トリントン基地/トリントン湾岸基地

登録日:2012/02/15(水) 23:05:12
更新日:2024/11/21 Thu 07:05:36
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トリントン基地/トリントン湾岸基地とは、『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で』(小説)、『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』及び『機動戦士ガンダムUC』(OVA)に登場する地球連邦軍の基地。
所在地は、オーストラリア東部のシドニー湾*1北方。



概要

【トリントン基地】

基地内部に核兵器貯蔵施設が存在し、戦時条約である南極条約で使用が禁止されている核弾頭が保管されていた。
核兵器貯蔵施設は核爆発にも耐える程の強度。
その為、稼動テストの為にガンダム試作1号機と核弾頭搭載のガンダム試作2号機が運ばれた経緯がある。

一年戦争時は、戦略的価値の低い後方支援基地として扱われていた。
しかし、実はこの時点から既に核兵器が貯蔵されていた(核兵器は宇宙世紀の初期にすべて廃棄・解体した「ことになっており」、一応使うつもりはなかったのだが)。
「戦略的価値の低い後方支援基地」という評価も、目立たせないため・敵に狙われないためにあえてそんな情報を流していただけである。
といっても『コロ落ち』『0083』よりも作中の時系列上は後、現実の制作順では前に当たる『逆襲のシャア』で「旧世紀からの大量の核兵器」をルナツーに保管しているので別にここにしか隠していないというわけでもない。

下記のトリントン湾岸基地との間には、大規模な市街地が広がっている。



【トリントン湾岸基地】

トリントン基地付近のシドニー湾に面した基地。
宇宙世紀0096年には、ジオン残党による襲撃を受けるが…


どうもジオン軍はこれらの基地が気になって仕方ないらしい…



出来事

【一年戦争】

キシリア直属の特殊部隊「マッチモニード」が、核の奪取を目論みトリントン基地を襲撃した。
しかしことに気付いた連邦軍オーストラリア方面軍上層部と、その麾下の遊撃部隊「ホワイト・ディンゴ」の奮闘と、
さらにマッチモニードの暴走をよしとしないジオン軍のヴィッシュ・ドナヒューの共闘により(ホワイトディンゴ側はそれを認識していなかったが)
ドムのみで構成されたマッチモニードをジムで壊滅させ、基地の防衛に成功した。
ちなみにこの際、重要な情報にアクセスできる権限パスワードがその対象者の誕生日という杜撰なセキュリティである事が判明している。


【デラーズ紛争】

稼動テストの為に、アナハイム・エレクトロニクス社からガンダム試作1号機とガンダム試作2号機が基地に運び込まれる。

宇宙世紀0083年10月に、アナベル・ガトーによる試作2号機強奪事件が発生。
その際、トリントン基地のテストパイロットコウ・ウラキが試作1号機に搭乗し、試作2号機の追撃に加わるが、逃走を許してしまう。

これにより、デラーズ紛争が勃発した。

なお、試作2号機強奪時に基地も攻撃を受けており、ザメルによる長距離砲撃が直撃した司令部施設が崩壊。そこ詰めていた司令以下の要員も壊滅しており、2機のガンダムを搬入したアルビオンの艦長を務めていたエイパー・シナプス大佐へ臨時に指揮権が委譲されていた。
更に基地襲撃および追撃戦初期段階でディック・アレンを始めとした所属パイロットを多数失う損害も出しており、アルビオンが基地を発った時は実質的に基地機能を失っていたと言える。

第二次ネオジオン戦争期においてはルナツーに旧世紀の核兵器が貯蔵されたことになっているが、一部はトリントン基地から移されたのだろうか。
また、この時の連邦軍ロンド・ベルも某所から博物館レベルの核弾頭を受け取っているが、その出所は案外ここかもしれない。
(なんの因果かこれらも強奪されてしまっている)


【ラプラス戦争】

過去の不祥事と戦略的価値の低さのために核の保有もなく軍部内からも忘れられるほど正真正銘の寂れた基地となっている。

ただし、OVA『機動戦士ガンダムUC#OVA|機動戦士ガンダムUC』では、南部にトリントン湾岸基地が確認される他、両基地の中間に位置する場所に市街地が広がっている為、寂れた基地という印象は薄い。

その性質から、人材や兵器も厄介払いとでも言うべき有り様で、配備されている兵器もジェガンの様な最新兵器ではなく、数世代前の旧型・型落ち品ばかり。
その内容たるや、MSだけでもエゥーゴやカラバ、ティターンズも含めた連邦系MSのごった煮状態であり、またMS以外の兵器も一年戦争時またはそれ以前の物が多数混在するという、グリプス戦役時のジャブローを思わせる様な状況である。
職員達(幹部、指揮官、パイロット、整備兵等)もその殆どが元ティターンズ出身者を筆頭とした左遷組または軍の問題児、厄介者もしくは落ちこぼれや無能という、まさにこの世の果てといった荒涼ぶりを呈している。
とはいえ、そんな中でもジムII・セミストライカーや同じタイプに改修したネモといった現地改修機も存在する。
また、当時は保管されていたバイアラン数機をベースにし最新ではなく既存の技術で改造する「MS単独滞空能力向上計画」が稼働しており、それに基づくバイアラン・カスタムの製作に基地の大半の人員が従事、熱中していた*2


ユニコーンガンダムのLa+プログラムが提示する座標ポイントがトリントン基地である事に伴い、ガランシェールの助けを借りたバナージ・リンクスが訪れる。

同時期、トリントン基地は砂漠から、トリントン湾岸基地はシドニー湾からジオン残党軍軍が進行。
奇襲により、ジオン残党軍の優勢だった。
ロニ・ガーベイが操る巨大MAシャンブロにより、市街地は壊滅。多くの市民が虐殺された。

そして、ジオン残党軍は、各基地を強襲。湾岸基地には水陸両用MSが、トリントン基地には空と陸の両方からMSが襲撃し防衛隊を蹂躙。
このまま双方の基地はジオン残党軍に制圧される…かと思われた。
だが、トリントン湾岸基地のバイアラン・カスタムが出撃した事により形勢逆転。更に多数のジムⅡネモジムⅢも出撃し一気に連邦軍が優位に立つ。その後残党軍は多数の犠牲を出すも撤退。*3

シャンブロはトリントン基地の破壊を進めていたが、ユニコーンガンダムとデルタプラスの活躍で沈黙、連邦軍は、両基地の防衛に成功した。

※上記展開はOVAによるもの。


原作小説ではシャンブロによる侵攻はダカールで、バンシィによるユニコーンガンダム拿捕後のガルダ合流の橋頭保となったのがトリントン基地となっている。
なのでこちらで幾つかの旧ジオン軍MSが登場している。おおよそのMSは一致しているが、バイアラン・カスタムは出てこないし、バンシィによる猛攻でいくつかの機体が撃破されているなど相違点がある。

更に漫画版である『バンデシネ』では原作小説とOVA版を折半した様な形となり、トリントン基地攻防戦ではバイアラン・カスタムの二号機にリディ・マーセナスが搭乗したり、ザクⅠ・スナイパータイプによる狙撃でラー・カイラムの主砲とエンジンが破壊されるなど、それぞれの描写を良い意味で改変している。



主な人物

コウ・ウラキ
『0083』主人公。ナイメーヘン士官学校を卒業後、編入されたテストパイロット。
序盤は未熟さと経験不足が目立ったが、ガンダム試作2号機強奪事件と試作2号機追撃を経て精神的にもパイロットとしても成長する。
デラーズ紛争後は軍事裁判に掛けられ懲役1年の判決を受けるが、ガンダム開発計画の抹消に伴い罪状も消滅したため釈放。北米オークリー基地へ左遷された。

サウス・バニング
テストパイロット部隊の隊長で、一年戦争時代からのベテランパイロット。
厳しくも優しい性格でテストパイロット達や一年戦争に所属していた問題児だらけの部隊「不死身の第四小隊」をまとめ上げていた人格者だが、女性にだらしない性格が災いしたのか妻とは別居中。
ガンダム試作2号機追撃に参加するが、原作では理不尽な死を遂げる。『Rebellion』でも経緯こそ異なるが戦死を遂げてしまう。

チャック・キース
コウと同期のテストパイロットで、彼とは悪友であり親友、そして女房役。
なんだかんだで面倒見が良く陽気な性格で、見渡す限り荒野のトリントン基地を見たときには「俺の青春が終わった…」とうなだれていた。
コウについていく形で追撃作戦に参加し、否応なしに戦場で成長する事となる。アルビオン隊の一員としてデラーズ紛争を駆け抜けた後は北米オークリー基地へ赴任しており、釈放されたコウを出迎える。

◇カレント
「ふん、バニングのスケベ野郎に手柄を渡すもんかい」
トリントン基地の守備隊隊長。階級は大尉。テストパイロット部隊の隊長バニング大尉に嫉妬していた。
二号機追撃の任を受けていた所を待ち伏せされ撃破された。
彼のバニングを揶揄する発言はあながち間違っておらず、彼の女性にだらしない性格は基地内でも有名だったのだろうか…。

◇ディック・アレン
バニングの部下でテストパイロット、試作一号機のバックパックを装備したジム(早い話パワードジム)のテストを任されるなど
腕は確かだったと思われるが、試作二号機の追跡中にバズーカでコムサイを狙撃しようととしたところ、突如現れたドムにコックピットにバズーカを接射されミンチとなった。
余談だが彼の狙撃中すぐ横にいたキースは初の実戦で精神的な疲弊がピークに達しかけていたせいか、周辺警戒を行っていない。

◇ラバン・カークス
同じくバニングの部下だがテストパイロットには任命されていない。そのため旧型のザクⅡに乗せられているのをボヤいていた。
デラーズフリートの襲撃で格納庫から出撃直後に、ゲイリーの駆るドム・トローペンによってコクピットごと両断されて戦死した。
そのはキースに実戦の恐ろしさを体感させる事となった。

◇ディエス・ロビン
U.C.0096当時のトリントン基地配属のメカニックマン。
上記の「MS単独滞空能力向上計画」は彼が提唱した立案書で、主にその計画に基づいた作業をしている。
本性は元ティターンズパイロットのドナ・スターで、グリプス戦役時代にテロ行為から連邦政府高官を救援した軍律違反を問われていたのだが、当時からの上官であるゼフテラ・ベルク中佐の計らいで戦死扱いにされ事なきを得ている。
ガンダムUC劇中では顔及び声が付かないが、バイアラン・カスタム1号機に自ら搭乗してジオン残党軍を相手に猛威を奮った。


主な兵器

【兵器:一年戦争時】

マッチモニードホワイト・ディンゴの兵器については各項目を参照。


【兵器:デラーズ紛争時】



【兵器:ラプラス戦争時】

◇トリントン基地・トリントン湾岸基地の兵器

◇ジオン残党軍の兵器




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最終更新:2024年11月21日 07:05

*1 コロニーが落ちて消し飛んだシドニー跡地のこと。

*2 尤もそれ以外の計画や用事や目標が現地改修機の制作や基地の警備以外全くなく暇という悲しい事情もあるが…

*3 ゼー・ズールやゾゴック、ザク・デザートタイプやイフリート・シュナイド等。一部のMSはトリントン基地所属MS同様海賊に奪われたことが判明している。