エターナルアルカディア(ゲーム)

登録日:2011/02/02(水) 13:13:59
更新日:2024/09/14 Sat 19:44:46
所要時間:約 7 分で読めます






――大地は浮かび、周囲には見渡す限りの雲海、はるか上空では各地を6つの月が照らす、そんな世界。


この世の果てを誰も知らず、海賊ならぬ「空賊」の船が大空を飛び交うこの時代には、


ひたすら略奪を行う「黒の空賊」


義賊として活動する「青の空賊」


この二つが存在した――。








――決戦だ!ハデにやろうぜ、みんな!


概要

2000年にセガから発売されたドリームキャスト(以下DC)用RPG。
2002年にゲームキューブ(以下GC)用ソフト「エターナルアルカディアレジェンド」としてリメイクされている。

王道のストーリーで、空賊の少年ヴァイスが仲間たちと繰り広げる冒険を描く。
「大空を行く冒険」「空賊」「自分の船」「秘密基地」「仲間集め」「諦めない心」などなど、漢のロマンに溢れたゲーム。

ベタで熱い良質な展開を重ね、出会った人達が最終決戦の場に結集するシーンは、分かっていても心にくる。
この辺り、『サクラ大戦』にも携わったオーバーワークスらしさが窺える。

「レジェンド」の方はギルダーの煙草表現がなくなっていたり、台詞にひらがなが増えていたりと低年齢層を意識しており、DC版のファンからはこの点を批判されることも。ただ「賞金首システム」や発見物の追加、VM探検隊でのアイテムが本編で入手できるなどの変更点もあり、概ね好評。 


【あらすじ】

世界の覇権を狙うバルア帝国。
帝国に属する戦艦が、小船で逃げる1人の少女を捕らえる場面から物語の幕が上がる。
直後発生する、「青の空賊」ダイン一家の襲撃。
切り込み役として乗り込むのは、ヴァイス、相棒のアイカ。
2人と謎の少女ファイナ、3人の出会いをきっかけに、6つの『月晶』を捜す冒険の幕もまた上がる…。


【世界観】

すべての人は各地の空に浮かんだ島や大陸に住み、それらの間には海というものが存在しない。
島々を繋ぐのは、「月煌石」の力で飛ぶ船。

主だった都市はたいてい赤・緑・紫・青・黄・銀の6つの月の下に位置する。
これは月から降る月煌石の恩恵を得られるからである。
赤が火、紫が氷とそれぞれの月が別の属性を持つので、地域ごとに気候が異なる。
ちなみに月晶という高純度の結晶があるが、自然に得ることはおろか、精製も不可能。

太古にはそれぞれの月の下に高度な文明があったが、『滅びの雨』により同時期に歴史を終えたとされる。
現存するのは、各地の遺跡と、『ギガス』と呼ばれる6体のみ。

大空の下には「大雲海」と呼ばれる暗闇と高気圧の世界があり、その下には惑星本来のものと思しき泥に覆われた地表がある。かつては海で生きていたと思しき「古代魚」の存在や明らかに水上用の昔の船が残されていることもあり、「遥か昔は海があったのではないか」という考察もされている。


【移動方法】

街やダンジョン以外のフィールドの移動手段は全て船。
また、コンパスが廻る場所では、「発見物」というオブジェクトを収集できる。

序盤では、気流の壁や岩礁空域が障害となって行き先は限られる。
だが、自分の艦の入手以降は、改良によってそれらの突破が可能となる。

ちなみにルーラ的な手段は無く、何をするにもだだっ広い空を行くため、時間がかかる。
が、それが嫌にならないのはうまく世界観を魅せているから。
先々で違う月が昇り、音楽も微妙に変わる。
木々の生い茂る緑の大陸では木の葉が画面を舞い、砂漠の大陸では砂煙が…と、さりげない演出に凝っている。
さらに、移動中の音楽もエリアごとに伴奏の楽器が異なるなど、実に細かい。

その広い空の中、さまざまな苦難を越えてひたすら東を目指し、かつて出発した地点を目にする瞬間。
正直、『世界一周』に本作ほど達成感を覚えるゲームは無いと思える。

【戦闘】

一般的なターンバトル制に近く、特徴は以下。
  • ガッツ:パーティー全体で共有する数値。ターン経過と「ガッツ」コマンド使用で増え、技・煌術で消費される。
  • 技:ガッツを消費する。攻撃、補助など様々。
  • 煌術(こうじゅつ):ガッツを消費、同時に使用者のkp(MP的なもの)を1消費。
  • 戦闘中各キャラが自動(制御不可)で移動し、範囲攻撃に影響する。
  • 武器の属性は固有でなく、戦闘中に変更可。また戦闘終了時の属性により煌術習得が進む。

しかし、批判されるとしたら主にこの戦闘関連だったり。
フィールド・ダンジョン共にランダムエンカウント制を採用しているが、
  • ダンジョンでのエンカウント率がやたら高く、
  • 戦闘開始には異様に時間がかかり、
  • 全体にテンポが悪い。
ちなみにエンカウント数秒前から、DC本体の読み込み音が鳴り始める。
「また戦闘か…」という告知を、ゲーム外の所で毎度受けるのは地味に嫌。

そして前述の煌術も実は微妙。
攻撃で技に劣り、補助・回復にしてもアイテムで代用できてしまう。
序盤やワンターンキル可能な雑魚戦なら別だが、技の使用を邪魔し、多くの場面で無用。

…など戦闘関連で残念に思いつつ、慣れてしまえば案外それらも愛嬌みたく感じられるのだが。

発売当時に何かの雑誌レビューで、
「ストレスはある。が、それを越えた先に青い大空が広がっている
みたく書かれていたのには全く同感である。

GC版「レジェンド」では戦闘時の読み込みが大幅に高速化され、文字通りいきなり戦闘が発生するようになっている。またエンカウント率も下方修正されている。


【砲撃戦】

主にイベント時に挿入され、艦対艦のド派手な戦闘を行う本作の華。
これが、ひたすら熱い。
特に自分の艦を手に入れてからは収集・カスタマイズ的な要素もあり、なんとも心をくすぐられる。
詳細(+α)はこちら

【船・艦】

◆リトルジャック

初めに砲撃戦を経験する、ドラクマ所有の改造漁船。
途中、岩礁地帯を抜ける方法として、またモービスに対抗する手段として、鋭い船首を射出するロマン兵器『ラムキャノン』を艤装される。
ちなみにジャックとは、ドラクマの息子の名。小さかったため「リトルジャック(ちびっ子ジャック)」と呼ばれており、艦名はそれが由来。
砲台が舷側固定なので必殺砲には重ねられず、また元が漁船なので耐久力が紙。特にギガスとの戦いでは攻撃力と防御力が両方とも著しく不足しているため、命令者を止める・川に落として動きを封じるといった搦め手頼りになる。

◆デルフィナス

エンリックの為に建造された、バルア帝国最新鋭戦闘艦。名の意味は「イルカ」。
ギガスのデータに基づき開発された兵器『月煌砲』を備えるのは、現在この一隻のみ。
エンリックの参入に伴い、ヴァイス達に譲られる。
初めは武装もエンジンも不完全だが、三日月島への帰還後すぐにブラバムの改造を受け、岩礁と気流の壁の突破が出来るようになる。さらにヤフトマーの技術を取り入れることで高空域・低空域の航行が、バルアの技術を取り入れることで雲の底への潜行が、艦首にブレードをセットすることで氷の壁や東西を隔てる岩礁の突破が可能となり、星の海以外ならばもはや行けない場所はない万能戦艦と化す。

デルフィナスの入手は、ヴァイスにとって船乗りとしての1つの到達点であり、船長としての出発点。
以降、艦の武装を、クルーを、基地を整えていくことになる。

砲塔が旋回式なので射角が広く、必殺砲との重ね撃ちも可能。また最新鋭だけあって火力は既存の戦艦を遥かにしのぎ、ギガスの単独撃破も可能となる。

いち空賊の手にあるには明らかにオーバーパワーな船であるためか、最終決戦後ヴァイス達は帆船タイプの別の船に乗り換えており、デルフィナスの行方は不明。まあギガスが全滅した上に月晶も失われ、バルアも方針転換した以上、こんなバ火力戦艦を何に使うのかと言われれば困るが。


【ギガス】

古の時代、6つの文明間の争いの為に造られた巨大兵器。
それぞれ対応した月晶によって起動し、月晶の持ち主の命に従う(黄色いアイツは例外)。命令者が気絶する、または死ぬなどで命令を受けられなくなると暴走を始める。

作中で出会い、序盤はリトルジャックで相手取ることになる。
この時は勝てず、他の手段でやり過ごさなければならない。

まともに戦えるのはデルフィナス入手以降。

  • レドキュラム
赤のギガス。ピュラミス神殿入り口に封印されていた。ハニワを四つ並べて足をつけたような姿をしている。口から放つ破壊光線「レッドレイ」で攻撃する。こいつとグリデ・ガルデは空が飛べないため「どうやって戦争をしたのか」と首をひねるプレイヤーも多いが、少なくともコイツに限っては「レッドレイ」を中継したと思しき衛星が高空域に浮かんでいる。
リトルジャックで戦うが全く歯が立たないため、リンクスを攻撃することになる。

・グリデ・ガルデ
緑のギガス。モンテスマ大陸の一角に封印されていた。巨人の姿をしているが、頭部は人間で言うと肋骨の部分から突き出しており、腹の部分はぺらぺら、指は三本と異形。殴る、踏む、岩を投げるといった原始的な攻撃を行う。コイツもリトルジャックで戦うが火力の問題で倒せず、川に転落させて動けなくさせることに。

  • ブリュウホウ
青のギガス。ヤフトマーの霊峰・フガクの火口に封印されていた。巨大な鳥の姿をしており、羽ばたきが起こす風は、国を守る「神の大風」として伝えられている。初めてまともに倒すことになるギガスだが、直前にドラコとの砲撃戦のダメージを引きずったまま戦うことになる上、安全フェイズで放ってくる通常攻撃「青の光弾」と「青い稲妻」の威力が必殺砲クラスであるため、ある意味一番の難所。
ちなみにヤフトマーの低空域にはコイツの支援機と思われる小型機が発見物扱いで飛び回っている。

  • パプニール
紫のギガス。世界の最果て、紫の大陸の地下にあるグラシアをねぐらにしていた。他のギガスと異なり、生物を改造して作られた唯一の個体。口から吹雪を吐き、また深い霧を伴って現れるのが特徴。命令者が消えたため長きに渡り暴走状態にあり、オーシャンを中心に暴れまわっていた。ギガスの中で唯一戦闘を行わず、イベントで死亡する。
船乗りたちの間では「モービス」という名で恐れられていた。

  • イェラーガ
黄のギガス。バルア大陸の中央部、タルタスの穴に月晶ごと封印されていた……のではなく眠りについていた。ギガスの中で最大のパワーを持ち、封印などあってなきが如し。龍のようなサソリのような異形の姿をしている。
ちなみに肝心のステータスだが、「ギガス最強の攻撃力」の看板に反して実はブリュウホウより火力が下。

  • ジェロス
銀のギガス。アトランディア大陸の最奥部に封印されていた。重力を操る力を持ち、滅びの雨を呼ぶ。起動するには5つの月晶が必要で、戦闘形態にするには銀の月晶と命令者となる銀の文明の民の命が必要。正面に月の紋章を刻んだ銀色の球体の姿をしている。


【登場人物】(○は最終パーティーでの固定キャラ。●は1人を選べ、随時交代可)

プレイアブル

ヴァイス(CV:関智一
本作の主人公。
自らの船とクルー、まだ見ぬ場所を求めて突き進む少年。
2本のカトラスを獲物とし、戦闘では高い攻撃力を生かしアタッカーとして活躍。
どんな状況でも、あきらめることは絶対にしない。
トレードマークは左目のゴーグル。なお左目の下に刀傷があるが、これの由来は「レジェンド」で明かされる。

◆技
  • カトラスダンス
最初から覚えている。カトラスを振り回して踊るように切り付ける。消費ガッツが7と程よく攻撃力も高いため、序盤は切り札、終盤は通常攻撃の代わりになる。
  • リヴェンジ
防御しつつ反撃の構えを取る。スカルシールドがあればいらない子。
  • エアロスマッシュ
空中に舞い上がって気弾で全体攻撃。面倒なザコの掃除にぴったりだが、消費ガッツが14と重め。
  • スカルシールド
骸骨船長の幻影で通常攻撃をシャットアウトしつつ反撃の構え。味方全員に作用するのが利点だが、これを使うくらいなら煌術なりアイテムなりで攻撃してしまった方が早い。
  • ジョリーロジャー
本作ナンバー2の破壊力を持つ最強技。竜巻で動きを止めた敵に交差斬りを食らわす。消費ガッツは21と非常に重いが攻撃力補正が飛びぬけており、これが使えると使えないとではボス戦の難易度がガラリと変わる。
  • バッカニアーズ
デルフィナス就航後に解禁される「キャプテン技」の片方。ガッツ最大値で逃走コマンドがこれに切り替わる。4人全員が戦闘不能・石化でない時に使用可能で、レベルに応じた大ダメージを敵全員に与える。
  • クルークルー
「キャプテン技」のもう片方。加入し、デルフィナスに乗っているクルーの力を借りて敵全体を攻撃しつつ味方のHPを回復する。参加するクルーによって攻撃力・回復量の補正がかわる。


アイカ(CV:川上とも子
ヴァイスと同じ空賊島で育った幼なじみ
明るく元気、そしていい感じにおばかさん。大きなツインテールがトレードマーク。
例として、「2本の棒で食事をする」ヤフトマー人(つまりは和風な国の人)の話を聞き、見事に誤解した。
身の丈大のブーメランが武器。素早さが高く大抵誰よりも先攻できるが攻撃力不足に序盤から悩まされる。主にアイテムユーザー。ちなみに攻撃技は全部赤属性なのでヤフトマーでは苦戦しがち。

◆技
  • アルファストーム
ブーメランを振り回して火の粉の渦に広範囲の敵を巻き込む。序盤では貴重な広範囲攻撃。
  • デルタシールド
本作最重要技の片方。確定先制で発動し、そのターンの間味方に対する煌術をシャットアウトする。これがないと終盤のボス戦は苦行。極論を言えばアイカはこの技さえ覚えて置けば後は趣味の領域。
  • ラムダバースト
ブーメランを四つに分身させ、フィールド全体に炎を巻き起こして攻撃。技名のシャウトが完全に裏返っている。
  • ユプシロンミラー
無敵状態になってKP全回復。正直もっとも存在価値に疑問。
  • オメガサイクロン
ブーメランで地形を切り出して敵ごと爆破。破壊力はあるがこれを使うくらいならヴァイスに任せるべし。


ファイナ(CV:堀江由衣
バルア艦隊にさらわれかけたところを助けられた少女。
穏やかで、少し控えめだが、少しずつアイカに感化されていく。銀で出来た生物「キュピル」を連れており、物理攻撃の際には彼が変形して戦う。
月晶を求めているがその目的は不明。
典型的な魔法使いタイプのステータスの持ち主だが、何よりも技が強烈。支援をさせたら天下一品だが、耐久力が紙なので装備で補助を。
実は古代文明の一つ「銀の文明」の民の末裔であり、今や二人しかいない次世代の片割れ。

◆技
  • 月の恵み
銀の月の力を借りて味方全員に「滋養(ターンごとにHP回復)」を付与。ただし、単体の効果ならば「リゲコンデ」の方が上。
  • 月の封印
銀の月の力で敵を縛りつけ、80%の確率で石化を付与。面倒な敵を黙らせるのに。
  • 月の浄化
完全先制攻撃で、銀の月の力で味方全体のバッドステータス解除。
  • 月の波動
キュピルの吐くブレスで敵全体を攻撃しつつプラスステータス解除。ダメージそのものよりバフ無効が主眼。
  • 月の大いなる煌き
本作最強の回復手段。完全先制攻撃で味方全員のHPとKPを全回復し、全バッドステータスを消去。


ドラクマ(CV:麦人)
息子の仇である巨鯨『モービス』を追い求めて旅をする老漁師。
過去に失った片手を義手に換えて武器としている。
物語序盤、ヴァイスたちを改造漁船『リトルジャック』に乗せる。
気難しく見えて、その実素晴らしいツンデレ気質。
物理攻撃力はヴァイスをもしのぐが、命中率が低い。

◆技
  • 噴!
気をためた義手で思い切り殴りつける。カトラスダンスよりも威力が高い。
  • 怒!
怒りの力で気合を一気に高め、ガッツを元々の値の2倍回復しつつ防御状態になる。ちなみにこの関係で消費ガッツは0。
  • 滅!
巨大化させた義手で敵を叩き潰す。消費ガッツは脅威の24だが、破壊力はジョリーロジャーをしのぐ。


ギルダー(CV:若本規夫
『クラウディア号』を駆る青の空賊。通称「気まぐれのギルダー」。
お宝、変わった冒険、女を愛するナイスガイ。
銃での戦いを得意とする。
漂流し1人になったヴァイスに付き合ってくれる。DC版では喫煙者だったが「レジェンド」では削除。

◆技
  • ハデにやろうぜ
二丁拳銃を乱射して広範囲の敵を攻撃。ギルダー自身の攻撃力がそこそこあるので、雑魚戦で活躍。
  • 効かねえなあ
気弾を投げ上げて銃で撃ち抜き、味方全員を覆うことでバッドステータスを遮断する。「デルタシールド」の下位互換に見えるが、敵の使ってくる攻撃や技で付与される混乱や石化をダメージのみに抑えられる地味に強力な技。
  • 俺がギルダーだ!
クラウディア号を呼び出して敵全体を砲撃。


エンリック(CV:保志総一朗
あるきっかけからヴァイスと行動を共にする、バルア帝国女帝の1人息子。
生まれによらず善良な考えを持ち、祖国の暴挙を止めたいと願っている。
細剣の扱いに長ける。
船に弱く、初めはかなり吐いていた。またバルアの蔵書をほぼ丸暗記しており、加入後は未知の領域に対する(微妙に間違った)前情報を披露してくれる。

◆技
  • ミル・エスパーダ
流麗な剣舞で敵を切りつける。カトラスダンスと威力はどっこい。
  • エスクード
本作最重要技の片方。確定先制で発動し、そのターンの間味方を防御状態にする。コマンドの防御とは違うので、味方それぞれの行動も有効。
終盤のボス戦はこれと「デルタシールド」で守りを固め、ファイナがガッツをためつつヴァイスが殴る、というのがパターン。
  • ラ・コロナシオン
バルアの紋章である龍を召喚し、その力を宿した剣で切り裂く。最強技だけあって威力は高いが、やはり趣味の領域。


NPC

ヴァイスを取り巻く人々

  • ダイン
ヴァイスの父親で、青の空賊「ダイン一家」のリーダー。通称「蒼き風のダイン」。
責任感が強く、船で空を行くことの危険性を熟知しているが故、自他ともにルールに厳しい。
ヴァイスからはほぼ常に「オヤジ」と呼ばれており、その都度「船長と呼べ」と訂正するのが恒例のやり取り。
常に自分よりも強大な敵に挑む挑戦心の持ち主であり、ダイン一家を青の空賊の中でもトップクラスの強豪に育て上げた実績もあって、同業者の中でも評判は高い。

  • クローネ
女性だけで構成された青の空賊「クローネファミリー」のボスを務める女性。通称「カラミティ・クローネ」。
空賊としても船乗りとしても一流で、工作にも長ける才女。
一方で恋に生きる一途な側面もある、というかキャラ性のほとんどがこちらで構成されており、航海中に出くわしたギルダーに一目ぼれして以来、アプローチをかけるべく愛船「プリムローズ号」で追いかけまわしている。
恋路を阻む者は容赦なく叩き潰して来たというエピソードがあり、通称はこの過激っぷりから来ている。

  • サンチーム
モンテスマ王国に拠点を置く青の空賊「サンチーム一家」のリーダー。
ターゲットが何であれ略奪を生業とする空賊にあって、珍しく技術力と知識力で空を渡っている変わり種で、通称「技術空賊サンチーム」。
丸眼鏡をかけた小太りの男性で、温厚な性格。
一家の構成員は妻と、各地で引き取った孤児たちで、彼らの自立のために機械技術を教えている。

  • バルボア
作中初めて登場する初の黒の空賊。二角帽にもじゃ髭といういかにもな風体で、通称「黒ひげのバルボア」。
「バルボア一家」の頭目で、市民船や商船を襲って略奪・虐殺を行う典型的な「黒の空賊」であり、奪えるものは残らず奪うがモットー。
白兵戦の機会はないため腕っぷしは不明。なお部下に対しても恐怖支配をしているとかではなく、ポカをやってツッコミを喰らうこともしばしば。

  • ドブラ
ノースオーシャンを縄張りとする黒の空賊「ドブラ一家」のリーダーで、通称「美食空賊ドブラ」。
バルボアのような残虐さはないが、「食べることと戦うことは同じ」という独自の美学を持っており、それに従い襲った船から食料を根こそぎ奪うという絶妙にタチの悪い空賊で、服に腹が収まらないほどの肥満体が特徴。
武器は巨大なナイフとフォークで、ウォッカをラッパ飲みした後炎に変えて噴き出す広範囲攻撃が得意。
後に空賊を引退してレストランを開いている。

  • ダイゴ
東の果ての国・ヤフトマーの皇子。
豪快果断を絵にかいたような快男児で、宮廷を抜け出して遊び回ることも多い。
次代を担う後継者であり、実際に相応しい才能と能力の持ち主。国民からの人気も高いが、その性格ゆえに帝位につくことを面倒がっている。
国の支配を狙う奸臣・カンガンとムラジ親子の策謀に嵌まり、謀反の濡れ衣を着せられ流刑となったが、自由になるチャンスと考えてこれを受け入れ、配流先を拠点としていた東方の空賊「テンコウ(天寇)」の頭目・ジャオ&マオを倒して彼らの頭領に収まっていた。


強敵たち

  • ガルシアン
CV:有本欽隆
バルア帝国の軍事指揮権を統括する「護国卿」を務める壮年の男性。つばのない大剣を武器とする。
本作の黒幕であり、アルマダを率いるその手腕と恐るべき武勇から「バルアにガルシアンあり」と知られ恐れられている。
「力こそがこの世で信じるに足る唯一のもの」という信念を持ち、それに則って世界の支配を目的としており、表向きは女帝テオドーラに従っているが、その裏では少しずつ野望のための準備を進めていた。
人心を操る技術にも長け、鬼謀を以って鳴るベレーザすらも、ガルシアンへの想いを抱いていることを知った上で、それを利用して罠に嵌め切り捨てるなど、非情にして冷徹な行動を取る。
また、基本的に他人を全く信用していないが、右腕たるラミレスにだけは全幅の信頼をおいている。

  • ラミレス
CV:緑川光
アルマダ第六艦隊提督にして、ガルシアンの右腕たる青年。
銀髪が特徴で、銀で出来た特殊な剣を用いた光速の剣技、強力な煌術を用いる強敵。
ガルシアンに対して盲目的とも言える忠誠心を抱いているが、その理由はオリジナル版では明かされず、「レジェンド」のサブイベントでその過去が明らかになる。
その正体はファイナと同じ銀の文明の民の末裔で、彼女よりも先に月晶探索に出ていたが、「ある出来事」により地上の人間に失望、力のみを信奉するガルシアンのもとに走り、彼の部下として動き始めた経緯がある。

  • アルフォンソ
CV:置鮎龍太郎
アルマダ第一艦隊提督。バルア帝国屈指の名門貴族の出身。
貴族でなければ人を人とも思わない高慢な性格で、自分の経歴に傷をつけないためならば部下でも躊躇なく抹殺する非情さも持つ。
反面特権意識に凝り固まっているためか実戦はからっきしであり、にも拘らず自分をアルマダ一の強者だと思い込んでいるナルシスト。
砲撃戦でも白兵戦でも一切戦う機会はなく、彼が嗾ける戦闘用上陸馬「アントニオ」と戦うことになる。

  • グレゴリオ
CV:小山武広
アルマダ第二艦隊提督。エンリックの教育係を務めていた老兵。
先代の治世から帝国に仕える古株だが、無用の争いを好まない温厚な性格。そのため、軍人としての忠誠心と、侵略政策を取る祖国への疑問の板挟みになっている。
艦隊旗艦「アウリーガ」には必殺砲がなく、全面の棘付き装甲を盾に「体当たり」することで態勢を崩す戦術を得意とする。
守りの戦いをさせれば帝国一との評判であり、ガルシアンからも一目置かれている。

  • ビゴロ
CV:菅原正志
アルマダ第三艦隊提督。リーゼントが特徴の巨漢。
「攻撃は最大の防御なり」をモットーとしており、グレゴリオとは対照的に攻撃一辺倒の戦術を得意とする。しかし脳筋というわけではなく、戦略的な戦いや搦め手も必要とあらばやって見せるなど柔軟さも併せ持つ。
また「男の強さは抱いた女の数で決まる」という根拠なき家訓を胸に刻んでおり、常に美女を追い続けている。*1なおこの家訓には「一番いい女を手に入れるのは一番強い男である」という続きもある。
白兵戦の機会が二度あり、二度目の時にはハンマーを兼ねた携帯式火砲を引っ提げて来る。範囲攻撃「乱射キャノン」、必殺技「大鑑巨砲キャノン」の破壊力がとんでもないことになっており、アイカ・ファイナが受けると一発KOが確定するほど。
ちなみに二度目の戦闘以降は姿を消すが、「レジェンド」では早期購入特典のスペシャルデータを読み込むと賞金首扱いで三度目のバトルが可能(行動内容は同じ)。

  • ベレーザ
CV:天野由梨(ゲーム)/井上喜久子(ドラマCD)
アルマダ第四艦隊提督。アルマダの紅一点たる美女。
正面突破・力押しが得意なビゴロとは逆に情報戦や謀略に長けており、戦わずして勝利することを旨としている。
軍人だった父が戦死したのを機に、「バルアが世界を統一すれば戦争はなくなる」という理想を抱いてアルマダに身を置いた。
ガルシアンへの思慕を抱いているが、それを伝えるつもりはなく胸の奥に秘めている。

  • デ・ロッコ
CV:二又一成
アルマダ第五艦隊提督。バルアの特殊兵器開発を兼任する少年。
かなりひん曲がった性格の持ち主で、上司に対し遜った態度を取ってはいるが、内心では自分だけが天才で他人は全て無能だと思っている。
それゆえ自分が作り出す機械には絶対の自信を持ち、それを傷つけた者は地の果てまで追いかけて弄り殺しにする陰湿さも持った人格破綻者。

お尋ね者&サブイベント関連

「レジェンド」の追加キャラクターたちで、特定の条件を満たすと手配書が出回り、特定の場所で話しかけると戦えるようになる。

  • ルピー・レイス&バーツ
通称「豪腕のルピー・レイス」。ナスル王国を縄張りとする青の空賊「レイス一家」の長とそのお付き。
実は二つ名に反して豪腕なのは筋骨隆々のお付きの男・バーツの方で、ルピー本人は空賊よりも機織り職人を目指している弱気な少年。……なのだが、実はルピーは一度キレると手が付けられないほど凶暴化する悪癖がある。
戦闘ではバーツが「名門伝統のパンチ」や「名門伝統の気合い」を使った物理攻撃、ルピーは赤の煌術で支援する形で攻撃して来るが、バーツが健在の状態でルピーのHPを危険域まで削るとブチ切れモードに入り、バーツを蹴り飛ばして一人をKOする「バーサク・ルピー」で攻撃して来るようになる。こうなると立て直す前に全滅する危険が高いため、バーツを倒すまでは手を出さない方がよい。
撃破するとレイス一家を解散し、機織り職人として再出発を図ることになる。

  • ラッペン
通称「暴走族ラッペン」。船乗り島近辺を手製のマシン「ガンナーム」で荒らしまわる若者。
元々はサンチームが育てていた孤児の一人だが、養父への反発から非行に走り飛び出した過去がある。そのため口調も態度も乱暴そのものだが、サンチーム譲りの技術力は本物であり、ガンナームはその最高傑作。
支援ユニット「フロック」を生成したり、即死効果を持つ「月煌ガン」で陣営を崩したりと厄介な攻撃が多く、大技「明日なき暴走」は防御していてもKOされかねない超威力を誇る。
実は自分の将来に明確なビジョンが持てず、だからと言って養父と同じ機械技術の道に走るのもシャクという反抗心が相乗し、行き場のない苛立ちを暴走にぶつけていた。撃破された後は意地を張るのをやめ、サンチームのもとに戻っている。

  • タラ&リラ&プラ
通称「モンテスネスの三つ子魔女」。モンテスマ王国のどこかにある、女戦士しかいない村「モンテスネスの村」出身の三つ子戦士。
この村の戦士は婿探しのため強い男たちを求めて流離い、眼鏡にかなった男は集落まで拉致するという風習がある。このためさらわれた男たちは一人も帰ってきていないのだが、無視された方も精神的ダメージを負うという二次被害が発生している。
物理攻撃、煌術とも強力だが、三人そろっていると合体攻撃「チャックモール」を繰り出して来るため、一人に攻撃を集中して手早く崩すべし。

  • バイス&アニタ&フィーラ
通称「ニセ空賊王バイス」。ヴァイス・アイカ・ファイナの偽物たち。リュウカンが仲間に出来るようになったタイミングでナスラードに現れる。
ヴァイス達の勇名を利用して、悪事を働いてはその罪をかぶせて評判を落とすというならず者たちであり、彼らがいる間はヴァイスの称号が「地に堕ちた空賊ヴァイス」に固定される(手配書もこの名義)。
男気ポイントが一定値溜まっていないと出現しないので、ザコ戦で逃走ばかりしていると戦えないことも。
ニセ者とは言え戦闘力は本物で、バイスは「カトラスブギ」「リベンジ」、アニタは「アニタシールド」「アニタバースト」など、本物の使う技を完コピしてくる上、フィーラも煌術でデバフを入れてくる。さすがにキュピル依存の技は真似できなかった模様。
撃破すると悪事から足を洗い、前職である大道芸人の技を生かしてヴァイス達のそっくりさん芸人として興行を始めている。

  • ダイコクヤ
通称「黄金空賊ダイコクヤ」。通りがかりの空賊を青・黒問わず襲っては金品を強奪しているが、ゲームではなぜか人気のない氷の大陸空域を飛んでいる。
明言されていないがヤフトマーの出身と思われ、巨大なカラクリ招き猫に乗って戦う。
さらに「ヨウジン」「ボゥ」という護衛を従えており、自身も混乱効果のある範囲攻撃「黄金乱舞」で攻撃して来る。これが地味に厄介で、「デルタシールド」でも「エスクード」でも混乱が防げず、装備品で防御するか、ギルダーの「効かねえなあ」で対処するしかない。

  • 盗掘王シモン
あちこちのダンジョンでお宝を狙う「盗掘者シモン」の親玉。
ナスル出身と思われる。ゴーグルとスカーフで顔を隠しており、巨大な爆弾や肥壺を用いて攻撃して来る。


  • ドクトル
船乗り島の近くで流れの医師を営む男性。元はバルア帝国の軍医であり、当時アルマダの提督だったメンドーサの遺児・マリアを育てている。
彼女が拾ったハマチョウの食事である「ムーンフィッシュ」の採集を頼んで来る。

  • マリア
ドクトルが保護している少女で、元バルア軍人・メンドーサの遺児。
物語の7年前、メンドーサに連れられて姉と共に軍艦に乗っていたが、その船が何者かの襲撃で撃沈、父と姉を失った。
この時のショックで当初失語症に陥っており、感情表現もできないほどの精神的ダメージを受けていたが、特殊なハマチョウを拾い「ピッコロ」と名付けて傍に置いたのがきっかけで、ヴァイス達との交流が始まり少しずつ自分を取り戻していく。

  • ピアストル
通称「死神ピアストル」。青・黒問わず空賊を狩ることを目的とする賞金稼ぎの女性で、年齢は17歳。
異名の通り巨大なデスサイズを武器とするが、このほかに投げナイフを得意としており、通常攻撃で使用する。
過去のある事件がきっかけでヴァイスを強く憎んでおり、命を狙って何度も挑戦状「ブラックスポット」を送り付けて来る。


追記・修正は大空に夢をはせつつお願いします。

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最終更新:2024年09月14日 19:44

*1 当人曰く「その意味ではアルマダ最強」とのこと。