デギン・ソド・ザビ

登録日:2024/01/01 Mon 01:50:17
更新日:2025/04/12 Sat 17:15:54
所要時間:約 12 分で読めます





貴公、知っておるか アドルフ・ヒトラーを

独裁者でな、世界を読みきれなかった男だ

貴公はそのヒットラーの尻尾だな


デギン・ソド・ザビとは、『機動戦士ガンダム』の登場人物。


CV:永井一郎(TVアニメ版)、藤本譲→柴田秀勝(劇場版)、浦山迅(THE ORIGIN)、松山鷹志(ガンダムさん)
年齢:62歳
身長:170cm
所属:ジオン公国
座乗艦:グワジン級大型戦艦一番艦グレート・デギン


【概要】

地球連邦に独立戦争を仕掛けたジオン公国初代公王。すなわち国家元首、最高指導者である。
ジオン公国を牛耳る一族「ザビ家」の家長でもある。
家族は亡き妻のナルスと子供が4男1女。初期構想ではミハルという次女も予定されていた。
スキンヘッドに鼻眼鏡をかけた強面の老人で、政治手腕はギレンキシリアに、顔立ちはサスロとドズルに、カリスマ性はギレンとガルマに受け継がれている。
また鋭い目つきについては子供たちほぼ全員に受け継がれている。


【人物】

スペースコロニー・サイド3ムンゾに居を構えるジオン公国の最高権力者たる公王、国家元首。
劇中では足腰が衰えて杖を手放さず、悪の本拠地にしか見えないことで有名なズムシティ公王庁の玉座に鎮座している。
21世紀視点だと62歳にしては老けすぎ・衰えすぎ…と思うかもしれないが、磯野波平フネ夫妻がアラフィフなのと併せて考えてみよう。

元々はジオン共和国の指導者ジオン・ズム・ダイクンと同じ志を宿した盟友で、共にサイド3を変革し優れた政治的手腕で支えた側近。
共和国の内政では平和的交渉によるコロニー自治独立を目指したダイクンに対し、急進的なタカ派として活動。
演説中のダイクンに何らかの手を回して暗殺したとされ、死の間際にはデギンを指差したことで国家元首の地位を引き継ぎ、政敵であるジンバ・ラルといったダイクン派をサイド3から排除。
ギレンと共に人間の宇宙進出とコロニーの自治独立にニュータイプ論を交えた通称ジオニズムを「宇宙移民であるスペースノイドこそエリートであり、地球に従う必要はない」と歪曲し、情報操作による国民の意識改革を行った。
最終的には議会を掌握して傀儡政権を作り、共和制を廃し公王制によるザビ家の独裁体制を築き上げた。

しかし、妻ナルス、次男サスロの死去という不幸が重なったことや、ダイクンを排除した結果「燃え尽き症候群」に陥ったこともあって、一線を退く。
それに代わり、デギンが敷設した「ザビ家独裁」というレールを歩むようにして、ジオン公国軍は総帥ギレンを中心とした子供たちが中枢を担うようになった。
それでも名目上は「公王」すなわち国家元首としての立場と権威を維持しており、権力面でも独自の軍隊や公国軍旗艦のグワジン級戦艦グレート・デギンを保有する、『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』ではギニアス・サハリンにMAアプサラスの開発許可を与えて支援していた事が語られるなど、単なるお飾りではない実力も備えていた。
そのため、特に「実質的な」指導者であるギレンとは意見の相違もあって常に緊張状態にあった。

デギン自身は「スペースノイドの自治独立のためにジオン公国がある」という理想は捨てておらず、一年戦争についてもそのためならと容認の立場を取っていた。
しかし、ブリティッシュ作戦に端を発した全人口の半分という途轍もない犠牲者まで出してしまい、しかもそこまでの犠牲やコロニー落としなどを実行しても未だ連邦勝利の目途が立たないこともあって、すでに戦争の早期終結を望む穏健派として佇むようになった。
そのような思想もあって、子供の中ではギレン、ドズル、キシリアといった「戦争の継続、絶対勝利」を掲げる継戦派よりも、誠実で多くの人に慕われるガルマを心の拠り所に可愛がっていた*1
また、地球連邦軍のレビル将軍とは協定を結ぶチャンスをうかがい、公国のダルシア首相を和平工作に動かした。


【ジオン・ズム・ダイクン暗殺】

シャア、セイラの人生が一変する原因となった指導者ダイクンの急死。
演説中に心臓発作を起こして倒れ、シャア、キシリア、ジンバ・ラルといった人物からはザビ家(デギン)による暗殺とされているが、デギンや兄弟の口から真相が語られる事はなく詳細不明のまま物語は終わっている。
劇場版ではシャアから「ガルマをザビ家打倒のため謀殺したが残ったのは虚しさ」という話を聞いたキシリアが「私の父もそうらしいな」と返し、父の変化に心当たりがある推論を述べている。
富野監督作の小説『密会〜アムロとララァ』ではデギンが手を回して暗殺したと明言された。
『ORIGIN』では病気の心臓発作による急死とされ、暗殺説はジンバらダイクン派が広めた虚言として描写。


【劇中での活躍】

ジオン公国の公王という最高権力者の立場だが、一年戦争はザビ家兄弟が主導し成り行きを静観。
ルウム戦役で捕えたレビルとは面識があり、無事に地球連邦へ返した事で恩を売ったという認識を持っていた。

一年戦争も後期に入ると、連邦軍の猛反撃により溺愛するガルマを亡くし、使者の前で杖を落とすほどの衝撃を受ける。
デギンは大々的な葬儀は避けるようギレンに伝えるが、その意向は無視され演説による国民の戦意高揚に利用されてしまう。

その後は、次男ドズルの援軍要請の会議に欠席する、サイド3のマハルを改造したコロニーレーザー「ソーラ・レイ」の開発に反対する、計画認可を迫るギレンと口論するなど、残った子息との間隙がさらに開いていく。
またギレンとの会話で「ニュータイプ」「公王制」についての意見を戦わせた際に、そうしたデギンの理想をギレンが私欲による独裁制にねじ曲げた、という場面で「キシリアもそうだ」とこの場にいない彼女の名前まで併称しており、娘に対しても冷たい視線を向けるようになっていた。

こうした、戦争の長期化や息子たちの独走、サイド3の強制疎開、連邦軍によるサイド3直接砲撃の可能性*2、といった現状を憂い、ダルシア首相と接触して和平工作を共謀。
さらに連邦軍の想像以上の進展の早さから、ダルシア首相の和平工作も待ちきれなくなり、自らグレートデギンでレビル艦隊に投降し、和平交渉に臨んだ。
デギンはジオン公国の国家元首であるので、彼の投降は単なる亡命ではなく、ジオン公国そのものの意思決定としても通用しうるものであった。
この時U.C.0079 12月30日。

だがその直後、本国から発射された「ソーラ・レイ」に巻き込まれレビルと共に一瞬にして蒸発。
これは、デギンの降伏と和平条約締結が為されれば、不利な状態で講和を結ぶことになる、と判断したギレンが、それを台無しにして、かつ「目の上のたんこぶ」を消し去って独裁体制をさらに強化するための工作であった。

しかしその結果、地球連邦軍は転身せずア・バオア・クー攻略作戦を開始。
ギレンはこのさなかに親殺しとしてキシリアに粛清され、そのキシリアも脱出中にジオングから脱出していたシャア・アズナブルの手にかかり死亡する。
首脳陣と軍は壊滅的打撃を受け、中枢のザビ家不在となった公国は和平に動いていたダルシア首相を中心に地球連邦に終戦協定を求め、U.C.0080 1月1日に一年戦争は終結した。


機動戦士ガンダム THE ORIGIN

ファーストのキャラクターデザイン、作画監督を担当した作者の安彦良和氏の解釈により、シャア(キャスバル)の過去編という形でジオン公国の前史が描かれている。
原典作品同様息子たちに任せて自身は一線を退くが、老いた後でもかつてダイクンの側近として猛威を振るった才覚と鋭い洞察力を覗かせている。
ガルマへの溺愛はより強固となり、有事の際には士官学校の目と鼻の先にある地球連邦軍の駐屯地により身に危険が及ぶ可能性を指摘、暴動により戦争の機運が高まる中静観を貫くギレンが冷や汗をかき押し黙るほど激昂した。
ザビ家ではタカ派のギレンと幾度となく対立し、もしもの時はキシリアに止めるよう頼んだが、彼女の裏の顔を察する事はできなかった。

U.C.0057にダイクンが地球連邦にサイド3の部分的な自治独立を認めさせ、共にジオン公国の前身であるムンゾ自治共和国を立ち上げる。
シャアの幼少期であるU.C.0068ではムンゾ自治共和国の副議長を務めた。
『ORIGIN』では急死前のダイクンが狂気に苛まれたタカ派であり、デギンは比較的穏健派として描かれている。
ダイクン急死により議長の座を継いでザビ家の独裁体制を作り、ジンバといったダイクン派を排除した一方、息子のランバ・ラルはムンゾ防衛隊に人望があるとして勝者の余裕で見逃し、ギレンにも彼に倣い腹芸を身に付けるよう助言した。
地球連邦にはガルマを中心に士官候補生が起こした暁の蜂起による圧をかけるも、士官学校を監督する立場にあったドズルを激しく叱責。
戦争だけは避けるようギレンに念押ししていたが、MS開発といった武装化の一途を辿り、暁の蜂起を切っ掛けに一年戦争を開戦、遂にはコロニー落としという人類史上最悪の暴挙を成し遂げてしまう。
ルウム戦役で捕らえたレビルと前向きな早期講和に臨むも、キシリア機関の手で脱出されその後の演説を目の当たりにして恩知らずと憤怒、溺愛するガルマに地球での奮闘を鼓舞するほど怒りを示した。

作者の安彦良和氏はザビ家の不和が加速した原因として次男サスロが亡くなった事を描き、優秀で裏表のない正直者の存在が家族内のバランスを取っていたとされている。
サスロ死亡原因である車両の爆発事件は事前に叱責と制裁を受けたキシリアが手を回した(と受け取れる描写もある)ため、ジオン軍はお家騒動で自滅という説を補強する形となった。


【関係人物】

ジオン公国軍総帥を務めるザビ家の長男。
一年戦争ではジオン公国軍の総指揮を執ると共にアジテーターとして手腕を振るい、名演説で国民の心を掴んだ。
デギンはこの独裁体制を嫌悪しており、タカ派のギレンを西暦に存在した独裁者であるアドルフ・ヒトラーに準え、冒頭のように「ヒットラーの尻尾」と称したが聞く耳を持たれず、かつての覇気を失くした姿を「老いた」とされデギンが和平交渉に向かった際レビル艦隊諸共ソーラ・レイで謀殺した。
『ORIGIN』ではルウム戦役の時点で兵士の鼓舞や戦意高揚名目でグレートデギンを前線に出し、既に謀殺の兆候を表した。
デギンは過激思想を「ダイクンの無念が悪魔に変じてあれに憑いた」とも語っている。

突撃機動軍司令を務めるザビ家の長女。
デギンは少なくともキシリアには敬愛され、ソーラ・レイによる謀殺を機にウマの合わなかったギレン粛清を決断している。
しかし逆にデギンはキシリアを疎んでおり、ギレンが「父上の思想を私が独裁に歪めたというわけですか」と語ると「キシリアとな」とわざわざ併称している。レビルへの和平交渉の際も、デギンはキシリアに対して事前相談を一切していなかった*3
『ORIGIN』では描写が逆になり、デギンはキシリアを信頼しているが、キシリアはデギンを内心で軽蔑している。終盤ではわざとデギンをそそのかし、ソーラ・レイを打ち込む目標となるようレビルに接触させる策略を練った。
他にもレビルの地球連邦軍への帰還は戦争継続を望むキシリアが裏で手を回し、サスロ死亡にも関与している可能性が仄めかされた。

宇宙攻撃軍司令を務めるザビ家の三男。デギンとは一番容姿が似通っている。
しかしなまじ似ているゆえかデギンは彼を特に嫌っており、ソロモンが連邦軍に狙われていると知りながら援護に役立つソーラ・レイの開発に反対したり、支援を求める家族会議にデギンだけ顔を出さなかったり、あげくドズル戦死の報告を受けても顔色一つ変えず「ドズルにしてもっともなことであるよ」と一言コメントするだけだったりと、あまりに冷淡にふるまった。
この態度にはさすがのギレンも憤慨し、父への隔意をますます強くした。
一方『ORIGIN』では、ドズル戦死を「短慮を起こしたからだ」とギレンが軽視、デギンが怒りを爆発させる、と逆の描写になった。
しかし彼の死を機にデギンは連邦との和平に一気に進むこととなる。
もしかしたらドズルの死は彼なりに悲しかったものの、サスロやガルマが死んだ時点で息子の死に慣れてしまったのかもしれない…。

地球方面軍司令を務めるザビ家の四男。目つきは似ているが、他はすべて母親似。
ザビ家打倒を目論むシャアに謀殺され、静かな追悼を願うデギンの心中虚しくギレンにより国葬が組まれ国民の戦意高揚へ利用。
ガルマが生前送った映像データは手元に置かれ、繰り返し観ては物思いに耽っていた。
『ORIGIN』では士官学校時代にシャアが扇動する形で起こした学生の決起運動「暁の蜂起」の首謀者に祭り上げられ、ズムシティの暴徒鎮圧に動いた地球連邦軍の駐屯地を破壊し武装解除、後の一年戦争の発端を開いた。

  • サスロ・ザビ
一年戦争以前に死亡しているザビ家の次男。
時系列上TVアニメ版と劇場版には登場しないが、名前が触れられた作品では冷徹なギレンが惜しむ逸材とされている。
『ORIGIN』で人となりが明かされ、デギン、ギレン、ドズルを足して割ったような姿で、世論操作に長け仕事に関して優秀な人物として描かれた。
失態を犯したキシリアに手を上げる直情的な一面はあるものの、率直に感情を表す性格は兄弟間の調整役として機能していたが、車で走行中に爆殺されてしまい彼の死後ギレンとキシリアの不和が加速する。

  • ナルス・ザビ
デギンの妻。
サスロと共に一年戦争には登場せず、四男ガルマを出産して亡くなったとされている。
デギンはガルマに対する思い入れが他兄弟より強く、『ORIGIN』では手を取って「不憫なことをした、年老いてから子なぞ作るものではない」と格別の情があった事が語られている。

  • ダルシア・バハロ
ジオン公国の首相。
議会はギレンの支配下にあるためお飾りの首相として席が置かれ、本人も傀儡である事を自覚している。
一年戦争末期にデギンから和平工作の密命を帯びて行動を起こす。
ア・バオア・クーの決定的敗戦によりザビ家不在となった公国のトップとして戦争終結に尽力した。

ジオン共和国の指導者。
人類を宇宙に上げコロニー国家を樹立する思想を広めサイド3の変革に尽力し、ジオン共和国を立ち上げるも志半ばで急死した。
死亡原因は多くの人物からザビ家の(というか年齢的にデギンの)仕業と目されているが、表向きには心臓発作として処理。
元々地球連邦の高官ということもあり、タカ派のザビ家と異なり全面戦争には否定的とされている。
なおデギンはギレンとの口論で「ジオン・ダイクンのやり方は民間の政治活動でしかなく、『宇宙移民者の国家』として地球連邦も認めるようになるのはジオン公国の存在が初めてだった(デギンの手腕があって初めて可能だった)」として、ダイクンの思想や活動に対してデギンが不足を感じていたことを言及している。
ダイクン個人に対してはジオン公国(共和国)やズムシティ、公王庁のダイクンの間と国民への名声を利用する形ではあるが象徴として名前を残し、『ORIGIN』でギレン暴走の際にはダイクンの理想だけでも叶えるべく地球連邦との和平交渉に赴いた。

ダイクンの長男。
ダイクン急死に端を発し母アストライアと離れ離れ、妹アルテイシアと共にジンバ・ラルから復讐を唆され、地球に住むテアボロ・マスに引き取られる。
無念の中で散ったダイクンの復讐を目的にザビ家打倒へ動き出し、素性を隠すため仮面を着け「シャア・アズナブル」を名乗る。
『ORIGIN』ではダイクン急死後に幽閉されたアストライアの死去を重く受け止めザビ家打倒の道に進んだと描かれ、テキサスコロニーで知り合った本物のシャアをキシリア機関を利用して謀殺し、入れ替わる形で士官学校に紛れ込んだ。
……とデギンにとって「かつてのライバルの忘れ形見」ではあるが、作中では接触する場面は全くない。

ダイクンの長女。
修羅の道に突き進んだ兄と対照的に人の命を救う医者を志す。
『ORIGIN』ではテキサスコロニーの暴徒発生時に住民を纏め上げて自ら銃を取り、ダイクンとキャスバル同様のカリスマ性や才覚が垣間見えた。
義父であるテアボロの死後はジオン軍から逃れるため工事関係者の地区が無医村状態のサイド7に向かい、一年戦争後期にホワイトベースに乗艦する。

  • ジンバ・ラル
ランバ・ラルの父親でジオン・ダイクンに心酔する側近。当然デギンの政敵。
ORIGINでは彼の被害妄想による妄執が間接的にシャアを復讐に走らせる。

地球連邦軍の将軍。
ルウム戦役で捕らえられデギンと会談するが、地球連邦帰還後に「ジオンに兵なし」の演説を行い戦意高揚を図った。
一年戦争末期では和平交渉のため投降したデギンに「辛いのだな、ジオンも」と呟いたが、直後ソーラ・レイに焼かれて死亡する。


【ゲーム作品での活躍】

機動戦士ガンダム ギレンの野望』ではシリーズ全作品に登場。しかし息子が総大将のため空気気味。
シリーズの恒例イベントとして、ジオン公国編にてソーラ・レイが完成していれば、和平交渉へ向かうデギンの情報を掴み、彼のいる宙域「ゲル・ドルバ」にソーラ・レイを照準に向けるかどうかの選択が出る。原作通り消し飛ばしてしまうと…

『ジオンの系譜』では、ギレンと決裂したキシリアが正統ジオン、ドズルの支援を受けたガルマが新生ジオンを名乗り、三つ巴の戦いを繰り広げる「デギンの憂鬱」というIFシナリオが用意され、デギンが頭を抱えそうな展開が描かれている。
存命時はザビ家の政権争いや不和には干渉しなかったが、やはりお家騒動は悩みの種であった模様。

アクシズの脅威、脅威Vでは和平交渉のタイミングが異なり、地上侵攻がほぼ完了した頃に星一号作戦*4が発動する。3ターン後に和平交渉イベント。
この時、ソーラ・レイが完成していた場合はゲル・ドルバに照準を向けるか選択する。デギンを消し飛ばした場合、キシリア逮捕の選択肢。NOを選ぶとギレンが射殺され、原作エンドに突入。YESだと逮捕に成功するも、後にキシリアを旗印に正統ジオンが発足してしまう。
ゲル・ドルバを狙わない場合、ソーラ・レイは連邦艦隊中心部に照準を合わせ、戦力を50%削ってくれる。狙われなかったデギンとレビルは生存。和平交渉実施によりジオン軍の士気が低下するが、演説をすればリカバリーできる。こちらの選択肢を選べば、損は少ない。

Gジェネレーションシリーズではゴッドガンダムに乗せていると突然「ゴッドフィンガーのみを支持する」などと言い出す。
原作の「わしとて公王制をひいた男だぞ。貴公の軍政のみを支持する」という台詞のオマージュだが、多数の人間を殺してしまい意気消沈した彼が、少なくとも無辜の民が犠牲にはなりにくいガンダムファイトを支持するというのは意外と理にかなっている。

スーパーロボット大戦シリーズでも子供たちのアクの強さに負けて一年戦争題材でもあまり目立てないシナリオNPCだったが、『OE』ではギレンが凶行に及べないオリジナル展開に入る。プレイヤーとの交戦機会は最後まで無いながらも、自ら望んで前線に出て将兵を奮起させた果てに勝利と引き換えの戦死…というGジェネに勝るとも劣らない存在感を残す退場劇を演じた。
その後、キシリアはギレンと袂を分かち連邦側に距離を寄せた別勢力を立ち上げるのだが、最終的にはアンゴル=モアのおかげでギレン・キシリア・ガルマらは生存したままエンディングを迎える。ドズルこそ助からないものの、草葉の陰で満足するデギンだったのではなかろうか。



【余談】


ゆうえんちをこわしててきのロボットをおびきだせ!


朝日ソノラマが発売した絵本シリーズ『機動戦士ガンダム』第一集では、悪事を企む敵国の王という70年代ロボットアニメや特撮でお馴染みのキャラクターで登場。
デギン直々に命令を受けたシャアがフラウたちの滞在している遊園地をザクⅡで襲撃という衝撃の展開が描かれている。実行犯はジーンとデニムスレンダーはいません。
アムロの所属が地球連邦軍ではなく地球防衛軍、熱光線を出すザク、ガンダムの顔くらい大きい空飛ぶハロと、ファーストを知っているとツッコミどころ満載な内容。この作品においては本当にジオン星人かもしれない。
最後はガンダムの手足を遊具代わりに遊ぶキッカたちで締め括るという、奇しくも『ジャイアントロボ(東映版)』のボツ案に通じる終わり方を迎えている。流石に第二集以降はTVアニメ版に則った内容も描かれた。

また、他に朝日ソノラマから発売したガンダム関連本が富野由悠季監督作の『機動戦士ガンダム(小説版)』である。
こちらでもダルシア首相に和平工作を密かに命じていたが*5自ら出向くことはなく存命のまま終戦し退位したとあり、最終的な処遇は不明である。

その他、本編と関係ない派生作品ではその人相の悪さからか、人外じみた扱いのラスボスになる事が多々ある。
第2作「円卓の騎士編ラスボスの「帝王グレートデギン」として登場。
邪獣エレメンタルラフレシアと融合*6して邪獣王ギガサラマンダーに変身する。

  • 『トニーたけざきのガンダム漫画』
ソーラ・レイを浴びたことでグレートデギンと合体し、身長180m・体重10万tの大巨人デギン・ザ・グレートに変身。
股間部分が戦艦になった全裸のおっさんという衝撃的な姿でホワイトベース隊含む連邦軍艦隊を壊滅させる。
まあ夢落ちだったけど。

  • 『機動戦士ガンダムさん』
2-4巻収録の「宇宙島のガルマくん」シリーズはどう見ても昭和30年代なコロニーの貧乏一家「ザビ家」主役なので当然登場。
家では野球好きな普通のオヤジ、外では宇宙港の労働組合長。特技は腹踊り
また10巻収録の「何かが間違って伝わって誤解されたまま制作された機動戦士ガンダム」にてラスボスとして登場。
デギン・ザ・グレート並みの超巨体となり、ガンダムを指一本で圧倒するものの、黄金に光輝いたガンダムの渾身の拳を受けて絶命する。




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最終更新:2025年04月12日 17:15

*1 ただ、当のガルマも「木馬を倒して、家柄だけの男ではないと示してみせる」とどちらかと言えば好戦的・野心的なメッセージを送っており、本当にデギンの思想に呼応していたかは不明。アースノイドへの蔑視はしていなかったようだが……。

*2 ジオン公国自らが開戦序盤にやったように、コロニーを破壊して住民を皆殺しにすることはたやすく、逆にコロニーを守りながら戦うことは極めて困難である。

*3 デギンがレビル艦隊に接触するため出港した後にキシリアによるレビル艦隊攻撃が行われた。またキシリアは通信を傍受するまで、グレートデギンが連邦艦隊の予測地点にいることを知らなかった。

*4 脅威では何故かソロモンを無視してア・バオア・クーが標的となっていたが、脅威Vではソロモンが強襲される。

*5 そもそもダルシア首相やギレンの秘書セシリア・アイリーンは小説版初出で映画Ⅲに反映されたキャラ達である

*6 漫画版では悪道士α・アジールに力を封印して貰っているという設定で、アジールの変身したエレメンタルラフレシアが死亡したことで封印が解け変貌を遂げる