キング・ブラッドレイ

登録日:2009/09/12(土) 21:34:23
更新日:2020/07/09 Thu 15:55:48
所要時間:約 7 分で読めます







スイカは嫌いかね?

鋼の錬金術師』の登場人物。
CV:柴田秀勝

軍部の大総統、60歳。
アメストリス軍の最高責任者で、国政の実質的な決定権を持つ事実上の国家元首。
戦場で数々の武功をたて、44歳で独裁者へと成り上がった。

オールバックの髪型をしており、口髭を蓄えた立派な体格の初老の男性。
左目に眼帯をしている。

大総統に就任してからは国家錬金術師制度の導入、より中央集権的な体制への編成などアメストリスをより軍事国家として編成していく。

完全なリアリストでありながら、好々爺然とした紳士という面もあるという二面性を持つ。
序盤では最高権力者にも関わらず、仕事から抜け出して一人でこっそりエドの見舞いに行ったり、護衛一人だけでエドを追いアロハシャツ姿でダブリスに行き、彼の研究査定を見もせずに終わらせる(合格の判を押す)など、その軽さが際立っていた。

一方、国家錬金術師試験の面接でエドに槍を向けられても一切動じず、彼が気付かないレベルで槍をバラバラに切り刻んだりと、只者ではない感じは既に出していた。

以下ネタバレ












君に最強の盾があるように

私には最強の眼があるのだよ




その正体はラース(憤怒)の名を持つホムンクルスであり、「」の計画に沿って国家の舵を取っている。
若くして大総統の地位に付けたのもそれが関係している。

元は普通の人間でホムンクルス達の計画のために幼少時よりエリートとして養成された大総統候補生の一人であり、賢者の石を注入して人間ベースのホムンクルスを作る実験で12番目の実験体として選ばれ、体に注入された賢者の石との壮絶な拒絶反応に打ち克ちホムンクルスとなる。
名前の「キング・ブラッドレイ」はこの時に付けられた偽名である。故に自分の本名を知らない。(ホムンクルスになる前は大総統候補○○号と呼ばれていた)

なお、何故かは不明だが若い頃の容姿はマスタングによく似ている。マスタング自身の出生もはっきりした部分がない事から、一部ファンの間ではブラッドレイとマスタングには(実の親子ではないにせよ)血縁があるのではないかという憶測も流れた。
因みに、賢者の石注入の実験に使われることがなかった『余り者』の大総統候補生たちはその後も処分されずに戦闘訓練を積まされ続け、ホムンクルスに組する勢力が行使する私兵として利用されていた。(ブラッドレイほどではないがこちらも常人離れした強さで集団戦法に特化させている)

人間ベースのため、他のホムンクルス達とは違い人間と同じように老化し、そのため身体能力に若干の衰えがある。
しかし、それでも年齢を感じさせない筋骨隆々の体格をしている(これは賢者の石とは関係なく、彼自身の鍛錬の賜物である)。


ホムンクルスであることに誇りを持ち、人間に対しては軽蔑の念を持つが、度々語られる人生観・宗教観などの思想信条には他のホムンクルスとは違った面もある。
全てを「父」に用意されたシナリオの中で生きていることにも何らかの考えを持っているようで、予想外の事態を楽しんだり、ホークアイ中尉に自分の立場を話した上で「妻だけは自分で選んだ」と述べている。

ちなみに女性を口説くのは下手らしく、今の妻には結婚前(本人曰く25歳の頃)に2回も平手打ちをくらった。最強の眼を持つ彼に二回もビンタ食らわせられる女性って……
2回目のビンタは外見を褒めようとした際に、あろう事か尻の事を褒めた為。
夫人とは普通に恋愛結婚らしく、他のホムンクルスたちに恋愛について真剣に相談した事もあったとか。(ラストからは「女心がわかってない」と説教されたらしい)
なお、夫人との結婚に踏み切った理由が例の平手打ち。最強の目で見切れなかったこのビンタが決め手になったとかなんとか。

戦闘力の高さや人を見抜く目は確かであり、イシュヴァール殲滅戦の時からマスタングに着目していた。
ラストがマスタングに倒されてから、「父」に自分をマスタングの担当にするように進言し、その後はマスタングへの圧力を強めていく。

「約束の日」の手前、東方司令部で行われる北方司令部との合同演習に怪しいものを感じ取り、急遽、視察に訪れる。その最中にセントラルでの計画のことを知らされて帰路につくも、グラマンの二重の罠にはまり、列車で中央へ戻る最中に橋を爆破され、列車ごと谷底へ落ち、一時行方不明になる。
が、実際にはなんと崩落する瓦礫を足場に使って反対側に到達、そのまま徒歩でセントラルへ帰還した。

その後、中央司令部に到達しバッカニア、フー、グリード(リン)と対決。深手を負い堀に突き落とされたものの合流したプライドと共にマスタングの真理の扉を開かせたうえで「お父様」の所へ送るという使命を全うし、今度はスカーと激闘を繰り広げた。

作中最強候補であり、前のグリードを再起不能になるまで滅多斬りにし、戦車を一人で破壊、バッカニア、フー、グリードの三人がかりでも終始優勢と、まさに無双状態。

最後の力で腹マイトによる自爆を仕掛けて来たフーに対しても、トドメを刺しつつ信管だけ斬り飛ばすという神業で一蹴した。
しかし、フーの身体と広がったマントで正面が死角となり、そこを利用してフーごと剣を突き刺してきたバッカニアの攻撃をまともに受け致命傷を負う。

さらに、その隙を突いて奇襲してきたリン(グリードによる硬化状態)の一撃を受け流し損ね、ホムンクルスの紋章が記された左目を潰される。
が、その直後に「お父様」によって人柱たちが転送された衝撃と稲妻に気を取られたグリードを投げ飛ばし、諸共堀に落ちようとするが踏みとどまられ、ブリッグズ兵に右肩を撃ち抜かれて自分だけ水中に落下した。

水中を沈む中、給水口を発見してその中を泳ぎ、地下水路から大総統府の地下通路に移動。足元に転がってきた賢者の石(液状化しており、小瓶に入っていた)を回収するが使わず、ポケットに仕舞いこむ。

そして、「余り者」の持っていた剣を拾い上げて装備、プライドと共にマスタングに強引に「扉」を開かせ、人柱として「お父様」のもとへ送った後、床を破壊してメイを送り出した「傷の男」との戦闘に入る。

「最強の眼」は右のみ、右脇腹と右肩からは大量出血という満身創痍かつ万全にも程遠い状態ながら「傷の男(スカー)」を圧倒。
彼が再構成の錬成陣を解禁して本気で錬金術を使い始めた後も優勢を保っていたが、日食が終わり始め顔を出した太陽の光の下にたまたま出てしまう。

それまで暗い中で戦い目が慣れていたところに強い光を見たため一時目が眩み、そのスキを突かれて両腕を吹き飛ばされる。
それでも宙を舞う剣を口で確保、倒れこみながら「傷の男」に反撃するという執念を見せたがそこで力尽きる。

最後はフーの復仇のため後を追って来たランファンの前で、時間切れにより急速に老化、満足の内に死んでいった。


独裁者でありながらも国民には慕われていた為、彼が敵(ホムンクルス)と通じていた事は一般国民には伏せられ、彼の死は国土錬成陣の実験を企てた勢力との戦いで殉職した事にされた。

ホムンクルスの中ではグリードが新たに誕生するまで末弟だった。
内心ではラストのようなボインな妹が欲しかったそうな。

なお、他のホムンクルスは死ぬ時に遺体が残らなかったのに対して、人間ベースのブラッドレイは遺体が残っており、「最期は人間として死んでいった」との解釈もされる。



「憤怒」の名を持ちながら、実はブラッドレイが作中本当に「怒った」のは最後の「傷の男(スカー)」との戦いのみ。
再構築の錬成陣を解禁した「傷の男」に対し、「信ずる神を捨てたのか」と本気で激昂していた。


◆戦闘能力
戦闘はホムンクルスとしての固有能力である、銃弾の軌道をも見切る動体視力「最強の眼」を使って主導権を確保。
二刀流の剣術と戦場や過酷な戦闘訓練で鍛え上げられ、ホムンクルス化で増幅された超人的な身体能力を生かした素早い動作で敵をなぎ倒していく。
作中では何の変哲もないサーベル1本と手榴弾1つで中央司令部を占拠していたブリックス兵を蹂躙、更に戦車の履帯を切断しつつ操縦士を殺害、索敵及び反撃のため顔を出した車長を殺害、操縦代行で手が離せない状態の砲手を戦車内に手榴弾を放り込んで爆殺、という悪夢を作り出して見せた*1
「この眼と身体能力は人間を超越した」とも語っているので、賢者の石による身体強化も少からずあると考えられる。
自らが戦線に立つ時には五振りの刀を特製の鞘に挿しているが、これは折られたり刃こぼれしたり、相手に突き刺したりしたときの予備を用意しているため。(但し原作でこの装備を見せたのはデビルズネスト殲滅の時のみ)
ただし、「両耳とケツに刺して五刀流」という公式ネタがある。
例え手持ちの武器が使用不可能な状況でもその場で使える物を瞬時に見極めて代用したり(あらゆる武術を積んできたのでどんな武器でも代用可)、必要とあらば相手の武器を奪い取るので乱戦でも障害は発生しない。

賢者の石との内在闘争の過程で石に宿る魂が1つだけになっており、ホムンクルス特有の気配を持たない。
また、そのため他のホムンクルスのような爆発的な再生能力も持っていない。


【アニメ2003年版】

基本的に立ち回りやキャラは原作と一緒。
だがホムンクルスとしての名はラース(憤怒)ではなくプライド(傲慢)であり、ホムンクルス達のリーダー格。
創造主のダンテからも「傑作」と称されている。
人間ベースではなく純正ホムンクルスであるため原作では持っていない再生能力も持ち、空気の流れまで読むことが出来る。歳をとっている訳ではなく外見を少しずつ変えて歳をとったように見せかけていた。
(結局披露はしなかったが、本来の姿は原作に登場した青年ブラッドレイであると思われる)
ベースとなった人物は不明だが、劇中の忠誠心から言っても恐らくはダンテに密接に関係した人物(元愛人?)と思われる。さしずめ、反逆しなかったグリードと言ったところか。
ちなみに、こちらに於いても妻には尻に敷かれているらしく、ダンテに毒たっぷりに突っ込まれていた。

普段は柔和な笑みを絶やさない老紳士を装っているが本性は冷酷非道でありダンテの最も忠実な部下として軍を動かし、彼女が望む賢者の石を人間に作らせるために事前に賢者の石の情報を伝説として広めたうえで周囲の国に戦争を仕掛け、戦争によって絶望に追い込まれた人間が賢者の石を求める環境を作り続けていた。
そのため、人間性に問題があり戦火を挙げる為なら手段を選ばないアーチャーや敵味方問わず爆殺するキンブリーのような危険人物にも好待遇を与えて利用していた。

しかし、軍のもたらした様々な悲劇の元凶という立場であるにもかかわらずホムンクルスとしての正体が判明するのが物語後半とかなり遅く、それまではダンテの指示で大総統秘書官という名義で軍に潜り込ませたスロウスが軍を動かすのを代行したり当人が出てきたと思ったらエンヴィーの変身した姿だったりと出番に恵まれず、原作での見せ場であるダブリス訪問やデビルズネスト殲滅もアーチャーにとられてしまっていたためどうにも印象が薄くなっている。
(その為、正体が発覚するまではアーチャーが03版のプライドなのではないかと言われた程であった)

終盤、大総統宅でマスタングと戦闘に入り、前述の空気の流れを読む能力で彼の密閉空間を用いた作戦もあっさりと見破り火達磨にされてもホムンクルスの外見的特徴である基盤模様が身体に浮き出た姿で再生してマスタングを追い詰める。
が、養子のセリムが事情を知らずホムンクルスの弱点である遺骨を持って来てしまったことで身動きが取れなくなり、原作のラストよろしく死ぬまで燃やされ続けて死亡した。
なお、原作者曰くこの時の『マスタングの発火布が破れ血で錬成陣を描く』ネタは使おうと思っていたがアニメに先を越されたらしい。

この時、養子のセリムを怒りに任せて扼殺しており、セリムを救えなかった事はマスタングの心に決定的な影を落とすことになる…

『裏鋼』では一度だけ登場。国家錬金術師達は自分の好みの容姿を持つ人物を優先して選んでいることをカミングアウトした。ロイもそうらしい。



【アニメ第二期(FA版)】

戦闘描写に定評のあるFA版だが、スタッフが気に入っているのか大総統が戦うシーンは他のもの以上に気合いが入っている。
まあ牛さんが「おっさんと筋肉の作画だけは手を抜かないでほしい」と指示してあったのもあるかもしれないが。
OP2、中央司令部突入、vs.グリード、vs.スカー戦は必見。






◆名言集

「君に最強の盾があるように、私には最強の眼があるのだよ」

「強欲!!ますますもって下らん!!」

「ふ…この眼帯に感謝するのは生涯で初めてだな。上手く閃光を防いでくれたわ。
 真の王…と言ったな小僧。なんと青臭い唾棄すべき理想論か。
 真の王などこの世のどこにも在らぬ!

「神は人間によって創りあげられた。人の手によるものにすぎん。
 ならば、我々に鉄槌を下しに来るのは神ではなく、あくまで“人間”だろうな」

「家族ごっこ…たしかにそうだ。あれは上に与えられた息子だ。
 息子だけではない。大総統の座も部下も力も全て与えられた。いわば権力者ごっこだ。
 だが、妻だけは自分で選んだ

「ただいま諸君」

「正面だ。私の城に入るのに、裏口から入らねばならぬ理由があるのかね?」

「名無し同士殺し合うのも面白かろう」

「こうして死に直面するというのはいいものだな。純粋に死ぬまで闘い抜いてやろうという気持ちしか湧いてこん。
 地位も、経歴も、出自も、人種も、性別も、名も、何も要らん。
 何にも縛られず、誰のためでもなくただ闘う。なんと心地良い…
 ああ…やっと辿りついた……」

「どうした! それが貴様の本気か! 足りん! 全くもって足りんぞ!
 私を壊してみせろ! 名も無き人間よ!

イシュヴァール人よ!! 錬金術は……物質の構築は、万物の創造主たるイシュヴァラへの冒涜ではなかったのか!? 神を捨てたのか!? 貴様らにとって『神』とは所詮その程度の存在か!? 否!! イシュヴァールの内乱で絶望を知った貴様は、心のどこかで分かっていたはずだ!! 神などこの世界のどこにもおらぬと!!!

「愛だの悲しみだのと、くだらぬ言葉を垂れ流すな小娘…
 なめるなよ“あれ”は私が選んだ女だ」

「用意されたレールの上の人生だったが… おまえ達人間のおかげで、まあ、最後の方は、多少…
 やりごたえのある 良い人生であったよ




中の人的にはデギンだが……






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