ガンダム試作0号機

登録日:2012/05/23(水) 00:03:07
更新日:2025/04/02 Wed 16:36:17
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「機動戦士ガンダム ファントム・ブレット」に登場するMS。


型式番号:RX-78GP00


特殊装備:ミノフスキー粒子干渉波検索装置

パイロット:ジャック・ベアード


アナハイム・エレクトロニクス社(AE)が造った地球連邦軍試作機
「ブロッサム」のコードネームを持つ。意味は「花」。GPシリーズの原点だからか。

デザインはAs'まりあが担当。デジモンなどでおなじみのイラストレーターでガンダムシリーズでもSEEDのコミカライズやカードゲームのイラストなどを手掛けているが、彼がオリジナルしたガンダムは目下この0号機のみである。

ガンダム開発計画」で造られた4機のガンダムの原型となった機体で、当時のAEが保有していた技術全てがブチ込まれている。
アナハイム・ガンダムのお約束なのか、例によって例のごとく性能と引換に操縦性はお察し。パイロットからは「バッタかよ!」と呆れられる有様だった。
後の試作4号機をいじくり回したのに乗り込んだおばさんが宇宙の蜉蝣ならば、こちらの機体は差し詰め「宇宙の飛蝗」と言える。


最大の特徴はコアブロックシステムを採用していることで、そのせいなのか本機の外見は後に開発された試作1号機とよく似ている。合体プロセスや機首部も同じ。顔はガンダム4号機(G04)に近いが。

本機のコアファイターは腰のメインスラスターと合体させることでコアブースターとして運用できる。
これは一年戦争時に運用されていたRXシリーズのコアファイターの火力や推力が低かったことが理由で、同時期に運用されていたコアブースターの高い火力と機動性を維持しつつMSの脱出装置として使用することができないかと試行錯誤した結果こうなった。
これに伴い、肩や脚、サイドスカートにもスラスターを設置して本機に高い機動力を与えている。

コアファイターの後部には様々なオプション装備を二つ装着できる。
作中では右側に大型のビームライフルを取り付けている。左側のレドームもどきはミノフスキー粒子干渉波検索装置(MPIWS)という大型センサーユニットで、広い索敵範囲を持つ。
ただし妙にデリケートで、しょっちゅう故障やらエラーが発生するので使いにくいことこの上ない。ついでにザメル砲の弾丸に打ち抜かれてさっさと使い物にならなくなった。作者人でなし過ぎである。



○武装

  • 60mmバルカン砲
頭部に内蔵。
主に牽制や迎撃に使われる安心と信頼の伝統兵装。


  • 大型ビームライフル
メインウェポン。
コアブースター時でも使え、その点は後のGバードを彷彿とさせる。
背中の右側に装備されていて、そのデカさは当時の武器の中でも最大級らしい。
外観からも予想しやすく、実際に威力は高いが、エネルギーパックはまだ採用されていないので発射の際はチャージする必要があり、しかもそれには時間がかかる。連射性?何それおいしいの?
いや、アナハイムならやりかねないが、まあそこらへんはロマンということで。
また、発射のためのセンサーを後述のMPIWSに依存しているらしく、もし何らかの理由でMPIWSが脱落などした場合はパイロットの目測で発射しなければならなくなる。


  • ビームサーベル
肩にマウントされていて、コアブースター時にはビームガンにもなる。
おそらく試作1号機の物と同規格。


  • ミノフスキー粒子干渉波検索装置(MPIWS)
バックパックの向かって左側に搭載されたいわゆるレドーム。
レーダーを阻害するミノフスキー粒子をかいくぐっての索敵が可能な、本機の象徴たる装備。
非常に性能が高く、ビームライフルの照準装置もライフル本体には搭載されておらず本機に一任されている。
なお試作品故か恐ろしく誤作動が多い

  • ビーム・スプレーガン
本機標準のものではなく、僚機のジム・コマンドが装備していたもの。
普段こそ「霧吹き」と馬鹿にされている装備だが、チャージ中のライフルの代わりに僚機からとっさに拝借、使用して戦いに決着を付けた。

○作中の活躍
パイロットは、かの有名(?)なジャック・ベアード*1

U.C.0081年にフォン・ブラウン市を攻撃するジオン残党のザメル砲部隊(自称「神の眼」の照準器を持った隊長機のザクに砲を支えるザク、護衛のゲルググで構成)に対処するために出撃。
なおこの任務が初陣……どころか前日まで人型をしていなかったといわれる、大急ぎで組み立てられた代物。
まともにテストもセずに実戦投入されてしまったためにセンサーの不具合や機敏すぎる運動性、機材が多すぎて狭く扱いづらいコクピットにパイロットを閉口させながらも敵部隊と交戦する。
……が、敵がフォン・ブラウンを狙って発射したザメル砲が偶然射線上にいた本機のMPIWSに直撃。バイタルゾーンに命中しなかっただけある意味幸運かもしれないが、これによってビームライフルのための照準装置が使えず、マニュアルでの射撃を強いられる羽目になる。
最終的に僚機ジム・コマンドのビームスプレーガンを使い敵隊長機ザクを撃破し事なきを得た……と思いきや、そのザクがつんのめってムサイ級(ガンダム本編でドメル大尉が乗艦にしていたキャメルと推測される)の残骸に激突。倒れてきた残骸の下敷きになってしまう。

ジャックはなんとか脱出したものの、本機は大破してしまった。

なお話のオチは脱出した残党たちを捕縛した僚機をジャックが見守っていると、そのまま僚機は帰還してしまいジャックはそのまま置き去りに…というなんとも言えないもの。
後の時代にもジャックは登場しているので、なんやかんやで無事に帰還できたらしい。

機体はその後回収され、戦闘データを解析した結果、様々な機能をてんこ盛りにしたせいでパイロットへの負担が大きくて扱いきれないことが判明。そのことを踏まえ、単一機能に特化した4機のMSを造ることになった。
その結果が件の4機なのだから、アナハイム技術陣の業の深さは筋金入りと言うほかない。

また大型ビームライフルやMPIWSはそのデカさが仇となり、高機動中のコアブースターでは機体がコントロールしにくくなるという問題が浮上したため、本機以外の機体には採用されなかった。……と思いきや、試作4号機のメインウェポンはロングビームライフル、すなわち長物である。といっても本機のよりも明らかにマシである。
コアブロックシステムもないし問題もない。

さらに試作3号機で『でかい・操縦が難しい』というこれらの欠点が再発してしまっている。といっても本機の問題点は普通サイズの機体に大型の武器はバランスがとれない事だったので問題は解消されている。
また操縦性も本機よりはましになった。代わりに新しい問題も出て来たけどね…。

まぁ後に建造されるこんなトンデモ機体こっちのトンデモ機体を鑑みるに、アナハイム社員の辞書に自重と自制と自戒は存在しないのだろう。おぉ、こわいこわい。




◇Gジェネ
「OVERWORLD」にて、ようやく参戦。
4号機も復活したため、GPシリーズが全て揃うというファン感激なことになった。
本機の場合は武装上、ネオガンダムのように使いづらくなるのではと心配する人もいたが、ビームライフルは射程2〜5と使いやすく、さらにEWAC機能もあるためGPシリーズの中では使い易い方。
ただ、貫通弾ではないので過信は禁物。「一点突破」などをつけるといいだろう。

「ジェネシス」でも登場し、生産リストの登録数が40機を超えると登録される。
今回はMAP兵器の狙撃が追加され、機体性能もなかなかのもの。GPシリーズ中でもかなり扱いやすい方となっている。
しかしEWAC機能が取り上げられ、シールドがないので防御できないという短所もある。

◇ガンダムバトルオペレーション2
コスト500の支援機として実装。
MPIWSによって広範囲の敵をスポットして強力な射撃を叩き込める。
しかしMPIWSのオーバーヒート中は支援機の命である観測情報連結*2が使えなくなるという妙な原作再現が行われている。



追記・修正はコアブースターで脱出してからお願いします。

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最終更新:2025年04月02日 16:36

*1 富士急ハイランドで展開されていたガンダム・ザ・ライドが初出。当時はビームサーベルを2本装備したジムに搭乗していた。

*2 自身がレーダーに捉えた敵情報を味方全員に共有するスキル。支援機の大半が持っている基本的かつ強力なスキル。