登録日:2017/01/14 Sat 03:00:39
更新日:2024/01/28 Sun 03:45:03
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World of Tanks(略称Wot)とは、海外のオンラインゲーム会社「ウォーゲーミング」社によって開発・運営されているオンライン戦車TPSゲームである。
2010年、ロシアでサービスが開始される。その後は人気に伴ってヨーロッパ、アメリカ、アジアなどにも展開していき、2012年からは公式で日本語にも対応している。基本となるWindows版他、現在では箱◎、箱1、PS4でも展開中。
基本プレイが無料であることもあり、プレイ人口は非常に多い。MMOとしては世界最大級の巨大サーバーを誇り、
サーバー同時接続数のギネス記録
まで持っているほど。
「どんなゲーム?」
端的に言えば
「戦車だけの多人数対戦TPS」
でだいたいあってる。ルール(ゲーム形式)は色々あるが、主軸となるのはランダムにマッチングされる「ランダム戦」。
これは一定の法則でオートマッチングされた15人vs15人(最大)で対戦するゲーム形式で、敵を全滅させるか、あるいは目標陣地を占拠した方が勝利となる。
他にもあらかじめ組んだチーム同士で行うチーム戦(7vs7)、それより規模がでかい中隊戦(15vs15)、クラン同士で領地争奪戦を行うクランウォーズなどがある。
戦闘で勝つことで資金(クレジット)と経験値を得られ、得た経験値を投じて砲やエンジンなどのパーツを、そして後継機となる戦車を開発していくことができる。
例えば
4号戦車で経験値をためて7.5cm24口径砲から7.5cm43口径砲に改良したり、
チハたんで経験値をためることで1式チヘへ派生したりといった感じ。
「どんな戦車が出てくるの?」
基本的には第二次大戦中に用いられた戦車がメインだが、開発を進めると最終的には冷戦半ばぐらいの第二世代MBTまで登場してくる。
現時点での時系列上の「最新」戦車は1970年代半ばに開発されていた中国のWZ-132。
戦車は各国ごとにツリー分けされており、例えば
ティーガーに乗りたければドイツ戦車の振りだしであるライヒストラクトーア→2号戦車→
3号E型→4号A型→4号D型→4号H型→VK 36.01 (H)→ティーガーという具合に順次開発していくことになる。
またそれぞれの戦車には国籍とは別に、「Tier(ティアー)」「車種」というタイプの区分もある。
tierというのは単純に言えば戦車の「レベル」に相当するもので、1から10まである。
これは例えばtier6の戦車の砲はtier5の戦車の装甲をぶち抜けるが、逆の砲撃は弾かれて全然ダメージが通らない、といった具合にかなり顕著な差となって表れる(無論、例外はある)。
車種というのは戦車の「職業」に相当するもので、軽戦車・中戦車・重戦車・駆逐戦車・自走砲の5種がある。
車種によって性能の傾向には大きな違いがあり、またチーム内で求められる役割もだいたい車種で決まってくる。(こちらにも例外はある)
「戦闘はどんな感じ?」
基本はTPSだが、交戦距離は500m以下だし、耐久力はHP制…といった「ゲームらしさ」と、砲弾の貫通力が装甲厚を下回る場合は跳弾してダメージが通らないといった「戦車らしさ」とがせめぎ合っている。
まあこれに関しては正直ようつべなりニコニコなりで動画を見てもらった方が早いだろう。そう、そんなゲームです。
戦車の操作自体は一般的なWASD+マウス操作で、特に難しくはない。しかしこのゲームで重要なのは反射神経やエイミング技術などの所謂「ゲームのうまさ」よりは、むしろ「知識」の方である。
- 「目の前の戦車の正面装甲は80mm、側面は60mm、俺の戦車のAP弾がこの角度から抜けるのはキューポラ部かのぞき穴か足回りのみ」
- 「敵の主砲の装填速度は11秒、1発撃たれたら飛び込んで側面に張り付ける」
- 「敵戦車の視界は320m、このまま進んで来れば視界340mでカモフラージュネットを張ってる俺の方が先に発見できる」
- 「敵はおそらくあのあたり、この岩陰から出れば発見できるがあの丘からも射線が通ってしまう」
などといった知識がさっと出てくるかどうかが、そのまま勝敗に繋がってくる。勿論、操作技術もいらないわけでは決してない。FPSなどでエイミングに慣れてる人はそれだけで有利だろう。
まあぶっちゃけ一番大事なのはガッバガバなマッチングを制する運である
戦車の緒元は前述の通り(武装とか装甲厚とかエンジンの馬力とか)史実に忠実であったり、ゲームバランスの都合上(搭載できる装備とか砲の貫通力とか威力とか)そうでなかったり。
戦車は「カスタマイズする」というよりは基本的に一本道で「強化していく」感じになる。
ビルディングの余地もあるが、戦車のパーツではなくカニ眼鏡やカモネットなどの拡張パーツ、あるいは乗員の習熟度やスキルなどの方である。
「本当に無料でいけるの?」
基本的にはいける。特に中tier帯までならなくても全然問題ない。
本ゲームの課金は直接金で買うもの、またゲーム内の特殊通貨(ゴールド)を購入し、それを使って購入するものとがある。
「プレミアムアカウント」
読んで字のごとく。プレミアム期間中はゲームでの報酬(クレジット、経験値)が1.5倍になる。
え?そんだけ?と思われるかもしれないが、無課金ではだいたいtier6の戦車あたりから「負けるとクレジット赤字」になり、tier10ともなると「勝っても赤字」になる。
プレミアムなら勝てば黒字になる・・・こともあるバランス(後述の課金弾の使用度によっては普通に赤字になる)。
その分低tierの戦車で戦ってクレジット赤字を補てんすればいいという話ではあるが、当然時間はその分余計にかかる。
「プレミアム戦車」
買い切り式の有料戦車で、通常の開発ツリーには属さず、買った瞬間から即使える。主砲やら履帯やらエンジンやらのモジュール強化の必要もない。
しかし一般的なソシャゲにおける「課金キャラ」と違い、このゲームの課金戦車は特に強いわけではない…というかぶっちゃけ弱い。
「課金にしては」
とかいう言い訳は必要なく、純粋に同tierの戦車に比べ明らかに弱い戦車が多い(例外もある)。特に火力面、とりわけ貫通力で顕著。ただし防御面はむしろTierで見ると優秀なケースもあるが。
じゃあ何のために買うんだよ!と思われるかもしれないが、課金戦車は修理費が安く、また同じ成績でも報酬と乗員経験値が多くなる補正がかかっており、つまり「弱いんだけどいろいろ稼げる戦車」になっているのである。
また一部の戦車にはマッチング優遇がついていることも。
良い子の諸君はnoobの内からLöweやT26E5を買ったりしちゃダメだぞ!
「フリー経験値変換」
前述の通り、戦車ツリーを開発していくためには経験値が必要なのだが、経験値は各戦車専用の固有経験値と、別の戦車にも流用できるフリー経験値の二種類がある。
このうちフリー経験値は普通にやっているとほとんど稼げない(入手量は固有経験値のわずか5%)のだが、ある条件下でゴールドを使うことで、固有経験値をフリー経験値に変換することができる。
これによって戦車の開発を著しく効率化し、また購入したばかりで固有経験値がない(=しょぼい初期装備しか持っていない)戦車にフリー経験値を投じていきなり実戦レベルに引き上げることもできる。
これについては時折一時的に倍率変更・・・つまり、お得になることがある。
「課金弾」
通称金玉。特殊な高性能砲弾を購入できる。高性能砲弾は通常の砲弾に比べて貫通力に優れ、通常弾では太刀打ちできない重装甲の相手に対して有効打を放つことができる。
低tierでは「あればいざというときに安心」程度のものだが、プレイヤースキルも上がり、戦車の性能も上がってくるtier9や10になってくると課金弾を使わなければならない場面も増えてくる。
ただしゴールドの400倍のクレジットを出すことで無課金でも購入可能なので、実際はクレジットで購入するのが一般的。
「特製アイテム」
消耗品だが効果が高いアイテムを購入できる。こちらも400倍のクレジットで購入可能。
「車庫・もしくは兵舎の拡張」
戦車を収納する車庫、乗員を収容する兵舎のスロット数を拡張できる。
「乗員のプライマリスキルを100%にする訓練」
このゲームにおいて、戦車の性能は車両の固有性能×乗員のプライマリスキル(熟練度)補正によって決まる。
新しく雇用する乗員は0%からのスタートで、育てた乗員も機種を乗り換えるとスキルが減少してしまう(同じカテゴリで別車両に乗り換えるなら-25%、軽戦車→中戦車などのようにカテゴリも移動すると-50%)。
これは訓練によって一定の値にまで引き上げることができるが、訓練のラインナップは「無料:50%」「有料(クレジット):75%」「有料(ゴールド):100%」となっている。
「乗員の役職変更」
乗員の役職を変更できる。車長→通信士にしたり、操縦手→装填手にしたり。
「拡張パーツ変更ペナルティのキャンセル」
戦車にはクレジットで買える拡張パーツを3つまで取り付け可能なのだが、一部のパーツは一度取り付けると外すことができない(売ることはできる)。これをゴールドを消費することで外すことができる。
「塗装」
迷彩塗装を施し、隠ぺい率をちょびっとだけ上げることができる。こちらも高額なクレジットで代用可能だが、そちらは期間が有限になっている。ゴールドだと無期限。
もちろん、より「らしさ」を求めるために迷彩塗装を行うケースもある。一応非公式MODで似たような事は出来るが。
といった具合に多岐にわたる。
しかしこれらは総じて「稼ぎの効率を上げる」ものでしかなく、対戦を有利にするもので、かつ課金でしか買えないというものは存在しない。
しかもこれらの課金要素は、ゲーム内イベントなどで結構大盤振る舞いされる。
とはいえ「稼ぎの効率」には顕著な差が出てしまうのも事実であり、その効率は低tierでは大差ないが、高tierではそれこそ3倍~5倍にまでなる。
tier6ぐらいまでなら課金せずとも問題なくプレイできるが、それ以上の高tierになると、収支のいい課金戦車の一台ぐらい、
あるいはプレミアムカウントやフリー経験値変換あたりは必要に応じてやらないと、相当に時間(収支の良い低tier帯で稼ぐ時間)がかかることは覚悟せねばならない。
「戦車の種類」
・軽戦車
文字通りの軽量級。つまり一般的に足回りが軽く動きが素早く、そして装甲が薄く火力が弱い。つまり相手と撃ち合うことを任務とする戦車ではない。やろうと思えば重戦車をぶっ殺して帰って来られる変な奴もいるにはいるが。
通称LT。
ではその主任務は何なのかと言うと、「偵察」である。
このゲームの戦車はそれぞれ自前の視界範囲を持っており、自身の視界内に捕捉した敵戦車だけを画面に表示する仕組みになっている。
しかしその範囲の外にいる見えない戦車も、チーム内の誰かが敵を発見することで、チームの全員の画面に表示することが可能なのである。
つまり自力では200mしか見えない重戦車でも、400m離れた敵戦車を先行した軽戦車が見ていれば、重戦車はその距離からでも敵戦車を見て砲弾を撃ち込むことができるというわけ。
この「敵を視界内に収めて他者に提供する」行動のことは
「スポット」
と呼ばれ、偵察行動の基本になる。
つまりチームの眼となって敵を見つけ、他の戦車に撃ってもらうというのが軽戦車の主なお仕事になる(自分で見てる相手にダメージが入ると、観測ボーナスという形で攻撃したのと同様のポイントが入手できる)。
ほとんどの軽戦車は、同tier内の他戦車と比べて視界範囲が広く、隠ぺい率も高くなっており、偵察にうってつけと言える。
また偵察以外にもその足を活かして後方をかく乱したり、敵陣形の穴を見つけて突破し後方の自走砲をたたいたり、視界の悪い重戦車に随伴して早期警戒役を務めたりと、多様なお仕事が要求される戦場の便利屋でもある。
性質上、プレイヤーのスキルや知識への依存度が非常に高く、初心者ではその性能を充分に活かしにくい。
だが逆に地形や戦車データを熟知した上級者が使うと文字通り「神の目」をチームに供給することができ、チームの勝利に決定的な役割を果たすこともできる。
著名な車両で言えばM24チャーフィー、レオパルト(西ドイツのアイツではなくWWⅡの方)など。
・中戦車
軽戦車と重戦車の中間に位置するバランス型戦車。その装甲と火力は軽戦車ほど貧弱ではなく、機動性や隠ぺい性は重戦車程劣悪ではない。
通称MT。
総合的な性能バランスのよさから、必要に応じて軽戦車のような偵察や機動戦闘も、重戦車のような戦線維持も、駆逐戦車のような待ち伏せ狙撃も…といった具合に
多様な戦術に対応することが可能
。
またチームの中でもそういった臨機応変な立ち回りが要求される渋いポジション。
更には戦車自体にも軽戦車に近い機動性を持つもの、あるいは重戦車に近い装甲をもつもの、駆逐戦車のような火力をもつものなど個性豊かなラインナップを揃えている。
そのため、前述のように戦況に合わせた適切な行動はもちろんのこと、各々の戦車の特性によっても取るべき立ち回りは変わってくる。
そのバランスのとれた性能から、初心者でもそれなりに立ち回ることができ、プレイヤースキルに比例して顕著に出来ることが増えていくという奥深い戦車。
またその性質上、
「格下相手なら強気にオラついていけ」「格上相手なら泣きながら逃げて重戦車や駆逐にお任せしろ」
というゲームの基本を(嫌でも)学ぶことができる名教官でもある。
著名な戦車で言えばT-34、M4シャーマン、61式戦車など。
・重戦車
読んで字のごとく「硬い!」「強い!」「遅い!」の3大ワードを網羅した動く要塞。
通称HT。
基本的に「装甲は同tierの中・軽戦車のAP弾を弾く」「主砲は同tierのあらゆる戦車の装甲をぶち抜ける」という特徴を持っており、攻撃力と防御力の双方において同格tierのあらゆる戦車に優越する性能を持つ。
その強大な火力と装甲を活かして部隊の中心になり、移動橋頭保、火力陣地として戦線を支えることが主任務となる。
まさしく戦場の主役と呼ぶにふさわしい強力な戦車であるが、それ故に敵からのヘイトも高い。
重装甲とはいえ装甲が薄いウィークポイントも存在するし、駆逐戦車や自走砲などは同格以下でもこちらの主装甲部をぶち抜く火力を持っていることが多く、下手に突出すると敵の総攻撃を浴びてたちまちやられてしまうことも。
よって花形にして主役なのは事実だが、同時に脇役(視界を担う軽戦車や、迂回攻撃でヘイトを分散し中戦車、敵ににらみを利かせる駆逐戦車や自走砲)あってこその主役であることを決して忘れてはならない。
メイン盾は謙虚たるべし。
中戦車や軽戦車に比べると役割が明確で、かつ死ににくいため初心者にもおすすめされる戦車だが、戦場の主力を担う以上、チーム全体から相応の働きを求められる。
うかつな行動をして開幕爆散したりすると、敵よりもむしろ味方のヘイトを集めてしまったりするので、気にしいな人は要注意。
著名なので言えばIS(スターリン戦車)、ティーガーなど。
・駆逐戦車
火力に特化した戦車ハンター。
基本的に同格の戦車に比して1~2ランク上の強力な主砲をもち、格上の重戦車などに対しても手痛い一撃を浴びせることができる。
反面、砲塔が回らないので接近戦や遮蔽物を使った撃ち合いに対応できなかったり、装甲が極端に薄かったり、機動性が劣悪だったり、視界が極端に狭かったりなど、火力の代わりに何らかの性能が犠牲になっている。
通称TD。
一般的なFPSでいうとスナイパー的な存在で、必然的に芋・・・とは言わないが待ち伏せ戦術が基本になる。
非常に強大な決定力を持つが、前述の通り火力に全振りしてるが故の決定力なので、単体での戦闘性能は(状況にもよるが)あまり高くない。
味方との連携、とくに視界を取ってくれる軽・中戦車の働きがあってこそ輝ける戦車と言える。
基本的に不器用なのは否めないが、それ故に役割が明確かつ単純で、重戦車と並んで初心者にもおすすめされる戦車。ガンガンダメージを取っていけるしキルカウントも伸ばせるアタッカーなので、そういうのが好きな人も楽しめる。
ちなみに軍発表では「自走砲」でもWoTでは駆逐戦車になってたり、逆に「対戦車戦闘車両」となっていてもWoTでは自走砲になっていたりする例もある。
著名なので言えばSU-100、ヤークトパンターなど。
・自走砲
水平射撃を基本とする他の戦車とちがって、
曲射(放物線を描いて飛ぶ砲撃)によって攻撃する間接攻撃専門の戦車
。
射撃モードになると専用の俯瞰視点になり、それを見ながら砲撃する形になる。直接戦闘力は殆どなく、撃破されないように最後方に位置取ることが多いので、基本的に視界は味方戦車がとってくれるそれに頼ることになる。
通称SPG、arty。
戦車の装甲が最も薄い部分である天板方向から高威力の榴弾を打ち込むので、ツボにはまればその攻撃力は非常に高い。
曲射弾道故に普通の戦車では攻撃できない建物の向こうなどから打ち込むことができるため、敵戦車、特に鈍重な重戦車や駆逐戦車へのプレッシャーも抜群。
しかし味方が適切に視界を取ってくれないと何もできないし、逆に味方があまりに強すぎると撃つ間もなく敵が撃破されてしまうし、敵軽戦車に肉薄されると何もできずなぶり殺しにされるし、
マップによっては射線が全く通らなかったりするし、命中精度が悪いので運次第でさっぱりあたらなかったりするしと、自分で使ってみるとなかなか戦果が安定しない戦車。
「敵にいるとキレそうになるが、自分で使ってもキレそうになる」というのは自走砲に乗ってみたWotプレイヤーが一律で抱く感想である。
他の戦車とは別ゲーレベルに操作感覚や戦術が異なるが、「いかに自走砲の砲撃を避けて動くか」「どういうところで自走砲の砲撃をくらうと嫌なのか」といった普通の戦車での経験は自走砲に乗り換えた時に活かせるし、またその逆もしかりである。
著名なので言えば……ううむ、セクストンⅡあたりだろうか?
「MOD」
MODに対しては、基本的に一定のガイドラインを出してあとは自由という方針。
そのガイドラインはこの手の対戦ゲームとしては「かなり緩め」レベルで、結構強力なMODも存在する。自走砲などは「MODを入れてからがスタートライン」と言われるほど。
このためMODを使用できないXBOXやPS4版ではそれぞれの専用サーバーが設けられており、公平性を維持している。
また公式もMODパックをいくつか出しており、その中には日本でコラボした「
ガールズ&パンツァー」のボイスパックなども存在する。
公式のボイスパックはあんこうチームの6人+プラウダ高校のノンナ(ロシア語多数)というラインナップ。そしてさすが日本というべきか、有志が作った非公式のガルパンボイスパックMODは充実の一言である。
「いろんな国のいろんな戦車があるよ!」
『ソ連』
カラーリングは草色。Wot自体がロシア産(正確にはウォーゲーミング自体はキプロスの企業である)ということもあってか、質・量ともにかなり力が入っているツリー。
ぶっちゃけ他国の同格と比べ明らかに強力な戦車も多く、プレイヤーから「アカめ!ソ連優遇やめろや!」との叫びが上がるのもしばしば。
性能傾向としては基本的に高次元でバランスがとれており、特に装甲・火力・機動性・隠ぺい率といった重要な部分の性能に隙が無く、単純に強い。
ただし全体的に砲の精度がやや悪く、視界範囲もやや狭い傾向がある。また砲の俯角もしょっぱいため、全体的に「殴り合いには超強いが、それ以外はあまり得意ではない」という感じになっている。
この弱点を正確につくことができるベテランが相手だと、一転して苦境に立たされることも。
国別の乗員強化アイテムは
予備戦闘糧食。
ソ連製のとてもマズい予備戦闘糧食。
ただしこれは予備=Extraの翻訳ミスで、正確には「追加戦闘糧食(チョコやアメなどのおやつ的なもの)」と看做すべきだろう。
Урааааааааа!!!!
救国の赤い英雄こと、頼れる鋼鉄の同志T-34。tierは5で、区分は中戦車。
傾斜装甲による高いAP弾耐性、素晴らしい機動性、tier帯屈指の貫通力とDPMを誇る主砲など、走攻守いずれにおいても十分なスペックを発揮する良戦車。
……なのだが、Wotではどうにも環境に恵まれていない面がある。
というのも同tier帯のライバル中戦車(4号H型やM4シャーマン)は史実砲より強力な榴弾砲、通称「十榴(口径が10センチの榴弾砲、の略)」を搭載できることが多く、その大口径HE弾に対してはT-34自慢の傾斜装甲が優位に働かないのである。
とはいえ同格ライバル達とのタイマンではやや不利がつくというだけの話で、総合性能で言えばそれらライバル達よりも優位に立てる高性能戦車ではある。同志達よ、祖国を信じろ。
ちなみにT-34-85は別戦車扱い(無印T-34から開発で入手可能)。
「KV-1」
恐らくはこのゲームを始めたプレイヤーが、最初に実感することになる「壁」であり、tier5にして突如出現するラスボス級重戦車。
史実では足回りのあまりの残念さ故にまともな運用を諦められた欠陥戦車だが、故障などという概念が存在しないWotでは話が別。
初心者「露助の欠陥戦車なんかに負けたりしない!」
~3秒後~
初心者「重戦車様には勝てなかったよ……」
という即堕ち2コマは最早Wotの風物詩である。
tier5としては許されざる火力と装甲を誇り、同格以下の戦車の砲弾はガンガン弾きながら、次々に敵をワンパンKOしていくという重戦車の典型的な「
こっちだけズルして無敵モード」を早々と見せてくれる超高性能重戦車。
視界範囲が超せまいというソ連戦車共通の弱点もあるのだが、機動性もそれなりにあるし、第一まだまだ初心者ばかりのtier5ではその弱点を正確につくのも難しく、低tier帯の戦場はしばしばKV-1無双と化す。
ちなみにこれでも度重なるnerf(弱体化)を受けた状態であり、かつては今よりさらに強かった。なんだそれ。
「KV-2」
「君たちはなぜ戦車の上に冷蔵庫を乗せているのかね?」って見た目の”街道上の怪物”。tierは6で、区分は重戦車。
同格中戦車のHPが750前後、重戦車のHPが850とかの世界に、HE弾ダメージ910という驚天動地のビッグキャノンを引っ提げて登場する何かおかしい重戦車。
ちなみにドイツtier10重戦車マウスの128mmHE弾ですらダメージ620である。なんなのこの子…
当然その152mm砲の直撃をもらえば同格以下の戦車なら一撃昇天(軽戦車などなら至近弾でももれなく昇天)、格上戦車ですら大ダメージを免れない。
その超絶的火力を除けば、装甲はtier5のKV-1から据え置きなので相対的に弱体化、砲塔旋回速度も超悪化、装填速度は最早論外といまいち不器用な戦車ではあるが、圧倒的な長所がそれを補って余りある。
ただし敵からのヘイトもKV-1以上に高く、その脆さとド近眼故に孤立にも弱いため、KV-1とはうって変わって(重戦車の中では)かなり慎重な立ち回りが要求される。
ちなみにもうちょっと数を撃ちたいなら107㎜砲も搭載可能。こちらもたまーに見かけるが、やはり152㎜砲装備を推奨。
「IS」
ご存知、元祖スターリン戦車。このゲームでの所属はTier7重戦車であり、IS-1とIS-2初期型が統合されている。ちなみにスターリンシリーズは他に-2後期型、-3、-4、-7に乗ることが可能。
史実通りの傾斜装甲による高い跳弾能力と高い機動性を誇る人気車両…なのだが、その分砲性能に不安を抱える。
とはいえ総合的には扱いやすく強い戦車であること、開発までにキツい戦車がない事から「KV-1からもっと先に行きたい」と言う向きには自信をもってオススメ出来る戦車である。
もちろん単純に「
ノンナが乗ってたから」で選んじゃってもOKである。
「Object 260 mod. 1945」
ソ連重戦車、IS-7の試作機。全てのパーソナルミッションのクリア報酬としてもらえる。
この戦車の何がやばいのかというと、戦車自体の性能ではなく、それに乗ってるプレイヤー。
数だけでもパーソナルミッションは15×6×4の合計360もあり、またそれぞれ軽戦車・中戦車・重戦車・駆逐戦車・自走砲に均等に振り分けられている。
つまりWotに登場するすべての車種を完璧に乗りこなせなければクリアできないということである。
そしてミッションの内容も、最初は「軽戦車で敵車両の履帯を1回切断せよ」「駆逐戦車で300m以上の距離から敵車両にダメージを与えよ」といった簡単なものだが、
最終的には「重戦車で自車両のHPの3倍以上のダメージを装甲で止め、かつ自分は3000以上のダメージを与えよ」とか「自走砲で1発の砲弾で敵2車両以上を同時に撃破せよ」などといった鬼畜なものになる。
ここまでくると本人の高いスキルは勿論は大前提として、どうしようもない運も達成に絡んでくるため、クリアには相応の試行回数が必要不可欠。
つまりこの戦車を持っているということは即ち、軽戦車・中戦車・重戦車・駆逐戦車・自走砲の全てを乗りこなすことができて、それぞれの車種の長所や欠点を知りつくし、
かつ当然ながら高いプレイヤースキルを持ち、運が絡むミッションをコンプリートできるほどに試合経験も豊富な、まさしくスーパープレイヤーであることの証明なのである。
この戦車に乗っているという時点で中の人が(アカウントRMTとかでもない限り)超上級者であるということであり、戦場での注目度は半端ない。
『アメリカ』
車両カラーはカーキ色。
圧倒的な国力を誇る大正義アメリカ合衆国に相応しく、戦車ラインナップは質・量共にソ連に勝るとも劣らない充実ぶり。
性能面では全体的に走・攻・守のいずれもが高いバランスでまとまった優等生が多く、他国戦車に比べて明確な欠点が少ない傾向にある。
そのそつないオールラウンダーぶり、また圧倒的戦車ラインナップの充実度から、ソ連と並び初心者にも強くお勧めされるツリーの一つになっている。
専用強化アイテムはケース入りコーラ。Burrrrrnp!銘柄の指定はされてないが、ケースお呼びロゴの色的には完膚なきまでに
C社のコーラである。
「M3 Lee」
…などと書いておきながらいきなりそれを裏切る、「明確な欠点しかない」アメリカ屈指の苦行戦車。tierは4で、区分は中戦車。通称リー先生。
まず見た目通りのクッソでかい車体故に隠ぺい率が極悪なまでに低く、茂みに隠れていても余裕で見つかってしまう。そして逆にこちらの視界は同格中戦車の中でも最低。
装甲やHPも全然頼りにならないため、「敵からは見つかりやすく、こちらは見つけにくく、かつ死にやすい」という驚愕の3重苦を背負っている。
これだけならまあいいのだが(よくねぇよ!)、より深刻な欠点は中戦車なのに砲塔が回らないこと。
Wotにおいて各戦車はそれぞれ主砲1基しか武器を使用できないので、リー先生の場合は車体に搭載する固定式の砲しか使えない。
このため敵との接近戦=死と言っても過言ではなく、柔軟なポジショニングを求められる中戦車なのに、前線を張ることができないのである。
そして最大の問題は、アメリカの中・重戦車ルートを進めるためにはこの戦車を絶対に避けて通れないという点だろう。
初心者はアメリカツリーがいいぞ!とよく言われるが、それは「リー先生はまあ、その、あれな」という暗黙の前提が附されていることを忘れてはならない。
物量帝国アメリカを体現する中戦車シャーマン。tierは5で、区分は中戦車。リー先生による長きにわたる拷問教育を終えたプレイヤーにようやく与えられるご褒美である。
突出して厚い部分はないが全周に渡ってそれなりの装甲、10榴による高いパンチ力、中戦車として必要十分な機動性、中戦車にしては広い視界など、アメリカ戦車らしいそつのない優等生ぶりが魅力。
さらにこれもアメリカ戦車に多い特徴だが、砲の俯角が大きく、稜線射撃が非常に得意。
偵察気味に前に出るもよし、ダメージ交換で殴り合うもよし、遮蔽物を使って撃ち合いもよし、地形をつかった待ち伏せもよしと、対応できる戦況の幅が非常に広い。
アメリカンサイズな車高の高さゆえに若干被弾しやすいという欠点もあるが、バランスが取れた性能と懐の深い対応力を持つ、中戦車の鑑ともいうべき一台。
ちなみにシャーマン系列基本であるこれ以外にもバリエーションが多く、重装甲化タイプのA3E2シャーマンジャンボ、かの名作
08小隊の元ネタ(の一つ)・A3E8イージーエイト、そして珍しく英国アレンジが常識的な方向に働いたファイアフライなどはそれぞれ独立してツリーに存在している。
糞猫(くそ-ねこ)
殺せ!今すぐ殺せ!
糞猫殺すべし!慈悲はない!!!
…と長い間言われ続け、Wot屈指のヘイトを集めてきた
糞戦車。正式名称はM18 Hellcat。tierは6で、区分は(一応)駆逐戦車。
前述したとおり、駆逐戦車と言えば「高い火力と引き換えに、他の性能は低い」というのが相場だが、この糞猫ちゃんはアニマルなので後者の条件を忘れてしまっている。
つまり、軽戦車すら上回る高い機動性、常軌を逸した超高隠ぺい、駆逐戦車としては異常に広い視覚範囲、装甲は薄いが小さい上にHPが高いのでそこそこタフと、あらゆる点で自重しないスペックを誇るのである。
しかもそこまでぶっとんだ性能を持ちながら、一般的な駆逐と違って砲塔が普通に回ってしまい、隠ぺいを維持しやすい上に、戦況対応力が段違いに高い。
その機動性と視界故に、駆逐戦車ながら場合によっては軽戦車のような偵察任務も充分に可能。更に軽戦車と違って自身が充分な火力を持っているので、必要に応じて自分で攻撃役も兼任できてしまう。
そして真に驚くべきは、これでも数度にわたるnerfを経た末の性能であるということ。
実装当初は機動性・照準精度・後退速度などがさらに強力で、今のように駆逐戦車と軽戦車のハイブリットどころか、中戦車の役までこなせてしまう正真正銘のぶっ壊れ戦車筆頭であった。
全盛期においては「ランダム戦に出たら全30両中18両が糞猫でした」などといったにゃんこ天国も日常茶飯事であり、当然ながら他車から向けられたヘイトは半端ではなかった。
ちなみにこの次のtierにはM41 Walker Bulldogという軽戦車が存在し、これまたえげつないほどに強いのでめでたく「糞犬」の名前で呼ばれている。保健所だ!保健所に行け!
「M56 Scopion」
課金戦車の1台で、区分はTier7の駆逐戦車。
DPSには劣るが単発威力と貫通に優れた主砲、すっごく隠れやすい車体、機敏な出力比…まではいい。
装甲厚が
一番分厚いところでも1mm
しかない。当然どんな戦車相手でも被弾すなわち貫通。
おまけに覗き穴やらなんやらのせいで天井以外にも装甲無し(装甲厚0mm)の部分があるので防御力は一切ない。
弱くはないのだが、アメ車らしからぬ極端な性能をした戦車である。
「T49」
Tier8の軽戦車。
軽戦車としても薄い装甲、軽戦車らしい高い機動力、そして何より
LTのくせに152㎜砲を装備できる珍車。
こんなトンデモ車両でも制式採用・量産化した米軍を褒めるべきか皮肉るべきか。
流石にTierとマッチングの都合上、KV-2と違って格下~同格を
デデーン★するのは無理だがそれでも軽戦車の機動力でこれを持ち運べるのは凄い。
というかTier9~10に通用する主砲をTier5とかTier6で使える日本重戦車とKV-2の方がおかしい。
「T110E3」
駆逐戦車は基本的に「隠蔽率と速度を活かして隠れながら動く」タイプと「鈍足だが装甲を活かして突き進む」タイプに分かれている傾向が強いが、この戦車は完全な後者。
その正面装甲厚はなんと驚愕の330mmにも達し、同じtier10内の一部の重・駆逐戦車、それも課金弾以外ではこの装甲を貫通することは不可能。
弱点の車体下部を隠し、かつ自走砲の砲弾が当たらない位置に陣取ると、真正面からは絶対突破が不可能な火力要塞と化す。
そしてここまで突出した装甲防御力を持ちながらも、火力や機動性も必要十分なレベルを確保している。総じてアメリカ戦車らしく、抜群に使い勝手が良い駆逐戦車に仕上がっていると言える。
「T92」
上のT110E3が駆逐の到達点ならこっちは自走砲の到達点、アメリカのTier10自走砲。
自走砲ならではの無いに等しい装甲と機動力、性能のよろしい無線機はやはり扱いやすいアメリカ戦車。
そして最大の特徴が砲の威力が一発2250と凄まじく高い上に爆発半径がデカイ事。
かのMausですらクリーンヒットすれば体力の7割が消し飛ぶ超威力。HEの貫通が120㎜と自走砲にしては貫通力が高い=ダメージが満額で入りやすいのもうれしい。
ちなみにAPは直撃させないといけない代わりに1800ダメージ・貫通370mmとこちらもWoT最高性能。
ただし精度とリロードは劣悪な上、俯角が全く取れないため他の自走砲よりも坂道と接近戦に弱い。
『イギリス』
車両カラーはサンドブラウン。
紅茶の国から伸びてきた優雅な英国紳士のツリー。乗員強化アイテムは当然みんなの期待を裏切らないお紅茶(プディングつき)。
全体的なラインナップはドイツ・アメリカ・ソ連に比べると一段劣ると言わざるを得ないが、一応全車種は網羅している。
そして変態紳士の国らしく、アメリカやソ連に比べるとクセの強い、というか自身のカテゴリーに喧嘩を売っているような珍車が多い。
中戦車なのに重戦車より重装甲・鈍足だったり、自走砲なのに軽戦車なみの速度で走り回って水平射撃で敵を撃破したり、Tier5の駆逐戦車なのに下手なTier7~8あたりの重戦車より装甲が厚かったり。
他国同様、高tier帯の戦後世代ではだいたい無難な感じにまとまってくるが、それまではあまりに個性豊かな戦車たちを乗りこなすのに一苦労することだろう。
また常軌を逸して弱い(というか一芸に特化しすぎて実用性が皆無な)戦車が必須ルート内に混じってたりすることが多く、その意味でも初心者にはまったく向かない。
FPSでモニターにパンチくれたりマウスをブン投げたりする精神修養の足らん奴は断固として乗るべきではなく、何があっても動じない真の英国紳士だけが進めることを許されるツリーである。
「Matilda」
先に挙げた「中戦車なのに重戦車より重装甲・鈍足」の具体例。tierは4で、区分は(一応)中戦車。
同格のドイツ重戦車D.W2の装甲厚を前面で1.5倍ほど上回る、中戦車にあるまじき重装甲を持っている。反面、速度性能は同じくD.W2が35km/hほど出るのにたいし、こちらはわずか20km/h程度に過ぎない。
要するに分類は中戦車だが、実態としては重戦車である。
しかし火力は中戦車相応の域を出ないので、敵戦車に対する圧力が重戦車程に高くないのが困りもの。
同格以下との撃ち合いになれば相応に強いのだが、最大の問題はやはりその鈍足。最高速度20km/hちょいというのは最早困るというレベルを超えており、紅茶でも飲みながら操縦してるんじゃないかと疑うレベルである。
よって前線を張るのが仕事なのに、前線につく頃には最早必要なくなっているか、逆に手遅れになってるかのどちらかになってしまいがち。
また装甲が厚いと言っても流石に格上戦車に通じるレベルではないので、上位tierの重戦車などとカチ合うと他の中戦車以上につらい。
しかしこれ以降に続くイギリス重戦車ルートはマチルダとは比較にならぬほどの苦行が続くので、マチルダを卒業したプレイヤーからは
「マチルダって今思えば全然マシだった」「いやマチルダはむしろ強戦車」「マチルダたんマジ戦場の女王」などと讃えられることに。
「Grant」
イギリスの中戦車。かのヴィットマンをようやくぶっ殺す事に成功した名車、シャーマン・ファイアフライに乗るにはコイツを避けて通れない。
その実態は先に述べたM3 Leeが英国軍仕様になっただけである。
欠点は散々述べたので割愛。
「Cromwell B」
イギリスの課金戦車。tierはクレジット収支が良好な6で、区分は中戦車。通常戦車であるCromwellの微調整版で、Bは「ベルリン戦勝パレード仕様」を意味する。
原型機であるクロムウェル巡航戦車は、中戦車相応の火力を持ちながら、軽戦車すら上回る高い機動性を誇るtiea6帯屈指の強戦車。装甲は軽量化の犠牲になった模様。
そして通常戦車の課金バリエーション車は、基本的にオリジナルから性能が劣化するのが基本だが、この戦車に限ってはほとんどそれがない。砲性能がやや下がり、機動特性が微妙に変わっているぐらいの差しかない。
つまりtier6屈指の性能を持つ(=稼げる)中戦車をそのまま課金車補正をつきで使えるということであり、
中戦車としても軽戦車として戦える汎用性の高さもあって、ポンコツに事欠かないイギリス課金戦車の中では屈指のクレ稼ぎ車両に仕上がっている。
「FV304」
イギリスの自走砲。誰が何といおうと自走砲。tierは6。
FVはFighting Vehicleの略だが、このゲーム的にはむしろFuck’ing Vehicleの略だと思われている。
なぜそう呼ばれているのかと言うと、当然ながら強すぎたせい。
自走砲といえば「大口径砲による遠隔攻撃に特化しており、装甲や機動性はオマケ同然」なのが相場だが、このFV304の最高速度はなんと軽戦車も驚く72km/h。
戦況に合わせた陣地転換も、肉薄してきた軽戦車からの逃走も思いのままの超俊足自走砲なのである。
おまけにこの主砲がまた優秀で、単発火力こそ低いものの、とてつもない連射速度と照準速度によって常時砲弾の雨を降らせることができる。
また非常に高い弾道を描いて飛ぶため、障害物の影に隠れた敵にも当てやすく、しかも装甲の薄い天板を垂直にぶち抜きやすい。
射程が短いのは欠点だが、前述の通り足がほとんど軽戦車のそれなので、単に当たる距離まで前進すればいいというだけ話。
この異常な高機動性と砲性能によって、駆逐戦車のような待ち伏せ+直接射撃運用も、鈍重な相手の周りを旋回しながらハメ殺すことも可能となり、自走砲・駆逐戦車・軽戦車のハイブリッドという意味不明な異次元自走砲として名をはせていた。
とまあ、そんな具合に暴れすぎたため、砲精度・旋回性・隠ぺい率の低下・車体の大型化などの多重nerfを次々喰らい、今では「足が異常に早い、だがちょっと火力が不足気味の自走砲」というレベルに落ち着いた。
「AT 2」
Tier5に位置する駆逐戦車。イギリスツリーの駆逐戦車は最初から対戦車車両ばっかりのと途中まで軽戦車のルートとシャーマン・ファイアフライから繋がるルートの3種類あるが、コイツは最初から対戦車車両ばっかのルートの戦車である。
主砲が微妙かつすさまじく鈍足な代わりに弱点以外はおおむね100㎜以上とやたら装甲が分厚い(正面装甲だけなら
格上重戦車ですらコイツ以上の者は稀
)。上のMatildaをより極端にして駆逐戦車に変えたような感じ。
「TOGII」
長ァァァァァいッ!説明不要!
マウス越えの全長とTier6ダントツの耐久値、そしていまいち頼りない装甲とノロさが特徴の課金重戦車。火力は並といったところ。
ランダム戦で登場したら開幕時のチャットが「TOOOOOOOOG!!」「LOOOOOOOOOONG!!」といった具合に賑やかになるのは風物詩。
曰く「Hot TOG」「Submarine」「Exp box」「
British side Tank」など。
TOGⅡ歩兵戦車の名誉の為に言っておくと、一応こんなんでも兵器開発局の老害のみなさまがそれなりにコンセプトを考えて作りだした戦車である。
「Centurion Action X」
ガッシャーン!レベルアーップ!
Tier10の中戦車にして、巡航戦車ルートの終点。
Mk.Ⅰ、Mk.7/1共々、おそらくイギリス戦車で唯一のバランス型前線戦車。
一つ前のMk.7/1と比べて金弾もまともな貫通力になった。
『ドイツ』
カラーは灰色。第二次大戦において数々の伝説を生みだした第三戦車帝国。この手のゲームに珍しくないことだが、ハーケンクロイツは断固として画面に出てこない。
知っての通り戦車と言えばドイツ、ドイツと言えば戦車であり、そのラインナップの充実度はソ連やアメリカをしのぎぶっちぎりのナンバーワン。モデリングにもかなり気合が入っている戦車が多く、その人気のほどがうかがえる。
…が、性能が高いかと言われるとちょっと微妙なのも事実。というか全体的に「地味で繊細な長所と、明白で無視できない短所」という性能傾向の戦車が多く、決して弱いわけではないのだが、使いこなすにはかなりのテクニックが前提になる。
まあ率直に言って玄人向けのツリー。
戦車が好きなら思わず選んでしまいがちな人気ツリーではあるが、ゲーム的には全然初心者向けとは言えない(特に軽・中・重戦車)のでそのあたりは注意。
「俺も
西住殿になりてぇ!パンツァー・フォー!」とばかりに入ってきたガルパンおじさんの心が、4号A型あたりでぽっきり折れるのはもはや定番。
よく言われるのは「砲はいいが車体に不安を抱えているパターンが多い」。TigerやPz.Ⅳ Hなどが好例(共に後述)。
しかしそんなテクニカルな通常ルートに対し、課金戦車の性能は他国に比べ明らかに高め。高い人気と、それに相反する難易度を反映した運営の巧妙な集金戦略と言われている。商売人め!
専用強化アイテムは
チョコレート。ドイツ語発音で言えばショコラーデ。世界最強のチョコ消費量を誇るドイツに相応しい嗜好品と言えよう。
「Pz.Kpfw. II Luchs」
吾輩は山猫(ルクス)である。名前はまだない。ドイツのどこで生まれたかとんと検討がつかぬ。そんな感じのドイツの軽戦車。tierは4。二号戦車の偵察特化バリエーションである。
優れた機動性、良好な隠ぺい性、広い視界など、軽戦車に必要とされる諸性能をハイレベルで兼ね備えている傑作戦車。
特に機動性は素晴らしいの一言に尽き、旋回速度や加速性などは全戦車中最高クラスで、まさしく山猫のように戦場を俊敏に飛び回ることが可能。軽すぎる&早すぎるせいで時々横転しちゃうのは愛嬌だにゃ。
そして最大の特徴とも言えるのは、高い偵察性能だけではなく、軽戦車にあるまじき高火力まで併せ持っていることだろう。
えげつないまでの貫通力を誇るその主砲は、1対1で接近してしまえば、鈍重な重戦車ごときなにもさせずなぶり殺しにできてしまうほど。猫の爪は鋭いにゃ。
とまあ偵察・浸透強襲・陽動・ドッグファイトなど、軽戦車に求められる仕事をいずれも十二分にこなせる性能を持つ、ゲーム中でも最良の軽戦車に数えられる一台である。にゃーん。
へったんかわいいよへったん。
Pz.38(t)軽戦車…の設計図を参考に開発された駆逐戦車。TDの特権としてTier4にして十榴(後述)を使える。
かわいくて強いのね!嫌いじゃないわ!
今や日本で一番有名な戦車になってしまった感じすらある、ドイツ第三帝国を支えたワークホース。多数登場するIV号系列の最終形態で、tierは5。区分はもちろん中戦車。
見た目的な最大の特徴は、やはりその特徴的なシルエットを形作っている着膨れシュルツェン(増加装甲)。
だがそのマッシヴな見た目に反し、実際の防御力は決して高いとは言えない。というかぶっちゃけ同tier帯屈指の紙装甲である。
特にまずいのは、敵に必ず向けることになる砲塔正面、物陰からの飛び出し撃ちで多用することになる車体側面、この両方が見事なまでにペラッペラなこと。
格下軽戦車からの機関砲程度でもスポスポ抜けてきてしまうし、砲塔正面にHEなんか喰らうと貫通フルダメージで即死すらあり得る。
空間装甲としてカウントされるシュルツェン部位にHEを受けると結構耐えてくれるが、基本AP弾に対しては拒むことを知らない全面ウェルカム女と考えて差し支えない。H型ってHündin(ビッチ)ってことか!
とまあドイツ戦車らしい明白な弱点を持つが、逆にドイツ戦車らしくない率直な長所も持っている。
改良砲塔に搭載できるkwk42 L/28 10.5cm砲(通称十榴)が、同tier中戦車の中でもトップクラスの火力を誇っており、ライバル達が搭載する同タイプの榴弾砲と比較してもかなり優秀なのである。
この高性能砲による中戦車らしからぬ大火力こそが、本車の最大の武器と言えるだろう。
だが十榴は大威力の代償として弾速・精度が劣悪なため、ある程度接近しなければその火力を活かしにくい。しかし前述したとおり装甲が無いも同然なので、お互いに見合ってのダメージレースなどは言語道断。
つまり「撃ち合いの距離まで接近しつつ、しかし敵からは撃たれないように自分だけ撃つ」というテクニックが必要になってくる。
わかりやすい長所がある分、ドイツ中・重戦車の中では敷居が低い方だが、短所をカバーできるプレイヤースキルがないとたちまち撃破されてしまうので、やはり初心者では扱いに苦慮することだろう。
ガルパンおじさんたちが熱狂するまでは、日本で、いや世界で一番有名だったであろうドイツが誇る伝説的戦車。
選び抜かれた精鋭戦車兵によって生み出された数々の戦果は、もはや説明するまでもないだろう。tierは7、区分は当然重戦車。
そしてその栄光の歴史に相応しく、このゲームにおける性能も勿論……
「……Scheisse!!おのれ共産主義者どもめ!!この仕打ちはいったいどういうことだ!」
とドイツ戦車ファンの怒りも止む無しと言わざるを得ない、ドイツきってのポンコツ戦車。
なにがやばいのかと言うと、まずその装甲。同tier帯の重戦車たちにくらべ、あまりにもペラッペラなのである。
同tierであるイギリスのBlack Prince、アメリカのT29などに比べると、その正面装甲はなんと半分以下。
おまけに傾斜がまったくない垂直装甲なので、同程度の装甲厚でしっかり傾斜が施されたソ連のISなどと比較しても防御力は1ランク、下手すると2ランクぐらい低い。
もっとわかりやすく言うなら、なんとtier3チハたんの最終砲課金弾に車体正面装甲をあっさり抜かれてしまうほどに薄い。え、何それは……
このあまりに悲惨な防御力から、JPプレイヤーからつけられたあだ名が「豆腐」。もはや紙ですらねぇ……
その代償なのか機動性は(重戦車としては)そこそこなのだが、なぜか後退速度がジョークのように遅く、やべえ!と思った時にさがれない。
そしてうすらでかい車体は当然隠蔽率も低く、自走砲からも無論格好の的にされる。結局、豆腐並の装甲をあちこちでぶち抜かれる可能性は増すばかり。
まだある。戦中ドイツ戦車に総じて言える特徴なのだが、薄い装甲の中でもさらに薄い車体前方下部にトランスミッションが配置されており、
ここをぶち抜かれるとエンジンが壊れて機動性が激減する上に、火災が発生して大ダメージを受けてしまうのである。
総じて「見つかりやすく、退がりにくく、装甲が薄く、エンジンが壊れやすく、燃えやすい」という驚天動地の棺桶戦車に仕上がっている。懲罰大隊用戦車なのかな?
そのあまりに酷い生残性の割に、火力や視界も特に優れているわけではなく「控えめに言って格納庫の無駄づかい」という凄まじい評価を受けていた。
↑ここまで修正が入る前のティーガー
↓ここから現在のバージョンのティーガー
……しかし「あのティーガーがここまで雑魚なのはおかしいだろうがどう考えても!」というプレイヤーの声がついにWG社を動かしたのか、サービス開始より3年後の2013年9月18日になってついに待望のBuff(上方修正)がもたらされる。
「装甲厚は史実準拠だから!仕方ないから!」という言い訳で豆腐装甲は改められなかったものの、代わりに砲性能(連射速度と精度)が大きく強化されたのである。
これによってDPMが実に3割増しとなり、ライバル達と比べても1ランク上の強力な時間火力を手にした。
相変わらず豆腐なので装甲に頼った防御戦闘は難しいが、一歩引いたところから火力によるプレッシャーをかけられるようになり、ようやく重戦車に相応しい存在感を示せるようになった(あとさらに後のことだが、炎上判定もなくなった)。
強化された現在でも、そのあまりに薄い装甲のため普通の重戦車的運用は難しく、その火力だけを活かす独自の位置取り、薄い装甲を少しでもカバーするための小細工などが必要になるため、やはり扱いが難しい戦車であることに変わりはない。
はっきり言って初心者にはオススメしがたい戦車である。
ちなみにゲーム内におけるティーガー系列の戦車は非常に多く、中~重戦車に属する戦車だけでも、大元のプロトタイプにあたるDurchbruchswagen 2、その発展型であるVK30.01(H)、
その更なる発展型であるVK36.01(H)、そして当然ながらケーニヒスティーガーことTigerII、その試作機であるVK 45.03、さらにはポルシェ社試作機であるVK30.01(P)、
その完成型にしてレオポンさんチームの愛機として知られるTiger(P)、おまけに日本輸出仕様の6式重戦車と、水増ししすぎの凄まじく充実したラインナップを誇る。
が、これだけの数がありながら、所謂「強戦車」と呼ばれるようなものは皆無。苦行・産廃と呼ばれるものはいっぱいある。でも腐ってもTigerなので人気は高い
……やっぱりウォーゲーミングの陰謀だこれ!おのれ共産主義者どもめ!
ちなみにもう一つのドイツの人気戦車、パンター系はこれを上回る苦行と評判である。Na, was soll das!?
「Maus」
ちょび髭おじさんが愛した、やっぱりとっても有名な超重戦車。ゲーム的には重戦車に分類され、tierは最高ランクの10。
ゲーム中でも最大級の巨体を誇り、またその巨体に相応しい分厚い装甲を持つ。お尻がウィークポイントになりがちな他の戦車と違って、背面装甲まで均等に分厚いのが特長。
そしてメイン防御面となる側面装甲は傾斜付きの実厚185mmで、敵に向けて適切な角度をつければ驚天動地の500mm超に達し、ゲーム内でこれを貫通できる砲を持つ戦車は皆無。
HPも全戦車中単独トップの高さを誇り、またドイツ戦車の宿痾であった車体前方トランスミッションの炎上判定を克服したため、貫通されたり大口径HE弾を受けたりしてもなかなか倒れない。
敵や地形を素早く把握し、適切な防御角を取っていけるプレイヤーが扱うマウスは、まさに鉄壁と呼ぶに相応しい堅牢さを誇る。
重戦車の最大の役目はなによりも「戦線の形成と維持」であり、動く要塞のようなマウスはまさしくその任に相応しい重戦車の鑑といえる。
……ということになっているのだが、実際はなかなかそううまくもいかない。
まず装甲が厚いといっても、実厚は最大でも250mm程度であり、垂直に着弾すれば抜かれてしまうことも多い。
そして「マウスが硬い」ということは知れ渡っているため、マウスを見た敵戦車は一斉に貫通力の高い課金弾を躊躇なく装填するので、なおのこと弾くのはシビアになる。
また機動性は見た目通りの鈍重さなので、弱点を隠したり角度をつけたりするのもなかなか難しく、複数の戦車を相手に適切な防御態勢を取り続けるのは至難の技。
さらにあまりにでかすぎるため、敵戦車に接触する程近くによられると、主砲の死角に入られ一方的に撃たれ続けることになってしまう。
火力もあまり高くない(ぶっちゃけ低い)ため、孤立した状態で敵戦車と出会おうものなら、強引に詰め寄られてそのままなぶり殺しにされてしまうことも。
そしてでかい+遅い+脅威度が高いとなれば、当然自走砲からのヘイトも最高レベルに高い。この車体では物陰に隠れようにも隠れきれない場合が多く、自走砲は最大の脅威になり得る。
とまあ弱点も非常に多いため、その圧倒的防御力を十分に活かすには地形や敵戦車のデータの把握、瞬時に適切な防御態勢を選べる判断力、弱点をカバーしてくれる味方戦車との連携など、高いプレイヤースキルが必要不可欠。
やはりドイツ戦車、この辺りは非常にテクニカルである。
「Karl」
ヒトラーの隠し玉、
リアル社長砲、
大学選抜チーム最終兵器、エトセトラエトセトラ……とにかくあのカール自走臼砲にもWoTでは乗れる。すげえ。
しかもコイツTier1の自走砲なのでマッチングされる戦車はKarl同士でなければ本当に、本当に、涙が出る程弱い。なんてこった。
…でも大丈夫。
だってこいつ四月バカの「8bitモード」限定だから。
もちろん8bitなので3Dモデルはカクカク。砲撃戦しかできないマインクラフト。
ちなみにこのモード「ドット絵Karlしか参加できない」とWoT運営にしては珍しく割と公平なマッチングシステムが組まれていた。
「Pz.Sfl. IVc」
走るトースター。家電製品がマトモな軍用装甲を備えているわけもなく、耐弾性はないに等しい。
トースターですらキャタピラ走行出来るようにしてしまうドイツの自動車技術には恐れ入るばかりである。
ちなみに焼けたパンは重戦車ですらAPでぶち抜かれたような衝撃に襲われるほど美味しい。
……というネタ。
本当はⅣ号戦車の車体に、かの有名な8.8cm高射砲ををなんやかんやして乗っけた自走対空砲。本ゲームでは便宜上TD扱いとなっている。
無いに等しい装甲の代わり、貫通力と仰角が凄まじいことになっている。「安定して強いかはともかく、敵に上手い奴がいるとめんどくさい戦車」の好例。
ちなみに箱っぽい外見の要因である直立した装甲板は、本来射撃時は外向きに倒すことになっているのだが、さすがにゲーム中では再現されていない。
『フランス』
第二次大戦ではろくに出番がなかったスケベ野郎(偏見)のツリー。カラーリングは青銅色。
史実では早々にドイツに降伏したため、他国の戦車が百花繚乱の開発競争を続けていた1941~45年の時期に開発がぴったり止まっているのだが、試作戦車・計画だけの戦車などが普通に出てくるWotではそのあたりはあまり問題にならない。
低Tier帯では戦前に開発された戦車が、中Tier帯では降伏前に計画されていた戦車が、高Tier帯では戦後戦車が登場する感じ。
性能水準としては全体的に高めにまとまっているのだが、イギリスにも勝るとも劣らぬ個性派が多い上に、「同じルート内でも開発するごとに使い勝手がまったく変わる」というケースが異常に多いのが困りもの。
この辺りは実戦で練り上げられた戦車ではなく、計画段階の戦車がそのまま登場するが故か。
また低~中tier帯では乗員が非常に少ないのも泣き所で、乗員の育成がやりにくい上に、乗員負傷時の戦力低下が半端ない。
車長(兼砲手・兼通信手・兼装填手)+操縦手という過労死必至の社畜戦車などは、どちらか一人がやられると戦力ダウンどころの話ではない。
強化アイテムはフランスだからエロ本かと思いきや(偏見)そんなこともなく、フランス名物の濃い
コーヒー。名前には反映されてないが、小さなクロワッサンもついている。
「AMX 40」
フランスのtier4軽戦車。通称アヒルちゃん。くわっくわっ!
なぜそう呼ばれるのかというと、当然見た目が完膚なきまでにアヒルなため。B1もカモっぽいとか言われているが、こちらは
あちらよりずっとアヒル。思ってたよりずっとアヒルだ。
全周に渡って丸みを帯びた局面装甲、頭のようなまるっこい砲塔、クチバシのようにちょこんとつきでた砲がとってもキュート。
しかし丸くて小さくてかわいいからといって侮るなかれ。その実はかのMatildaさえ上回る超重装甲で身を固めた脅威のモンスターアヒルである。
あれ、この戦車って軽戦車じゃなかったっけ……?
だがあまりに分厚い装甲の代償として、速度がかのMatildaなみに遅い。味方に置いて行かれる、戦場から離脱し損ねるなどは日常茶飯事である。
あれ、この戦車って軽戦車だよね……?
と、ここまでなら「分類は軽戦車だけど実質は重戦車」で済む話なのだが、こいつの場合は火力があまりに乏しいのが困りもの。貫通力や威力はそれなりだが、連射速度が冗談のように遅く、DPMは同tier戦車中文句なしの最低クラス。
あ、よかったちゃんと軽戦車だった。
低tier帯のフランス軽~重戦車は火力や機動性を犠牲にして装甲に注力したものが多いが、これはその中でも特に顕著。
よってその装甲が通じる相手に対しては無敵に近いが、逆にこの装甲をもってしても貫通される相手に対しては、逃れられないダメージレースで完敗せざるを得ないという、かなり相手を選ぶ戦車になっている。
え?偵察?平地で20km/hしか出ないアヒルちゃんにどうやって偵察をせよと?
「AMX ELC bis」
アヒルちゃんの後継機であるtier5軽戦車。愛称は後述。
軽戦車のアイコンをつけた重戦車であったアヒルちゃんと異なり、高い機動性と隠ぺい率を兼ね備え、普通に偵察任務がこなせるちゃんとした軽戦車。
特にその小柄な車体からもたらされる高い隠蔽率は、同tier帯のみならず全戦車中でも屈指のレベル。偵察機としてはやや視界が短いのが気になるが、その高い隠蔽を活かして一歩前に出ることで補うことも可能だ。
そしてなにより恐ろしいのは、車体に見合わぬその強大な火力だろう。軽戦車でありながらなんと同tier帯トップの貫通力・攻撃力を誇る超強力90mm砲を搭載しており、格上重戦車ですら平気でぶち抜いてしまう。
偵察役として働くに十分な性能を持ちながら、駆逐戦車並みの単発火力を併せ持った極めて強力な軽戦車である。
その性能の高さ、そして高速で走り回る小さな車体から、プレイヤーからは「
ゴキブリ」と
罵られ呼ばれ愛されて(?)いる。アヒルの次がゴキブリとは、フランスっていったい…
ただし欠点が無いのかと言われればそんなこともなく、単発火力はあるがそれ以外は劣悪でDPM・命中率共に悪い、砲塔旋回角度が限定されていてドックファイトが死ぬほど苦手、同じ理由で自走砲狩りも苦手……など、
一般の軽戦車にはない弱点を結構持っている。
「105 leFH18B2」
ドイツの、じゃなくてフランスの課金自走砲。tierは4。史実ではフランス降伏後にドイツが接収した戦車(ルノーB2)を改造し、自国の10.5cm榴弾砲を乗せて自走砲化したもの。
よって運用国は完全にドイツなのだが、なぜかこのゲームではフランス所属。
かのファッキンビークルことFV304すら上回る、自走砲としては破格の連射速度を誇る。
単発あたりの火力は低いのだが、その恐るべき連射速度によって履帯を切りながらハメ殺したり、怪しいとみた茂みにめくら撃ちしてプレッシャーをかけたりと多彩なワンサイドゲームが可能。
自走砲なのに視界も軽戦車並に広いので、最後に自走砲の自分だけが残ってしまった!という状況でも、茂みで待ち伏せしてカウンターキルしやすい。
課金戦車としては、というかこのtier帯の他自走砲と比較しても極めて優秀な一両であり、人気も高かったが、暴れすぎたせいか今では限定的な販売しか行われていない。
「Bat.-Chatillon 25 t」
おフランス軽戦車ルートの到達点である中戦車……いや、厨戦車。tierは10。通称バッチャ。なんでフランス戦車ってすぐ変なあだ名がつくんだろう。AMX-30との競争に敗れた試作戦車である。
5連射オートローダー砲のえげつないまでの瞬間火力、軽戦車並の機動力、どう考えても小さすぎる車体&高隠蔽と、Wotにおいてちょこちょこ登場する「高機動・高火力」タイプの頂点に君臨する存在。
このタイプの常として当然装甲はペラッペラなのだが、その紙装甲をもってしてもなお同格中戦車とのダメージレースに勝てるほどの逸脱した超火力を誇る。
防御面の脆さは勿論、砲精度や視界などに一部弱点もあるが、相応のプレイヤースキルがあればたやすくカバーできるレベル。
度々nerfの噂がささやかれているが、っていうか実際に1回されちゃったのだが、そんなもの全く意に介さないほどの力をもってWot中戦車の玉座に今なお君臨する。
ただし圧倒的な強戦車であることは人口に膾炙しているため、この戦車に乗った時点で既にチームメイトから相応の働きを期待されている。あっさり撃破されたりすると外人さんから容赦ない罵倒が飛んでくるぞ。
ランダム戦でも十分に強いが、固定メンバーで戦術を練った上で戦うチームバトルにおいてはその火力はもはや反則レベル。
チーム戦で行われる2016世界大会の壇上では、敵もバッチャ、味方もバッチャの老人ホームと化し、決勝戦など「最後に残った敵味方の4両が全部バッチャ」という凄まじい有様に。ゲートボール大会か何か?
『日本』
我らが祖国の偉大なるチハたんツリー。カラーリングはゼロ戦色というかザク色というか。ハーケンクロイツ同様、ゲームでは旭日旗は登場しない。
「帝国陸軍ってツリー形成する程戦車なかっただろ」と思われるかもしれないが、試作戦車・計画戦車がバンバン出てくるWotではそんなこともないので大丈夫。重戦車の終盤は計画戦車にしても怪しくないかって?気にするな。
軽・中戦車の系統と重戦車の系統の2本のルートがあり、それぞれ性能傾向(と人気度)がはっきり分かれているのが特徴。
軽・中戦車ルートは火力、とりわけ貫通力においてみるべき点があるものの、装甲・速度・隠ぺいといったそれ以外の性能が最低レベルという玉砕設計。特に中tierあたりでこの傾向がおもいっきり顕著になるため、必然的に人気はあまりない。
一方の重戦車系統(正確にはそのなかのオイ車系列)は、重火力・重装甲・低機動・低隠ぺいといういかにも重戦車らしいルートで、火力と装甲は他国の同格戦車を上回る同tier帯最強レベル。実用性はかなり高めで、必然的に人気も高い。
強化アイテムは日本人のソウルフードである
おにぎり。アイコンを見た感じ三角形(三角形ならおむすびじゃ?とか細かいことを言う奴には精神注入棒だ!)で、塩・ごま・かつお?の3種1セットになっている。
「Type 97 Chi-Ha」
大日本帝国陸軍のアイドルことみんなのチハたん。tierは3、区分は軽戦車中戦車。
M5スチュアートに蹴り飛ばされ、M4シャーマンにふんづけられ、Matildaには弾き飛ばされながらも健気に第二次大戦を戦い抜いた姿には誰しもキュンとしちゃうことだろう。
……と言いたいところだが、意外や意外。このゲームにおけるチハたんは、なんとなんと普通に強戦車の部類に入るのである。
まずこのゲームは前述したとおりtierによって戦車が区分されており、基本的に自分が相手にするのは自分と同格の戦車になる。
このため史実とは違って、M2中戦車とかBT-7とか、第二次大戦時にはとっくに陳腐化していた同期の戦車達を相手にすればいいのである。
さらにチハたんは第二次大戦終戦まで戦った老兵なので、大戦後期の戦車に対抗して作られた高貫通力の47mm砲が搭載できる(いわゆるチハ改の砲)。
その貫通力は課金弾を使えばなんと122mmにも達し、装甲が厚いことで有名な格上戦車のMatildaだろうがアヒルちゃんだろうが普通にぶち抜いてしまう。
この最終砲は貫通以外の性能も高レベルでまとまっており、tier3戦車の中でもかなり高水準な一品。しかも俯角が15度も取れるため、地形を利用した戦術にも適性が高い。総じて火力面では文句なしにハイレベルと言える。
一方で日本戦車(オイ系除く)の宿業となる「紙装甲」「鈍足」という二大短所も既に片鱗が現れ始めているのだが、チハの時点ではまだそこまで決定的なものではなく、同格に比べてややペラい、ややトロいぐらいのレベルで収まっている。
ツリーそのものが苦行とさえ言われる日本軽・中戦車だが、この辺りまではそこまでの不利はなく、むしろ強戦車と言っても過言ではないだろう。
…そう、この辺りまでは。
「O-I」
日本語表記すればオイ車。多分名前さえ知らない人が殆どだと思われる、日本の計画超重戦車である。
ローマ字に直すと世界一短い艦名になる重雷装巡洋艦ではない
正確には計画だけでなく試作機も実際に出来たのだが「接地圧がでかすぎて走れない」「無理して走らせると走るたびに転輪が外れて落ちていく」という夏休みの工作レベルの代物だった。
だがこのゲームにおけるオイ車はちゃんと走るし、撃てるし、敵弾も弾いてくれるので安心してほしい。tierは6、区分は重戦車。
ゲーム内の性能はというと、一言で言えば「重戦車の鑑」と言って差し支えない。つまり文句なしの強戦車である。
日本戦車ツリーは一般に弱戦車が多いとされるが、このオイ車の系統(即ちtier5のオイ試作車、tier6のオイ車、tier7のオニ車、tier8のオホ車)だけは別格の強さを誇っている。
まずその最大の長所は、重戦車の名に相応しい圧倒的なまでの重装甲にある。車体前面150mm、砲塔全周150mmにも及ぶその装甲は、それまでtier6最強の装甲を謳われたイギリスのChurchilを遥かに上回る。
火力も十分に高く、特に最終砲である96式15cm榴弾砲の破壊力はかのKV-2の主砲と同レベルの代物である。
つまり火力と装甲の両面において、tier6で最強レベルを誇った重戦車を二つとも上回っているということになる。なんなのこの陸上戦艦……
とここまで聞くと恐ろしい重戦車に思えるだろうし、いやまあ実際そうなのだが、弱点もちゃんとある。それはかのマウスにすら匹敵する、あまりにもでかすぎる車体。
この大きさではまともに障害物に隠れることもできないし、またマウスと違って側面装甲はそこまで厚くないため、左右からの攻撃にはかなり弱い。角度をつけても不十分。
またあまり目立たないが結構シャレにならない箇所に弱点があり、手慣れた敵だときっちりねらってそこを抜いてくる。装甲を過信してうかつに突っ込むと、左右からの包囲攻撃でたちまち爆散してしまうだろう。
そして当然ながら自走砲からも親の仇のように狙われるので、時には慎重に、必要に応じては大胆に動かねば戦果は挙げられない。
とはいえこの巨体にさえ注意すれば、攻守共に非常にハイレベルな戦車であり、重戦車の基本を学び、また学びながら俺TUEEEEEEEするにはうってつけの重戦車である。
「Type5 Chi-Ri」
「チリは塵に、灰は灰に」とか「YOUは何しに日本(ツリー)に?」とか、そんな囁きが聞こえてくるtier7の中戦車。和名は5式中戦車チリ。
ドM専用ツリーとも称される日本ツリー軽・中戦車ツリーにおいて、一際眩い輝きを放つステキな戦車。その性能を端的に箇条書きすると
★★つよいところ★★
- 3連発オートローダーの瞬間火力が高い。
- 日本戦車らしく、俯角が10度もとれてハルダウンも楽々。
★★だめなところ★★
具体的に言うと、tierが7にもなって全周装甲が基本35mmしかない。あのあの、tier3のチハたんだって25mmあるんですけど…。
一応正面の一部にはほんのり硬い部分もあるが、実質防盾部以外は装甲が施されてないものと思ってよい。格下のHEでも楽々貫通フルダメージである。
そして機動力も日本戦車らしくもっさり&もったりな上、車体が重戦車並にでかいため回避に頼る戦い方は全くできない。無論、自走砲からもバカスカ撃たれることになる。
視界はそれなりに広いのだが、隠蔽率がひどすぎるため1対1なら先に発見されるのは確実にこちら側。
戦車じゃなくて霊柩車なんじゃないかこれ?と疑ってしまうほどの極悪な生残性だが、唯一の長所である火力についても実は問題がある。
DPM自体は高水準なのだが、貫通力が微妙に足りないのである。課金弾を使ってさえ200mmに達さないので、同格重戦車の正面装甲に対してはほぼ無力。
そしてこの戦車には前述したとおり、他の中戦車のように回り込んで側面を取るような足はない…
よってこの戦車で戦うためには
「断固として前線は味方に任せ、自分は決して撃たれない位置を確保し、貫通できる格下だけを狙って一方的に火力を叩き込む」
という卑劣な戦い方を徹底するほかないのだが、しかし実は更なる、そしてある意味もっとも深刻な問題がある。
実は「控えめにいってもポンコツ」という他ないこの戦車、マッチングにおいてはなぜか重戦車と同じ扱いを受けるという謎のハンデを課せられているのである。
つまり味方にチリが1両加わると同時に、敵にはT29とかISとかのガチムチ重戦車が1両加わってしまうことに・・・なにこれいじめ?
「STB-1」
日本軽・中戦車ルートの到達点。当然tierは10で、区分は中戦車。今でも陸上自衛隊で現役な
74式戦車のプロトタイプである。
紙装甲・鈍足で知られる日本ツリーにおいて、ようやく出てきた走攻守のバランスがとれた「まともな」中戦車。
実厚こそ薄いものの、非常に優れた避弾経始が施されている砲塔装甲はとても頑丈。また日本戦車の特長であった良好な俯角も健在で、石頭の砲塔だけを出して行うハルダウン戦術が非常に強い。
ただし車体の装甲は相変わらず格下相手でも心もとないペラペラなので、開けたところでのダメージレースはNG。
そして戦後になってようやくまともなエンジンが登場したため、同格中戦車中屈指の出力/重量比を持ち、機動性も非常に良好。特に加速性と旋回性の高さは申し分なく、中戦車らしい臨機応変な位置転換に不自由することはない。
火力面でも同格中戦車中屈指のDPMを持ち隙は無いが、旧軍戦車の長所であった貫通・精度の高さは失われてしまった。
tier10中戦車は基本的に各国の第一~第二世代MBTということもあり、似通った無難な性能傾向になることが多く本車もその例に漏れないが、その中では比較的軽戦車に寄せた性能と言える。
ライバル中戦車と比べても総合性能は高めで、日本軽・中戦車ルートの中では最も「強戦車」に近い存在だが、ここに至るまでに筆舌に尽くしがたい苦行を経なければならないのが難点。
ちなみに『自衛隊に制式採用された仕様の戦車』だと61式戦車に乗ることが可能。こっちはTier9の中戦車。
本ゲームには名だたる大怪獣たちは出てこないので安心して乗ることが出来る。
『中国』
基本的には中国共産党側(国旗も共産党マーク)なのだが、一部に国民党戦車も存在する。国共合作か?カラーリングは人民服色(薄い緑)。
「え?第二次大戦時の中国って戦車開発できるようなレベルじゃないだろ?」と疑問に思うかもしれないが、その通りである。
中国ツリーはそのほとんど、特に中~tier帯のほぼすべてが輸入戦車・鹵獲戦車で構成されている。流石と言わざるを得ない。チハたんもWotで初登場したのは実はこちらのツリー。
ゲーム的に言えば他国のツリーに登場する戦車をそのまま流用している形になるが、性能、特に足回りと砲などに改修(微調整)を受けているケースが多い。
全体的に火力・速度性能がオリジナルより増強されている反面、運動性・砲精度などが目だって低下している傾向がある。
俯角も顕著に悪化しており、「強くはなったが、不器用になった」という感じのものが多い。このあたりはソ連戦車の特徴をより極端にした感じか。
また装甲は基本据え置きだが、エンジンが
中国らしく炎上しやすくなっていることが多い。というかエンジン以外にもモジュールの耐久力が全体的に低く、砲弾が貫通するとだいたいなにがしか壊れる。
これは高tierの自国製戦車になってもおおむね共通する、中国戦車全体の特徴になっている。
ちなみに中国は法律によって他国と同一のサーバーにつなげないため、中国国内専用の運営会社がサービス提供を行っており、中国国内でしか使えない課金戦車が結構あるようだが、当然マッチングに登場することはない。
強化アイテムは世界三大美食である
中華料理の国なのに、なぜか「
改良型戦闘糧食」という無味乾燥なもの(でもアイコンはお肉がゴロゴロしてる感じでけっこうおいしそう。叉焼?排骨?)。
しかし当時の人民解放軍に、パッケージングされた戦闘糧食なんてあったのか?
「Type 2597 Chi-ha」
中華版チハたんアルよ。
チャイニングガンダム的なものじゃなくて日本軍からの鹵獲・接収品。tierはオリジナル同様の3だが、区分は軽戦車になっている。
ただ正確に言えば中国ツリーの方が日本ツリーより先に実装されたので、先述したとおりゲーム内ではこちらがオリジナルと言うべきか。
区分こそ違うものの、性能は日本のチハとほとんど一緒。中間砲が日本製の37mm砲からソ連製の40mm砲に替わったぐらいの差しかない。
軽戦車としては機動力がちと物足りないが、日本チハ同様に最終砲の火力は一級品。
まだまだ初心者ばかりで、偵察もクソもない単なる撃ち合いにしかならないtier帯であることも考えると、軽戦車枠に分類されている(=相手が軽戦車になりやすい)ことはむしろ利点かもしれない。
「Type59」
区分は課金中戦車。お前のような中戦車がいるか。天安門事件で人間煎餅をつくった例のアレである。
ソ連のtier9中戦車であるT-54の中国ライセンス生産版であり、ツリー移植にともなってTierが1個下げられて8に。
これと同じようにtier下げられて輸入、という経緯をたどった課金戦車としては、日本の6式重戦車の例がある。
これはドイツから輸入・生産したという設定のティーガーI日本仕様で、火力を除き装甲厚や他の性能のほとんどがオリジナルとまったく同一なのにtierが1下がっているため、相対的に強力になった戦車である。
とはいえ、オリジナルのティーガーそのものがtierに見合わないポンコツなので、戦場が1ランク下がってようやく水準レベルの重戦車になれたという程度で、特に強力な戦車というわけではなかった。
そして
「じゃあオリジナルが強戦車だったら?」
というもっともな疑問に答えてしまったのがこの戦車である。
Type59の原型機であるT-54は、洗練された傾斜装甲による高い防御力、中戦車としても高めの機動性、HEATで貫通力330mmを誇る大火力を併せ持ったtier9屈指、いや格上のtier10に対してすら普通に通用してしまうWot屈指の強戦車。
それと殆ど同じ性能の戦車がtier8扱いされてしまうというのは、もはや理不尽以外の何物でもない。
流石に課金戦車らしく火力は顕著に低下しているが、防御性能が殆ど低下していない(というか砲塔はむしろ硬くなっている)ため、重戦車の装甲と軽戦車の機動力を持つ呂布めいた戦車になってしまい、あまたの戦場を蹂躙した。
どう考えても強すぎたため速攻で販売中止の措置をくらったが、それ故に目立ったnerfもなされず全盛期の実力を保っている。お主こそ真の三國無双よ!
「113」
中国tier10の重戦車。鹵獲品でもソ連のコピー品でもなく1964年に作られた人民解放軍の試作戦車で、ゲーム内でもかなり時代的に新しい戦車である。
実装当時はイマイチ目立たない凡庸な戦車だったが、チャイナマネーを稼ぐためちょこちょこbuffを受け続け、それらの集積で今では立派な強戦車。
最大の長所はその重戦車らしからぬ高い機動力で、出力重量比はtier10帯のほとんどの中戦車より大きい。当然加速や旋回性能も非常に良好。それでいて砲塔をはじめとした装甲防御力も十分に高い(車体はちょっと不安)。
火力面でも決して悪くはないが、中国戦車の通弊である俯角の足りなさがやはりきつい。ちょっと角度がついてしまうと真正面にうてなくなったりするが、しかしまあここまで中国戦車ツリーを進めてきた人ならだいたい慣れちゃっているかも。
「攻撃を集めつつ、生き延びること」にかけてはゲーム内屈指の強戦車と言ってよく、走攻守をバランスよく兼ね備えた守りの要として大会などでもちょくちょく使われている。
『チェコスロバキア』
専用カラーは薄い茶色。ドイツのアイドルへったんの母国でもある。
ドイツに併合され、その保護国として第二次大戦を戦ったチェコスロバキアだが、ソ連戦車が普通に入ってくる中国ツリーと異なり、ドイツの戦車はあまり入ってこない。
ラインは完全に一本線で、軽戦車から始まり途中で中戦車に移行し、そのままtier10までいくことになる。
戦車の特徴としては、何と言ってもオートローダーの本場であること。
この為瞬間火力が極めて高く、高い機動性と相まって「蝶のように舞い、蜂のように指せ!」と言わんばかりの素敵な戦いが可能な戦車が多い。
反面、装甲が日本車ばりにペラペラな上に、弾薬庫が車体の前にあるために誘爆しやすい戦車が多く、数値以上に防御面は脆い。
ラインが1本しかないこともあって、全体的に似たような傾向の性能を持つ戦車が多く、乗り代わりにも(プレイヤー・乗員双方が)スムーズに対応できるというのも利点。
強化アイテムはブフテルン。ブフテルンってなんぞ?こんなお菓子らしいです。
→外部リンク
「LT vz. 38」
ドイツ軍表記で言えばPz.Kpfw. 38 (t)。つまり所謂38(t)である。カメさんチームが乗ってたやつと言えばわかりやすいか。tierは3、区分は軽戦車。
ドイツの38(t)は「火力は高いが、鈍重な軽戦車」といった感じだったが、オリジナルに当たる(ゲーム内で先行実装されたのはドイツの方だが)こちらはよりその傾向を顕著にした感じ。
砲塔装甲は厚くなり、機動性は下がり、ますます中戦車よりの戦車になったと言える。
特筆すべきはその火力で、チェコツリーのお家芸ともいえるオートローダーがここで初登場。
3連発マガジンの37mmオートローダー砲は貫通力・DPM共に抜群で、攻撃面では同格のどんな戦車に対しても引けを取らない。
課金弾を使えばかのMatildaや、それどころかtier5重戦車であるKV-1の装甲さえやすやすとぶち抜いてしまう。
軽戦車らしい立ち回りはできないが、tier帯からしてまだあまり軽戦車らしい立ち回りが求められる時期でもなく、その火力を活かして中戦車気味に戦うのは決して難しくない。
「TVP T 50/51」
チェコツリーの到達点となるtier10中戦車。戦後に計画されたが、試作はされていない計画戦車。
チェコ製オートローダー車の完成型ともいうべき戦車。
同じオートローダー車としては先に紹介したフランスのバッチャが有名だが、あちらは5連発マガジン・単発390ダメージなのに対し、こちらは4連発マガジン・単発320ダメージでしかない。
が、バッチャの劣化かと言うと無論そうではない。あちらの連射間隔が2.73秒なのに対し、こちらの連射間隔はわずか1.5秒。ほとんど2倍の速さで連射できるのである。オートローダー車としての実用火力でいうなら、明らかにバッチャを超える域にある。
このえげつないまでの瞬間火力が本戦車最大の武器であり、マッチングされたtier8軽戦車などにとっては究極的な脅威になる。
また全弾打ち切るのに4.5秒しかかからないというのは数字以上の利点で、さっと連射してさっと隠れて装填、という基本アクションをやりやすい。マガジン交換速度もオートローダー車としては抜群に早い。
装甲がペラペラ、機動性は十分に高いという点でもバッチャに並ぶものがあるが、あちらのような非常識なまでの隠蔽率は持たないので、軽戦車な運用はやや難しい。
あくまで「瞬間火力が超高い攻撃特化中戦車」としての運用が主になるだろう。バッチャ同様、世界大会などでも大活躍する強戦車である。
『スウェーデン』
2016年12月に追加された最新ツリー。専用カラーは目に優しい若葉色。
スウェーデンは第二次大戦では中立を貫いて戦わなかったため知名度は低いが、実はソ連やドイツに劣らない高性能戦車を作り出していた戦車大国でもある。
そのため、新顔にも拘わらず軽戦車→中戦車→重戦車と変化していくルートと、駆逐戦車ルートの2本が用意されており、これは先輩であるチェコスロバキアの2倍、日本とほぼ同じボリュームである。
そのツリーの最大の魅力は、何と言っても最強クラスのハルダウン適正にある。ハルダウンとは上り坂の頂上(稜線)から車体の前半分だけを出して射撃する戦法で、全面投影面積を限りなく小さくすることができる、Wotにおける射撃戦において大いに有利なスタイルである。
これは全ツリー中ぶっちぎりで最強を誇る俯角によるところが大きいが、さらには機動性や隠ぺい性も良好なため、とにかく地形を利用した戦闘に関しては他国戦車の追随を許さないものがある。
一方で装甲やHPなどの耐久面は最低水準なので、むしろ地形を利用しなければ生き残れないという言い方もできる。芋砂特化という言い方もできる。
強化アイテムはコーヒー&シナモンパン。シナモンパンは多分スウェーデン語でいうところのカネールブッレ、つまり日本で言うところのシナモンロールだと思われる。実はスウェーデン発祥のお菓子だったらしい。
「Strv m/42」
tierは5、区分は中戦車。スウェーデンが第二次大戦中に運用していた国産戦車である。
「十榴」持ちのM4や4号HやルノーG1、DPM特化型のT34やM7、装甲と機動力を両立した5/4号など、個性豊かな戦車達がしのぎを削っていたtier5中戦車界に飛び込んだスウェーデンの新星。
最大の特長は、主砲の高い単発火力。単発火力と言えば無論十榴の方が上だが、こちらは通常の高速AP弾なので、低速・山なり弾道・低精度な榴弾砲より遥かに運用しやすい。
当てやすさと威力を両立させているのである。ただし連射速度はあまり早くなく、貫通力もやや不足気味。
またスウェーデン戦車の最大の長所である俯角も抜群。そこそこ厚い正面装甲、きびきびした機動力と併せると、ハルダウンにおいてはtier5最強の性能を誇ると言えよう。
正面以外はペラペラな上にHPも高くないこと、砲のDPMが低いことを考えると、足を止めてのダメージレースにはとことん向いてない戦車。しかしそれらはWotにおいて決してカバーできない欠点ではない。
カタログスペックはそこまで高いわけではないのだが、実際のゲーム性に鋭く適合した中戦車で、実戦性能は非常に高い。
「Kranvagn」
誰が呼んだか「ハルダウンの魔王」。tierは10、スウェーデン通常戦車ルートの到達点である。区分は重戦車。
稜線から頭だけをだして撃つハルダウン戦術においては、「俯角の大きさ」「頭(砲塔正面装甲)の硬さ」の2つが重要なポイントになるのだが、この2つを非常にハイレベルで兼ね備えた戦車。
砲塔正面装甲は実厚225mm、水平時には傾斜付きで345mm相当、ハルダウン時はなんと450mmにまで達し、このゲームに登場するあらゆる砲弾を通さない鉄壁の防御力を誇る。
また戦後戦車は背を低くすることに腐心したため俯角が取れないことがおおいが、この戦車はなんと戦中戦車並に12度も取れてしまう。これはtier10戦車中単独トップの数値である。
このため稜線に隠れたこの戦車を水平射撃で破壊するのは非常に難しい、というか不可能に近い。
一応キューポラなどの弱点もちらほら見えてしまうのだが、オートローダー砲なこともあって相手への威嚇力も高く、相手もなかなか悠長には狙っていられない。
反面、機動性や車体防御力、DPMや貫通力などの基本性能においてはあまりパっとしない。重戦車に求められる正面からの撃ち合いは苦手である。
要するにハルダウンという戦術に徹底的に特化した戦車であり、ここまでそれに振り切った戦車はゲーム内でも他に見られない。
「Strv 103 B」
S戦車として知られるスウェーデンの第二世代MBT。MBT…?うん、でもゲーム内では駆逐戦車なんだ。tierは10。
通常戦車ルートのKranvagnがハルダウン特化とするなら、この戦車はスナイパー特化である。
WoTにおいて「芋砂ぐらいしかやることがない」というのは一般的に主にリー先生とかに対して揶揄として用いられることが多いが、この戦車の場合は「徹底的に芋砂に特化している」とむしろほめ言葉になるだろう。
その小柄で背の低い車体はtier10屈指の隠蔽率を誇り、また全面投影面積が異常に小さいので、普通に目視で狙いにくいという効果もある。茂みに隠れて遠距離から狙い撃つのに最適と言える。
また機動力も駆逐としては抜群に高く、特にスウェーデン駆逐の長所である後退速度の速さは特筆もの。前進とほとんど同じ速度で後退できるので、危険だと思ったらするする後退して仕切り直しができる。
肝心の火砲にも隙は無く、通常弾でも300mというえげつない貫通力で大抵の戦車の正面装甲をぶち抜けるし、弾速も抜群に早く狙撃しやすい。
そしてここまで走・攻に優れているのだから防御に欠陥が…と思いきや、これがそうでもない。
実厚は紙といっていいほどに薄いのだが、その見た目通りの異様な傾斜のせいで跳弾(装甲に対して水平に近い角度で当たると、滑って弾かれてしまう)が起きやすく、AP弾は正面からだとほとんど通用しない。
正面に搭載された対HEAT柵もかざりではなく、HEAT弾に対しても異様に高い防御力を誇っている(ただしHEに弱い)。
またこの戦車を含むスウェーデン駆逐の一部だけが持つ独自機能として、Xキーを押すことで「射撃モード」という特殊な状態になることができる。
これはS戦車の特徴である「砲が完全に固定されているので、油圧サスペンションを操作することで車体自体を動かして射角を得る」機能を再現したもので、このモードにはいらないと実質的に砲撃ができない
(通常モードでも撃つこと自体はできるが、機体が向いている方にしか飛ばない)。
これによって常に装甲を最適な角度で相手に向けることができるのだが、モード突入、解除にはわずかなタイムラグがあるため、これが非常に独特な癖になる。
「初心者はどのツリーを選んだらいいの?」
「で、初心者へのおすすめは?」と言われると、やはり性能・ラインナップ共に充実しているソ連ツリーを押さざるを得ない。
タフで素早い車両が多いので、生存性が高いという意味でも初心者にはありがたい。この点アメリカツリーも決して負けていないが、例のリー先生がどうしても足を引っ張るのが痛い。そもそも最初から生存性を求めていない軽戦車や駆逐戦車であればアメリカツリーでもいいが…。
自走砲については、低Tier戦場では「足を止めてゆっくり待ち伏せする」という事が少ない事、操作性が他の4車種とまったく異なることから初心者には比較的不向き。とはいえ、それでも「興味があるなら乗っておいて損はしない」レベルであるし、一度撃つ側に回ってみると「自走砲に撃たれない動き」の勉強にはなるだろう。
オススメは単発威力こそ残念ながら速射性が高いため「撃ち直し」が効きやすいイギリス、一本道ではないが軽戦車や中戦車とパーツの互換性が高い分強化の容易なドイツorアメリカか。
とはいえ、基本的には「好きな戦車をめざす!」「ごひいきの国のツリーを!」といった情熱に素直に従うのが一番である。モチベーション的にも。
追記:修正をパンツァー・フォー!
- 次はウォーシップのほうを期待しています -- 名無しさん (2017-01-14 09:34:29)
- プレイヤーの民度はお世辞にも良いとは言えない... -- 名無しさん (2017-01-14 11:09:15)
- ティーガーが弱いとか書いた奴エアプか使ったことないだろ? 同格重戦全てにタイマン有利なのに何が弱いんだか 装甲ないなら無いなりの立ち回りをすればいいだけ、それに虎が弱いならポルノティーガーはどうなる -- 名無しさん (2017-01-14 13:14:25)
- ほっとけばくる -- 名無しさん (2017-01-14 13:33:40)
- ↑2 8.8までは本物のポンコツでネタ的に美味しかったから、そっちの記述をメインにしたのだね!ちゃんと後半は8.9以降の(火力の)強さにも触れているつもりだが・・・ -- 名無しさん (2017-01-14 13:40:39)
- Tog2の説明wまぁ分かりやすいけどw、toooooooog! -- 名無しさん (2017-01-14 17:36:40)
- 罵詈雑言が酷くてやめた -- 名無しさん (2017-01-14 19:27:05)
- 日本軽戦車はそんなに弱くないと思うんだがなぁ…あとチヌもTier5中戦車では平均的だと思う・・ -- 名無しさん (2017-01-16 21:36:34)
- 地味に日本MTツリーは全部実車で埋まってるんだよな。LTツリーまで含めるとケホが実車不明だけど。 -- 名無しさん (2017-01-16 22:32:49)
- ここって戦車の情報追加してってもいいんですか? 妙に数が少ないような -- 名無しさん (2017-01-17 23:05:00)
- (建て主)文量を考えて代表的なのをいくつかに留めましたが、勿論追記修正はパンツァーフォーですよ。ってかwiki方針的にも遠慮する理由はないよね!文量制限とかあるのかな? -- 名無しさん (2017-01-18 00:23:17)
- ウォーシップしかやっていないけど、タンクの方も中々面白そうだな。ウォーシップの記事が出来るのも楽しみだ -- 名無しさん (2017-01-18 01:20:21)
- 海と陸はこんだけ人気なのに空ときたら -- 名無しさん (2017-01-18 03:15:24)
- 日本軽戦車は強いんだが、慣れが必要でな そしてTier4以降は中戦車になってしまう -- 名無しさん (2017-01-23 09:26:03)
- 怪獣は出ないけど怪獣みたいな超重戦車は沢山いるから安心して欲しい。 -- 名無しさん (2017-01-26 04:29:01)
- ↑5容量オーバーでトラブルが生じた項目もあるから無節操に追加するのは普通に迷惑行為でしょう -- 名無しさん (2017-01-26 23:21:22)
- 地味に広告がうざかった印象、今はマシだけど昔は動画広告だったから場合によっては重いの何の -- 名無しさん (2017-01-26 23:58:43)