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リルル

登録日:2010/09/16 Thu 08:24:45
更新日:2026/07/16 Thu 13:46:46
所要時間:約 3 分で読めます





リルルとは、藤子・F・不二雄原作の大長編・劇場版「ドラえもん のび太と鉄人兵団」及びリメイク映画の「ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち~」の登場人物。

CV:山本百合子(旧)/沢城みゆき(新)


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【人物】

のび太ザンダクロスを手に入れ、ドラえもん達と遊んでいた頃に現れたなぞの少女。
桃色の長い髪に白い肌、容姿端麗だが冷たい無機質な印象。
のび太より背が高く、普通の人とは違う青いグラデーションの瞳をしているのが特徴。
胸は静香よりもかなりボリュームがあり、全体的なスタイルは抜群。
初めて姿を見せた北極にて肩丸出しのストラップレスのハイレグスーツにブーツのみという高露出度&エロい寒そうなどではすまない服装であり、激しい吹雪の中を平然と練り歩いていた。
超能力のような能力を持ち、タケコプター無しで空を飛ぶ事が可能。
実はあるロボットを探しているようだが…






以下、ネタバレに注意。








【正体】

彼女の正体はメカトピア星から来たロボット軍団『鉄人兵団』の一員であるスパイロボット
スパイの役割のために見た目は地球人そっくりであり、皮膚の下には微細な機械がぎっしりと詰まっている。
メカトピアによる地球人奴隷化計画のために先立って地球に降り立ち、前哨基地を建設するのが任務。
だが、基地建設のために送られた土木作業用であるザンダクロスことジュドが北極で見当たらないため、ジュドの頭脳から発信された信号をたどって日本に捜索しにきた。

自ら飛行する能力を持ち(正体を明かす前からのび太の前でも飛んだのだが、のび太だから見事にスルーしていた)、氷点下の北極でも全く問題なく活動可能。
ジュドの信号をキャッチして北極から日本へ急行し、その日の夜には現地へ到着していることから飛行速度はタケコプターなどとは比べ物にならない。
メカトピアから単独で地球へ潜入したことから、おそらくワープ機能も備えていると思われる。
次元震による大爆発(ザンダクロスの巨体をかなりの距離吹き飛ばすほどの威力)を目と鼻の先でまともに受けたにもかかわらず全壊することなく、人間でいえばやや重い怪我を負った程度で済むほどの頑丈さを誇る。

不意を突いて襲い掛かってきたホッキョクグマを意にも介さず、5メートル以上の跳躍でかわしてあしらうなど純粋な身体能力も地球人の域を大きく凌駕している。
また、指先からは非常に強力なショック光線或いは熱線を放つことが可能であり、ホッキョクグマすら一撃でK.O.する。
ショックの威力は変えられるようで、のび太を撃った際は気絶するにとどまっている。
また、タケコプターで飛んでリルルから逃げようとするのび太とドラえもんを、同じく飛びながら熱線(高熱の為にビームを水蒸気が包んでいる)の一撃で二人のタケコプターの基部を同時に精密に撃ち抜き破壊する精度の高さを見せる。
小説版では逃げるのび太の前方の木々を熱線で薙ぎ払い、燃え上がらせて火の手で行く手を遮ろうとしたり、警告の射撃として、一抱えある太い木を熱線で瞬時に破裂・破壊して威力を見せつけようとした。
また、ミクロス(この時点ではまだドラえもんから人工知能を設置されていないラジコン状態)をトンボ取りのように突き付けた指先を回す仕草で自分の制御下に置き、スネ夫とジャイアンを襲わせて追い払った。

小説版では土木作業用ロボット“でしかない”ジュド共々冷遇されているという設定で、差別意識が根強く残り人間を侮蔑するメカトピア内では、人間を模して造られたリルルも差別の対象だった。
リメイク版では貴族や軍隊から虐げられる下層階級の平民ロボットという設定で、元々はボロボロのスラム街で暮らしていたがジュド*1と共にまともな暮らしを夢見て二人で軍部に志願した。

うっかりザンダクロスの事を喋ってしまったのび太に、リルルは元々自分の物だったと言い問い詰める。
そして鏡面世界の存在を知り、ザンダクロスを勝手に持ち出し頭脳を失くしたのび太と交渉。
鏡面世界に繋がる「おざしき釣り堀」を貸して秘密にしてくれたら許すと言い、のび太もそれに了承した。

後日、学校の裏山に落ちた謎の光が「おざしき釣り堀」に入っていくのを発見したのび太は様子を見に行き、鏡面世界で多数のロボットを指揮するリルルを発見。
リルルは街を壊して計画の為の前哨基地を作っており、それをのび太とドラえもんに知られてしまう。
のび太に気付いた彼女は開き直り、兵団を迎え入れる為に鏡面世界の入り口を広げるよう願い出る。

「あなたを連れて行こうと思っていたの。私達に協力してちょうだい。地球人の中であなただけは特別扱いしてあげるわ。」

しかし当然ながらのび太達は一目散に逃げ出し、それを追ってきたザンダクロスの腕が「おざしき釣り堀」の出入り口を広げようと画策。
無理やりこじ開けようとしたため空間の接点が歪んでねじ切れ次元震を起こし、大爆発してリルル達ごと鏡面世界は封印された。

これで無事、地球には平和が訪れた。

かと思われたが…








そう上手くいくはずがなく、妙な信号を出していたボーリング玉(ジュドの頭脳)からとんでもない事実を知らされる。
リルルと鏡面世界に送り込まれたロボット達は、あくまで基地を建設するための先発隊。
その連絡が途絶えた事で異常を察した鉄人兵団本隊は、基地の完成を待たず地球への出動を開始したのだ。

慌てたドラえもんとのび太は色んなところにこの事を知らせるが相手にされず、信じてくれたのはジャイアンとスネ夫だけ。
ドラえもんはジュドを改造し味方につけると、4人は「逆世界入りこみオイル」を静香宅のお風呂に使って鏡面世界に突入する。
一方、事情を知らない静香はお風呂に入ろうとして、そこが鏡面世界になっている事に気付き入ってしまった。

ザンダクロスを奪い前哨基地を破壊するのび太達。
静香はミクロスと一緒に街の様子を探っている途中、次元震の爆発に巻き込まれ埋まっていたリルルを発見する。
リルルの怪我した腕から見えた内部の機械でロボットである事に気付いた静香に、目を覚ましたリルルが襲い掛かった。

「私がロボットだという事を、地球人に知られたくないの!」

静香に馬乗りになり首を絞めるリルルに、ミクロスが背後からドロップキックを仕掛け助けた。
殺され掛けた静香だったが、倒れた彼女を見て自宅に連れ帰り介抱する事にした。*2

その後、静香が自宅に侵入した作業用ロボットに襲われたり色々あったが、リルルは静香の介抱で目を覚ます。
自分を助けようとする静香に、リルルはじきに地球人はメカトピアの奴隷になると告げる。

リルル「人間みたいな下等生物が支配者のために働くのは、あたりまえじゃない。」

しずか「勝手なこと言わないで!!ロボットは人間の為に、人間が作ったものよ!」

メカトピアの教えなのか元々そうプログラムされているのか、リルルは「宇宙はロボットのためにある」という考えの持ち主。
静香に母星の成り立ちを語るが、階級社会・奴隷制度・そして幾度もの戦争を繰り返してきたそれは人間の歴史に酷似したものであり「結局神様が見放した人間達と同じ事をしているだけ」と指摘され逆上。
言い返す事ができず「取り消しなさい!」と静香を撃ってしまう。静香に怪我はなかったが、リルルは無理が祟り再び気を失った。

静香もそんなリルルに「もうあんたなんか知らない!!勝手に壊れちゃえばいいのよ!」と泣きながら部屋を飛び出す。
しかし彼女の姿を思い直し、*3「やっぱり放っておけない」と再び静香はリルルの介抱をしに戻るのだった。そんな静香やスパイとわかっても信じ続けようとするのび太の姿を見て、次第にその考えに変化が生じていく。

「人間のすることってわからない。どうして敵を助けるの。」

「時々理屈に合わない事するのが人間なのよ。」

ドラえもんが鉄人兵団を迎え撃つ為、鏡面世界だとバレてはまずいので、リルルを「コンピューター睡眠薬」で眠らせようと考える。
しかしその魂胆を見抜いていたリルルは薬を飲むふりをして吐き出し、鉄人兵団の元へ戻ろうと脱走する。
鉄人兵団はドラえもんの作戦通り鏡面世界に誘き寄せる事に成功するが、リルルが鉄人兵団に仕組みをバラせば終わりだった。
5人はリルルを探しに出る。「たずね人ステッキ」で何となくあたりを付けて散らばって捜索中、のび太がリルルを発見。
地下鉄の出口から出てきたリルルは、鉄人兵団総司令部へ向かおうとしていた。
のび太は自分と一緒に帰ろうと必死に説得するが、リルルは自分の義務を果たそうとする。

そんな彼女に向けて、のび太はショックガンの銃口を向けた。

「リルル!………行けば撃つぞ…!」

震える手で銃を向けるのび太に、リルルは微笑みながら振り向き答える。

「…いいわ!撃って!」


しかし、のび太にはリルルを撃てなかった。

「…意気地なし!」

指先からのビームでのび太を撃ち気絶させ、彼女はその場を後にした。*4



そして鉄人兵団の元に戻ったリルルは、隊長である総司令官から追及を受ける。

「地球人はどこにいる。奴隷を捕まえる為にはどこに行けばいい!」

「…答えたくありません。」

「人間を奴隷にするのは、悪いことです!」

「ゴミなんかじゃありません!私達以上に複雑な心を持っています!」

リルルの言葉に耳を疑う総司令官。人間などゴミと同等というのがメカトピアの常識だった。
神に認められたロボットこそが宇宙を支配し、人間に代わりロボットの天国を作る存在なのだと。
しかしリルルはロボットの天国ではなく、宇宙に住む者全てにとっての天国という意味だと答え、奴隷狩りは神の意志ではない、中止すべきだと訴えた。
当然そんな事を受け入れられない総司令官はリルルを反逆者とし、処刑する為に基地に連行する。

一部始終を目撃していたドラえもんとのび太により救出され、リルルは再度のび太達に迎え入れられた。
しかしリルルは故郷を裏切る事は出来ないと涙し、ドラえもん達もそれ以上の強要は出来なかった。

板挟みの苦悩から「自分達の先祖を作った神様に文句を言いたい」と呟いた事*5で静香が閃く。
タイムマシンを使い、「神様」に相談すべくリルルと静香は共に3万年前のメカトピアに向かった。
そしてリルルは、自分たちの先祖であるロボット・アムとイムを作った=人間の科学者に出会う。

彼曰く「競争本能を取り付けたことが失敗だった*6」との事で、代わりに「他者を思いやる暖かい心」をインプットしようとする。
これで歴史はかわり、恐ろしい鉄人兵団も生まれないだろう。

「!……静香さん、良かったわね!」

「これで地球は救われるわ!……! でもリルル!リルル…あなたも…!」

しかし年老いて体の衰えた科学者は作業の途中で力尽きてしまう*7

「博士、私にやらせてください。私が続けます!」

リルルはアムとイムの頭脳に「他者を思いやる温かい心」をインプットするための改造作業を自ら申し出る。
…メカトピアの歴史を変えること。それは、リルル自身の存在の消滅と引き換えの作業だった。

「静香さん、私、本当の天国を作るのよ。そして、私はメカトピアの天使になるの!」

そして、改造作業によってメカトピアの歴史が変わったために生じたタイムパラドックスにより、リルル自身も消滅するという悲しい最期を迎えた。

「今度生まれ変わったら…天使のようなロボットに…」

「リルル…あなたは今、天使になってるわ!」


【名台詞】

  • 『いいわよ、さあ 撃って!』

  • 『意気地なし!』

  • 『人間を奴隷にするのは、悪いことです』

  • 『宇宙に住む者すべてにとっての天国だと思います』

  • 『しずかさん、私、メカトピアの天使になるの』

  • 『おと……もだちよ……おともだち……』


元々の立ち位置が絶対に助からないヒロインなのが更なる悲しみを誘う。
メカトピアそのものを変えなければどう足掻いても地球を救う事はできないし、歴史を変えた以上リルルが存在することはできない。

しかし、ラストシーンでは…


余談

ドラえもん映画ゲストキャラの中でもトップクラスの人気を誇り、「ドラデミー大賞」でゲストキャラクター賞にも選ばれている。
ちなみに歴史改変によってメカトピアが天国のような世界に変わったとすると、リルルが地球に来る理由が基本的にない。
例え偶然に地球に来たとしても、それはリルルであってリルルではないため、のび太の元に立ち寄る理由は無かったりする。
………もしかすると、彼女がアムとイムにインプットした「他者を思いやる温かい心」とは、のび太達との思い出の記録だったのかもしれない。


しずかさん、私、アニヲタwikiを追記・修正するの!

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最終更新:2026年07月16日 13:46

*1 「労働ロボットなのに歌を歌った」という理不尽な理由で半壊され、リルルに助けられた。

*2 尚、新・鉄人兵団では静香自らがリルルを掘り起こし、襲われる下りもなくなっている。

*3 リメイク版ではこの時ゴミ捨て場に捨てられていたボロボロのぬいぐるみを見つけている。泣いているように見えたぬいぐるみにリルルの姿を重ねたのかもしれない。

*4 リメイク版では咄嗟にのび太を庇って割り込んだピッポを撃ってしまい、動揺しながら立ち去っている。

*5 旧作ではミクロスが「神様に文句の一つでも言ってやりたい!」と憤った事で思いついた。

*6 本来は競い合う事で社会を発展させることを目的としていた。小説版では競争本能を「強め過ぎた」事が原因とされており、強めた理由は「母星は誰もが平等で、富は公平に分配される星だったが、人が向上心を無くして働かなくなり、腐敗した」ためとされている

*7 旧作では高所作業中に発作を起こし、そのまま転落。死んではいないが動けなくなってしまった。新作では息絶える前にリルルに後を託すが、全てを伝え切る前に事切れてしまった。そして静香たちからもらった「人を思いやる心」をアムとイムに伝えることを思いつき、自分の「星(感情のパーツ)」をあげることを決意する。