ザクⅠ・スナイパータイプ

登録日:2012/05/07(月) 21:40:27
更新日:2025/04/21 Mon 18:09:08
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援護する!撤退しろ!


ザクI・スナイパータイプとはガンダムシリーズに登場するMS。

  • 機体データ
ZAKU I SNIPER TYPE
型式番号:MS-05L
所属:ジオン公国軍
開発:キャリフォルニア・ベース
全高:17.5m
重量:67.9t
出力:899kW (+700KW)
推力:8,400kg
装甲材質:超硬スチール合金
武装:
主な搭乗者:ヨンム・カークス


「ハーモニー・オブ・ガンダム」で設定され、後に「機動戦士ガンダムUC」に登場したジオン公国軍のMS。
当時のガンダムゲーではジオン側で狙撃戦を行える機体がゲルググJくらいしかなかったため、その穴を埋めるために設定された。


一年戦争最初期に開発され、ジオンの優位性を確立させた「モビルスーツ(MS)」の元祖である「ザクI」。
同機は既存の各種兵器に比べて優れた性能を誇っていたものの、程なくしてより軍用MSとしての完成度を高めた後継機「ザクII」に主力量産機の座を譲ることとなる。

しかし第一線を退いたとは言えザクIも国力に乏しいジオン公国にとっては貴重なMSであり、作業用等よりも戦場で有効活用したい……という考えの元で改修され、生み出されたのが本機である。


◇機体性能

機体全体として長距離狙撃に特化しており、カメラアイをザク強行偵察型のものに変更、脚部には姿勢制御用の特殊ギアが装備されており*1、射撃時の安定性を高めている。
また背中に大型サブ・ジェネレータを外付けすることにより、ザクIでありながら高出力ビーム兵器の使用を可能にした(ちなみにここにはゲルググビームライフル開発で得られたノウハウが活かされている)。

しかし旧式かつ狙撃特化機であるため白兵戦闘能力は低い。
一応生還率を上げるために頭部バルカンを固定装備し、ザクマシンガンやヒートホークも携行できるが、駆動系の出力やフレームの剛性などの基礎性能が物を言う接近戦では(背部ジェネレータの重量もあって)機動性に欠ける本機が生き残れる確率は低い。

連邦側の狙撃機体であるジム・スナイパーのような「狙撃さえも可能な高性能汎用機」とは違い、実質的には「狙撃しかできない機体」と言えるため、一部の媒体では砲台呼ばわりされていたりする。


(凸)<フヒヒwwwジリジリ

ザ砂<タスケテー!誰カー!


なおUCに登場するカークス少佐の機体には追加で指揮官用レーダーや固定用のハードポイント、ファットアンクル改に体を固定するためのフックなどが増設され、コックピットも統合整備計画の物が使用されている。

因みに漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』序盤でダリル・ローレンツが搭乗しビッグガンによる狙撃を行っていた機体は、本機ではなく普通の旧ザクである。


◇武装

  • ビーム・スナイパー・ライフル
背部のサブジェネレータとチューブで直結された本機の主兵装。
遠距離の敵MSを一方的に破壊可能な高出力を誇り、出力を抑えることでそれなりに連射も効く。
ただし出力に対して銃身の冷却機能が低いのか連続使用するとバレル部分が赤熱化して焼付くため、一定間隔でバレルを交換する必要がある。
ちなみにカークス機は背中に予備バレルが入ったケースが二つマウントされており、劇中でも狙撃の合間にバレルを交換している。
デザイン元はゲルググJのライフルと同じMG42と思われる。銃身交換の構造や手順もほぼ同一。

牽制用の副兵装。威力は低く、MS相手には効果は薄い。一応ザク系統とりわけザクIの派生機では珍しい武器。

ザクご用達の105mmもしくは120mmマシンガン。安定した性能を誇るため近距離での主兵装となる。

ご存じザクの格闘武器。
上記の通りこの機体が近接格闘戦を強いられる時点で状況は絶望的なのだが、それでも最後の悪あがきとして装備されている。


ゲーム以外ではあまり脚光を浴びることのないマイナー機だったのだが『機動戦士ガンダムUC』にて名有りキャラの愛機として登場。連邦軍のMSや通常兵器を多数撃破したため一気に知名度が上がった。
なおアニメでの初登場はガンプラビルダーズである。


◇劇中の活躍

登場は第4話「重力の井戸の底で」。
ダカール及びトリントン基地攻撃の際にジオン残党のヨンム・カークス少佐の愛機として登場し、ファット・アンクル改に固定された状態で上空からの部隊指揮と的確な狙撃により高い戦果を挙げた。

UCの時代では文句無しの骨董品にもかかわらず、パイロットの腕と戦術により狙撃性能が十二分に発揮され、先述の通りネモ等のMSから発進前のセイバーフィッシュ、応戦を試みた歩兵部隊のリジーナやホバートラック、さらには倉庫内で出撃前のネモⅢなど多くの敵戦力を撃破しMS部隊の侵攻に大きく貢献した。
ちなみに残党軍の脅威となる航空戦力や対空装備を持つ機体を優先的に狙っていたらしく、バイアラン・カスタムのスラスターを破壊し戦線離脱させている。

しかし時間経過で奇襲の効果が薄れるとともに戦局は急速に悪化し、味方の後退支援を行っていた本機も駆け付けたロンド・ベルのジェスタ隊(トライスター)の攻撃を受ける。

ビーム攻撃を受けたファット・アンクル改から固定具をパージして脱出した本機は眼下にあったコロニーの残骸の斜面を降下しつつ、自分が滑り降りている残骸越しに敵機を狙撃するという荒業で対抗するが、ベースジャバーに掠っただけで直撃とはいかずにジェスタ隊と正面から戦うことになる。

乗り手の技量も非常に高く機体性能では天と地の差があるジェスタ3機に対して残弾1発の本機という圧倒的不利な状況で、カークス少佐は自爆を決行。
ジェスタ隊を巻き込むため突撃しつつ腹部にビーム・スナイパー・ライフルを突き刺し自爆を計るも、トリガーに手を伸ばすやいなやジェスタ隊のナイジェルに気付かれ両腕を切断されて失敗。ロニに「俺のようにはなるな」と叫びながら落下しそのまま残骸に叩き付けられた事で大破・沈黙した。

尚、原作ではバンシィビームサーベルで溶断され、撃墜されている。



ゲーム中の活躍


魂とWORLDに登場。地上・宇宙両方で使用できる上、スナイパーライフルによる狙撃(MAP兵器)ができ、ヒートホークで格闘も可能と使い勝手は良い。
だが基本性能が残念なため、使う為にはそれなりに愛が必要な機体になっている。
『OVERWORLD』ではヒートホークが没収され接近戦にすこぶる弱くなってしまったが、アビリティ「ジオンの魂」で強化される点で他の狙撃機と差別化が可能。
『GENESIS』では射程が2~4になり単なる弱機体になってしまった。どうしてこうなった…。


稼働初期から配備されているコスト200の狙撃型MS。

バージョンアップする度に色々な変更がなされており
REV.3現在では射撃トリガーを引いてる間チャージする「ビーム・スナイパー・ライフル」がメイン射撃武器である。
MAXチャージで高威力・一発ダウン。チャージ途中で低威力・一発よろけとなり、状況に応じた使い分けが可能。

他のカテゴリーだとロックオンになるボタンがこの機体では、ロックした機体を追尾してくれる「スコープモード」となる。この状態で射撃トリガーを離すと発射される。

サブウェポンに頭部バルカン、格闘武器はヒートホークとなっている。
800m先の機体を一方的に狙えるが、接近された場合の自衛手段は乏しい。


  • バトルオペレーション2
コスト300の支援機。各メディアでは地上でしか目にしないが、本作では宇宙で運用もできる。
攻撃補正値が射撃のみという思い切りの良さと、高火力のビーム・スナイパーライフル、精度の高いザク・マシンガン[長銃身タイプ]、大よろけタイプだがヒットボックスの小さいマゼラ・トップ砲の3種類から選べる主武装が強い。
ただ足回りなどの機動性全般と防御性能はコスト相応しかない。格闘もヒート・ホークではなく打撃なのでリーチが短く、下格闘がやや使えるかといった具合だが支援機なので積極的に振るようなものではない。
3種類の主兵装、低コスト帯の支援機という中々扱うのに難しい機体ではあるが、マップによって主兵装を変えたり、できる事とできない事をはっきり把握して立ち回れば楽しい機体。


ユニットとしては『UC』が参戦した第3次Z時獄篇で初登場。その関係か同じ『ハーモニー・オブ・ガンダム』由来のジム・ストライカーは参戦出来ずザクⅠ(旧ザク)としては「F完結編」以来である。
本作でも既に骨董品となっているとはいえ、敵ボス機の宿命故にHPは数万単位、かつ射程が1〜13と無限並の距離もあるビーム・スナイパー・ライフル持ち*2という、魔改造していると思える程の凄い性能。
同じく本作に登場する第6の使徒の最大射程が14あり、スナイピング勝負できそうな勢いである。

第3次Z時獄篇では戦闘アニメの動きがあまり良くなく棒立ちのままビーム・スナイパー・ライフルを撃つだけという微妙さだったが、後に参戦したVでは右脚のギアを展開して膝立ちでビーム・スナイパー・ライフルを撃ち込むものにブラッシュアップされた。
BXではユニットとしては未登場なものの、ファット・アンクル改の戦闘演出でOVAのネモIII狙撃時アクションが再現されている。


大型MAシャンブロがボス機体として参戦後、そのアシスト武装で登場。超高速のビームを一発スナイプしてくるのだが、かなり銃口補正が強いので甘い挙動をしていると刺さってしまう。


本来は『UC』世界の機体だが、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』世界のドイツに登場。
なぜか大量に量産されており、崖の上から自軍部隊を狙撃してくるので、遠距離攻撃で倒そう。


ガンプラ

HGUCで通常型とカークス機が一般発売されている。同シリーズのザクⅠがベースとなっているので、全体的にディティールがあっさりしている。
後者は予備バレルケースやフックなどが追加されているが、フックの取り付けには接着剤が必要なのでHGとしては少々難易度が高い。
水色がかった成型色に変更されたガンプラビルダーズ版が、同じく色変えのバウとセットでプレミアムバンダイ限定で発売された。
受注生産のため現在は入手困難。

ディティールを増やして関節可動範囲を広げたいのであれば、THE ORIGIN版のザクⅠとニコイチで改造してもいいが、細かい造形が異なるため簡単にはいかない。


◇余談

ザク砂などが一般的な通称だが、絆プレイヤーなどには本機を「パロマ」の名で呼ぶものもいる。
これは戦場の絆で初登場した当時、給湯器のリコール問題が世を賑わせていたことと、ザク砂が背負っているパックが給湯器に見立てられたことが由来。

SDガンダム外伝シリーズでは、ザフト国の剣士ザクスナイパーとして登場している。



追記・修正はネモやセイバーフィッシュやリジーナやホバートラック、倉庫の出撃前のネモⅢを破壊してからお願いします。


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最終更新:2025年04月21日 18:09

*1 プラモデル等で立体化した際、そのままでは片膝立ちでの狙撃体勢がとれない問題への苦肉の策として設定された。

*2 他の狙撃戦重視機体であるガンダムサバーニャやVF-25G メサイアやM9 ガーンズバック(クルツ機)でも基本最大射程は8くらい。