登録日:2011/12/07 (水) 00:21:54
更新日:2025/03/07 Fri 14:34:39
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●概要
ロニ・ガーベイは『
機動戦士ガンダムUC』の登場人物。
小説・OVAどちらにも登場するが、基本的に原作に準拠して作られている本作品のOVAでは珍しく、設定が異なるキャラクターである。
CV:
伊瀬茉莉也
搭乗機:
シャンブロ
(小説ではサイコミュ統制のみを担当しているが、OVAではメインパイロットを務めている)
上述した通りに設定が異なるため、小説とOVAで分けて説明する。
●小説でのロニ
『ドバイの末裔』たるマハディ・ガーベイの娘であり、二人の兄がいる。
容姿はボリュームのある長い黒髪に褐色の肌を持つ中東系の美少女。
バナージよりも2つ年上とはいえまだ未成年にもかかわらず、自分より大柄な男性を相手に怖じけづくことなく交渉をしたり、
物が飛んでくるスラムを車で怖がったりせずに通り抜けるなど度胸がある他、深い知識も持つ大人びた性格をしている。
ロニのこの性格はバナージの母親に通じるものがあるらしく、バナージはそんな彼女の性格に好感と懐かしさを覚えた。
子供好きでもあり、転んで泣き始めた子供を慣れた様子で宥めることもあった。
そのことについてバナージに質問されると、子供好きであることを認め、『十人くらいは欲しい(産みたい)』と答えている。
ちなみに、ジンネマンいわくバナージの質問に対するロニの解答は誰にでも聞かせる話ではないだろうとのことで、ロニがバナージに好感を抱いている(脈アリだ)と推察した。
バナージ本人も、ジンネマンの『口説いてみろ』という提案に、満更でもない反応を返している。
●OVAでのロニ
原作とは違って、母親だけでなく父親のマハディとも既に死別しており、天涯孤独の身。
二人の兄に至ってはおそらく存在が抹消されている
両親と死別した後、自分を引き取ってくれた
ジオン残党のリーダー、ヨンム・カークスを父親(実質的にも養父兼師匠)のように慕っている少女という設定になっている。
その両親は地球連邦軍によるジオン残党狩りに遭い、降伏も許されずに嬲り殺しにされた(らしい)とのことで、
原作では、ロニ自身は父親ほどは地球連邦に対して憎悪を抱いている様子はなかったが、こちらではロニ自身も連邦に深い憎悪を抱いている。
容姿も、『黒髪』ではなく『青髪』に変更されているが、それ以外は特に変わらない。
物語中盤には、ロニはシャンブロに乗り込み、
ザクⅠ・スナイパータイプに搭乗するカークスや、彼の指揮下のジオン残党の協力も得て連邦への反抗作戦を実行。
しかし、シャンブロのサイコミュが暴走し、居住区や住宅地にも無差別に攻撃を仕掛け、連邦軍兵士以外の一般市民にも多数の犠牲を出したため、
カークスは再三「無用な攻撃はするな」とロニに忠告するが、連邦への憎悪に染まったロニの耳には届かず、
その“虐殺”を見かね、予定時刻より早くガランシェールから出撃したユニコーンガンダム/バナージに静止される。
また、バナージに対する態度も違っており、初対面から『バナージ・リンクス』という個人としてバナージと接していた小説とは対照的に、
OVAでは「『角割れ(ユニコーンのあだ名)』(ラプラスの箱)の鍵」としか見てなかったような描写がある。
なお、小説ではロニの父親であるマハディがこのような対応をバナージに対して行っている。
●小説
シャンブロの「サイコミュ担当」として、父や兄達と一緒に搭乗しダカールを破壊するも、必要以上にダカールを破壊するマハディの姿に違和感を覚え始める。
やがて「
袖付き」の作戦通りにバナージの乗るユニコーンがシャンブロの前に降り立つが、
立場上味方であるはずのユニコーンは、シャンブロを止めるかのように立ちはだかった。
そして、ダカールを焼くシャンブロを制止しようとするバナージの訴えをきっかけに、
ロニも、ダカールを必要以上に焼き払い、無関係な人々を虐殺するマハディに反発し、サイコミュ統制の役目を拒否。
だが妻を連邦軍に殺された怨みと白人への憎悪で曇った父にはその思いは伝わらず、
拳銃で撃たれその命を散らした…。
その後は死亡したために出なかったものの、最終巻で思念(死者の魂)の一つとして登場。
かつての
カミーユ・ビダンのように、思念に自らの身体を使わせようとしたバナージを、『自分を消すような真似をしてはならない』と諌めた。
小説での主な台詞(独白含む)
「(もしロニが原理主義者のムスリムだったら)どうなるんです?」
「殺されるか、私と結婚するか。二つに一つね」
「人の恨みは、そう簡単には消えないという証よ」
「地球と人類を存続させるために、増えすぎた人口を宇宙に棄てた連邦政府。人間だけじゃない。私たちの神も殺されたわ。『神の世紀との決別』という言葉によって」
「漫然と決め事を受け取るんじゃなくて、変えるべきことは変えていかなきゃ」
「子供、好きなんですね」
「そりゃ、子供は可能性の塊だもの。十人くらいは欲しいかな」
「十人……!」
「それも抵抗の一つね。民族を絶やさないために、女性ができる最大の抵抗かも」
「無用な被害の拡大は、人心に敵意を煽るだけです」
(これが聖戦か?バナージのような少年まで敵に回して、私たちはいったいなにをしているのだ?)
「お父様。引き返してください」
「お母様もこんなことは望んでいない。私たちは、私たちと同じ恨みと悲しみを世界中に拡げようとしている」
(せっかくふれあえたのに、私はこんなふうにしかできなかった。
ごめんね、バナージ……)
●OVA
原作では複座式だったが、本作ではサイコミュの補助等もあって一人で操縦できるシャンブロに乗り、
トリントン湾岸基地から上陸し、連邦への憎しみに駆られるままにダカールの町を焼き払いながら進撃するが、
その“虐殺”を見かね、予定時間より早く降下したバナージの駆るユニコーンガンダムがその眼前に立ちはだかる。
ロニはその行動を「裏切り」と取り、ユニコーンに進路から退かなければ敵と見なして排除すると勧告し、実際に攻撃もするが、
武器を構えることなく、「それは本当に君自身がやりたいことなのか」「本当の君はそれでいいのか」と攻撃中止を訴えかけるバナージの説得と、
攻撃されることを恐れず、自らユニコーンのコクピットから身を乗り出してみせる彼の真摯な姿勢に心を打たれ、一時は攻撃を止める。
しかし、タイミング悪くその直後にカークスが戦死してしまい、それを感じ取ってしまったことで、
死に際、ロニに「俺たちのようにはなるな」と叫んだカークスの想いも空しく、心の依り処が父から残されたシャンブロだけになってしまったロニは、
カークスまで奪った連邦への憎しみに再度囚われ、再びダカールへの攻撃を再開してしまう。
ロニは、未だ説得を諦めないバナージ(ユニコーン)を、彼と共闘する
リディの
デルタプラス諸共排除しようとするが、
カークスの死念から「俺たちの戦争は終わったよ」と告げられたことで涙を流し、戦意を喪失する。
しかし、サイコミュに宿るマハディの怨念に突き動かされるシャンブロは、最早ロニにも止められなくなっていた。
バナージはリディから「破壊するしかシャンブロを止める方法はない」と強く言われ、メガ粒子砲を放たんとするシャンブロにビームマグナムを構えるが、
トリガーを引く寸前、サイコミュを通してロニの、自分たちの出会いとその結末の哀しみが伝わったバナージは涙ながらに発砲を拒否。
やがて放たれたメガ粒子砲が、ロニの最期の意思に呼応したシャンブロ自身のリフレクタービットでユニコーンたちに届く前に霧散していく中、
バナージを見限ったリディが、ユニコーンの手から奪い取ったビームマグナムの引き金を、シャンブロのコクピット目掛けて引いた。
その閃光はまっすぐコクピットを貫き、涙を流して手を伸ばすバナージの目前で、ロニは父親の怨念諸共、光の中に消えて逝った…。
OVAでの主な台詞
「父も母も、ジオンの残党狩りで死んだ!
投降を許されず、殺されたんだ!なぶり殺しだ。
父の遺思を継ぐためだけに生きて、私は今"ここ"にいる!
箱など開かずとも良い!そんなことで晴れるほど、浅い恨みではないのだ!
そこをどけぇぇぇっ!」
「理不尽には怒るのが人間だ。人は神じゃない」
「"それでも"!止めなきゃダメなんだ!」
「お父様…お母様…。私には…」
「カークスをやったのか…。連邦がまた奪った…。私を護ってくれた人を…!最後の家族を…!」
「ロニさん!」
「私の居場所はもう…"ここ"だけだ!」
「呑まれてはダメだ、ロニさん!」
「子供が親の願いに呑まれるのは、世の定めなんだよバナージ。私は間違っていない」
「それは願いなんかじゃない、呪いだ!」
「同じだ!託されたことを為す。それが親に血肉を与えられた子の、血の役目なんだよ!」
小説では
ガンダムの
ララァ・スンや、
Ζガンダムの
フォウ・ムラサメのように、
主人公と心を通わせながらも敵対し、死んでしまうヒロインのような役割のロニだが、
OVAではバナージと同じく『親の願いを託された子供』ながら、それが呪いとなって自分の死を招くという、ある意味バナージのもう一つの姿にも思える役割にある。
設定の変更は、もちろん小説の流れをそのまま映像化すれば尺が長くなり過ぎるというのも理由にはあるのだろうが、
『親に願いを託されることは、子供にとって必ずしも良いことではない』ということを言いたかったのかもしれない。
まあ小説版の設定がイスラム過激派テロリストそのもの過ぎて迂闊に使えず、改変を余儀無くされたのが一番の理由だろう。
どの作品でも概ね展開は同じ。
だが、条件を満たすことによって生存させることが可能である。
今の所、どの作品でも仲間として加入はしないが、別ルートの解放条件の一つになったり、隠しユニットの入手条件になったりしている。
項目を増やすだけでなく、追記・修正もする。
それが、冥殿にアニヲタwikiを与えられた、wiki篭りの役目なんだよ!
- デラーズ・フリートをよく叩く人がいるけど、ぶっちゃけこいつのやったことも大して変わらないよな はた迷惑この上ない -- 名無しさん (2013-09-29 17:39:45)
- 声優ってスゲーって普通に思った -- 名無しさん (2013-10-16 13:02:52)
- アニメでバナージがロニを撃てませんと絶叫したオリジナル展開だが、種のせいで近年でアレやるとどうなるか想像出来なかったのかと思った。 -- 名無し (2013-10-19 23:31:23)
- 種のキラは不殺の中にあくまで自分が嫌な思いしたくないだけとちがってバナージがロニを殺したくないと思うまでをきっちり書いてるんだから、個人的には良かった -- 名無しさん (2014-01-12 00:39:46)
- ぶっちゃけ他のジオン残党のやりたい放題っぷりを見ると、苛烈な残党狩りもある程度はしょうがないと思う。 -- 名無しさん (2014-03-29 22:36:44)
- 第3次Z時獄篇で条件で生存するらしい(ただし、味方パイロットとしては未参加。)。 -- 名無しくん(20代です) (2014-04-15 21:25:48)
- あと、アニメ版名義の出展だが、若干原作小説版を意識した台詞がある。 -- 名無しさん (2014-04-15 22:41:14)
- ↑×2出るの!? -- 名無しさん (2014-04-15 23:05:08)
- 今回はEp4まで、バンシィは無し。隠しでバイカス、クシャ(機体のみ)だとか。 -- 名無しさん (2014-04-16 01:52:46)
- とりあえずバナージで撃墜すれば助かる 良かったね伊瀬茉莉也さん -- 名無しさん (2014-04-28 21:02:31)
- ↑その回でヒイロがゼロシステムで何か見てたようだが、続編で何かあるのフラグかな? -- 名無し (2014-05-10 12:07:57)
- ↑もしくは、運命に抗うifルートの事かも知れん。 どうやらロニを生存させるとifルートのポイントが貯まるみたいだからな。 ↑3 ついでにジュアッグも隠しで手に入るぞ。 -- 名無しさん (2014-05-10 12:37:06)
- 小説版ロニさんが好きな人にはUCバンドデシネがオススメ アニメ版の絵柄で小説版ロニさんの話が読めるよ! -- 名無しさん (2014-05-10 12:52:17)
- バンデシネは原作小説とOVAのハイブリッドだよね、ロニさんに限らず。 -- 名無しさん (2014-05-25 17:55:23)
- ロニやカークスさんのそっくりさんがガンダムビルドファイターズの世界で平穏に暮らしてることを祈るばかり。同じ中の人が演じてるガンプラビルダーズのベアッガイ使いは仲間の白式ピザを奴隷扱いしているからアウトな。 -- 名無しさん (2014-06-09 22:17:36)
- もしそうならガーベイ一族は太陽光発電会社の経営者一族になるのか あの世界でもロニは子供10人欲しいって言うのだろうか… -- 名無しさん (2014-06-10 00:07:48)
- アニメで描かれてなかったのは、尺とかもあるだろうけど。イスラムタブーに触れたのが原因かな?と少し思っている。 -- 名無しさん (2014-07-11 12:44:17)
- バナージの成長にニンマリするジンネマンや「それが親父のする事かァ⁉︎」って台詞が好きなだけに、尺の都合とは言えロニ関係の改変は不服。 -- 名無しさん (2014-12-16 00:47:26)
- 小説のロニさをは素敵な女性。 -- 名無しさん (2014-12-28 01:34:46)
- マリーダと比べると全体的に優遇されているとはいえ、さすがにアニメ版のロニは0083のガトーの行動に近い点が特に改悪だと思う -- 名無しさん (2015-03-17 16:37:57)
- とゆうかアニメだとバナージとの絡みが薄いし可哀想なのは確かだがあれだとヒステリーの八つ当たりしてるようにしか見えないからあまりロニに同情できない… -- 名無しさん (2015-11-17 21:09:35)
- というかOVAのあれで責められるべきはロニより、ロニをあんな風にしか育てられなかったカークスたちだろう。自分たちのようになるな、と言いながら「反感」を育てておいて今更何を言うんだって話だ -- (2015-11-17 21:21:06)
- エピソード4はカークスもロニもポット出でそれっぽいセリフを言って死ぬだけだから感情移入しようがない…まあ尺の都合なんだろうけどさ -- 名無しさん (2015-11-18 08:36:01)
- スパロボBXでユニコーンのルートに行かなかった場合の彼女の生存フラグは意味不明すぎることでプレイヤーの間で有名。なぜかマジンガーのシナリオとゴーグ・ガリアンのシナリオでのバナージの撃墜数が関係している。ゼハートに助けられてヴェイガンに保護されていた。 -- 名無しさん (2015-11-18 16:13:52)
- UCとOOには共通点が多いが、人間扱いされず酷い目に遭い続けたマリーダがネーナなら、自らの意思で行動することができたロニは(リディ同様)ルイスに相当する人物と言えるのかもしれない。いずれにせよ、マリーダの悲劇が強調されてしまうのは否定できない -- 名無しさん (2016-05-05 09:19:12)
- まいす -- 名無しさん (2016-05-05 09:40:07)
- 毎週焼かれるロニ -- 名無しさん (2016-05-05 09:40:40)
- あれだけ自分の恨みを後の世代に擦り付けて「俺の様になるな」「俺達の戦争は終わった」なんていけしゃあしゃあと吐くカークスの下衆さ。神の国でなく六道地獄に堕ちろあの老害テロリスト -- 名無しさん (2016-05-05 09:55:25)
- カークス叩かれてるけど彼らの置かれてる環境考えて書き込みしてるのか? -- 名無しさん (2016-05-15 00:09:31)
- ↑カークスのような環境に置かれているからこそ、次代をに憎しみを残さないようする……というわけにはいかないのかな -- (2016-05-15 00:16:02)
- 撃てませーん、言葉だけ見てそこに至る経緯が見れてないやつ多すぎ、最初から何回も見直してみるべし -- 名無しさん (2016-06-28 20:28:13)
- おおかた動画サイトで違法upされた部分だけを見て知った気になってるクソ視聴者なんだから、初めから見るようなマメな事は言われてもせんよ -- 名無しさん (2016-07-29 15:07:08)
- いや、本編見てても撃てましぇーんwは失笑だっただろ、特に接点もない頭おかしい虐殺ジオン女になに同情してんだよってなったわ。挙句に好き放題虐殺した挙句に「悲しいね」って言われてもは?ってなるわ。 -- 名無しさん (2016-07-29 18:29:23)
- ↑:↑2に該当してるって自己紹介しなくていいよ -- 名無しさん (2016-07-29 19:40:26)
- 投降許されずなぶり殺しにされたというが、あの様観てると両親追いつめられる前にテロで一般市民殺しまくった自業自得じちゃうんかとしか思えんのよね -- 名無しさん (2016-08-07 21:50:59)
- ネオ・ジオングが味方になったんだ・・・ロニさんとシャンブロを・・・ そしてアイナとアプサラスで・・・ -- 名無しさん (2018-01-14 19:45:58)
- 結局バナージが何をやっても貴族主義者やマリア主義者、木星人の台頭は防げずサイコフレームの悪用もバリバリ進むという喜劇よ -- 名無しさん (2020-04-16 02:00:18)
- シャンブロが紅蓮に似てると思ったら、英語版の中の人がカレンと同じと言う偶然。狙ったの? -- 名無しさん (2021-11-20 03:11:44)
- 最近アニメを見返したが、バナージとロニの事前交流が物足りないってのは確かにあるんだよなあ。交戦状態に入ってから精神感応でお互いの境遇をいきなり理解する、っていう流れだから、唐突というか詰め込めすぎ感が出ちゃってる。リディも含めた『親の願いを託された子供』たちの因縁、という構図はナイスアイデアだったと思うし、そこをもう少しじっくり時間をかけて描くことができていれば……と思うと勿体なかった感はある。自分個人としても「撃てません!」に至るまでの会話シーンはすごく好きなので。 -- 名無しさん (2022-01-24 18:06:12)
- しかし親父が親父でアニメ化出来ないからアレ以外にない -- 名無しさん (2023-02-26 19:17:06)
- DDにおけるロニの救出が覚醒人一号の最大の見せ場 注)覚醒人1号は原作では大体ベターマンに助けられる役です -- 名無しさん (2023-08-19 23:14:24)
最終更新:2025年03月07日 14:34