バルカン(ガンダムシリーズ)

登録日:2024/09/14 Sat 20:25:02
更新日:2025/04/21 Mon 12:39:59
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バルカンとはガトリング砲の一種。
この項目では『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する、主にモビルスーツ(MS)につけられたバルカン砲やその類似武器を説明する。またこの項目では対人機銃などの小口径武装についても解説する。
ガンダムを代表する「ビームサーベル」「ビームライフル」と共に登場する事が多い。
他の2つと違って現実的かつ低威力な武器ゆえに地味な印象を与えるが、これもまたガンダムシリーズのモビルスーツには欠かせない武装の1つである。


【概要】

基本的に主人公機、特にガンダムタイプに多く装着されている武器。
「その名の通り」と言うべきか、少なくとも宇宙世紀70年代のものとコズミック・イラのものはガトリング砲である事が図解や劇中描写で確認できる。
因みにRX-78などは三砲身式、C.E.のイーゲルシュテルンは四砲身式。
……が、たまにバルカンと言いつつ単砲身式のものもある。
PS3版ガンダム戦記のOPなど、たまにバルカン用の弾薬を頭部に補充している描写もある。

一応設定上は「かなりの低威力で主に敵機やミサイルの迎撃、牽制用」とされるが、主人公機やガンダムタイプのそれはやたら高威力に描かれており、これで窮地を脱出したシーンも少なくない。
他にも「単なるバルカンなのに量産型MS位なら難なく撃破出来る」ガンダムタイプの強さや「そのバルカンを持ってしても無傷」な敵の強さを表す、ある意味ではかませ犬的な使い方も出来る、いぶし銀な武器と言えよう。
作画的にも「構えて撃つ」必要があるライフル等と比べて発射箇所にエフェクトを追加するだけでOKと楽なので必然的に使用機会が多い。
一方、対人機銃はその用途と頑丈なMSに搭載されているという都合故に戦闘というよりも一方的な虐殺に用いられることが多く、まともな対歩兵用途に使われることはまずない。
また作品意図的な非戦闘員や民間人への機銃掃射を行っている組織も存在する。


【各時代での扱われ方】


宇宙世紀(U.C.)

RX-78-2ガンダムの頭部に搭載され、劇中初めて使われた武器である。
…が、このジーン戦で1stアニメにおいては命中した描写自体が無く*1弾切れとなって格闘に移行しており、
THE ORIGIN』においては弾切れになるまで撃ってもザクⅡを怯ませる程度でしかなかった。
開発者であるテム・レイは『THE ORIGIN』にて「ザクにバルカンではダメなんだ!」と叫んでおり、MSを撃破できる程の威力でないのは想定内だと思われる。
この事から分かる通り当初から牽制用でありサーベルやライフル、各種新武装に圧されて目立たないものの、当たりどころが良ければバルカンだけでも実はかなりの威力であり、大気圏突入直前の戦闘ではザクをハチの巣にして撃破していたり、その後もあのドムすらも撃破するシーンが存在する。威力にムラがありすぎるともいう。

モニター上の視野と火線が完全に一致し、手持ちの兵装を使用するよりも迅速に敵へ攻撃を行えることが評価された様で、
これ以降も頭部バルカン砲は、ガンダムの量産型のジムをはじめとして連邦系のMSには標準装備となっていく。
(但しガンダムのそれは口径60mmと妙にデカく、それだとバルカンという名前は不適切になるが…(後述))

しかしティターンズ製MSには余り付けられていない。
ガンダムの名を冠するガンダムMk-Ⅱも例外ではなく、コイツには後付で外部バルカン・ポッドをつける羽目となった*2
が、それをつけていたせいでとある兵士がバルカンで狙撃されてめっちゃ恐怖することになったのは秘密。
だが、ほぼ素人のパイロットが逃げ惑うそいつを殺さずに撃てた辺り、照準精度はかなりのものだろう。
逆にエゥーゴ系のMSには積極的に取り付けられており、少なくともクワトロ・バジーナ百式にこの装備がなければ絶命していた可能性が高い。

時代が進んだ『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』ではバルカンですらMSにとっては致命傷になりえる強力な武器の様に扱われている。
予告編の短い映像に選ばれたのもνガンダムが頭部バルカンを発射してこっちを見るというものであり、これを見た後はバルカンの印象が変わるだろう。
そうでなくてもサンライズのガンダム部署内でこれをセルフパロディするのは定番ネタなので、構図だけなら観たことある人も多いと思われる。*3
本編においてもνガンダムがギラ・ドーガの頭をバルカンで破壊して戦闘不能にしたり、ジェガンがバルカンでシールドごとギラ・ドーガを撃破するシーンがある。

小型MSが主流となったU.C.0150年代では頭部バルカンも相応に縮小しており、ヴィクトリーガンダムに至ってはバルカンという名前の「25mmリボルバーカノン」となっている。
小型機故に仕方ない面もあるとはいえ、遂にバルカンどころかガトリングガンですらなくなってしまった*4
しかしながら、サンライズのオフィシャルブックである「ガンダムMS兵器図鑑-宇宙世紀編-」に掲載されているヴィクトリーガンダムの頭部バルカンの図解には多砲身のガトリング形式の機関砲が描かれている。図解を描いたイラストレーターのミスなのか、あるいは宇宙世紀ではリボルバーカノンとはガトリング形式を意味するのか……。
なお漫画版では初めて乗ったウッソがビームサーベルと間違えてバルカンを撃つもゾロが2体まとめて撃墜、それを見たクロノクル・アシャー「バルカン砲の一撃で撃破だと!?」と驚くなど、派手さが求められる子供向け漫画では珍しく戦果を挙げている。その後全く使われなかったが。

一方でU.C.ではバルカン以外の内部機関砲も何回か考案、実装されている。
例えばガンダムNT-1は腕部に「ドヒキョー隠しガトリング砲」を仕込んでおり、敵の高性能MSを不意打ち気味に破壊している。
Hi-νガンダムにも設定によっては*5同じような武装が腕に仕込まれている。アムロ・レイが乗る想定だった機体はこんなの付けがち。
陸戦型ガンダムでは、パイロットの視界と火線の一致よりも純粋に牽制用として装弾数の増加を図り、頭部のバルカンを廃して
前者の胸部左側に既存の銃器の機関部を流用して口径12.7mmの対歩兵用旋回式バルカン砲とマルチランチャーを装備。
しかし対地・対人兵器としては過剰という現場データにより、Ez-8への改修の際には胸部中央下の12.7mm対歩兵用旋回式バルカン砲に差し替えられている。
結局これでもシロー・アマダは「威力過剰で逆に使い物にならない」と判断した、としているガンプラ取説や解説本も珍しくない。*6

その後時代が進み登場したガンダムF91には「メガマシンキャノン」というバルカン以上に強力な機関砲も登場する。マシンガンより強力だからマシンキャノンなのだろうか。ちなみに現実世界ではマシンキャノンとは大型大口径のマシンガン全般を指す言葉なのでバルカンもぶっちゃければマシンキャノンの一種である。ガンダム世界ではマシンキャノンはバルカンよりも強力な高威力の機関砲を意味する言葉のようだ。
またF91のデータを盗用参考にしたシルエットガンダムにもマシンキャノンは付けられている他、腕部にもヘビーマシンガンが備えられている。
これはシルエットガンダム自体が技術開発用の検証機ということもあり、腕に色々仕組んだりする有効性のテストの他、万が一の為の護身用の装備も兼ねているのだろう。

このようにMS内部の機関砲は何回か登場するものの、UCではバルカン以外はどうにも主流にはなりえずに、ポツポツとつけられる程度であった。

バルカン自体は以降の時代でもメタ、現実ともに主役級ガンダムには基本的に装着されている。
本来の用途は牽制用なのだがノータイムで撃てる武器ということもあり、割と攻撃に使われることも多い。
余りにも打ちやすいせいか怒りで錯乱したパイロットがバルカンを打ちながら頭を振り回す、通称「喋るなバルカン」というシュールな光景も見られた。
だがその薬莢は外部に投げ出されるという環境に悪いものであり、そうでなくても排出したそれに当たった人間は死亡しかねない。というか実際に死亡した民間人もいる。
それらを防ぐためのケースレス型のバルカンもあるようだが、薬莢型に比べて確実性に劣るらしい。

MSのバルカンは実弾兵器がほとんどだが、戦艦の一部には対空レーザー砲を装備しているものもある。

U.C.0200年代にイルミナーティが運用したセイバーシリーズMSは30mmバルカンを標準装備。
口径は過去作の半分に落ちたが、接近戦での部位破壊が出来る程度の威力はある模様。


リギルド・センチュリー(R.C.)

宇宙世紀に連なる世界のためかバルカンも同じような扱いだが、G-セルフの頭部搭載のものは連射式のレールガンという設定*7。トワサンガ製シールドの表面にも搭載していたが、こちらは通常兵器らしい。
他にもマックナイフの指先から発射される光弾の様に、ビーム兵器化したバルカンも若干だが登場している。


未来世紀(F.C.)

MS…いやモビルファイターで格闘技をしようぜー!!という作風ながらバルカン砲は普通に登場している。
更に使う時に「バァァァルカン!!!」と叫ぶ。技かな?
とはいえバルカンの発射トリガーは脳波とリンクして操作するというものなので、叫ぶことでそのトリガーを押していると考えることもできるが。(一応「思考読み取り方式で発射」を反映してか、言わずに発射することもある)。
格闘技にバルカンとはなんぞやと思われそうだが、ガンダムファイトはファイターによる格闘技であると同時に各国の兵器、技術力お披露目会のような側面もあるため、銃器や遠距離武器を装備している機体が幾つか存在する。
それに対する牽制や対抗策として有効なのだろう。
主人公機であるシャイニングガンダムゴッドガンダム他、ボルトガンダム等にも装着されており、割と普遍的な武器である。
まぁ前述の通り格闘技中心のために余り使われることはないが、それでも各国の技術の結晶、使われた時はなかなかの威力を発揮してくれる。
特にデビルガンダムの頭部バルカン砲は、このMSの特性上懐に飛び込まれるのは避けたい為かかなりの高威力であり、その弾幕でガンダムシュピーゲルを完膚なきまでに破壊した。

なおシャイニング、ゴッドにはマシンキャノンもついているはず…なんだけど、そっちはバルカン以上に影が薄かった。威力はそっちのほうが高いはずなのに…。
というかゴッドのそれは「バァァァルカン!!!」って言いながら実は頭部バルカンと肩部マシンキャノンが同時に発砲している。
またガンダム無双では宇宙から襲撃する敵の迎撃に使われていたので、遠距離をお手軽に攻撃できる手段として本領発揮している。

『硝煙の果て』に登場した「ブローニングガンダム」は、コンセプトが「銃器職人の作り上げた中距離、遠距離の銃火器ガンダム」ということで肩部に折りたたみ式の大型バルカンを装備しており、シャイニングガンダムの頭部バルカン砲を鼻で笑っていた。
他『ガンダムマスクの挑戦』で語られた「正々堂々とクリーンファイトで戦うガンダム」でもビームサーベルとバルカンを装備している事から、格闘大会でありながらバルカン砲は重要な装備と考えられている節がある。


アフターコロニー(A.C.)

主人公機であるウイングガンダム他、登場した主役ガンダム全員が標準装備。
ガンダムはどいつもこいつも他の遠距離攻撃方法が「ない」or「強力すぎて取り回しが悪い」という極端な機体ばかりであり、重要度は他のシリーズよりも高い。
またやっぱりというかなんというか作風の通りバルカンもめっちゃ強力であり、ちょっとバルカンで弾幕を貼っただけでリーオーが3機くらい爆発するなんて日常茶飯事である。
ウイング、デスサイズヘビーアームズにはマシンキャノン、更にはヘビーアームズには2連胸部ガトリング砲*8もついており、敵の強さや用途によって都度使い分けていた。
また、ヘビーアームズはTVシリーズのレギュラーのガンダムとしては珍しく手持ちのメインウェポンにもガトリング砲を採用しており、エンドレスワルツ版ヘビアームズ改に至っては、頭部バルカン×2&マシンキャノン×2&胸部ガトリング砲×4&ダブルアームガトリング×2とシリーズでも類を見ないほど機銃(とミサイル)を搭載した機体となっている。
この世界ではガンダム…というかあの5人の博士独自の武装なのか、敵であるOZ系MSや、同じくガンダムタイプとなっているガンダムジェミナス01/L.O.ブースターガンダムジェミナス02/アスクレプオスガンダムグリープには搭載されていない。
その為、トールギスⅢの頭部バルカン砲は「ガンダムタイプにつけられたバルカンが有力な事が判明した為装備された」事になっている。

一方で遠距離用の武装を持たないはずのエピオンがなぜか発射しているっぽく見えるシーンがあるのは秘密。これについては「ホワイトファング加入時に追加装備として増設した」「エピオンの装備ではなく、リーブラ内部の防御設備を使用した」と諸説ある。


アフターウォー(A.W.)

この作品のガンダムはバランスの良い装備がほとんどであり、バルカン系武装の重要性は前作より薄れているが後述のように印象的な活躍をするシーンも存在する。また初めて主人公機頭部バルカン砲がオミットされた。(バルカン砲自体はちゃんと胸に装備されている)
他、敵のゲテモノガンダム2体もバルカンがついてたりついてなかったりする、ややこしい。

しかしやっぱりガンダムということもありその威力は絶大。この世界はジムポジションのドートレスすら他世界のMSならパラシュートを使用する高高度からの空挺降下をなんの装備もなく素のままで行い、着地後そのまま戦闘行動を行うなど、敵MSもやけに頑丈な描写が多いのだが、Gファルコンは初登場時に機首バルカン砲だけでMS4~5体をまとめて破壊したり、ガンダムDXはその機体自体が戦略兵器としても扱われるためか、ヘッドバルカン、マシンキャノン、ブレストランチャーとやたら機関砲が充実しており、強力だが発射に時間の掛かる「ツインサテライトキャノン」のカバーに使われている。後者2つはそれ単体でガンダムタイプを怯ませるほどの威力を持っている他、ブレストランチャーのみでバリエント等のMSを撃墜可能な破壊力を持つ。一斉掃射も可能であり、これによりコルレルを撃破するなど、バルカン系武装の出番こそ前作ほど多くはないが要所で活躍する武装となっている。
勿論人に対しては致命傷ではあり、オルバは何度か生身の人間に向けて発射したこともある。


以上のように平成3部作と呼ばれるガンダム作品は全部にマシンキャノンがついていたが…。


正歴(C.C.)

バルカン冬の時代。
ついに主人公機からバルカンもマシンキャノンもオミットされた。
敵にしても上部に隙のあるウォドムが装着しているくらいで、てんで見かけないという異常事態。
ある意味では時代が変わったか、そう思われていたが…。

なおこれ以降の宇宙世紀外作品でマシンキャノンは出てこず、ひっそりブームは終焉した。


コズミック・イラ(C.E.)

とか言ってたら「21世紀のファーストガンダム」たるガンダムSEEDで頭部バルカンは復活した。
『SEED』シリーズの登場兵器の例に漏れず、正式名称がかなり事細かに設定されており、

  • Xナンバーやストライクダガー系列:「75mm対空自動バルカン砲塔システム『イーゲルシュテルン』」
  • 105ダガー系列の連合系量産機:「40mm口径近接自動防御機関砲『イーゲルシュテルンII』」
  • ダガーL以降の連合系量産機:「M2M5 『トーデスシュレッケン』12.5mm自動近接防御火器」
  • ファーストステージシリーズ:「MMI-GAU2 『ピクウス』76mm近接防御機関砲」
  • セカンドステージシリーズ:「MMI-GAU25A 20mmCIWS」
  • サードステージシリーズ:「MMI-GAU26 17.5mmCIWS」
  • ムラサメ系列:「M2M5D 12.5mm自動近接防御火器」

……と、それぞれ個性的な命名が為されている事もあってかバルカンと呼ばれることはほぼ無かった。なおこれでも一部であり、「C.E.の頭部バルカン」を真面目に網羅しようと思ったら小さめの項目を独立させられる程にとにかく種類豊富。
因みにイーゲルシュテルンはアークエンジェル等のモルゲンレーテ製宇宙艦が装備している対空機関砲と同一装備のガワ違いというあまり見られない関係性にある。
本作の頭部バルカンはCIWS*9の一種=近接防空兵器と設定されている。対空兵器であると設定されたり、これでミサイルとかを撃ち落としたりする描写が入ることは多いが、特に『SEED DESTINY』以降のもののように名称の時点で「対空・防空を担う武器」とされるのは珍しい。
そのため『SEED DESTINY』の時代では、ビーム兵器の携行化が一般的になったのもあり、威力より装弾数を優先する思想が連合・プラント・オーブ問わず見られ、何れもイーゲルシュテルンから口径が大幅に縮小しているのも特徴(もちろん弾丸や火薬を改良し威力低下は可能な限り抑えているため、バルカンの技術自体を蔑ろにはしていない)。
『SEED』以降に開発された新型で70mm級の頭部バルカンが維持されているのは巨大機故に容量に余裕があるだろうデストロイ程度。

またランチャーストライクの「120mm対艦バルカン砲」ヘイルバスターの「120mm径3連装対艦バルカン砲」というやたら口径のでかいバルカンも登場した。
これらは装備位置が肩部であり、バルカンというより過去作のマシンキャノンやガトリングガンに近いポジションになっている。

一見すると頭部・胸部機関砲系の威力は「敵の急所を狙い撃てば有効打を与えられる」位にまで落ち込んでいるようにも見え、敵機の撃破に影響したシーンは基本的にはない。
ただ、迎撃用としてはしばしば使われており、不意に近付かれた時の牽制の他にミサイルの迎撃用途で度々使用されており、使用機会自体はままあったり。
フリーダムのフルバースト時もリマスター版では頭部バルカンまで同時発射するようになった。
更に言えば同じ弾倉を用いていて同威力のアークエンジェルのイーゲルンシュテルンは普通にMSを撃破しているため、むしろ威力は高い。(対空火器のプレッシャーで中々近づけない場面も存在する。圧倒的優位な状況だったのにブリッツガンダムが最後までアークエンジェルを落とせなかった要因の一つとも言える。)
そのため低威力に見えるとしたらそれは当たり所が悪かったか、特別な装甲相手(MS用のアサルトライフルでも有効打にならない)か、ミスの類と思われる。

『SEED DESTINY』前期主人公機インパルスは胸部に装備された20mmCIWSで、敵主力MSウィンダムを撃墜する場面があるせいでウィンダムの装甲の設定がよりややこしい事になった他、
パイロットが怒りで頭に血が上ったあまりCIWSで敵の建設中の基地や通常兵器類や歩兵を徹底的に壊滅させるというえげつない使い方をした事もある。

後期主人公機にしてザフト最強クラスのMSであるデスティニーガンダムの頭部にも装備されているが余り使用機会がなく「フルウェポンアタック」なのにバルカン使ってないじゃねぇかとネタにされ続けている
尤も、迎撃機銃であるCIWSを無暗に使わないのは何もおかしな話ではないので的外れっちゃ的外れではある。

実際大回しの武器ばかりなデスティニーにおいて構え無しで速射性に優れるCIWSは有効的な武器なのは間違いないが、乗っているパイロットが強すぎてまず使うような事態にならないのでいらん事になってる感がある。
ただしこのデスティニーは少数生産も考えられていた事もあり、流石にシンレベルのパイロットが何人もいるわけがないのでいつか必要になる予定だったのだろう。

だがこの時代で一番印象的なバルカンは105ダガー系列の足の甲に搭載された「12.5mm脚部対人機関銃」だろうか。
もう名前だけでC.E.の狂気っぷりがわかるだろう。
しかしこれでも「MSで対人攻撃するのはオーバーキルだ」という批判から生まれた代物だったりする。12.5mmで人を撃つのが人道的かはさておき。*10*11*12
なお実際に対人で使われてしまった

SEED FREEDOM』の序盤の戦闘ではガンダムシリーズ全体でも希少な量産機の頭部バルカンが戦果を挙げる場面があり、ジンに肉薄したウィンダムがトーデスシュレッケンで蜂の巣にして撃破している。
また、インパルスガンダムSPEC-Ⅱはギャンシュトロームに対する実質的なトドメにCIWSを用いているなど、印象的なシーンが比較的多い。


西暦(A.D.)

「GNバルカン」という名義で登場。なんとバルカン史上初めてのビームである*13
GN-X系列機は頭部に搭載*14しているが、ガンダムエクシア系列やガ系MSは腕部に、ガンダムキュリオスは機首側面に内蔵している。
三大国家群の機体に対しては低威力であっても部位破壊できるので1stシーズンではAEUヘリオン陸戦型の脚部を容易く破壊したが、太陽炉搭載機相手には威力不十分だったせいか互いに有効打は与えていない。
だが対太陽炉搭載機が大前提となった2ndシーズン以降では、ダブルオーガンダムのGNシールドを破壊したり、劇場版ではELSの浸食を受けた自分の腕部を破壊するなど牽制射撃以上の働きを見せた。

三大国家群の機体は主に胴部のコクピットブロック左側に機銃を装備しており、ユニオン・AEUは20mm、人革連は30mmを標準の口径としている。前者2つがいわゆる西側諸国、人革連が東側諸国を下敷きにしている事から、双方の戦闘機の機銃の口径が元ネタか*15
ちなみに砲門とは反対のコクピット右側のスペースは、弾倉や稼働用電源のペイロードにあてられている。


アドバンスドジェネレーション(A.G.)

今までは基本的に味方側勢力の機体に多く付けられていたバルカンだが、AGEの世界ではヴェイガンの機体の多くが「ビームバルカン」を主武装としている。
…とはいうものの第1部を中心に、どちらかと言えば他の世界観で言う「(手持ちの)マシンガン」に近い描写が大半で、威力も主兵装として十分すぎる様に見えるシーンが多い*16
A.G.の火星圏の工廠は他以上にあまりその辺りにこだわらず命名しているのかもしれない。
その後は味方側の機体にもビームバルカンが装備され、久しぶりに頭部バルカン砲が復活することとなった。
小説版に登場したジェノアス本国仕様は頭部に60mmバルカンが追加されているが、劇中でガフランに発砲した際は対位相転換装甲用弾頭は未導入であり、かすり傷ひとつつけられなかった。


ポスト・ディザスター(P.D.)

ガンダム・グシオンの頭部に搭載されたバルカン砲を除けば一切無いが、
これは高い耐熱・対弾性を誇るナノラミネートアーマーがMSの装甲として普及しているため。
なので生半可な火力では装甲に傷をつける事すら難しく、作中ではキャノンやメイスなど一撃に重きを置いた武装が主流となっている。
一応ガンダム・キマリスガンダム・ヴィダールなどは連射のできる射撃武器を装備しているので、決して役割や有用性が無い訳ではないようだ。

加えて本作にはビーム兵器の技術が失われており、遂にライフル・サーベル・バルカン・シールドというガンダム4種の神器を一切持たない主役機が登場する事となった。


アド・ステラ(A.S.)

再び頭部バルカン砲が復活したが、基本的にビームが主体となっている。
というのも、この世界は条約により宇宙空間での実弾兵器使用が禁止されているため。なのでバルカンもビーム化しているのである。
そもそもP.D.と同じく、並の実弾兵器で破壊するのが難しい堅牢な装甲が普及していると思しき場面もあり*17、単純に「実弾バルカンでは火力不足」という理由もあると思われる。
またガンダム・エアリアルのバルカンは「頭部ブレードアンテナの上」という珍しい配置になっている。
基本的には他作品と同様、牽制として使われる事が多かった。



ゲームでの扱い】

基本的にノーモーション、低コストで撃てるがダメージは低い武装として一貫している。

  • SDガンダムワールド ガチャポン戦士シリーズ
ビームライフルに比べ弾速は上で威力が低い、多数のユニットが持つA+Bボタン武器。
何故かキュベレイが装備しているとか、バルカン砲は弾数有限でビームライフルは無限とかいうガンダムゲーム黎明期ならではの不思議設定が印象的。
まあ有限と言ってもMSで40~70、艦のバルカン砲は99とかなのだが。

基本的に消費ENは少ないが低威力で短射程な武器となっている。
初期シリーズではサーベルが射程1、ライフルが射程3-4ということで射程2が穴となる機体が多く、相手の反撃を受けにくいという利点があった。
命中率もかなり高く設定されていたが、威力が低すぎるので、基本的にはテンションの調整用か瀕死の敵の撃墜用。パイロットが超強気なら削って育てたいユニットがトドメを取るという使い方もできなくはない。
支援攻撃で経験値が入るシリーズにおいては、消費ENの少なさを活かして射程が許すならとりあえず参加させて経験値を稼ぐ使い方もあり。
ダメージ計算式の関係で攻撃力の改造がかなり進んでいればバルカンでもバカみたいな威力が出るので、育ちきった機体で無双させつつ他ユニットの育成をするなら消費ENが軽いバルカンが最適解と言うケースも。

PS4以降のシリーズではライフルが普通に射程2に攻撃できるようになって射程上の利点が無くなっており、下手すればライフルを持っている機体の武装からはリストラされていることもある。*18
ただ、シリーズを追うごとに威力が少しずつ上がっており、EW版サンドロック改辺りのバルカンに頼らざるを得ない機体も相対的にマシになってきている。
特に「クロスレイズ」ではビーム軽減のナノラミネートアーマーが鉄血のオルフェンズのMS全部に装備されている都合、ビーム武装よりもバルカンの方が有効的な打点を与えられる為、機体によっては選択肢になりえる。
「NEO」ではリミットブロックシステムを採用しマスを埋められる限り1回の攻撃に使用する武器を複数選択できるのだが、バルカンは当然というべきか消費1マスのみ。
本来なら穴埋め程度に使うような武装だが、選択した1武器につきダメージボーナスが入る計算上、最大8マス全てバルカンで埋めるだけで敵機を蜂の巣にできるトンデモダメージを与えることが可能だった。

おそらく今の「バルカンが弱い」という印象を植え付けた作品。
というのも旧シリーズでは射程1かつ低威力武装の代名詞であり、更に武器は個別改造制の為に単なる武器枠を埋める何かでしか無かったのである。
一応特徴として他の武装よりもかなり高めの命中補正を持っている事が多かったが、いかに命中が高かろうと「当てても意味がない」ほど威力が低いのでどうしようもなかった。
更に『第4次』はパイロットステータスが「近距離」「遠距離」という区分であり、射程1のバルカンは近距離扱いでMSパイロットは約一名を除いて遠距離の方が得意な為に全く使いようが無かった。
一応、必中、集中を持たない低レベルパイロットが高レベルパイロットに当てて経験値を貰うと言った使い方はできたが、本当にそれくらいである。
スーパーロボット大戦F』以降からパイロットのステータスが「格闘、射撃」となり、移動後に至近距離で撃てる射撃武器としてちょっと有用性が増えたが、やっぱり威力が低すぎる…。しかもレベルアップも補給の繰り返しで行えるようになったのでレベル上げ用武器としても立つ瀬が無くなった。
その後も武器は全体改造制となり射程も移動後に撃てる上に1~2になったりもしたが、それでも余り強い武器ではなかった。
基本的にバルカン以上の射程を持つビームライフルが移動後に撃てたのも痛い。一応、切り払いやビーム軽減系に阻害されない利点はあったが。
特に携帯機シリーズでは容量が厳しかったのか、武器の種類を全体にしぼる傾向が強まったのでリストラに遭う目もちらほら…*19

しかし近年の作品ではビームライフルの移動後攻撃が無くなりながらもバルカンは移動後攻撃可能、射程も1~3や1~4、更に敵の運動性を下げるデバフ効果も得たことにより、相変わらず威力は低いが全く使えない武器ではなくなった。
というより、幸運・祝福以外にも資金ボーナス手段が増加したりと新しい作品ほど武器改造を進めやすくハーフ改造・フル改造に難なく届くので、射程を伸ばしたバルカンやビームサーベル以外ではオーバーキルすぎて勿体ない雑魚戦は中盤までよくある。
そうでなくても格闘系とか大回し武器しかない機体にとっては貴重な通常戦闘用の武器であり、かつてより遥かに存在感は増している。

また当たり前だが「原作再現のためにバルカンを撃つ描写が必要」などの理由で、武装の名義上は違っても戦闘ムービーでは使用していることもある。
先述した『逆襲のシャア』νガンダムちょい見せ予告編の再現などが好例。


  • 機動戦士SDガンダムシリーズ
人によってはスパロボとは別の意味で「バルカンが弱い」という印象を植え付けたかもしれない作品。
というのも、このシリーズはプレイヤー機体の初期武器はバルカンであり、そこからビームライフルをはじめとする各武装に持ち替えていくため、当然バルカンの性能は高くはない。
大抵の人は早々に使えるようになるビームライフルに乗り換える事になる。
ビームライフルもバルカンの2倍の威力というと大したことがなさそうに見えるが、これでザクを確殺できるようになるのであるとないとでは大違いである。


バルカンゲーと呼ばれる程にバルカンが強い。
本作の敵AIは被弾すると防御を優先して足が止まるため、この仕様と部位破壊等での怯み効果で相手の動きを阻害して、サーベルやライフルで〆るという戦い方が非常に強いからである。
後は単純に航空機や車両といったソフト目標の破壊も楽チン。

連邦サイドは最初のGMですらマシンガンとの併用で火力を底上げ出来、射撃ビーム兵器も早期に用意される。
なんならEz-8なんかは倍返し出来たりする。

対してザクやドムで行くジオン側は武器を腕ごと壊されたり弾切れになると、補給しに戻るか格闘で特攻するしか手が無くなるので、下手こくと逆シャアもかくやな地獄の殴り合い宇宙と化す。
ザクマシンガンしか持っていない初回プレイでの序盤の航空部隊阻止ミッションは場合によっては文字通り手も足も出ない地獄。

比較的序盤で買えるグフはフィンガーバルカンを持っているので、ある程度の誤魔化しが利くのが幸い。
なおジオンの頭部バルカン持ちは、紙装甲のアッガイと終盤解禁のケンプファー、ザメルくらいしか居ない。
ケンプファーを引き継ぎプレイで使うとバルカンの有り難みが嫌と言うほど分かるハズ。


んでこっちのアゴケツシャアとかが有名なクソゲーでもバルカンが役に立つ。
このゲームのバルカンは敵MSを余裕で撃破できる高い威力を持ち、戦闘をこれで切り抜ける展開が多々ある。
他の作品に比べてやたら冷静なジーンが「うわああ!バルカンが、あんなところにぃ!」という慌てっぷりと台詞から考えても、どいつもこいつも紙装甲なこのゲームではこのバルカンは驚異的な武装なのだろう。
他の火器は基本頼りにならず、ビームサーベルもシーンによっては自滅を招くのでバルカン一択…と言いたいところだが、中盤以降はバルカンを選ぶと失敗する事も多いのが困りもの。

ジム、ストライクダガー等の量産型やガンダム系の多くがサブ射撃に持つ。
低威力だが、攻撃された時に被ロックオンマーカーの色が変わる事を利用した「アラート鳴らし」、残り耐久が僅かの機体を落とす「ミリ殺し」と一応役割はある。
一方、連ザランチャーストライクの肩バルカンはバルカン名義ながら異常に性能が高く印象に残っているかも知れない。なんせ当時はランチャーストライクを指して「バルカンストライク」「肩のコンボポッドが主でアグニがおまけ」扱いされることも珍しくなかったので…*20
ある媒体で威力に差がありすぎることでネタにされまくっている。
次作のガンダムVSガンダムシリーズからは主役機、ライバル機が中心となること、武装数が多すぎてそもそも頭部機銃にまでコマンドを割けない機体が増えたことからバルカン持ちは激減する。

初代EXVSでは武装コマンドに配置されていた機体が多かったが、半ばやっつけ感のある側面は否めずしょっぱい性能。特にゴッドガンダムウイングガンダムゼロ(EW)のバルカンは低性能で有名。
やっぱり地味なためか、シリーズが進むごとに他の技に置き換えられていく傾向にある。
また運営側もバルカン砲は低性能だと認識しているのか、EXVS2XBで猛威を振るったアカツキの武装コマンドを次回作でバルカン砲に入れ替える事でお仕置きとしていた。
一方でストライクガンダムの頭部バルカンは優秀だったためプレイヤーからの評判が高く、3作目のEXVSMBで一度コマンド削除された際には苦情が相次いだためかアップデートでコマンドが元に戻された。以降最新作に至るまでストライクのバルカンだけは削除されずに残っている。ゲームが変わってもバルカンストライクだった。
また単一コマンドとしてバルカン砲は弱いというだけで、一斉射撃や格闘コンボ中にバルカン射撃を挟むような攻撃は多数存在している。
なおガンダム試作2号機無印ガンダムVS.ガンダムから現行シリーズ最新作まで一貫してメイン射撃が頭部バルカンである。
性能も賑やかし程度だが、他のコマンドに核を始めとする各種強力な射撃が配置されているので射撃戦の手数には困らないだろう。
またその後もフルアーマー・ユニコーンガンダム*21などいくつか「メイン射撃がバルカン」の機体が増えている。こちらは原作再現の色も強いか。

多くの連邦系MSがサブ武装として使用可能な他、ジオン側の機体でも設定上の理由から使えるものはティターンズ系機体の追加以前から存在した*22。大体は数点射バースト射撃式。
やはり大きな威力は無いが、敵を怯ませて攻撃を中断させたり逃げる時に足止めにする、僅かに残った耐久を削り切るトドメ用など主兵装とは違った活用法が様々あり、頭部固定なので手持ち装備持ち替えラグも発生しない。
たいていの機体が「低ダメージだが全部当たった際のダウン値が大きく、確定でノックバックやダウンを取れる」という調整をされていたのが特に大きく、いわゆるQD外しの際に1発だけ当てるといった比較的難易度の高いテクニックから「即ダウンを取ってお茶を濁す・とにかく相手の行動を抑止する」といったとりあえず撃ち込みます!まで用途は非常に広いものであった。
このように、サブという名前の印象に反してこれを上手く使いこなせるか否かでプレイヤーの実力も大きく変わる程重要な装備となっている。
初心者にありがちな悪い使い方として、味方が格闘を振った際にバルカンを撃ってしまい敵が強制ダウン→ダメージもほとんど入らず格闘を出した味方が逆にピンチになる行為は、かなりプレイヤー間で嫌われるものでもあった。
ちなみにシリーズの後年で追加されたνガンダムの、一番最後に支給される武装はなんとこのバルカン。上記で挙げられているものと違い、「ダウン値が無く、ノックバックが発生しない」という点があり、全弾打ち込んでもダウンしない為格闘3連撃が入り、その合計威力は格闘機にすら余裕で迫るほど。(νガンダムは近距離機)単機ではなく他の機体と連携されると非常に対処が困難な武装だった。

こちらも多くの連邦軍のMSに採用。基本的にはサブウェポンという形で手持ち武装のメインウェポンや格闘とは別に搭載されており、バルカンを発射しながらビームライフルやビームサーベルなどとの同時攻撃が可能。MSに搭載されたものには弾薬に限りがあり、戦艦系ユニットがいなければ補給できない。

  • 機動戦士ガンダム(PS2)
ロックオンしても偏差射撃などは行ってくれないシステムなので非常に扱いづらい。発射レートが低く射程が短い割にやたらバラけるのも難点。
ただし弾数は非常に多いので、ドップマゼラアタックのような雑魚敵機体を落としビームライフルの弾薬を節約するのには使える。
ジャンプや母艦などを用いて敵機の正面に近づき、偏差射撃を不要にするのがコツ。
なお外付けバルカンポッドであるジム・スナイパーIIWD仕様は頭部バルカンの他機体よりも俯角が取りやすいと言う特徴がある。当たるかはさておき。

  • 機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙
本ゲームは多くの連邦機体のサブ武装に設定されており、メイン射撃/格闘とは別ボタンなので同時射撃が可能。
特に格闘を振る際は密着するのでバルカンを撃ちながら格闘を振ればダメージの底上げになる。
それでなくとも敵の耐久が低いクロニクルモードやエースパイロットモードでは直接撃破には至らずとも
シールドを破壊して動きを止める分には十分な威力となっている。上記前作とはえらい違い。
なおガンダム試作2号機はメイン射撃がバルカンとなっており、本機を駆るエースパイロットモードのガトー第2ステージでは観艦式突入の際に敵艦の各兵装をマルチロック可能。
改サラミス級がバルカンだけで撃沈されまくると言う何とも言えない光景を目にすることになる。

  • 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2
武装切り替えが早くまたブースト移動中に射撃可能と言う特性があり、他武装と組み合わせて蓄積値を溜めて蓄積よろけを狙うのが主な用途。調整方針は『絆』と同じですな。
機体によってはちょっと射程が長かったり、マガジン弾数が多かったり、発射レートが高かったり、ただの産廃武装だったりと格差が激しい。
ぶっちゃけゲーム開始当初、システム的に複数武装の同時射撃ができない本作においてわざわざ武装を切り替えてまでのバルカンの用途はせいぜいミリ削りくらいしかなく、
極一部を除き蓄積よろけが現実的な性能になったのは700コストが新設された3周年機体くらいになってから。
それ以降は新規実装や機体調整でコストを問わずなんらかの形で差別化と強みが付与されるようになったと言う経緯がある。あとバルカンのインフレも始まった。
逆に言えばこの3周年(2021年7月)以降調整が入っていない古参機体では殆どが産廃武装のままとなっている。

ガンダムタイプのMSが最初から覚えている必殺技となっており、全体攻撃。
最初から覚えているだけに燃費はいいものの、やや外しやすい。
おまけに大抵のνガンダムがこれしか覚えていない状態でズサIIIの大群の猛攻を耐え忍ぶ事になり、
プレイヤーからはそれまで使っていた乗り換え前のガンダムのハイパーバズーカとローリングショットを惜しまれ、直後にアホみたいに強いサイバスターが助太刀にやってくるという
乗り換えイベントとしてはあまりにも冴えないデビュー戦になった事はある意味伝説である。

バルカンが非常に強い作品の一つ。
低燃費でそこそこ威力が高めの全体攻撃となっており、序盤から連発できるため、雑魚をまとめて蹴散らしたり、ボスの取り巻きを倒したりするのに重宝する。というか、ボス相手の削りにも十分通用する。
ラスボスが体力を削ると全体攻撃しか通用しなくなるため、ここをバルカンで乗り切る人もいるだろう。
ガンダム以外にも、主人公イングラムヴィレッタの乗機R-GUNにも搭載されているため、序盤から終盤までお世話になる。

νガンダムΖガンダムが最初に習得する攻撃スキルとなっており、今作では単体攻撃だが低燃費なのは変わらず。
序盤のボス戦で使われる以外にも、νやΖは通常攻撃が全体攻撃な代わりに威力がかなり低めになっているため、終盤の雑魚戦でも単体攻撃を使いたいときに重宝する。
また、5回連続攻撃となっているため、クリア後の隠しダンジョンに出現するホビー・ハイザックを狩る時に重要となる。
というのも、本作でクリア後に出現するホビー・ハイザックはHPが10しかないがクリティカルでなければまともにダメージを与えられず、すぐ逃げるが倒すと莫大な経験値が得られる所謂メタルスライム的な敵となっている。
だが連続攻撃であるバルカンであれば、攻撃回数が多い分クリティカルのチャンスが増えるし、そうでなくても1発1ダメージは保証されているため、5連続攻撃のバルカンで2回攻撃すれば確実に撃破できる。
そのため、経験値稼ぎのお供にまさかのバルカンが連射されるのであった。


【余談】

「バルカン砲」はしばしば回転式多砲身機関砲を意味する「ガトリング砲」の別名のように扱われるが、これは誤りである。
バルカンアメリカ合衆国のゼネラル・エレクトリック社が開発した20mmガトリング砲「M61」の愛称であり、その他のガトリング砲をバルカンとは呼ばない。
ちなみに商標登録はたぶんされてないので、バンダイが架空のガトリング砲に勝手にバルカンと名付けて売っても恐らくきっと問題は無い。ララァ・スン専用モビルアーマーとは違うのだよ

真面目な話として、そもそも「バルカン」の由来はローマ神話(後述)なので「神話の神の名前を兵器に付けたら、他の兵器の名前と被りました」などという事例は現実にもいくらでもある。
例えば「ハーキュリーズ(ギリシャ神話の「ヘラクレス」の英語読み)」という名前の兵器と言えば米空軍のC-130輸送機が有名だが、「英海軍の戦艦ハーキュリーズ」「英海軍の空母ハーキュリーズ」「米陸軍の装甲回収車ハーキュリーズ」……と、実に多種多様な「ハーキュリーズ」が存在している。
特にハーキュリーズ輸送機とハーキュリーズ装甲回収車はどちらも米軍の現役装備であり、「米軍で現役のハーキュリーズ」に限ってさえ一つではないのである。
なんならバルカンも爆撃機の「バルカン」がガトリング砲の「バルカン」と同時期に存在していたこともあった。
それを考えれば、『ゼネラルエレクトリック M61"バルカン"』とは全くの別物な『RX-78が装備する60mm"バルカン"』が開発され装備されている事自体は異常事態や不自然・不可解な事象ではない。
それはそれとして、おそらくはそこまで考えての60mmバルカンという命名ではない事と、「回転式多銃身機関砲=ガトリング砲=バルカン砲」と誤解されがちなのは別問題ではある。


かつては「コズミック・イラはただの頭部バルカンにすら『イーゲルシュテルン』とかネーミングが仰々し過ぎる。見ろ、『バルカン』のシンプルさを」などと言われる事は少なくなかったが、
バルカンの由来もローマ神話の火と鍛冶の神、ウルカヌスの英語読みな上に、しつこいようだが「回転式多銃身機関砲」それ自体を指して『バルカン』と呼ぶのがそもそもの間違いという事が周知されたためか近年は突っ込まれることが減った。
そもそも兵器に神話から引用した仰々し過ぎる命名を行う例は創作のみならず現実の兵器でも多数あり*23、何も現実離れした話ではない。何なら「ザクマシンガン」「ザクバズーカ」等よりかリアルですらある。*24
そうでなければ現実の旧日本軍も米軍もドイツ軍もイギリス軍も揃って中二病ばかりという事になってしまうが、誰も彼らをそうは言わない…言わな……いや中二病だわ
……とにかく現実の兵器がこんな調子な以上、神話由来の無駄に勇壮なネーミングはリアルではないと主張する者の「リアル」とは一体どの世界なのかという話である。

なおイーゲルシュテルンは14~15世紀頃に開発された防御陣形の一種。円陣を組んだ兵が外側に向けて槍を構え、ハリネズミ(Igel)の様な陣形(Stellung)を構築する。
この名称を採用した理由は不明だが、同じ陣形名称つながりで現実のM61バルカンを用いたCIWSである「ファランクス」に引っ掛けたものだろうか。
こちらは紀元前に開発された横隊を形成する攻撃的な密集陣形であり、イーゲルシュテルンとは異なる。


【余談2、バルカン受けて生きてた人達】

バルカン系は基本的に受けた人間は蜂の巣になって死亡無いし重傷となるが、これを受けて軽症だった人間もいる。人間かそれ?と聞かれたら困るが。
1人がガンダムSEED MSVや機動戦士ガンダムSEED FRAME ASTRAYSに登場するバリー・ボー。前述の「105ダガーの12.5mm脚部対人機関銃を食らって生きていた」人物。
格闘技のエキスパートでありMSとも生身で戦える出てくる作品間違えたようなキャラだが、それでも後方からの機関銃を止めることができず肩にかすり傷を負い「くっ!」と声を上げた。
その後彼はとある人物との生身の戦いで死亡するのだが、MSVで活躍し漫画版でも見せ場があった彼の突然の死に悲しみを感じながらも「機関銃受けて『くっ!』で済んだ男がどうやったら死ぬのか」と思う読者は多かった。
とはいえ上のバルカンも回避して致命傷は避けているので、直撃したら流石にまずかったとは思われるが。

もう1人が機動戦士ガンダム なぐりあい宇宙の主人公のヤジマ・レツ。
こちらはバルカンでコクピットを蜂の巣にされてもなんか普通に生きてた





追記・修正は、νガンダムのバルカンに突っ込んで帰ってからお願いします。

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最終更新:2025年04月21日 12:39

*1 代わりに、乗っているのが息子と知らないテムが「なんてヘタクソな戦い方だ!」と怒る描写が挟まっているので実際当たっていないと思われる

*2 逆に、データ採取機器のために構造上内蔵できなかったバルカンをわざわざオプションで付けるあたり、ガンダムにバルカンは不可欠とティターンズも考えていたとも言える

*3 例としてトライエイジガンダム発表の際の事前告知映像など

*4 リボルバーカノンは砲身そのものはひとつで、薬室など発砲・再装填するためのメカの部分だけがガトリングのように複数をくるくる回して次の弾を送り込む構造のこと。実在兵器だと欧州の戦闘機の機銃で多く見られ、『エースコンバットシリーズ』でもおなじみ、ユーロファイター2000/タイフーンやラファール、JAS39グリペンなどいくつかの現役軍用機がこのタイプの機銃を採用している

*5 動いている媒体で言えばEXVSシリーズの特殊格闘射撃派生や射撃CS(EXVS2以降)のあれのこと

*6 アイナが乗っていることを想定しているシーンが多く、コクピットではなく関節を撃ち抜くなど「敵兵員の殺害」よりも「ミッション阻止」を重視だったのも大きい

*7 グリモアの頭部を破壊するほどの威力を持っている

*8 コクピット両側の胸部の蓋を開いて撃ちだすやつ

*9 これも実在の兵器名・兵器用語

*10 12.5mmといえば重機関銃や対物ライフルに使われるサイズである。このようなものの連射を浴びれば人体など蜂の巣を通り越して肉片と化してしまう。実際に第二次世界大戦関連の「米軍機と思われる航空機(※基本的にどの機種も12.7mm機銃を装備していた)から機銃掃射を受けた」証言でそういった内容を含んでいるものは多く確認されている。因みに現実の軍隊が装備する「専ら人に向けて撃つための機関銃」の口径は概ね8mm弱。

*11 「如何に対人兵器と言えども、本当に丁度ぴったり人間を殺せる程度の威力しかないと防弾チョッキや些細な障害物にも阻まれ「人すら殺せない」事態になりかねないため、人のついでに車両などの軽めな装甲目標への攻撃も見据えてちょっとオーバーめなくらいが丁度良い」という見方もあるにはある。それにしたって12.5mmはオーバー過ぎなきらいはある様にも……。

*12 作中では生身の状態でこれで撃たれてかすり傷で済んだバケモノもいる。さすがに考証ミスとする意見が主流ではあるが

*13 ついでに言うと『00』以降も明確にビームな機体は珍しい。『ガンプラビルダーズ』のビギニングガンダムなど例自体はある

*14 スペルビアGN-X、GN-XⅣのみ腰部にも搭載

*15 20mmは実在する方のバルカンの口径。30mmはいわゆるロシア系・中国系の機種の機銃の口径で、幾つか銃の種類はあるが基本的にこれが弾のスタンダード規格のため

*16 と言っても第1部の連邦機はヴェイガン機に比べて泣きたくなるほど低性能なのをパイロットの技量や武装の技術進歩でフォローしているという理由もある

*17 機動性重視で装甲が薄いとされるザウォートヘビィですら、プロドロスの実弾アサルトライフルが直撃してもかすり傷ひとつつかないほど頑丈

*18 宇宙世紀をメインとした「ジェネシス」ではバルカンやそれに類する武装を搭載しているのは戦闘機や戦車系に集中しており、バルカン持ちのMSはガンダム試作2号機をはじめとして数えるほどしかいない

*19 量産型νガンダムにあったりなかったりする。『BX』のクランシェなどはバルカンもビームサーベルもない有様。

*20 一応フォローすると、ランチャーストライクガンダムに限らずⅡのアケ版は割とバランス調整・チェックが緩めな面もあった

*21 全パージ後のみ

*22 ザクⅡFS型(いわゆるガルマザク)、ケンプファーなど

*23 特に欧米圏が顕著。インドや中東も多い

*24 普通、搭載先のプラットフォームの名前をそのまま武器名に取り入れることは無い。そのためか、『THE ORIGIN』では「ザクマシンガン」は連邦がつけた通称とされ、新たに「ハイパー・ライフル」という正式名称が与えられている。