回ることができ、プレイヤースキルに比例して顕著に出来ることが増えていくという奥深い戦車。
またその性質上、 「格下相手なら強気にオラついていけ」「格上相手なら泣きながら逃げて重戦車や駆逐にお任せしろ」 というゲームの基本を(嫌でも)学ぶことができる名教官でもある。

著名な戦車で言えばT-34、M4シャーマン、61式戦車など。

・重戦車

読んで字のごとく「硬い!」「強い!」「遅い!」の3大ワードを網羅した動く要塞。
通称HT*13

基本的に「装甲は同tierの中・軽戦車のAP弾を弾く」「主砲は同tierのあらゆる戦車の装甲をぶち抜ける」という特徴を持っており、攻撃力と防御力の双方において同格tierのあらゆる戦車に優越する性能を持つ。
その強大な火力と装甲を活かして部隊の中心になり、移動橋頭保、火力陣地として戦線を支えることが主任務となる。

まさしく戦場の主役と呼ぶにふさわしい強力な戦車であるが、それ故に敵からのヘイトも高い。
重装甲とはいえ装甲が薄いウィークポイントも存在するし、駆逐戦車や自走砲などは同格以下でもこちらの主装甲部をぶち抜く火力を持っていることが多く、下手に突出すると敵の総攻撃を浴びてたちまちやられてしまうことも。

よって花形にして主役なのは事実だが、同時に脇役(視界を担う軽戦車や、迂回攻撃でヘイトを分散し中戦車、敵ににらみを利かせる駆逐戦車や自走砲)あってこその主役であることを決して忘れてはならない。
メイン盾は謙虚たるべし。

中戦車や軽戦車に比べると役割が明確で、かつ死ににくいため初心者にもおすすめされる戦車だが、戦場の主力を担う以上、チーム全体から相応の働きを求められる。
うかつな行動をして開幕爆散したりすると、敵よりもむしろ味方のヘイトを集めてしまったりするので、気にしいな人は要注意。

著名なので言えばIS(スターリン戦車)、ティーガーなど。

・駆逐戦車

火力に特化した戦車ハンター。 基本的に同格の戦車に比して1~2ランク上の強力な主砲をもち、格上の重戦車などに対しても手痛い一撃を浴びせることができる。
反面、砲塔が回らないので接近戦や遮蔽物を使った撃ち合いに対応できなかったり、装甲が極端に薄かったり、機動性が劣悪だったり、視界が極端に狭かったりなど、火力の代わりに何らかの性能が犠牲になっている。
通称TD*14

一般的なFPSでいうとスナイパー的な存在で、必然的に芋・・・とは言わないが待ち伏せ戦術が基本になる。
非常に強大な決定力を持つが、前述の通り火力に全振りしてるが故の決定力なので、単体での戦闘性能は(状況にもよるが)あまり高くない。
味方との連携、とくに視界を取ってくれる軽・中戦車の働きがあってこそ輝ける戦車と言える。

基本的に不器用なのは否めないが、それ故に役割が明確かつ単純で、重戦車と並んで初心者にもおすすめされる戦車。ガンガンダメージを取っていけるしキルカウントも伸ばせるアタッカーなので、そういうのが好きな人も楽しめる。
ちなみに軍発表では「自走砲」でもWoTでは駆逐戦車になってたり、逆に「対戦車戦闘車両」となっていてもWoTでは自走砲になっていたりする例もある。

著名なので言えばSU-100、ヤークトパンターなど。

・自走砲

水平射撃を基本とする他の戦車とちがって、 曲射(放物線を描いて飛ぶ砲撃)によって攻撃する間接攻撃専門の戦車
射撃モードになると専用の俯瞰視点になり、それを見ながら砲撃する形になる。直接戦闘力は殆どなく、撃破されないように最後方に位置取ることが多いので、基本的に視界は味方戦車がとってくれるそれに頼ることになる。
通称SPG*15、arty*16

戦車の装甲が最も薄い部分である天板方向から高威力の榴弾を打ち込むので、ツボにはまればその攻撃力は非常に高い。
曲射弾道故に普通の戦車では攻撃できない建物の向こうなどから打ち込むことができるため、敵戦車、特に鈍重な重戦車や駆逐戦車へのプレッシャーも抜群。

しかし味方が適切に視界を取ってくれないと何もできないし、逆に味方があまりに強すぎると撃つ間もなく敵が撃破されてしまうし、敵軽戦車に肉薄されると何もできずなぶり殺しにされるし、
マップによっては射線が全く通らなかったりするし、命中精度が悪いので運次第でさっぱりあたらなかったりするしと、自分で使ってみるとなかなか戦果が安定しない戦車。
「敵にいるとキレそうになるが、自分で使ってもキレそうになる」というのは自走砲に乗ってみたWotプレイヤーが一律で抱く感想である。

他の戦車とは別ゲーレベルに操作感覚や戦術が異なるが、「いかに自走砲の砲撃を避けて動くか」「どういうところで自走砲の砲撃をくらうと嫌なのか」といった普通の戦車での経験は自走砲に乗り換えた時に活かせるし、またその逆もしかりである。

著名なので言えば……ううむ、セクストンⅡあたりだろうか?


「MOD」


MOD*17に対しては、基本的に一定のガイドラインを出してあとは自由という方針。

そのガイドラインはこの手の対戦ゲームとしては「かなり緩め」レベルで、結構強力なMODも存在する*18。自走砲などは「MODを入れてからがスタートライン」と言われるほど。
このためMODを使用できないXBOXやPS4版ではそれぞれの専用サーバーが設けられており、公平性を維持している。

また公式もMODパックをいくつか出しており、その中には日本でコラボした「ガールズ&パンツァー」のボイスパックなども存在する。

公式のボイスパックはあんこうチームの6人+プラウダ高校のノンナ(ロシア語多数)というラインナップ。そしてさすが日本というべきか、有志が作った非公式のガルパンボイスパックMODは充実の一言である。


「いろんな国のいろんな戦車があるよ!」


『ソ連』

カラーリングは草色。Wot自体がロシア産(正確にはウォーゲーミング自体はキプロスの企業である)ということもあってか、質・量ともにかなり力が入っているツリー。
ぶっちゃけ他国の同格と比べ明らかに強力な戦車も多く、プレイヤーから「アカめ!ソ連優遇やめろや!」との叫びが上がるのもしばしば。

性能傾向としては基本的に高次元でバランスがとれており、特に装甲・火力・機動性・隠ぺい率といった重要な部分の性能に隙が無く、単純に強い。
ただし全体的に砲の精度がやや悪く、視界範囲もやや狭い傾向がある。また砲の俯角もしょっぱいため、全体的に「殴り合いには超強いが、それ以外はあまり得意ではない」という感じになっている。
この弱点を正確につくことができるベテランが相手だと、一転して苦境に立たされることも。

国別の乗員強化アイテム*19予備戦闘糧食ソ連製のとてもマズい予備戦闘糧食。
ただしこれは予備=Extraの翻訳ミスで、正確には「追加戦闘糧食(チョコやアメなどのおやつ的なもの)」と看做すべきだろう。



『アメリカ』

車両カラーはカーキ色。
圧倒的な国力を誇る大正義アメリカ合衆国に相応しく、戦車ラインナップは質・量共にソ連に勝るとも劣らない充実ぶり。

性能面では全体的に走・攻・守のいずれもが高いバランスでまとまった優等生が多く、他国戦車に比べて明確な欠点が少ない傾向にある。
そのそつないオールラウンダーぶり、また圧倒的戦車ラインナップの充実度から、ソ連と並び初心者にも強くお勧めされるツリーの一つになっている。

専用強化アイテムはケース入りコーラ。Burrrrrnp!銘柄の指定はされてないが、ケースお呼びロゴの色的には完膚なきまでにC社のコーラである。



『イギリス』

車両カラーはサンドブラウン。
紅茶の国から伸びてきた優雅な英国紳士のツリー。乗員強化アイテムは当然みんなの期待を裏切らないお紅茶(プディングつき*36)。

全体的なラインナップはドイツ・アメリカ・ソ連に比べると一段劣ると言わざるを得ないが、一応全車種は網羅している。
そして変態紳士の国らしく、アメリカやソ連に比べるとクセの強い、というか自身のカテゴリーに喧嘩を売っているような珍車が多い。
中戦車なのに重戦車より重装甲・鈍足だったり、自走砲なのに軽戦車なみの速度で走り回って水平射撃で敵を撃破したり、Tier5の駆逐戦車なのに下手なTier7~8あたりの重戦車より装甲が厚かったり。

他国同様、高tier帯の戦後世代ではだいたい無難な感じにまとまってくるが、それまではあまりに個性豊かな戦車たちを乗りこなすのに一苦労することだろう。
また常軌を逸して弱い(というか一芸に特化しすぎて実用性が皆無な)戦車が必須ルート内に混じってたりすることが多く、その意味でも初心者にはまったく向かない。
FPSでモニターにパンチくれたりマウスをブン投げたりする精神修養の足らん奴は断固として乗るべきではなく、何があっても動じない真の英国紳士だけが進めることを許されるツリーである。



『ドイツ』

カラーは灰色。第二次大戦において数々の伝説を生みだした第三戦車帝国。この手のゲームに珍しくないことだが、ハーケンクロイツは断固として画面に出てこない。

知っての通り戦車と言えばドイツ、ドイツと言えば戦車であり、そのラインナップの充実度はソ連やアメリカをしのぎぶっちぎりのナンバーワン。モデリングにもかなり気合が入っている戦車が多く、その人気のほどがうかがえる。

…が、性能が高いかと言われるとちょっと微妙なのも事実。というか全体的に「地味で繊細な長所と、明白で無視できない短所」という性能傾向の戦車が多く、決して弱いわけではないのだが、使いこなすにはかなりのテクニックが前提になる。
まあ率直に言って玄人向けのツリー。

戦車が好きなら思わず選んでしまいがちな人気ツリーではあるが、ゲーム的には全然初心者向けとは言えない(特に軽・中・重戦車)のでそのあたりは注意。
「俺も西住殿になりてぇ!パンツァー・フォー!」とばかりに入ってきたガルパンおじさんの心が、4号A型あたりでぽっきり折れるのはもはや定番。
よく言われるのは「砲はいいが車体に不安を抱えているパターンが多い」。TigerやPz.Ⅳ Hなどが好例(共に後述)。

しかしそんなテクニカルな通常ルートに対し、課金戦車の性能は他国に比べ明らかに高め。高い人気と、それに相反する難易度を反映した運営の巧妙な集金戦略と言われている。商売人め!

専用強化アイテムはチョコレート。ドイツ語発音で言えばショコラーデ。世界最強のチョコ消費量を誇るドイツに相応しい嗜好品と言えよう。



『フランス』

第二次大戦ではろくに出番がなかったスケベ野郎(偏見)のツリー。カラーリングは青銅色。

史実では早々にドイツに降伏したため、他国の戦車が百花繚乱の開発競争を続けていた1941~45年の時期に開発がぴったり止まっているのだが、試作戦車・計画だけの戦車などが普通に出てくるWotではそのあたりはあまり問題にならない。
低Tier帯では戦前に開発された戦車が、中Tier帯では降伏前に計画されていた戦車が、高Tier帯では戦後戦車が登場する感じ。

性能水準としては全体的に高めにまとまっているのだが、イギリスにも勝るとも劣らぬ個性派が多い上に、「同じルート内でも開発するごとに使い勝手がまったく変わる」というケースが異常に多いのが困りもの。
この辺りは実戦で練り上げられた戦車ではなく、計画段階の戦車がそのまま登場するが故か。

また低~中tier帯では乗員が非常に少ないのも泣き所で、乗員の育成がやりにくい上に、乗員負傷時の戦力低下が半端ない。
車長(兼砲手・兼通信手・兼装填手)+操縦手という過労死必至の社畜戦車などは、どちらか一人がやられると戦力ダウンどころの話ではない。

強化アイテムはフランスだからエロ本かと思いきや(偏見)そんなこともなく、フランス名物の濃いコーヒー。名前には反映されてないが、小さなクロワッサンもついている。



『日本』

我らが祖国の偉大なるチハたんツリー。カラーリングはゼロ戦色というかザク色というか。ハーケンクロイツ同様、ゲームでは旭日旗は登場しない。

「帝国陸軍ってツリー形成する程戦車なかっただろ」と思われるかもしれないが、試作戦車・計画戦車がバンバン出てくるWotではそんなこともないので大丈夫。重戦車の終盤は計画戦車にしても怪しくないかって?気にするな。

軽・中戦車の系統と重戦車の系統の2本のルートがあり、それぞれ性能傾向(と人気度)がはっきり分かれているのが特徴。
軽・中戦車ルートは火力、とりわけ貫通力においてみるべき点があるものの、装甲・速度・隠ぺいといったそれ以外の性能が最低レベルという玉砕設計。特に中tierあたりでこの傾向がおもいっきり顕著になるため、必然的に人気はあまりない。

一方の重戦車系統(正確にはそのなかのオイ車系列)は、重火力・重装甲・低機動・低隠ぺいといういかにも重戦車らしいルートで、火力と装甲は他国の同格戦車を上回る同tier帯最強レベル。実用性はかなり高めで、必然的に人気も高い。

強化アイテムは日本人のソウルフードであるおにぎり。アイコンを見た感じ三角形(三角形ならおむすびじゃ?とか細かいことを言う奴には精神注入棒だ!)で、塩・ごま・かつお?の3種1セットになっている。



『中国』

基本的には中国共産党側(国旗も共産党マーク)なのだが、一部に国民党戦車も存在する。国共合作か?カラーリングは人民服色(薄い緑)。

「え?第二次大戦時の中国って戦車開発できるようなレベルじゃないだろ?」と疑問に思うかもしれないが、その通りである。
中国ツリーはそのほとんど、特に中~tier帯のほぼすべてが輸入戦車・鹵獲戦車で構成されている。流石と言わざるを得ない。チハたんもWotで初登場したのは実はこちらのツリー。

ゲーム的に言えば他国のツリーに登場する戦車をそのまま流用している形になるが、性能、特に足回りと砲などに改修(微調整)を受けているケースが多い。
全体的に火力・速度性能がオリジナルより増強されている反面、運動性・砲精度などが目だって低下している傾向がある。
俯角も顕著に悪化しており、「強くはなったが、不器用になった」という感じのものが多い。このあたりはソ連戦車の特徴をより極端にした感じか。
また装甲は基本据え置きだが、エンジンが中国らしく炎上しやすくなっていることが多い。というかエンジン以外にもモジュールの耐久力が全体的に低く、砲弾が貫通するとだいたいなにがしか壊れる。
これは高tierの自国製戦車になってもおおむね共通する、中国戦車全体の特徴になっている。

ちなみに中国は法律によって他国と同一のサーバーにつなげないため、中国国内専用の運営会社がサービス提供を行っており、中国国内でしか使えない課金戦車が結構あるようだが、当然マッチングに登場することはない。

強化アイテムは世界三大美食である中華料理の国なのに、なぜか「改良型戦闘糧食」という無味乾燥なもの(でもアイコンはお肉がゴロゴロしてる感じでけっこうおいしそう。叉焼?排骨?)。
しかし当時の人民解放軍に、パッケージングされた戦闘糧食なんてあったのか?



『チェコスロバキア』

専用カラーは薄い茶色。ドイツのアイドルへったんの母国でもある。
ドイツに併合され、その保護国として第二次大戦を戦ったチェコスロバキアだが、ソ連戦車が普通に入ってくる中国ツリーと異なり、ドイツの戦車はあまり入ってこない。

ラインは完全に一本線で、軽戦車から始まり途中で中戦車に移行し、そのままtier10までいくことになる。
戦車の特徴としては、何と言ってもオートローダーの本場であること。
この為瞬間火力が極めて高く、高い機動性と相まって「蝶のように舞い、蜂のように指せ!」と言わんばかりの素敵な戦いが可能な戦車が多い。
反面、装甲が日本車ばりにペラペラな上に、弾薬庫が車体の前にあるために誘爆しやすい戦車が多く、数値以上に防御面は脆い。

ラインが1本しかないこともあって、全体的に似たような傾向の性能を持つ戦車が多く、乗り代わりにも(プレイヤー・乗員双方が)スムーズに対応できるというのも利点。

強化アイテムはブフテルン。ブフテルンってなんぞ?こんなお菓子らしいです。 →外部リンク



『スウェーデン』

2016年12月に追加された最新ツリー。専用カラーは目に優しい若葉色。
スウェーデンは第二次大戦では中立を貫いて戦わなかったため知名度は低いが、実はソ連やドイツに劣らない高性能戦車を作り出していた戦車大国でもある。

そのため、新顔にも拘わらず軽戦車→中戦車→重戦車と変化していくルートと、駆逐戦車ルートの2本が用意されており、これは先輩であるチェコスロバキアの2倍、日本とほぼ同じボリュームである。

そのツリーの最大の魅力は、何と言っても最強クラスのハルダウン適正にある。ハルダウンとは上り坂の頂上(稜線)から車体の前半分だけを出して射撃する戦法で、全面投影面積を限りなく小さくすることができる、Wotにおける射撃戦において大いに有利なスタイルである。
これは全ツリー中ぶっちぎりで最強を誇る俯角によるところが大きいが、さらには機動性や隠ぺい性も良好なため、とにかく地形を利用した戦闘に関しては他国戦車の追随を許さないものがある。
一方で装甲やHPなどの耐久面は最低水準なので、むしろ地形を利用しなければ生き残れないという言い方もできる。芋砂特化という言い方もできる。

強化アイテムはコーヒー&シナモンパン。シナモンパンは多分スウェーデン語でいうところのカネールブッレ、つまり日本で言うところのシナモンロールだと思われる。実はスウェーデン発祥のお菓子だったらしい。


「初心者はどのツリーを選んだらいいの?」


「で、初心者へのおすすめは?」と言われると、やはり性能・ラインナップ共に充実しているソ連ツリーを押さざるを得ない。
タフで素早い車両が多いので、生存性が高いという意味でも初心者にはありがたい*53。この点アメリカツリーも決して負けていないが、例のリー先生がどうしても足を引っ張るのが痛い。そもそも最初から生存性を求めていない軽戦車や駆逐戦車であればアメリカツリーでもいい*54が…。

自走砲については、低Tier戦場では「足を止めてゆっくり待ち伏せする」という事が少ない事、操作性が他の4車種とまったく異なることから初心者には比較的不向き。とはいえ、それでも「興味があるなら乗っておいて損はしない」レベルであるし、一度撃つ側に回ってみると「自走砲に撃たれない動き」の勉強にはなるだろう。
オススメは単発威力こそ残念ながら速射性が高いため「撃ち直し」が効きやすいイギリス、一本道ではないが軽戦車や中戦車とパーツの互換性が高い*55分強化の容易なドイツorアメリカか。

とはいえ、基本的には「好きな戦車をめざす!」「ごひいきの国のツリーを!」といった情熱に素直に従うのが一番である。モチベーション的にも。


追記:修正をパンツァー・フォー!

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