天よりの宝札

登録日:2010/06/10 Thu 23:16:21
更新日:2025/03/30 Sun 23:05:24
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《天よりの宝札》
通常魔法
互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにデッキからカードをドローする。


原作『遊戯王』、アニメ『遊戯王デュエルモンスターズ』に登場した魔法カードで、主に主人公の遊戯が手札が0の状況で使用することが多い。
ちなみに、原作で初めてこのカードを使用したのは闇マリクである。

生還の宝札》《命削りの宝札》と共に、「宝札シリーズ」の開祖と言える1枚。

この時すでに《強欲な壺》《天使の施し》と強力なドローカードは存在していたが、それらとこれは格が違う。
遊戯のように手札が無い状況でこのカードを使えば、ノーコストで手札が0から6枚へ一気に増える。
この効果は相手にも及ぶが、相手の手札が4、5枚なら相手へのドローは少数に抑えることが出来るし、サイレント・マジシャンがいる時にこれを使えば一気にレベルを上げることが出来る。

ただし、OCGでのサイレント・マジシャンは魔力カウンターのカウントの仕方が異なるので、仮にこのカードで6枚ドローしたとしても、魔力カウンターは1つしか乗らない。
また、当時は存在していないが【インフェルニティ】を相手にしているのならば、《天よりの宝札》1枚で無力化させることが出来る。まさに最強の名を持つにふさわしいカードだ。

原作では魔法・罠カードは1ターンに1枚ずつしか場に出せない*1上に魔法罠ゾーンが存在していない(全てのカードを合わせて5枚まで)ため、アニメよりはぶっ壊れとは言えないカードだった。




ここまで見て分かるように、OCG化した瞬間制限や禁止になりうるカードであり、OCG化は難しいとされた。だが、573は何を思ったのかこれをOCG化した。

しかし、さすがに強すぎると分かっていたのか効果が原作orアニメと違う。
さぁ刮目せよ、これがOCG化した《天よりの宝札》だ。



























(当時のテキスト)

天よりの宝札
通常魔法
自分の手札と自分のフィールドのカードを全てゲームから除外する。
自分の手札が2枚になるようにカードを引く。










最強の手札増強カードは最強(笑)になってカード化した。
宝札は手に入らないばかりか、天に自分のカードを根こそぎ持って行かれてしまう。

自分の場のカードと、このカードを除く手札をゲームから除外しなければ発動できないという正直使い辛い以外の感想が出ないカードだ。
しかも自分のフィールドは全滅し、完全に無防備になる。その犠牲で得たカードはわずか2枚、やってらんないよ。
「なら手札にも場にも何もない場合に発動できれば実質《強欲な壺》になるのでは?」
と希望を抱いた決闘者は、「コストとして必ず1枚除外するカードが存在しなければ発動ができない」という裁定に絶望を味わったのだった*2

せめて除外ではなく「墓地に送る」だったなら《クリッター》や《ダンディライオン》でアドバンテージを稼ぐことが出来たのに……573は何を考えてこのカードを作成したのだろう……。


しかしこのカード、全く使えないというワケではない。

  • 《異次元の生還者》
  • 《異次元の偵察機》
  • 《ゼラの天使》
いずれも除外をトリガーに自己帰還するため、損失を打ち消すことが可能。
生還者がフィールドからの除外限定だったり、偵察機の帰還が攻撃表示限定だったり、3体とも1ターンに1度しか帰還できない点に注意。
あと、帰還した後相手ターンを迎えるので簡単に戦闘破壊されてしまうリスクも。《マクロコスモス》なども(引いていなければ)持ち越せないし。

除外された時効果を発動するカード群。
特に不知火はアンデットなのに除外がデメリットとなり難い。

  • 《エクシーズ・ディメンション・スプラッシュ》
「セット状態で除外」と条件をみたすのが困難なこのカードを、能動的に発動できる数少ない手段。《コズミック・サイクロン》? あれはLP減るので知ら管

更に《精神操作》などのコントロール奪取系のカードを使い、相手の強力モンスターを奪いコストにしても十分だろう。
昔の【連弾バーン】では、《連弾の魔術師》を召喚した後で手札のバーン魔法を撃ち切り、最後に《連弾の魔術師》を除外カードとしてこのカードを発動、残りの2枚で8000を削り切るという1ターンキル*3が存在した。

だが、やはり使い辛いため使用者は非常に少ない。
バーンなどで使おうにも、現代で2枚ドローしたいのならば大抵はもっと扱いやすい《強欲で金満な壺》・《強欲で貪欲な壺》のいずれかが優先されるだろう。
そもそもこのカードは除外するカードが1枚は必ず存在しなければならないため枚数的には最高でも手札交換にしかなっておらず、1枚ドローの《無の煉獄》でデッキを回した方が良い可能性も・・・・・・

もし、このカードを使用しているプレイヤーが大会に参加しているなら、問答無用で握手を求めよう。
その人物こそ、真の決闘者だ。

ちなみにこのカードここまで使いにくいにもかかわらず、初出のレアリティはスーパーレア&アルティメットレアという素敵仕様。
所謂ハズレア、カスレアと呼ばれるカードで、場所によっては10~50~100円以下で投げ売りにされている。
まあ原作効果でOCG化できるわけがないので仕方のない話だとは思われるが……。





????「それはどうかな?」




《サイレント・バーニング》
速攻魔法
①:自分フィールドに「サイレント・マジシャン」モンスターが存在し、自分の手札が相手より多い場合、自分・相手のバトルフェイズに発動できる。
お互いは手札が6枚になるようにデッキからドローする。
このカードの発動と効果は無効化されない。
②:墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「サイレント・マジシャン」モンスター1体を手札に加える。


まさかの 原作版宝札効果を内蔵 した必殺技カードである。
言うまでもないが、元となっているのは原作でブラマジ師弟に引導を渡したあの場面。
なんと発動と効果を無効にされないという恐怖のバリアに加え②のオマケ効果まで備えているのだが、その代わり手札枚数・メインフェイズでの発動はできない縛りが付けられている。

さらに以下の新規カードも登場。

《蘇りし天空神》
通常罠
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できず、その発動と効果は無効化されない。
①:自分の墓地から「オシリスの天空竜」1体を選んで特殊召喚する。
その後、お互いはそれぞれ手札が6枚になるようにデッキからドローする。
②:墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分のデッキ・墓地から「死者蘇生」1枚を選んでデッキの一番上に置く。
自分の墓地に幻神獣族モンスターが存在する場合、さらに自分はデッキから1枚ドローする。

こちらも同じく原作でアテムが《オシリスの天空竜》を蘇生させたシーンを再現したもの。
環境がインフレしていることからドローだけでなく《オシリスの天空竜》の蘇生、《死者蘇生》のサーチまで可能とかなり高性能になっている。
逆に言えばそれが条件となっており、現代遊戯王環境ですらもタダで発動できるわけではない効果である事も物語られているが。

《未来への沈黙》
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):デッキから「光の黄金櫃」のカード名が記されたモンスター1体を手札に加える。
自分フィールドに「光の黄金櫃」及びそのカード名が記されたモンスターが存在する状態で、このカードを自分・相手のバトルフェイズに発動した場合、さらにお互いはそれぞれ手札が6枚になるようにドローする。

こちらは原作で《サイレント・マジシャン》がレベル8に進化したシーンを意識したカード。
《光の黄金櫃》の名前が記されたモンスターのサーチに加えて条件を満たせばドロー出来るが、ドローの条件が《光の黄金櫃》とその関連モンスターが揃っているバトルフェイズ中、と更に厳しくなっている。
《サイレント・マジシャン・ゼロ》と組み合わせる事で大幅に強化して返り討ちと言う原作再現が可能。
ドローできなくてもサーチは出来るため腐りにくく、普段はサーチカードとして使いここぞと言う場面でリーサルを狙える様になっている。
それでもやはり相手にも引かせるリスクは残っているため油断はできないが。

いまさら《天よりの宝札》自身がどうこうされる可能性は絶望的ではあるが、このように効果だけでも再現されたことは一抹の救いなのではないだろうか?


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最終更新:2025年03月30日 23:05

*1 ここで言う「場に出す」とは伏せで置くまたは発動すること。代わりに伏せておいたカードは魔法カードであろうと、いつでも1ターンに何枚でも発動できる。

*2 2023年現在のテキストではコストの部分が明確化されている

*3 当時は先攻がドロー可能なルールなので初期手札が6枚でスタートできた事、デュエルが低速だった事もあって「次のターンにワンチャン」という期待も可能だった