アンキパン

登録日:2012/01/04 Wed 02:05:36
更新日:2023/05/29 Mon 17:50:53
所要時間:約 6 分で読めます




なぜパンでなければならなかったのか



アンキパンとは、漫画・アニメ『ドラえもん』に登場するひみつ道具。
全てカタカナ表記するのが正しく、「あんきパン」「暗記パン」は誤記。

見た目は世にもふつうの食パン。
名前の由来は「暗記」+パンと思われるが、「暗記」+「アンパン」という説もある。

◆効能


本などを用意して、このアンキパンを押し付けると、そこに書かれている文章がアンキパンに転写される。
そのまま食べると、その内容を一字一句漏らさず覚えることができる。

口に入れる以上、薬のような扱いなのだろう。
しかもどう考えても脳に作用している。


だのに、翌日ヒネり出せばすっかり一緒に覚えた内容も出てしまう。

ふつうの薬のように成分が体内に残ることもなければ、薬効が続くと言うこともない。

このように不便だと、のび太のように「テストの為の一夜漬け」くらいにしか用途がなく、極めて微妙なひみつ道具と言えよう。


※ただし、のび太はあくまでも『アンキパンの食べ過ぎでお腹を壊し、下痢を起こして未消化の状態で』全て排泄している。
よって「食べる枚数を考え健康的に消化・吸収してしまえば、排泄しても内容は永遠に暗記出来るだろう」という解釈も存在する。


◆問題点



  • まず、ばっちい。
作中でのび太も「スネ夫(2012年放送版ではスネ夫は電子ノートを使っている為、2012年放送版ではジャイアン)のノートは(汚くて)パンに写して食べる気がしない」と言っている。
パンを対象に押し付けて食べる必要がある以上、衛生的にどうなんだ。よく販売の許可が出たものだ。22世紀の保健所仕事してるのか。

衛生的な話を抜いても、実際にこれをやると生理的に嫌悪感を感じる人も多いと思われる。
パンに浮きあがる文字は本のインクを吸っている訳では恐らくないとは思われるが、それにしたって表面に文字がごちゃごちゃ書いてあるパンを食べるというだけでもけっこう嫌だろう。

  • 次にそこそこでかい。
作中を見るに、やはり6枚切りサイズはあり、写せる容量はそれほど多くはない。
制作者の「こんなものに依存してはいけませんよ」との思いで態と効率悪く作った可能性もあるが、だったら最初からこんなのお作りでないよ。

作中ではテストに使っているが、学校のテストは大抵の場合要点となる単語や論理の部分だけを問われるので、ページを丸暗記するなどというのはそもそも効率が悪く、ぶっちゃけ使い方としてはあまり向いていないと思われる。
数分のスピーチやプレゼンテーションの喋る内容を覚えるぐらいならまあ使えるか。


◆作品の表現


のび太が翌日に控えたテストに困って使用。
スネ夫のノートは汚かったので、しずかのノートを写させてもらうことに。

そこまでは良かったのだが、ノートを写させてもらう前に出されたおやつを食べ過ぎ、お腹がいっぱいでパンが食べられないと言うていたらく。

ノートは借りてきたが、夜にも魔の手が。

当日は母の日(2012年版はテスト前日)と言うことでパパ(2012年版はママ)が大量のご馳走を用意していたのだ。


これではパンなどとても食べられたもんじゃない。
しかし心を鬼にした青狸改め鬼狸は、無理矢理にでもと大量のアンキパンを水で流し込ませるのだった。
(2012年Verでは好き嫌い矯正マシンによって無理矢理食べさせられた)




翌朝。


決壊

パンと一緒に覚えた内容を全て排泄してしまった。
仕方ないので早朝から大量のパンを再び食べるはめになったのだ。


「1ページ目から食べなおしだ」

日本語がおかしい。

「勉強は辛いなあ」

ばかやろう。


わさドラでは更に「奇跡のデュエット、ジャイ&スネ」や「百人一首にアンキパン」で再登場。前者はジャイアンとスネ夫がカラオケ大会で歌う歌の歌詞を覚えるために使用。後者では百人一首大会でのび太、ドラえもん、スネ夫チームがジャイアン、しずか、出木杉チームに対抗するために使用したが、強引に食べたため大会の途中でおなかをこわし、優勝できなかった。



◆余談



ハチミツとクローバー』や『3月のライオン』で有名な羽海野チカ氏の読み切り作品『星のオペラ』には、このアンキパンがキーアイテムとして登場する。
この作品は今はなきアンソロジー漫画雑誌「COMIC CUE」にて行われた「もしもドラえもんのひみつ道具があったら?」というテーマ企画で執筆したもので、『ハチミツとクローバー』の第10巻に収録されている。

日本国外では韓国で非常に人気のひみつ道具だったりする。
日本でも欲しいひみつ道具ランキングの上位に入るが、韓国では「どこでもドアタケコプターは知らないけどアンキパンは知っている」というレベルの人気。
学歴社会で競争の激しいお国柄を反映した結果と言えよう。


◆商品展開



藤子・F・不二雄ミュージアムで、アンキパンをかたどったフレンチトーストを食べることができた。
せっかくだからこのようにおいしく調理して頂きたいものだ。
他、一時期コンビニでも販売された。
こちらはパンにチョコレートソースで自由に書ける。

また、現在ではミュージアムでアンキパン型のラスクが発売されている。

また、前述の韓国でもコンビニ限定で発売されており、こちらはクリーム味の人形焼風。

なお、書かれた内容は覚えることはないので、安心して翌日ヒネり出していただきたい。




追記・修正はやかんと枕を持ってお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ドラえもん
  • ひみつ道具
  • 食べ物
  • 暗記
  • パン
  • 食パン
  • ヒネり出された項目
  • 羽海野チカ
  • 菓子パンにしてほしかった
  • アンキパン
  • 食事系ひみつ道具
  • アニめし項目
  • 微妙なひみつ道具
  • 一夜漬け

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年05月29日 17:50