登録日:2019/09/11 Wed 19:30:10
更新日:2025/04/24 Thu 14:09:36
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「それが『ラプラスの箱』
我々を100年の長きに渡り、縛り付けてきた呪いの正体だ
…そして、祈りでもある…」
「ラプラスの箱」とは、連作小説/OVA『
機動戦士ガンダムUC』のストーリーの中核に居座るキーワード/キーアイテムである。
ちなみにPBW『ロストアーカディア』のゲーム内通貨ガチャも名前は同じだったりするが、こちらは『ラプラスの悪魔』に引っ掛けたネーミングであるためこの『ラプラスの箱』とは無関係である……はず。
【序盤の概要】
この存在は、最初から地球連邦を激変させる秘密であったのではない。
何段階かの、多くは偶然を経て、隠されているからこそ後戻りできなくなった「呪い」である。
以降の記述は、機動戦士ガンダムUCと
機動戦士ガンダムNTが示す
ガンダムシリーズの歴史的展開に関わる重大なネタバレが含まれています!
では、君は信じているのか?「ラプラスの箱」の存在を。
誰も見たことがない、中身も定かでない「箱」なるものに、
本当に連邦政府を覆すほどの力が秘められていると?
【その起源】
歴号が西暦から
宇宙世紀に切り替わる元年、その当日の改暦セレモニー。
地球連邦首相官邸である宇宙ステーション「ラプラス」が、爆破テロを受け破壊された。
この「ラプラス事件」で地球連邦首相(当時)リカルド・マーセナス、同席していた各国首脳、地球連邦の首脳官僚といった要人(それに加えラプラスの職員や中継で来ていたTVクルーといった民間人も多数)が死亡し、
地球連邦の今後を示す、各国首脳直筆サインが刻まれた「宇宙世紀憲章」の石碑は失われ、レプリカがダカールの地球連邦政府本部に据え置かれた。
だが、爆破テロの混乱の中で失われたと思われていた石碑のオリジナルは生きていた。
テロ実行犯の1人である「サイアム・ビスト」という若者が、爆発に吹き飛ばされ宇宙を漂流する中で、
たまたま近くを漂っていたこれを確保していたのである。
このオリジナルには、レプリカ作成の際に削られた記述が各国首脳のサインと並んで残っている。
第七章 未来
第十五条
地球連邦は大きな期待と希望を込めて、人類の未来のため、以下の項目を準備するものとする。
1.地球圏外の生物学的な緊急事態に備え、地球連邦は研究と準備を拡充するものとする。
2.将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者達を優先的に政治運営に参画させることとする。
フル・フロンタルが語った通り、増えすぎた人口を宇宙に送り出す宇宙世紀の
スペースコロニー移民計画はある種の棄民政策でもあった。
だが、当時の為政者達はその罪悪感と未来への希望を混ぜ込みにし、
「いつか宇宙に棄てられた民が、人類の本道を導くものになるように」と、宇宙世紀憲章に
特に根拠もない祈りの言葉を加えていたのだ。
このある意味で非常にリベラルな条文を、「ラプラス事件」後に地球連邦を主宰する事になった保守派は「なかった事にした」。
基本的に「ラプラスの箱」とは、この宇宙世紀憲章オリジナル石碑。
そして、それが引き起こす「ラプラス事件」は、何者かが何らかの狙いで宇宙世紀憲章を改竄するチャンスを作るために起こしたテロなのではないかという疑惑を指している。
【積み重なる呪い】
【第1の秘密】
オリジナルを手にした後、サイアム・ビストは別の船舶に助けられて地球に帰還。
生還したサイアムは、自身が持つオリジナルとダカールのレプリカ憲章の食い違いをネタにし、地球連邦に強請りをかけた。
「ラプラス事件は、宇宙移民に対しリベラルな立場を取るリカルド・マーセナス態勢に不満を持つ保守派が引き起こしたテロなのではないか?」
地球連邦を掌握した保守派はこれらのスキャンダルを騒ぎにしたくないという思惑があり、彼らはサイアムの強請りに応じた。
しかし、強請りをかける一方で、政治感覚が鋭かったサイアムは、あまり大きな要求を出せば連邦は実力行使で自分を排除にかかるだろうと推測しており、
当時新興だったアナハイム・エレクトロニクスに便宜を図らせるなど、些細な、しかし連邦も吞みやすいであろう要求に留めた。
尚、一部の保守派にはサイアムを暗殺、またはラプラスの箱を奪還する計画も上がったが、上記の愚行が世間に漏れるリスクは勿論、失敗すればサイアムが何をするかわからない…という恐れもあった。それに加え要求も「一部の企業に便宜を図ってほしい」というリスクと比べてもあまりにも些細な物だったため「事を急ぐよりは…」という結論に収まり、計画が実行されることはなかった。
こうしてサイアムと連邦の間に、秘密の共有が成立した。
【第2の呪い】
しかし宇宙世紀0050年代、
ジオン・ズム・ダイクンが「人類は宇宙生活に適応して次世代に移行する」という思想を打ち出し、
これが宇宙の民に広まると話が大きく変わった。
「将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合」という宇宙世紀憲章オリジナルの文面がこれにぴったりと合致するからである。
「地球連邦は、発足当初から宇宙に適応した新人類の発生を予想しており、それを隠蔽するつもりだったのではないか?」
という新たな疑惑が被さる可能性が生まれたのだ。
もちろんリカルドもサイアムも、「人類の新時代」という事をまともに現実視していたわけではないだろう。
彼らにしてみれば、手の中の「箱」が、当時予測できなかった出来事によって勝手に重たくなったという感覚である。自業自得だが
さらなる問題点が、この「特定の人間を政権運営に優先的に引き上げる」という言い回し自体が民主共和制の基本原理に逆行するものだったことである。
「どんな人間なら宇宙に適応していると言えるのか?」
「それによって偏る政治力が何を生み出すか?」
誰も説明できないのだ。
政権運営側としては混乱を避けるために封じ込める以外の選択肢がなかった、という
言い訳にもうなずける部分がある。
そんな一方、呪いを重くした当事者のジオン・ダイクンも、
実は
本心では「宇宙移民者の輝かしい未来像ニュータイプ」なんてものは信じていなかったらしい。
要は自分の政権を立ち上げるためにサイド3の人間を奮い立たせる、薄っぺらい欺瞞に過ぎなかったとのこと。
具体性が無いのも道理で、そのため一度はダイクンの思想に感激した
ギレン・ザビたちも、付き合ううちに「この男はアジテーターに過ぎない」「しょせんは活動家が限界」と失望している。
そんな「中身のないテーゼ」が「中身のない疑惑」をますます重くしていき、さらに「
中身のない男」に利用されるのだから皮肉と言うかなんというか。
【悲劇、第3の呪い】
だが更に悲劇は続いた。
人類の多くが死に絶え軍事的にも絶対的な影響を与えた
一年戦争の開戦である。
一年戦争という惨劇の中で、ジオン氏の思想を裏付ける「
ニュータイプ」という新人類
的存在が
本当に現れてしまった。
この現実を前に、「箱」の呪いはますます重くなってしまった。
「今後もし箱の中身が開け放たれれば、第2の呪いに言い訳する余地もなく、宇宙の民は打倒地球連邦に結集する。
しかし、人類を二つに分けるような戦争が再び起これば、本当に人類は破滅する」
為政者達は、
一年戦争のような人類全体の悲劇を繰り返さないために
「宇宙に適応した新人類の発生」を旗頭にした宇宙の民の武力闘争の希望をへし折らねばならない、という恐怖に駆られたのだ。
こうして「宇宙世紀の始まりの頃から祈られていた、宇宙に適応した新人類の発生による人類の革新への期待」は、
「戦争によって生まれた新人類と言える存在」の登場で地球圏のある程度の平穏を破壊する最悪の呪いとして封じ込められたまま、
バナージ・リンクスと
オードリー・バーンの手で開け放たれるまで、各勢力を翻弄する事になった。
【開放】
時期としてはU.C.0096少し前。サイアムはこの頃、自らをコロニー船「メガラニカ」内部の氷室に「箱」と共に秘匿、
機械で生命維持をしながら「箱」の開封の刻を待っていた。
タイミングを得たと判断したサイアムは、「箱」を
袖付きに譲渡すべく
孫のカーディアス・ビストに連絡、ビスト財団を通じて連絡を取りつけた。この時訪れたのがガランシェール隊である。
またカーディアスは、連邦がニュータイプ殲滅計画のために用意したユニコーンガンダム1号機を利用することを考え、
NT-Dシステムに連動して「箱」のありかを示す座標を示す座標を提示する「ラプラス・プログラム」を密かに組み込んでいた。
ところが、財団内部で「箱」の奪取を狙うマーサ・ビスト・カーバインが横槍を入れ、これに伴い「ロンド・ベル」が襲撃。
この混乱の中でカーディアスは落命するものの、彼の妾腹の息子であるバナージがユニコーンガンダムを受領、
最終的に彼とオードリーによって「箱」は開けられ、その真実が公開されることになった。
この頃のエピソードが「
機動戦士ガンダムUC」である。
その後「箱」の中身である宇宙世紀憲章オリジナルの石碑は、
コロニービルダー「メガラニカ」と「特異点1号」ことRX-0-1もろとも、
ジオン共和国の管理下で封印状態にされてしまっている(
機動戦士ガンダムNT)。
それは…分かりません。でも、一瞬で世界のバランスを変えてしまう知識や情報というものは、確かにあるように思います。
旧世紀の核爆弾も、ミノフスキー粒子やMSだってそうです。
世界は安定しているように見えても少しずつ変化しています。そういった力のある発明や実験なら、タイミング次第で…
【その存在意義と、評価への議論】
ラプラスの箱、あれほど大物めいて語られる割には一部の人間からは大したものではないと思えるだろう。
何せ中身は、事実だけ見れば「後の時代になって捉え方が大幅に変わった過去の事件の遺物」なのだから。
実際劇中でも、話を聞かされた
ネェル・アーガマのオットー艦長が「たった、それだけの事…?」と唖然としていた。
だが、政治力というのはタイミング次第。
フル・フロンタルが語った通り、経済力(実力)においてはすでに地球は多数派ではない。
ならば、何らかの旗印を元に各スペースコロニー勢が結集し、経済的に地球を追い出してしまえば勝ちじゃねえか、という話は間違っていない。
宇宙の民をまとめる旗印になり得る大義名分は、地球連邦にとって確かに必殺(あるいは必死)の事柄ではあったのだ。
たとえ、その後の地球圏が今まで以下の規模で縮小再生産を繰り返す器でしかなかったとしても。
だが、実際に「箱」が開かれ真実が明かされたタイミングでは、ジオン内部に既に厭戦の空気が強かったこと、
戦力も宇宙はともかく、地上の残党が使うMSはもはや旧式&兵もジオン再興の夢は叶わなくなり、ヤケクソ同然であったこと
そもそもフロンタルという「シャアの替え玉」を用意せねばならないほど組織としての結束力が落ちていたこと、
何より連邦からの独立という大目標自体がスペースノイドにとってさほど魅力的ではなくなっていたことがあり、
宣言から二か月後にはワイドショーのネタになる程度で終わってしまい大した影響は及ぼさなかった。
「箱」を原因にして再度戦争が起きるのを避けたいというオードリー・バーンの望みは果たされたわけだが。
そもそも、「箱」が開けられたタイミング=宇宙世紀0090年代には既に、経済力の高いスペースノイドは政治の世界に進出して一定の立場を得ていた。「志を持った者」は、「箱」の有無など関係なく既に相応しい立場を得ていた。第七章碑文は既に実現していたのである。
しかも彼らは、どこかの誰かから「優先的」などの特権を与えられたわけではない。努力によって相応の地位についたのだ。
90年代のスペースノイドは、いやスペースノイドの社会進出を受け入れた地球連邦を含めて、すでに人類はかつてのマーセナスより数歩先を進んでいた。
宇宙世紀の始まりからおおよそ100年。その月日は、サイアム・ビストという個人の「祈り」も、「箱」が帯びた「呪い」すらも、いや最初の条文=「箱」そのものさえも風化させてしまっていた。
結果的に、シールドをファンネルみたいに動かす、コロニーレーザーを無効化し、更にMS隊の融合炉を「時を巻き戻した」かのように分解するなど、一時的とはいえ「神」と化したユニコーンと同型の
バンシィこそが「シンギュラリティ・ワン」として注目されるなど、「箱」ではなく「鍵」の方が歴史的に重要になっている。
【時代と言葉の変遷】
また、『「箱」がもはや現実世界を動かすものではなかった』という言葉は、「箱」をそのまま「ジオニズム」や「ニュータイプ」に変えても成立する。
スペースコロニーやサイドは「国」の名前こそ持たないものの、すでに地球連邦政府からの干渉を受けることなく自立しており、もはや「国号なき国家」として実質独立していた。
そもそもジオン・ダイクンが生きていたころから、スペースノイドは全世界の人口の半数以上を占め、しかもさらなる拡張を続けていた。
アムロ・レイの育ったサイド7は、0079時点で新規建造されたコロニーだった。つまりスペースノイドは、世界の半分を占めてもなお伸びしろがあったのである。
スペースノイドは確かに最初「棄民」だったかもしれないが、だいぶ早い段階から、世界の主流は彼らに移っていたのだ。
さらに言うと、スペースコロニーは完全な「計画都市」なので、自然環境との兼ね合いを考える必要がなく、むしろ地球の貧困地帯よりもずっと清潔で裕福な暮らしができる「新天地」であった。
社会格差はあっても地球のそれよりははるかに平等であり、下級市民であっても地球の人間からすればとても高度な教育は受けられたという。地球とコロニー社会で「底辺」は天と地ほどの差があったのだ。
しかもそれに加えてスペースノイドはコロニー公社に自らの住んでいるコロニーに簡易的なメンテナンスをすることを義務付けられている上、「スペースノイドは水・食糧・電気に加えて
空気と重力の使用料
を払い続けなければ生きていけない世界に産まれ落ちるために
金やそれを得る手段を貪欲に求める本能がある
」とZ小説版で描かれている。
つまり生き抜くためのハングリーさとそのために知識技術を高める意欲の高さを兼ね備えた「民族」と言える。
具体的には、
- ジオンのニアーライト隊やシーマ・ガラハウ隊はサイド3でも最底辺の階層からの出身だったというが、それでもMSや戦艦という精密機械を難なく扱える教育を受けられた。
- 「新兵」のバーナード・ワイズマンは仲良くなった少年と共に連邦製MSのパーツをかき集めて自力で機体を修理
- カミーユ・ビダンは、自宅で父親が使っていたパソコンを覗き見しただけで、ガンダムMk-Ⅱの構造を理解したり、コックピットを再現してジュニアモビルスーツに取りつけられた。
- ジュドー・アーシタらはスラム街の子供でありながらMSの操縦・整備すら可能で生活費のためにジャンク屋を経営。
- ジャンク屋のゲモン・バジャックは、MSのジャンクパーツを自力で掻き集めて当時の最先端技術が一部使われた作業用MSを制作。
これらをまとめて、アナハイムのメラニー・カーバインに至っては「技術職が普及したスペースノイドこそエリート層」とまで断言した。
スペースノイドはしばしば、アースノイドを「エリート」と称し、あたかも自分たちが恵まれない立場であるように錯覚しているが、実はそうではなかった。
いつしか――それもおそらくは一年戦争よりもかなり早い時期に――実力をつけ、時代の主流を担うほどにまで成長していたのだ。「ラプラスの箱」など無しにして、である。
ジオン・ダイクンは、時代の主流がスペースノイドに移り行く状況で、それを「ジオニズム」と名付けた。しかしその状況がそのまま普遍化し、名付ける必要もないほどの常識となると、「ジオニズム」はわざわざ掲げる必要はなくなっていた。
古代中国の思想家・老子が「仁義がもてはやされるのは、世の道理が乱れて仁義が貴重になったからで、世が平穏なら仁義だのなんだの持ち出す必要はない(大道廃れて仁義あり)」と説いたように、
「ジオニズムが価値を有したのは、スペースノイドの立場が弱くて、彼らの地位を向上させるイデオロギーが必要だったからで、スペースノイドが安泰になればジオニズムだのなんだの持ち出す必要はない」。
「ジオニズム」の普遍化と風化は、ジオン・ダイクンが生きていたころからの必然だったのだ。ラプラスの箱もそうである。
(同時に、地球連邦が力を失っていくのも必然だったといえる。いくら宇宙軍を増強しても、その宇宙軍を動かすのはスペースノイドだから、スペースノイドが繁栄して軍事権を握り、実質自立していくのは、ザビ家の一年戦争がなくても確実であった。
また同時に、ジオン残党の消滅・ジオン復興が不可能なことも、必然だった。連邦社会においてスペースノイドが伸長すれば、「スペースノイドの市民権獲得」というジオニズムは連邦により果たされることになり、もはやジオン残党にはやるべき理想がない。つまりジオン残党はもはや時代に必要なくなった。
結局、ジオン残党のやることは「アースノイドでもスペースノイドでも、とりあえず一人でも人間を殺す」という無意味で邪悪なテロになり下がった)
一世を風靡した「ニュータイプ」論も、「宇宙移民者の輝かしい未来」から「心を読む超人集団」、「達人パイロット」と次々意味が軽くなっていき、最後は「昔そんなのがいたけど、大抵不幸だったらしい」と、ある種の昔話にまで落ちぶれた。
普遍化することで意識に上らなくなったジオニズムとは逆だが、時代の変遷で価値がなくなってしまったということでは同じである。
だいたい、たかが三十年足らずでこんなにコロコロ意味が変わる理論が、重要なはずがなかったのである。ラプラスの箱もそうである。
ラプラスの箱、ジオニズム、ニュータイプ。それらは、しかるべき時期なら光芒を放ったが、いずれ必ず風化するものだった。誰が悪いのでもない。時代が変わって価値がなくなっただけのことだ。
突き詰めればラプラスの箱を巡る動乱とは、時宜を読めなかった人たちの徒労であり、同時にそうした大人たちの行動が原因で起きた事件や戦乱を若者やはみ出し者の軍人たちが尻払いする物語といえる。
だが、全ては無意味だったのだろうか?
戦いと箱の開封の結果、わずかでも、変化の種を受け取った若者はいた。
それも全てが無意味と言えるのであろうか…?
【クロスオーバー作品において】
- 完全に宇宙世紀の世界観ありきの内容であるため、地球圏の様相すら異なり、多様な異星人や地球外生命体などが関わってくる世界ではすり合わせが必要なうえ、内容をすり合わせても影響の与え方が異なってくる
- キーアイテムなのに、元から「キーアイテムなのにある種拍子抜けの真相」という扱いである
といった点からなんとも製作泣かせの存在であり、
スパロボでは作品によって様々な工夫が加えられている。
『
第3次Z』においては天獄篇において、原作通りの事実に加えてZシリーズの戦乱に深くかかわっていた
「『
御使い、
サイデリアルとその下部組織・クロノによる人類の飼育』に関する、
エルガン・ローディックの演説の映像」が隠されており、
「箱」の開放と共に全世界のネットワークに公開されるよう仕向けられていた(ちなみにこのネットワーク公開はヴェーダを通じて
リボンズが実行)。
後に地球を支配していたサイデリアルへの反撃の狼煙となる。
『
BX』においてはEXA-DBへのアクセス端末としての機能が追加されており、アナハイム・エレクトロニクスに狙われていたが、開示に伴い無効となっている。
『
V』においては箱の内容自体に大きな変化はなかったものの、本作の始まりの舞台「新正歴世界」では開示するにはまだ戦乱の空気が収まっていなかったのか負の影響力はあったらしく
「空白の10年」と呼ばれる、真の宇宙世紀憲章の影響を恐れた連邦政府による意図的な情報隠蔽が行われ、
マフティー動乱と合わせてガンダム的世界観→ヤマト的世界観に流れるきっかけになっていた模様。
平行世界の「宇宙世紀世界」において原作に比べて宇宙側に一触即発の空気も残っていたことから、バナージ、オードリー、そしてフロンタルらの意志によって、あえて開示せずこれからを乗り越える選択肢が取られた。
ちなみに同作ではシャア(故人)も接触していたが切り札として使うには躊躇いがあったとも言及されている。
『
30』では『NT』がメインの為スパロボでは初めて「開かれたもの」として扱われた。
「箱」の中身自体にはこれまでのスパロボの様なクロスオーバーは無く概ね原作通りと思われるが、『Vガンダム』との共演に伴い宇宙世紀の時系列が大幅に圧縮された都合上、
箱解放後即ザンスカール蜂起という事態に陥ってしまい、
一般市民からは「ラプラスの箱を開けたせいでザンスカールが攻めて来た」「
悪逆皇帝ルルーシュのせいでボロボロだった連邦はラプラスの箱開示によって止めを刺された」と受け止められてしまっている。
そして、終盤では箱の開示にはある勢力が一枚噛んでいたことが判明する…。
【その他】
2015年に
プレミアムバンダイにおいて「ラプラスの箱
マルチスタンド」が発売。
OVAにおいてデザインされたラプラスの箱とその設置用のフレームを模しており、フレームにある穴にペンなどを差せるようになっている。
「それでも!追記・編集するんだ!!」
最終更新:2025年04月24日 14:09