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オロチ(KOF)

登録日:2011/06/30 Thu 17:51:40
更新日:2026/10/23 Fri 21:28:22
所要時間:約 6 分で読めます






「我、ガイアと共に在り……」

「我のみを尊ぶ……」



オロチはSNK及び後継のSNK PLAYMORE(現SNK)の『THE KING OF FIGHTERS』シリーズに登場するキャラクターである。
本項目では、『NEOGEO BATTLE COLISEUM』に登場するオロチのコピー・ミズチについても解説する。




【プロフィール】


◆オロチ

「我より、優れる者はなし……」
格闘スタイル
不明
出身地
不明
誕生日
不明
年齢
不明
身長
不明(触媒により変わる)
体重
不明(触媒により変わる)
血液型
不明
趣味
不明
好きな食べ物
不明
大切なもの
不明
嫌いなもの
不明
得意スポーツ
不明
キャッチコピー
「地球意思」(『'98UM』)
担当声優
緒方 りお(『'97』、『'98UM』、『SKY STAGE』)
くまい もとこ(ドラマCD『'97 宿命編』)
青木 志貴(『KOF ALLSTAR』)
山﨑 るい(『KOF ドットバトル(KOF AFK)』)

◆ミズチ

「天上天下……」
格闘スタイル
本能
出身地
WAREZ第8研究室の試験管
誕生日
9月15日
年齢
不明
身長
138cm(変身前)
202cm(変身後)
体重
28kg
血液型
AB(RH-)
趣味
瞑想
好きな食べ物/好きなもの
穀物ならなんでも/自然現象
大切なもの
地球
嫌いなもの
人類
得意スポーツ
生後スポーツは何もやったことがない
キャッチコピー
「『偽り』の存在」(『NBC』)
担当声優
丸尾 恒人



【概要】


◆オロチ

『KOF』シリーズにおける【オロチ編】のキーキャラクターであり、オロチ一族の長。
地球の自然を守護し、時には試練や庇護を与える「神」に等しい存在、「地球意思」である。
肉体を持たない精神体であり、現世に現れる際には触媒(依り代)となる者に憑依する形を取る。
精神体であるため不滅の存在であり、他者の思考を読む能力も有すなど、「神」と呼ばれるに相応しい能力を持つ。
また、上位存在であるためか感情というものは持っておらず、その存在は善悪といった人間の定義に当て嵌めることは不可能であり、プロフィールのほとんどが「不明」である。

人間にオロチの力(暗黒パワー)を与え、利用することもあるが、人間とは相反する力であるが故にそれは肉体、そして命を蝕み続ける。
また強大な力と引き換えに暴走の危険と隣り合わせでもあり、誘惑に負けて暴走してしまうと、人の姿をした獣同然。
こうなってしまうと人間がオロチに逆らうことはほぼ不可能。
オロチ同様、人類に害をなす化け物となってしまう。

1800年前、自然の理から外れ、自然を破壊していく人類を敵性存在と判断したオロチは、人類を滅ぼそうと画策する。
感情を持たない地球意思であるオロチにとって、人類の抹殺はあくまで乱れた地球のバランスを取り戻すための手段の1つに過ぎなかったが、眷属であるオロチ一族は自然を破壊する人類を明確に敵対視し、暗黒パワーによって制裁を加えていった。

オロチが完全に顕現し、人類を滅ぼすほどの暗黒パワーを引き出すためには、神力を持った巫女を8人生贄に捧げる必要があり、オロチ八傑集は巫女となる8人の「八稚女(やをとめ)」を次々と捕らえ、「クシナダ」を除く7人の確保に成功する。
「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」を司る「祓う者」草薙、「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」を司る「封ずる者」八尺瓊、「八咫鏡(やたのかがみ)」を司る「護りし者」八咫という「三種の神器」の一族を筆頭とした人間の大規模な抵抗により、「クシナダ」の確保には苦戦したが、オロチ自身が既に捕らえた7人を使って不完全ながらも復活を果たすことで人間たちの注意を引き、その隙を突いて「クシナダ」を捕えることに成功した。

最後は「クシナダ」を生贄として完全に顕現し、暗黒パワーによって人類を滅ぼすだけであったが、「クシナダ」を生贄に捧げる儀式の直前を狙った「三種の神器」の不意打ちにより、「クシナダ」を奪還されてしまう。
その後の激闘によって八傑集や一族を撃破され、オロチは完全に覚醒することができずに敗北し、八傑集と共に封印された。
ちなみに、この時の触媒は女性。

しかし660年前、オロチ一族の力に魅せられた八尺瓊(八神)の行動によって八傑集の封印が解き放たれ、八傑集は八尺瓊(八神)を唆して「血の契約」を結び、草薙に対する敵意を吹き込んで「三種の神器」の盟約を破棄するよう唆す。
オロチ本体の封印は八咫が厳重に監視していたため解くことができなかったが、草薙と八尺瓊(八神)を敵対させることに成功した八傑集はその他一族と姿を隠す。

以後、彼らは現代に至るまでにオロチの封印場所を見つけ、封印を破るべく力を蓄えていたようである。

そして、ルガールがオロチの力に近づいたことから、本格的に行動を開始。
『'96』のストーリーが始まる少し前、八咫の末裔の片割れである神楽マキがオロチ四天王「吹き荒ぶ風のゲーニッツ」に殺害されたことでオロチの封印は解かれ、復活に向けた一族の活動はいよいよ活発化することとなる。


◆ミズチ

複合企業体「WAREZ」によって生み出された、オロチのクローン……のような存在。
前述のようにオロチ自体が実体を持たない精神体であるため、ストーリー上では「遺伝子と呼べるのかどうか」と曖昧な表現がされており、オロチのコピーであることは確かだが単純なクローン技術の産物ではないことが窺える。
戦闘時にはぶかぶかの白いズボンを履いた黒髪の少年が変身するという流れになっており、服ごと再構成するかのように変身するオロチとはこの点でも大きく異なっている。



【デザイン】


◆オロチ

プロフィールの記載からも分かるように、設定上は憑依する触媒によって姿が変わる。

『'97』ではオロチ四天王の一人である少年クリスの肉体を触媒として彼を急成長させたような姿となっており、白いスラックスと茶色の革靴を身に着け、裸の上半身に黒い文様を浮かび上がらせた白髪の成人男性の姿を取った。
ちなみに、『'97』の登場シーンは「屈んだクリスが立ち上がるとオロチの姿に変化する」という流れだが、その際にズボンや靴も変化する。
つまり服装は現代人の感性に合わせたオロチ本人(?)のセンス。

呪術的な文様が浮かんだ裸の上半身に、下半身はズボンに革靴履きという、現代要素と神話要素が入り乱れたような奇抜な格好ながら、そこから醸し出す神々しさから『KOF』シリーズのボスの中でも高い人気を誇る。
触媒となったクリスと同じ女性声優が声を担当しており、見た目の割には中性的な声色だが、強めのエフェクトが重なった呟くような無感情な口調と、どれだけダメージを与えても呻き声の1つも漏らさない寡黙さが、底知れなさや神秘性を強める一端を担っている。
ストーリーに神話の要素を加え人気を得た、シリーズ全盛期の象徴ともいえるキャラクター。

過去に存在したシリーズポータルサイト『THE KING OF FIGHTERS OFFICIAL WEB SITE』の「キャラ設定裏話」では、当初「素っ裸のクリスが光る玉を手に持って闘う」というジョー東の尻とは別次元のヤバい案が存在したことが明かされている。
この案は当然のように却下されたが(デザイナー全員でアンケートを取ったところ、全裸クリス案には2票しか入らなかったとか)とのこと。
むしろなんで2票入った……?
他には、開発初期は矢吹真吾をオロチの依代にする重い設定案もあったとか。

『KOF』シリーズ10周年記念サイトの開発者コメントコーナーでは、1800年前の決戦の様子を思しきドット絵が寄稿されており、束ねた白い長髪に白地に青の模様が入った着物を着ており、唇に青い口紅を塗っているなど、女性を触媒としたような姿になっている。


◆ミズチ

前述のように変身前の姿はクリスとも異なる黒髪の少年。
オロチと違って服は変身前後で変わらないため、登場シーンではぶかぶかの白いズボンだけを履いて体育座りしている。

変身後の姿はオロチと瓜二つだが、ドット絵には大幅な修正が加えられており、グラフィックが新規に描き下ろされている動作も多い。
また、髪やズボンの色味がオロチと異なり、オロチがクリーム色寄りの白だったのに対して青白く冷たい印象の白になっている。「白って200色あんねん」

男性声優が声を担当しているため、声色はオロチより低め。
また、終始無感情であったオロチとは異なり、笑い声を発したりと多少感情らしきものを見せている。



【作中での活躍】



◆オロチ

  • 『KOF'97』
前年のゲーニッツの登場によって存在は示唆されていたが、満を持して登場。
『'96』でようやく四天王の1人が登場し、これからと思われたところで残りの四天王共々一気に登場するというサプライズでプレイヤーの度肝を抜いた。
「THE KING OF FIGHTERS」を利用し、格闘家の熱闘から生じる膨大な精神力を得て、オロチは四天王「炎のさだめのクリス」を触媒とし復活を果たす。
しかし、今回も「クシナダ(が転生した京の彼女のユキ)」を捕らえることに失敗したことで不完全な復活となり、結局は草薙京・八神庵・神楽ちづるの現代の「三種の神器」に敗北。
四天王共々再び封印された。


  • 『KOF2003』
『'97』で封印されたオロチの魂はちづるが厳重に監視していたものの、「遥けし彼の地より出づる者」と名乗る謎の勢力の介入が発生。
ちづるは「遥けし彼の地より出づる者」に半ば操られるようにして「KOF」を開催し、大会後の混乱に乗じてアッシュ・クリムゾンがちづるの「八咫鏡」の力を奪ったことにより、オロチの封印は解かれてしまった。


  • 『KOF XI』
「遥けし彼の地より出づる者」の一角であるラスボス・禍忌が、オロチの覚醒を促す目的で「KOF」を開催。
ただ、オロチは西洋の地球意思に連なる「遥けし彼の地より出づる者」たちの呼び掛けには応じず、彼らの目論見は外れることとなった。


  • 『KOF XIII』
オロチの封印が解かれた影響か、『'96』で死亡したはずのマチュアとバイスが復活。
最終的にはアッシュの暗躍によるタイムパラドックスで全てが「なかったこと」になったものの、オロチの魂は封印状態に戻らず後述のバースに取り込まれていた模様。


  • 『KOF XIV』
『XIV』では、ラスボス・バースが取り込んでいた魂の1つとして登場。
バースが弾け飛んだことで世界各地で復活した死者(?)の1人として蘇るが、活動する前にまたしても三種の神器に封印される。
だが、一緒に封印されていた四天王は復活に成功しており、依然としてオロチの脅威は去っていない。


  • 『SNKヒロインズ 〜Tag Team Frenzy〜』
シェルミーのエンディングに登場。
ぶっちゃけると同作のエンディングは「悪夢」をテーマにした夢オチなのだが、シェルミー・社・クリスの「C.Y.S.」と「BOF」の面々(京、庵、アテナ、テリー、ナコルル)がバンド対決を繰り広げる中、依り代もなくいつの間にか降臨していたオロチは、なんと配下たちをそっちのけで「BOF」の観客席に陣取り、最前列でハチマキと団扇を装備しながらアテナを応援していた。
悪夢の中の登場人物は可愛らしくデフォルメされた姿なのだが、自分のライバルたちをニッコニコの笑顔で応援するオロチの姿はシェルミーにとって紛れもない悪夢だったのだろう。
リアル頭身のオロチで想像すると別の意味で怖くなる。
まぁアテナはルガールが明確に嫌うほど全うな正義サイドの人物なので、彼女のことは好きになってもおかしくはない……のだろうか?


◆ミズチ

  • 『NBC』
ミズチルートのラスボスとして登場し、大会決勝戦の相手としてプレイヤーの前に立ち塞がる。
しかしその存在はかなり不安定なものであったらしく、決勝に敗れた直後に急激に肉体の老化や劣化が進んで衰弱し、そのまま死亡した。
自身のエンディングでもオリジナルであるオロチに呼びかけられてオロチと一体化してしまい、どの道消滅する。

そもそもミズチルートはバッドエンドルートの1つではあるのだが、戦闘中のボイスはオロチより豊富な割にデモでの台詞はほとんどなかったりと、他のバッドエンドルートのラズボスよりも明らかに描写が薄い。
そのため、特殊やられのボイスである「ありえん……!」という台詞からありえん(笑)と揶揄されることも……。



【オロチ八傑集】


暗黒パワーを使用するオロチ一族の中でも、特に優れた8体の存在。
『KOF』の世界におけるヤマタノオロチとは、オロチの手足(?)となって活動する八傑集のことであったとされている。
封印が解かれた660年前から転生を繰り返し、当代まで存続し続けている。
その中でも風・地・雷・炎の力を扱える四体がオロチ四天王と呼ばれ、上位の存在とされる。
一族としての使命が顕在化するまでは普通の人間のように暮らしており、人間社会での表の顔を持っているメンバーも少なくないが、その本質は紛れもなく人外の存在である。

風を司るオロチ四天王。牧師風の格好をした男性。彼が着ている服がオロチ八傑集の正装である。
口調こそ穏やかだが、その行動原理はオロチを復活させるためであり、上述の通りちづるの姉を殺害している。
660年前にも当時のゲーニッツ(に相当する存在)が、八尺瓊を堕落させ現代まで続く草薙と八尺瓊(八神)の対立を生み出した。
竜巻を生み出す「よのかぜ」と、いかにも『KOF』シリーズらしい強力なコマンド投げである「やみどうこく」が彼を象徴する技である。
ただ、強さのほとんどがCPU特有の超反応のせいと言われており、実際に使ってみると案外難しいボスキャラとしても有名だったり。

地を司るオロチ四天王。大柄な男。
普段はバンドのギタリストとして活動しており、その関係から庵を個人的に敵視している。
覚醒前はその肉体を活かした力強い打撃技中心だが、覚醒後は投げ技を中心とした投げキャラとなる。どちらも接近戦に比重を置いているのは変わらないが。

雷を司るオロチ四天王。髪で目を隠したセクシーな女性。
社と同じバンド所属で担当はキーボード。ファッションやプロレスを好み、戦闘スタイルもプロレス技中心の投げキャラ。
覚醒後は一転して設置技や飛び道具を使う立ち回りキャラとなる。
性格も覚醒前はセクシーでノリのいい性格だが、覚醒後は冷徹でオロチ一族としての面が濃くなる。

炎を司るオロチ四天王。小柄な少年。
バンドのボーカル担当で、誰にでも柔らかな雰囲気を崩さないが節々から慇懃無礼な部分が顔を覗かせる。
覚醒すると一転してオロチ一族としての残虐性を隠そうともせず、人類を滅ぼすことを厭わない。
覚醒前はスピードを生かしたラッシュが得意で、覚醒後はやや癖のある対空や飛び道具、打撃投げを活かしたキャラとなる。
『'98UM』では、他のオロチ四天王がオロチとの対戦前に膝を突くなどして礼をする特殊イントロが追加されたものの、彼のみオロチの媒体にされたためかオロチを讃える行動をしない。

  • マチュア
金髪で秘書服を纏った女性。クールだが超必殺技では高笑いを上げている。
当初はルガールの秘書として働いていたがこれはオロチ側の策略によるもので、彼を自滅させたあとは個人的興味から庵に接近してチームを組んだ。
多段ヒットする技が多く、ちょくちょく(ゲーム的に)悪いことをしている。

  • バイス
栗色の髪で秘書服を纏った女性。マチュアとは逆に荒っぽく、挑発的な言動が目立つ。
マチュアと同じくルガールの下を離れてからは庵と共に行動している。
マチュアともども彼女らはオロチ一族としての使命感に薄く、『XIII』での復活後もオロチ復活のためというよりは彼女らの個人的興味で動いている。
投げキャラだが、打撃面も優秀なことが多い。

  • 山崎竜二
餓狼伝説シリーズからのゲストキャラクター。『KOF』シリーズでは八傑集の1人であるとされる。*1
八傑集の中でも特に使命感に薄く、四天王とは表立った対立も厭わない。
そのためか『XV』では裏社から「八傑衆の面汚し」として粛清の対象にされている。

  • ガイデル
レオナの父。故人。ガイデルの死後にレオナを引き取ったハイデルンは友人。
生前からオロチ一族としての自覚こそあったものの、人としての生を選んで普通に暮らしていた。
しかしガイデルが本来持つべきだった八傑集としての力は、突然変異によって娘のレオナに受け継がれてしまっていた。
そのことを知ってガイデルを見限ったゲーニッツは、ガイデルの始末も兼ねてレオナの持つ力を強引に覚醒させ、ガイデルは「血の暴走」を起こしたレオナによって妻共々惨殺された。

+ 八傑集誕生の裏話
スタッフによって語られたところによると、元ネタである八岐大蛇から「敵は8人」というアイディアがあったという。
しかし、完結編と位置付けた『'97』の時点でも四天王にマチュア、バイスを加えた6人しかおらず、残りの2人をどうにかして決めなければいけなかった。
そこで着目したのが餓狼伝説から参戦した山崎だった。
元々「蛇使い」という必殺技を持っていたことからオロチと関連付けやすく、なおかつ一匹狼的なキャラクターのため「一族の使命には興味がない」のように関係性を最低限としても無理がない。
他作品の人気キャラクターであるため気が引ける部分もあったそうだが、餓狼チームとも相談し承諾を得たとのこと。

それでもなお最後の1人がどうしても見当たらない。
オロチと関係があるキャラとなるとあとはレオナくらいだが、流石にそれは……ということで、「実は彼女の父親が八傑集だった」という裏設定が誕生したという。



【ゲーム上の性能】


◆オロチ

オロチ一族の長にして「地球意思」という圧倒的存在であり、設定上の強さは『KOF』史上最強クラス……ではあるが、『'97』登場時はCPUアルゴリズムの弱さから『KOF』ラスボス最弱の一角になった。
これはスタッフが多くのプレイヤーにクリアしてもらおうとわざと弱くしたらしい。
また、アーケード版の時点では最低限のモーションしか用意されておらず、しゃがみ動作や通常技などが一通り出揃ったのは家庭用移植版以降のことであった。
ただし、そんな未完成感の漂う状態でもキャラクターの性能自体は非常に高く、プレイヤーが使用した場合は圧倒的な強さを誇っていた。

全画面攻撃にノーモーションで飛び越し不可能な火柱やバリアー、相手の飛び道具を跳ね返し、ただの強キック(の見た目)が「ジェノサイドカッター」にそっくり(その後の作品で必殺技に昇格)など、色々とんでもない。
さすがは「地球意思」である。

なお、『'97』では「神罰に名前は必要ない」という理由で技名が存在しなかった。
そのため、攻略本などでは動作そのままの仮名が付けられており、アドベンチャーゲームの『ザ・キング・オブ・ファイターズ 京』では全て「?」とスペースによる伏せ字で表現されていた。

その後『'98UM』で再登場した際には通常技の強攻撃のグラフィックが一新されており、強キックはダサいというか珍妙というか……ちょっと変わった見た目の蹴りになった。
必殺技の名前もミズチのものと同じ技名が逆輸入されたが、「格好いい」という声もあれば「俗っぽくなった」という意見もあり賛否両論。
ミズチの技名はどれも日本神話や日本古来の要素が含まれており、オロチに似合わないわけではないのだが、それだけ「名前のない神罰」というインパクトが強かったということだろう。
『'98UM』の性能は『'97』より弱体化しているもののCPU戦のオロチはAIが強化されており、防御の高さもあって非常に手強い。


◆ミズチ

性能は端的に表現すると「オロチの下位互換」だが、CPUのアルゴリズムが強くかなりの強敵。
加えてCPUはボス戦固有の仕様に調整されており、特に「火闌降(「火柱を起こす」のミズチ版)」はプレイヤーの接近を困難にするかなりの高性能となっている。

なお、前述したように『'97』のオロチをベースに大規模な修正が行われており、全く同じグラフィックは存在しないと言っていいレベルで手が加わっている。
その後、オロチの方も『'98UM』で通常技のモーションが大幅に変更されたりしたので、更に差別化が進んだ。



【技解説】


◆通常投げ

  • 相手を浮かせて弾き飛ばす/門客人(あらはばき)
不思議な力で手を触れずに相手の身体を宙に浮かせ、オロチは斬撃のようなエフェクトと共に弾き飛ばし、ミズチは「火闌降」と同じ火柱で吹き飛ばす。

技名の由来は関東や東北に信仰が存在する神・アラハバキと、アラハバキを客人神として祀る門客人神社(氷川神社総本社の境内に存在する摂社)。
アラハバキは日本神話(古事記・日本書紀)には登場しない謎の多い神だが、蛇神とする説が存在しており、門客人神社と同じ氷川神社の境内にはヤマタノオロチの伝承にちなんだ「蛇(じゃ)の池」が存在する。

『KOF 京』における表記は「___????___」(以下、『KOF 京』における技名はスペースの部分をアンダーバーで表記)。


◆必殺技

  • 「衝撃波を出す」/解除(はらえ)
「解除(はらえ)……」

手を前に突き出し、真っ黒で平たい楕円状の衝撃波を放つ技。
衝撃波の縦の判定は、画面上端には届かないものの非常に大きく、チョイ以外は飛び越すことが不可能。
しかも、超必殺技を含むほぼ全ての飛び道具を貫通する判定の強さを持ち、多段ヒットする上に攻撃後の隙も小さい。
これをただ連発するだけで相手を封殺できてしまう超高性能飛び道具である。

ミズチ版は、衝撃波の見た目が薄く平べったい円形の紋章のようなものになっている。
オロチのものとは異なりボタン入力によって弱版(A)と強版(C)が存在し、弱版は発生も弾速も遅めな代わりに縦方向の判定が若干大きく、強版は発生が早く弾速も上昇しているが縦方向の判定が少し小さい。
貫通性能はオロチのものが強過ぎたせいもあって弱体化されており、通常の飛び道具で相殺されるようになっている。
また、地面に近い部分には攻撃判定が存在せず、しゃがむだけで回避可能という欠点が存在する。

技名の由来は、日本神話でスサノオが高天原から追放(神逐)された際、物品を納めたり髭や手足の爪を切ることで罪を贖った(祓を行った)ことを示す「解除(はらえ)」。

『KOF 京』における表記は「_?_?_?_?_?」。


  • 「前方(斜め上)にバリアを張る」/顕斎(うつしいわい)
弱版(B)は前方、強版(C)は斜め上に手を突き出して不可視のバリアを張り、触れた相手を円形の鏡が割れるようなエフェクトと共に弾き飛ばす。
技の性質としては打撃技であり、ゲーニッツの「わんひょう・まめつ/とこぶせ」に似ている。

『'98UM』では技の性質が当て身技に変更されており、弱版は地上通常技と特殊技、強版はジャンプ通常技と必殺技に対応している。

ミズチ版も弱版(A)が前方、強版が斜め上(C)に対応しており、『'97』のオロチ版と同じく打撃技となっている。
CPUは通常の「顕斎」の他に、ボス仕様限定の強化版の「顕斎」を使用する。
この強化版の「顕斎」は、通常の「顕斎」ではヒットするまで不可視であるバリアが視認可能になっている代わりに、飛び道具を反射可能で発生直後に無敵時間が存在し、ヒットした相手を「解除」で吹き飛ばして大ダメージを与える。

技名の由来は、祭祀を行う際に祭主などの人間を祭祀の対象である神に見立てるという意味の「顕斎(うつしいわい)」。

『KOF 京』における表記は「__?__?__?_」。


  • 「火柱を起こす」/火闌降(ほのすそり)
「ここだ……」
「そこか……」
「ここか……」
「そこだ……」

画面上端まで届く、大きな青白い火柱を放つ技。
ゲーニッツの「よのかぜ」に似た性質を持ち、ボタン入力によって発生位置を変更可能でA〜Dの順に遠くなるという点も同様。

『'98UM』では発生が速くなり、さらにダウン追い打ち可能になった。

ミズチ版は火柱の色が紫で、ボイスが追加されたことで更に「よのかぜ」っぽくなっている。
CPUが使用する「火闌降」は、自分の目の前とサーチした相手の位置に立て続けに火柱を出現させるボス戦固有の仕様となっており、性能の項で述べたようにプレイヤーの接近を阻む壁となっている。

技名の由来は「天孫降臨」のエピソードに登場する「ホスソリ」あるいは「ホスセリ」であり、コノハナサクヤビメが燃え盛る産屋の中で出産した三柱の神の一柱。

『KOF 京』における表記は「_?__?__?__」。


  • 「相手の飛び道具を跳ね返す」/糺(ただす)
「糺(ただす)!」

目の前に発生した不可視のバリアで相手の飛び道具を吸収し、青白い火の玉にして打ち返す技。
技の性質としてはルガールの「ダークバリアー」や、麻宮アテナの「サイコリフレクター」と同じ系統である。
CPUはほとんど使ってこないため、技の存在自体を知らない人も多い。
アーケード版では発動時のモーションがほとんどなく僅かに手が動く程度だったが、家庭用移植版では地上ふっ飛ばし攻撃と同じ胸を張るような動作が追加された。

『'98UM』では、バリアで相手の攻撃を受け止めた際の波紋のようなエフェクトが青白い色から血のような赤い色に、跳ね返す火の玉の色がミズチのものと同じ紫色に変更されている。

ミズチ版はオロチ版と性質が異なり、胸の前で両腕を交差させてから地上ふっ飛ばし攻撃のように胸を張り、衝撃波を発して攻撃する。
発動時の両腕を交差させるモーションにガードポイントが存在し、ガードポイントで相手の攻撃を受け止めると衝撃波と同時に紫色の火の玉を前方に放つため、オロチ版と同様に飛び道具を跳ね返すことも可能。

技名の「糺」の文字は「糾」の旧字体で、「正す」と同じく「改め直す」「罪過の有無を追及する」という意味を持つ。


  • 御大(みほ)
「はぁーっ!」

ミズチのみ使用する、空中版の「糺」。
動作自体は空中ふっ飛ばし攻撃と同じで、ジャンプしながら胸を張って衝撃波を発する。
技を放ったあとは後方に跳ね返るようにして着地する動作が挟まるため、隙は大きめ。

技名の由来は、日本神話(『古事記』)に登場する地名。
オオクニヌシの国造りのエピソードで、彼が国造りの協力者となる神・スクナビコナと出会った場所が「出雲の御大(みほ)の御前(みさき)」と記されており、これは現在の島根県松江市にある美保ヶ崎(地蔵崎)を示している。


  • 誓約(うけい)
オロチ版「ジェノサイドカッター」。
上述の通り元々はただの立ち強キックだったが、ミズチから必殺技に昇格。
そのため他の技のような仮名は設定されていない。

技名の由来は、対立・競合する二者のどちらに神意があるかを確かめるために行われる一種の卜占「誓約(うけい/うけひ)」であり、特に日本神話においてアマテラスとスサノオの姉弟が行ったものが有名。


◆超必殺技

  • 「相手を引き込んで魂を抜く」/大神(おおみわ)
「儚いものだ……」
「飛べ……!」

胸を張る動作と共に身体を青白く発光させて不思議な力で相手を引き寄せ、相手が一定距離内に入ると発動する投げ技。
技が成立すると片腕を突き出して相手の胴を貫き、魂を表す青白い気の塊のようなものを引き抜いて、その魂を頭上に掲げてから握り潰すと同時に相手を吹き飛ばす。
バックステップなどで引き寄せる力に抗うことが可能であり、オロチ本体は引き寄せている間は無防備になるため、距離次第ではリーチの長い技や飛び道具を撃つチャンス。
『'97』におけるオロチの弱点の1つ。

『'98UM』では、引き抜いた魂の色がミズチ版と同じ紫色に変更され、MAX版は魂を握り潰した際にルガールの「ギガンテックプレッシャー」のように髑髏の模様が浮かんだ真っ赤な気の柱が発生し、相手を真上に打ち上げるようになった。

ミズチ版は相手を引き寄せる仕様が削除されて純粋なコマンド投げとなっており、発動時には「ふふふふふふ……!」「はっはっはっはっはっ!」などとちょっとうるさい笑い声を漏らしている。

技名の由来は、奈良県桜井市に存在する三輪山とその麓に存在する大神(おおみわ)神社であり、日本神話でオオモノヌシがこの山に祀られることを望んだことから三輪山自体を御神体とする自然信仰の地となっている。

『KOF 京』における表記は「??__??__??」。


  • 「画面全体に光を浴びせる」/混(まろかれ)
「さぁ、無に還ろう……」
「さぁ、無に還ろう……」

顔の前で両腕を交差させながら天を振り仰ぎ、オロチの背後の天上から翡翠色の光が降り注いでいるかのような背景画像が表示されると同時に相手を吹き飛ばす。

驚異の全画面攻撃であり、斬新な性能と神々しい見た目を兼ね備えたオロチの代名詞のような技。
オロチといえば全画面攻撃、逆もまた然りである。
なお、便宜上「全画面攻撃」と表現されているが、正確には画面の左右半分ずつに高速かつ交互に攻撃判定が発生しており、画面中央付近に左右の攻撃判定が重なる部分が存在する。
その仕様により、上手く画面中央でヒットさせることができればヒット数とダメージを倍増させて相手の体力の7割を消し飛ばすことも可能だが、ガードされると隙だらけになる。
オロチのこの技のあまりのインパクトにより、その後の作品で多くの格ゲーキャラに似たような技が搭載された。

ミズチの場合、顔の前で両腕を交差させながら天を振り仰ぐポーズはオロチと共通だが、光が降り注ぐのではなく背景が暗転し、「解除」と同じ円形の紋章が吹き飛んだ相手に重なるように浮かぶというものになっている。
技の仕様もオロチのものとは異なっており、ミズチの背後から画面全体をカバーする不可視の飛び道具が波のように8回押し寄せている。

技名の由来は、『日本書紀』の冒頭において天地開闢前の様子を示した「渾沌如鶏子(渾沌(まろかれ)たること鶏子(とりのこ)の如く)」という一節から。

『KOF 京』における表記は「????__????」。



【本編以外での活躍】


◆ドラマCD

「おのれェ……またお前か……!」
「我の行く手を阻むのは、またしてもお前なのかァッ!」

『'97』の後編となる『宿命編』に登場。
「感情を持たず人間の善悪の定義に当て嵌めることが不可能な存在」という本編通りの設定だとドラマCDの限られた時間内では扱いが難しいせいか、八傑集と同じく自然の理から逸脱した人類を明確に侮蔑し憎悪しており、いかにも悪役といった描写が多い。
特に、かつて自分を退けた「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」の継承者である京に対しては、本編のオロチからは考えられないほどに激しい憎悪と怒りをぶつけている。

「滅びぬぞ……我は、決して滅びぬ……草薙剣(くさなぎのつるぎ)めェェェッ!」



【余談】


  • オロチの戦闘開始デモの台詞である「蛹を破り……蝶は舞う……」だが、この台詞の元ネタは1991年放送の『鳥人戦隊ジェットマン』に登場するトランザ。
    • 『'96』から『'98』辺りの『KOF』シリーズには「クロスチェンジャー!」とか「所詮貴様は流れ星……」とか『ジェットマン』のパロディが数多く含まれており、その1つである。
    • この数年遅れの『ジェットマン』ブームらしき流れについては、2024年にとあるスタッフが「『面白いから見てください!』と勧めて多くの人がハマってくれた」「ビデオテープを貸し出していた」と明かしている*2。



「追記も修正も、人なるものの全てを、今ここで無に還そう……」
「汝らの追記を、修正の元へ……さぁ……無へ還ろう」


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最終更新:2026年10月23日 21:28

*1 あくまで『KOF』シリーズ独自の設定であり、『餓狼』シリーズでは普通の人間という設定である。

*2 https://x.com/eikichi_1994/status/1868323268215906422