ジム・コマンド/ジム寒冷地仕様

登録日:2011/12/28 Wed 15:38:22
更新日:2025/06/08 Sun 10:28:35
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ジム・コマンド及びジム寒冷地仕様とは、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ(MS)。
系譜としては寒冷地仕様を含めたジムD型のさらなる発展タイプがジム・コマンドとなる。






ジム・コマンド

 GM COMMAND

型式番号 RGM-79G
所属 地球連邦軍
ジオン公国軍(鹵獲機)
海賊
生産形態 量産機
頭頂高 18.0m
本体重量 43.5t
全備重量 56.4t
出力 1,330kw
推力 67,000kg
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
武装 60mmバルカン砲 ×2門
90mmブルパップ・マシンガン
ビームガン
ビームサーベル ×2基
シールド
主なパイロット ユウ・カジマ
フィリップ・フューズ
サマナ・フュリス
リル・ソマーズ
ユーグ・クーロ
ヒュー・カーター
シェリー・アリスン



機体解説

一年戦争を通して連邦の主力モビルスーツ(以下MS)として活躍した“RGM-79 ジム”だが、一般によく知られるタイプである前期量産型は短期間で最前線に投入する為に基本設計を無視して急造された廉価版であり、スペック通りの性能を発揮しなかった。

しかし戦争も終盤となり、より基本設計に忠実な、所謂“後期生産型”の生産が開始された。
ジム・コマンドとは、その後期生産型と呼ばれる機体の一種であり、一年戦争最強クラスのMSであるジム・スナイパーⅡは本機がベースである。


ジム・コマンドは、前期型とは全く別物に見える程の外部装甲とバックパックの変更や新規に搭載したレーザー通信機、新型のビームサーベルとシールドの搭載など様々な点で強化されており、その性能はRX-78-2ガンダムと同等以上となっている。
頭部には対人・対物回避能力を向上させる為のセンサーを増設、通信アンテナも施設への接触を考慮して右肩の襟元に装備される、
主武装もコロニー内壁へのダメージや排莢による二次被害を防ぐ目的でケースレス弾を採用した実体弾式のブルパップマシンガンを用いるなど、コロニー内戦闘に配慮した装備を有している。

主に指揮官やエースパイロットに配備されたものの、映像作品中ではザクⅡ改に普通に撃破されるなどあまり性能を発揮する場面は無い。
ありとあらゆる作品で相手に恵まれず、ゲルググJや暴走したブルーディスティニー1号機に撃墜されていく様子はまさしくジムの系譜である。

逆に言えば、エース級が乗れば強力な機体となる。
実際、宇宙戦仕様のGS型にはテネス・A・ユング少佐やフランクリン・ノボトニー中佐、ユウ・カジマ少尉などなど連邦軍の撃墜王やエース達が搭乗していて、
映像作品に限ってもユーグ・クーロ中尉機がア・バオア・クーの戦いでゲルググキャノンやビグロなどの高性能機を次々と撃破している。

結論:エースが乗らなきゃジムはジム。


基本となるG型は地上戦仕様で、主戦場が宇宙へ移行していたために一部を除いてコロニー内での防衛用に使用された。その為“コロニー戦仕様”とも呼ばれる。
武装に関してもコロニー内での戦闘を考慮してオーソドックスな90mmブルパップ・マシンガンを使用するケースが多かったようだ。


機体色はクリーム色と黒色が基本形で、後々までコロニー守備隊の制式カラーとしてに受け継がれている。
第11独立機械化混成部隊、通称“モルモット隊”や戦後に創設されたファントムスイープ隊など、一部の部隊が使用した物は従来のジムと同じ赤と白*1で塗装されている機体もあった。


余談だが、ジム・コマンドのバイザー下にあるメインカメラはジムタイプでは珍しいモノアイ式を採用している。
ジムの流れをくむ機体で他にバイザー+モノアイという組み合わせはジェガンくらい。

先ほどブルーディスティニー1号機にやられていると書いたが、『戦慄のブルー』の時系列はオデッサ作戦のすぐ後から始まるため 本機が存在していたら本当はおかしい。
開発スタッフによれば最初はジムのゲーム独自アレンジデザインで作っていたが、当時はゲームはアニメほど設定の厳密さは求められず
後からジム・コマンドにしないかと言われてサンライズ側も何も言わなかったために変更したらしい。
ブルー1号機の元にした陸戦型ジムより本機の方が上、場合によっては陸戦型ガンダムよりマシじゃねと思ってはいけない
ゲームの画面やパッケージ絵でノーマルジムを使っているのに操作機体はジムコマンドになっているのはそのためで「そういうもの」と思った方がいいだろう。
たいち版の漫画等の後発媒体では陸戦型ジムなどの「設定上あり得る機体」に変更されている。

武装

牽制用の頭部バルカン砲×2。ジム系おなじみの固定武装である。


みんなご存じビームの
ジム・コマンド系はリアアーマーに2本装備している。


  • ビームガン
    型式番号:BOWA BG-M-79F-3
GS型の装備するビーム兵器で最も標準的な物。後部のボトル状のパーツ(恐らくE-CAP)が目立つ。
ビームスプレーガンと同じく射程は中~近距離のままだが、出力、速射性、収束率がアップした。
直撃すればビグロの装甲すら一撃で貫通する火力を持つ。


  • 90mmブルパップ・マシンガン
    型式番号:HWF GMG・MG79-90mm
単銃身のブルパップ式マシンガン。“ジム・マシンガン”の愛称を持つ。
口径ではヤシマ重工製の100mmマシンガンに劣るが、SU-β徹甲榴弾、AS-γ対艦徹甲弾、FW-ν成形炸薬弾、訓練用のペイント弾など、任務によって弾薬の使い分けが可能な高い汎用性を持ち、地上から宇宙、コロニー内まで場所を問わずに使用出来る優れ物。
また、市街地やコロニー内での戦闘を想定してケースレス弾を採用しており、随伴歩兵との連携も取り易い。

システムウェポン構造を採用している為、パーツの組み換えで上位モデルのジム・ライフルや長距離狙撃用のロングライフルに組み替えることが可能である。


  • 対MS戦用シールドⅡ
    型式番号:NFHI RGM-M-Sh-ADG
ジム・コマンド系列やジム・カスタム系列の機体が持っている曲面型のシールド。
材質がチタン合金セラミック複合材にダウングレードされたものの、曲面型になった事で対弾性が向上、対ビームコーティング処置も標準仕様となった。
先端部分がクロー状になっていて、地面に差したりいざという時の刺突武器にもなる。


  • その他
ハイパーバズーカなど、当時の連邦軍規格武装なら一通り使用出来る。



バリエーション


また(照準が)ズレてる!

◆ジム・コマンド(宇宙戦仕様)

 GM COMMAND SPACE USE
型式番号 RGM-79GS
所属 地球連邦軍
生産形態 量産機
頭頂高 18.0m
本体重量 44.6t
全備重量 75.0t
出力 1,390kw
推力 74,000kg
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
武装 60mmバルカン砲 ×2門
90mmブルパップ・マシンガン
ビームガン
ビームサーベル ×2基
シールド
主なパイロット ユウ・カジマ
ユーグ・クーロ
テネス・A・ユング
フランクリン・ノボトニー

宇宙戦用の機体。GS型。従来のジムと同様の赤と白で塗装されているが、こちらは白い部分が緑かかっている素ジムよりもより純白に近い色合いになっている。

地上戦用と比べてバックパックのバーニア数が全方位に増加して推力が上昇している。
なお推進材の容量はさほど変わらないため、継戦能力はやや低い。

武装にはシールドにサーベル、ブルパップマシンガンに加え、ビームスプレーガンより強力なビームガンが装備されている。
ガンダムのビームライフルには及ばないものの、ドムのボディやビグロタイプのMAの装甲を容易く貫通出来、直撃すれば1撃で撃破出来る。

こちらは地上戦用よりも活躍に恵まれており、『機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル』及び『機動戦士ガンダム戦記(PS3版)』の主人公であるユーグ・クーロはア・バオア・クーでの戦いで本機に搭乗、ゲルググキャノンやリック・ドム、ビグロなどを苦戦しながらも次々と撃墜していった。

また、『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』の主人公、ユウ・カジマはEXAMを巡る戦いの後に蒼く塗装した機体でア・バオア・クー攻略戦に参加したという。

一年戦争以降は装備の更新と共に順次退役していったようで、モビルワーカーとして民間へ卸されていった。
U.C.0090年代から0110年代には市場価格も安定しているらしく、巨大デブリ排除用MWとして「スターク・ジム」という改造機がコロニー公社に向けて販売されている。


ジム・スナイパーⅡ

 GM SNIPER Ⅱ
型式番号 RGM-79SP

ジム・コマンドをベースとして開発されたエース向けの超高性能汎用機
詳しくは項目へ。


ジム・スパルタン

 GM SPARTAN
型式番号 RGM-79S

こちらもジム・コマンドをベースとして開発された超高性能局地戦用機で、スナイパーⅡとは設計の一部が共通した兄弟機に当たる。


◆ハイブースト・ジム

 HIGH BOOST GM
型式番号 RGM-79GB

移動力の向上を目的に開発された機体で、バックパックをノーマルのジムの物に、脚部にブースターユニットが追加している。
確かに移動力は上がったのだが、引き換えに回避性能が低下してしまっている。

武装はビームサーベルの他にガンダム・ピクシーのサブマシンガンの発展型であるYF81-MP100マシン・ピストル2丁を装備している。

小説『機動戦士ガンダム ブレイジングシャドウ』に登場。
試作機宇宙海賊「シュテンドウジ」に渡り、メンバーの一人セリア・ハウザーの乗機になった。
なお、シュテンドウジに渡った物には腰部にもジオン系のブースターが増設された。


◆ジム・コマンド(外宇宙戦仕様)

『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』に登場。型式番号は普通の宇宙戦仕様と同じ“RGM-79GS”。
“ジム・コマンド改”とも呼ばれる。

外装が変更され、見た目では殆どジムコマンドとの共通点が無い。ボディはどちらかといえばガンダムに、頭部もジムというよりジェノアスアデルの様な大型バイザーで、バックパックに辛うじてG型の面影を残す程度。
また、踵が無くつま先立ちしている様な足先だが、代わりに展開式のクローを備えていて、アウトリガーとして使用される。
武装は専用のビームライフル、従来のジムの様にバックパック右側上部に移設されたビームサーベル、頭部バルカン砲、シールド。

バーニアの強化が図られた他、OSにアムロ・レイの操縦データが入力されていて射撃回避能力が強化されている。
但し、一般的な量産機でアムロの操縦を再現した為に機体とパイロットに掛かる負担はかなりのもの。
宇宙世紀0081年にアクシズで発生した地球連邦小惑星機動艦隊襲撃事件に投入され、シャアも息を巻く回避性能を見せたが、射撃への回避以外は大した事が無いと見破られて壊滅させられた。


◆ジム・コマンド "ハンマーヘッド"

ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』収録の「It's a wonderful world」に登場。
パイロットは地球生まれのフジ・ミカ曹長。
GS型ベースの実験機で、武器も持っておらず、性能や実験内容は不明。
ガンダムタイプの頭部とトリコロールカラーが特徴。
コロニー内で墜落事故を起こした挙句、外壁をブチ抜いてしまいジオン軍に捕捉されてしまうも、咄嗟の判断で操縦を代わったダリ―の機転で無事連邦軍に回収された。


◆ファントムシステム搭載機

漫画アウターガンダム』に登場した試作機。正式名称は不明。
MSの自律無人運用を目的とした「無人機(ファントム)システム」を搭載した実験機で、武装も実弾式のメインアームやランチャー内蔵のバックパックに変更された。
東京都臨海部副都心に配備されていたが、周囲のビルの磁場がシステムのチップに影響を及ぼし、暴走してしまった。


◆ジム・コマンド・ライトアーマー

 GM COMMAND LIGHT ARMOR
型式番号 RGM-79GL

1/144スケールのジム・コマンドのプラモデル付属の説明書に記載されている機体。
早い話がジム・コマンド版ジム・ライトアーマー
見た目は何故かノーマルのジムの方に近い。

名前とデザインのみが載せられていただけで説明などは一切無く、詳細な設定などは未だ不明のまま。

後に複数のゲーム作品に参戦した際に設定が追加されることはあったが、概ねジム・ライトアーマーと同様に軽量化による機動性向上・一撃離脱目的で開発されたとされる。
ただし、ジム・コマンドの開発時期が末期かつ少数であったことから本改修を実施した機体は少ないとのこと。


◆ジム・コマンド (モルモット隊仕様)

『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』より。
MSの運用データ収集を目的とする第11独立機械化混成部隊、通称モルモット隊に配備されたもの。
本機は先行配備型にあたり、後期型ジムの配備が始まる以前のオデッサ作戦終了直後には既に稼働していた。

宇宙戦仕様(GS型)の様な紅白のカラーリングだがベース機は地上用のG型。
外見の違いは誤差レベルだが、前腕部の形状や肩部アンテナの有無、シールドが新規である点が大きな違い。


◆ジム・コマンド・キャノン

 GM COMMAND CANNON
型式番号 RGC-79G

『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』の漫画版『ガンダム外伝 ザ・ブルー・ディスティニー 』に登場。
パイロットはモルモット隊のサマナ・フュリス准尉。

見た感じはG型ベースのジム・キャノンといったところで、股間部に量産型ガンキャノンのパーツが使用されている。

後にバーニアを追加した推力強化仕様にアップグレードされた。
携行火器も陸ガン用ビームライフルに変わっている。


◆ジム・コマンド (アナハイム・エレクトロニクス社 警備部防空隊)

機動戦士ガンダム サンダーボルト』に登場。
RGM-79GSの後期生産型をアナハイムが自社の私設軍隊である警備部の防空隊仕様として改修した機体で、胸部やシールドに会社のロゴがデザインされている。
アナハイムに立ち寄ろうとするビーハイヴIIに対し、フォン・ブラウン市までの先導を担当すると同時に武器システムを許可を下すまで封印するように警告した。


◆地底戦用ジム

『魔法の少尉ブラスターマリ』に登場。
両腕と後頭部にドリル、額にヘッドライトを搭載した連邦版アッグ。戦闘時には両腕のドリルを切り離し、ビームつるはしで格闘戦を行う。
コロニーの外壁に穴を空ける破壊工作を行っていた所をブラスターマリ少尉に発見され、おしおきとして自らが空けた穴に詰め物として詰められてしまうのであった。


◆強行偵察型ジム

『魔法の少尉ブラスターマリ』に登場。
透視カメラを搭載した「みるちゃん」、耳の様な大型アンテナを搭載した「きくちゃん」、後頭部が長く知能指数1300を誇る隊長機「なんだろうくん」の3機編成で偵察を行っていた。


◆スターク・ジム

 STARK GM

型式番号 MWS-19362GS
所属 コロニー公社
サナリィ
地球連邦軍
開発 モノトーン・マウス社
頭頂高 18.0m
全備重量 65.3t
武装 ビームライフル
大型ミサイル(核弾頭装備可能) ×4
3連装中型ミサイルランチャー ×2

主にコロニー公社で使用されているモビルワーカー。
開発企業はかのモノトーン・マウス社で、主任設計者はダリー・ニエル・ガンズ
ジム・コマンド(宇宙仕様)をベースにジェネレーターはジムⅡ、脚部をジムⅢ、バックパックをガンダムMk-Ⅱの物に交換、両肩部にスタークジェガン(CCA-MSV版)のミサイルポッドを装備する。

宇宙海賊やテロリストなど武装勢力との戦闘を企図した機体ではなく、スペースデブリや隕石からコロニーを守る為の機体で、民間機にも関わらず核兵器を装備可能なのはそのことに因む。

U.C.0093年冬、シャアの反乱によるアクシズ落としは地球のみならずスペースコロニーにも大型隕石やデブリの脅威を再認識させた。
そこでコロニー公社はアナハイム社に当時最新鋭だったスタークジェガン(プロト)の販売を打診するが、シャアの反乱の後でスペースノイドが核兵器を運用可能な高性能MSを持つ事を連邦政府が看過する筈もなく、連邦政府による差し止めにより失敗。
連邦議員エンゲイスト・ロナ氏の手助けによりミサイルポッドだけは購入出来たので下請けのモノトーン・マウス社にMW開発を依頼。
素体には民間に払い下げられていたMSの中でもそこそこ機動性が高く市場価格も安定していたジム・コマンドが選ばれたという。

民生品ではあったが性能はそれなりに評価されており、後にサナリィや連邦軍にも納品された。

とはいえ、中身は一年戦争当時と殆ど変わらないままなので対大型目標はともかく対MS戦闘には全く向いておらず、U.C.0116年のトリムールティ事件や0121年の第一次オールズモビル戦役に投入されるも大損害または全滅の憂き目に遭ってしまった。






ゴッグタイプ2機による敵襲!ゴッグタイプ2機による敵襲!
ブラウン隊、防衛ラインを張れ!

ジム寒冷地仕様

 GM COLD DISTRICTS TYPE

型式番号 RGM-79D
所属 地球連邦軍
生産形態 量産機
頭頂高 18.0m
本体重量 44.7t
出力 1,250kw
推力 60,000kg
装甲材質 チタン合金セラミック複合材
武装 60mmバルカン砲 ×2門
マシンガン
90mmブルパップ・マシンガン
ビームサーベル
シールド



機体解説

ジム後期生産型の一種。
ジムD型に氷結対策・防寒処理を施して寒冷地の拠点防衛用として配備された。
ブリザード等の悪天候下での運用を想定している為、地上用MSの中でも最高峰の通信能力を持つ。


本来はジム・コマンドのバリエーションの1つとして計画された機体だったのだが、ガンダムが行わなかった寒冷地での戦闘データを入手する為にフレームのみを流用した実験機として繰り上げ開発された。
その為、この機体はジム・コマンドシリーズのプロトタイプとしての意味合いも持っている。

半ば実験機という都合から生産数は多くなく、北極基地防衛戦や旧ロシア地区に退却したジオン軍の追撃戦など参加した作戦は少なかった。


映像作品には『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』にのみ登場。
劇中ではステン短機関銃に似たマシンガンやブルパップ・マシンガンを持った機体が北極基地に配備され、ガンダムNT-1“アレックス”を狙って襲撃したジオン軍のサイクロプス隊を迎撃した。
奇襲に加えプロフェッショナル集団のサイクロプス隊相手では分が悪く、次々と撃破され最終的には全滅したものの、アレックスを載せたシャトル近辺の1機がハイゴッグ(アンディ機)を撃破してシャトル打ち上げを守り抜いた。

その1機もシャトルの噴射炎の中に消え、ハイゴッグ(ガルシア機)に組み付かれた機体はその巻き込まれ覚悟の勇姿を称えるかの如くサムズアップをしていた。



武装

  • 60mmバルカン砲
当然のように装備しているが、劇中未使用。


  • ビームサーベル
多くのジムと同じくバックパック左側に一本差し。
本編未使用。


  • 90mmマシンガン
    型式番号:NFHI GMG-TYPE2
ノーフォーク産業が開発した専用マシンガン。
フォアグリップ兼用のマガジンなど、第二次世界大戦中にイギリスで開発されたステンガンに似たレイアウトが特徴。
銃身下部にグレネード弾を装備する事も可能だった。

ハイゴッグの装甲を撃ち抜く程度の威力はあるが、あまり高性能とは言えなかった為に少数生産に留まったらしい。


  • 90mm ブルパップ・マシンガン
    型式番号:HWF GMG・MG79-90mm
他のジム系でも使用される、いわゆる「ジム・マシンガン」。
『ポケ戦』本編でも何機かはこちらを持っていた。


  • 対MS戦用シールド改
    型式番号:FADEGEL RGM-M-Sh-007
ジム改などと同じ十字マークの無い廉価版タイプを使用する設定だが、本編未使用。



ジムD型

寒冷地仕様のプレーン版。
防寒装備の有無以外は寒冷地仕様と同じとされる。

ジオン軍のドムにより前線のMS部隊の被害が拡大しており、ジムの高性能化を現場から求められた事を受けてオーガスタ基地が開発した機種。
性能指標をドムに設定し、その脅威的なホバー機動に対抗する為、先述の様に開発中だった本体はジム・コマンドのフレームをベースに、そしてバックパックは素ジムの物をベースに主推進器を従来の2倍(4連バーニア)に無理矢理増加することで強引に対応したものがD型である。D型とは対ドムを指すとの説もある。

戦闘時間の低下などの問題はあったが機動性の強化は確かなもので、少なからずドムに対抗出来るようになった点は現場で評価されたという。

本機の性能に自信を付けたオーガスタ基地によってジム・コマンド系統の生産が提案され、兵器開発局が開発していたジム改に先んじて量産が認可されたとされる。
また、バックパックは構造的に余裕を持った設計をされエネルギー効率も良く、ジム改へも引き継がれた。


高山瑞穂版コミカライズだと新型ジムという触れ込みで登場し、ユウはブルーに乗り換えるまでジム・コマンドではなくD型に搭乗している。
こちらのデザインはD型とG型を混ぜたようなものになっており、作画によって見た目が安定していない。




ゲーム

  • ガンダム戦記(PS2・PS3) ターゲットインサイト(PS3)
3作品共通で、寒冷地仕様は「ジムや陸ジムで苦労してる所に配備・購入できる連邦モード序盤の救世主」という立ち位置である。耐久力が素ジムの大体2倍、そこそこの威力のある弾数豊富なマシンガン、汎用型唯一のビーム砲、移動力も向上しているので、強引にダッシュ・ブーストで切り込んでは逃げる一撃離脱戦法も可能といいことづくめ。
戦記のPS3版の連邦モードは更に上位種のジムコマンド地上型が既に最初から配備されてるため出番はないが、フリーモードでは大抵の隊長が小手先改造のジム砂漠戦仕様で四苦八苦してる中、エース機としてしばらく活躍できる。
ジムコマンドやスナイパーカスタムと言った機体を手に入れた後も、寒冷地仕様は随伴僚機としても役立つので3作品とも長いことお世話になる。
ジムコマンドは更なる上位互換の様な存在であり、PS2版戦記には登場しないが、他2作ではガンダム級MSが来るまで隊長機として暴れる事ができる。
たぶんこの2機種がもっとも輝いてる作品群。


コマンド、寒冷地仕様、コマンド・ライトアーマーの3機が登場。コマンド・ライトアーマーが日の目を見たゲームでもある。
どの機体も近距離機でコマンド、寒冷地仕様がコスト200、ライコマがコスト160となっている。
コマンドは宇宙では宇宙用になるがコロニーでも宇宙用になってしまう不具合が未だに直らない。

寒冷地仕様は高バランサーに大ダメージを与えることが可能なマシンガンAを所持しており、格闘の威力が近距離にしては高い。
ライコマはコスト+20で全バランサー1発よろけ(しかも威力も高め)のビームガンBと広範囲にばら撒かれるハンドグレネイドC、極め付けに硬直が高コスト機並みになる機動5などの要因からかなり強力な機体とされている。
コマンドは上2体やザクⅡ改と比べるとパッとしない機体という印象があったが、特化セッティングにより上2体と同等、装甲設定なら同等以上の活躍が期待できる。6連射・高集弾のブルパップ・マシンガンAはこの機体のみの装備。
この他の武器も見所のある物を持つ。

但しこの3体すべてが2013年6月18日のREV.3.20で下方修正された。

寒冷地仕様はマシンガンAの弾数減、ライコマはビームガンBとハンドグレネイドCの威力低下(グレCはリロードも増加)、コマンドは装甲セッティングの装甲値を軒並み下げられた。

尤も、寒冷地仕様のマシンガンAはリロードも相応に早くなり、ライコマは本来のコストに近い性能になっただけでカットを主体とした立ち回りには支障はきたさない。コマンドは装甲値を最大に上げる装甲4で戦う戦法は陸戦型ガンダムに譲ったが、機動、装甲1~3の特化セッティングは未だ顕在である。


  • 機動戦士ガンダム バトルオペレーション2
250コスト汎用。レアリティは最も低い☆1で30連も引けばいずれかのレベルが1つ2つ混ざる程度で比較的入手しやすい。
宇宙用と地上用で別機体であり、前者は射撃戦向けのステータス、後者は格闘戦向けのステータスとなっている。
登場当初はこのレアリティの低さでありながら
  • 当時流行の戦闘スタイル(地上:格闘戦、宇宙:射撃戦)とマッチしたステータス
  • 細身のため被弾しにくい上に盾で隠せる
  • 扱いやすい連邦サーベルモーション
  • 宇宙用/地上用共に地形適正を持ち、盾を持っている状態で同コスト帯の盾なし機体とほぼ同等の速力
  • 盾が破壊されると更に早くなる
と非常に優秀で、特に地上戦はコマンドが出せるコスト帯*2なら迷ったらコマを出せと言われるレベル。
同時期強襲のプロトタイプガンダム、支援のガンキャノンと合わせて各環境を席巻していた。
しかしながらあまりに暴れすぎたためか、上記2機と共にこのゲームとしては珍しく弱体化修正を受けた。特にLv1機体は他の汎用機よりも3000近くHPが低く設定され、カスタムパーツを用いても補うのが難しい程。
一応コスト350戦ではスロットが増えた分パーツで補う事ができるためたまには見かけることはある。ただこのコスト帯では他にできることが多い機体もいるので
本機を出すならばシンプルさを活かした速攻や判断の速さで優位に立つ必要がある。


寒冷地仕様も同じく250の汎用機
主武装は専用マシンガンしか持てない。つまり低コスト汎用に求められるバズーカ系兵装が持てないため、「よろけ」を生み出す能力が低く味方の援護がし辛い。しかもこのマシンガン、発射レートが極めて高く1マガジンのDPSではなかなかのものだが弾数が僅か30発でその割にリロードが長く、総じてDPMとしては決して高くない。リロード中の副兵装も弾数1のグレネードと貧弱なバルカンしかなく、肝心な時に追撃が出来なかったり、瀕死の敵を取り逃がしたりと取り回しはあまり良くない。
さらに汎用機としては珍しいマニューバアーマー*3を持つ代償として緊急回避*4がないため、うっかり前線でよろけを貰おうものならあっという間に袋叩きにされる事になり汎用機に求められる壁能力も低い。
上記の結果、チームメンバーとしては余り歓迎されない機体となっている。
しかし高発射レートのマシンガンは瞬間火力的にも見た目的にも爽快感はあるため、海外プレイヤーを中心に愛用者は結構多くいちいち出撃拒否していては長時間出撃できない程なので、レート戦でも1機くらいなら妥協して出撃と言う光景が見られる。*5
なおボイチャを使っての連携前提で、各機1発ずつのグレネードをチーム単位で管理しつつ高DPSマシンガンの集中砲火とリロード中の一斉離脱をこなす軍隊染みたクランならば強いんだとか。


  • ギレンの野望シリーズ
ジムコマンドは地上用の灰色カラーと宇宙用の赤色カラーを両方採用する形で皆勤賞。
一方寒冷地仕様はジオンの系譜から登場。

一番開発時期が早い寒冷地仕様は砂漠以外での適正に優れ、盾を持つだけでなく何故かどのナンバリングでも対空能力に優れ索敵能力を持つ。が、火力がいまいちなのと連邦編は基本地上を片付けてから宇宙に移るため速攻プレイだと作りすぎても困るというもどかしさがある。アクシズの脅威では回収してコマンド宇宙仕様にできるがもちろんコストは割高に。

ジムコマンド地上仕様は寒冷地仕様よりもさらに開発時期が遅く、火力が上がって盾を持つためドムよりは強いものの、やはり登場時期がネック。一方でジオン側で万が一開発プランを奪取できた場合はグフに代わる量産型の前衛として使えるかもしれない。

上記の通り連邦編の後半は宇宙戦がメインのため、赤い方のジム・コマンドは一年戦争変後半の主戦力になりうる。大抵のナンバリングで運動性は20を超え盾を持つため、ドムとか相手だと盾で意外に粘りながら押し切ることも可能。ジオン編でルナツーにおいてこいつに出くわした場合は錯乱膜で対処したい。
ちなみに、何故かアクシズの脅威からはジスナイパーⅡよりも運動性では勝る。なんでだ。




ガンプラ

0080』当時に1/144スケールのジム・コマンドコロニー仕様と宇宙戦仕様が発売。
500円(税抜き)ながら、当時としてはスナップフィットで色分け可動も高い完成度を誇るオーパーツレベル。
バイザーにクリアパーツが採用されているが、ビームサーベルは単色成型で塗装は必須。
但し後年発売のHGUCと違ってサーベルと手首は別パーツとなっている。
また、『0080』当時発売の説明書にはリアル頭身のMSが葉書を持って「お便りまってま~す」と愛嬌をふりまくシュールなイラストが描かれていたが、ジム・コマンドコロニー仕様のそれは色分けが寒冷地仕様のものになっていた。


やがてHGUCにてコロニー仕様、宇宙戦仕様、そしてジム寒冷地仕様が発売。
旧キットを可動などで上回る部分もあるが、ビームサーベルが右手と一体成型な上に相変わらずクリアパーツでない所*6や、やはり2017年現在ではあらゆる部分で厳しいと思わせるものがあるが、それぞれの細部の違いや武装の違いなどはしっかり再現されている。

寒冷地仕様はHGで初プラモ化。
造形は優れており、色分けもダクトが中心で顔以外の色分けは十分。
しかし可動は古さも相まって今の感覚で見ると厳しい。
可動の狭さもあってマシンガンは持たせにくく、ビームサーベルは手首一体の単色成形な上にバックパックに差されたサーベルグリップに穴がないのでジムコマのように他所からの流用は効かない。
なお、寒冷地仕様は『ガンダムビルドファイターズ』にてキララが製作したガンプラとして登場している。


2017年末に遂にマスターグレードから宇宙戦仕様がプレミアムバンダイで商品化。先に発売されていたMG ジム・スナイパーⅡをベースにパーツを追加したキットで、色分け・可動も良好。
コロニー戦仕様は2018年1月末に通常で発売された。
こちらはバックパックとカラーリングを変更、ビームガンが削除された。

やや遅れて寒冷地仕様は2019年6月にプレミアムバンダイより発売。
やはりスナⅡ及びジムコマをベースにしたキットで余剰パーツも目立つが、色分け・可動は元キット準拠の優秀さを引き継いでいる。




余談

  • デザインは出渕裕氏。

  • 『ポケ戦』の登場MSが当初はリ・デザインされた初代ガンダムのMSだったことは有名だが、寒冷地仕様も同様に素ジムのカラーバリエーションという扱いであった。
    故にOVA『夢のマロン社・宇宙の旅』では紅白の寒冷地ジムが素ジムそのものとして登場する。

    一方、ジム・コマンドは最初から指揮官用カスタム機としてデザインされていた。

  • コマンドの頭部はガンダムのルーツとなった小説『宇宙の戦士』のパワードスーツ(スタジオぬえデザイン版)がモチーフと語られている。

  • SDガンダム外伝ではジムコマンドがアルガス騎士団騎馬隊の剣士ジムコマンドやダバード砲兵部隊の砲兵ジムコマンドとして、ジム寒冷地仕様がソドンの町の兵士ウインタージムとミリティア国の機兵コールドジムとして登場している。



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最終更新:2025年06月08日 10:28

*1 実はノーマルのジムは純粋な紅白ではないのは内緒

*2 250~400

*3 ブースト移動中に「よろけ」にくくなる

*4 ブースト全消費を代償に無敵時間を持つ回避行動ができる

*5 実際大抵の場合相手にも1機くらいはいるので結果互角となる

*6 但しサーベルグリップは腰から分離でき、他の機体のビーム刃をそのまま刺せるジョイントがあるので、流用できるビーム刃さえあれば「クリア成形かつ右手と一体でないビームサーベル」を持たせられる。