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モザイク(演出)

登録日:2019/05/02 Thu 04:18:25
更新日:2026/05/28 Thu 22:48:20
所要時間:約 6 分で読めます




モザイクとは、

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■□■□■□■□ ※プライバシーに配慮しております

画面を隠す演出の事である。

本来は石などの小さなかけらを集め、一つの図案にする技法の事。
事。
本項目で解説する演出も、隠す対象を抽象化した様がそう見える事が名前の由来だと思われる。



概要

処理したい部分を格子状に区切り、それぞれの区画を単色で塗りつぶす手法。
その際に各区画の色を平均化するなどの処理が行われる事が多く、これにより元の画像の特徴をある程度残しつつも、粗くぼやけたような状態になる。
マス目が大きいほど判別は難しくなり、逆に小さければ元の画像に近くなっていく。

ちなみに昔はこれの亜種で「処理したい区画を格子状に区切り、それをバラバラに並び替えて再配置する」というパズルのようなモザイクもあったのだが、
上記の画像平均化で低度ドットにする方法と比べて「手間がかかる」「並べ直す手間の都合上、動画ではほぼ使用できない」「隠す用途としてほぼ役に立っていない*1」とほぼデメリットしかない為、現在ではほとんど使われる事はない。


主な理由

1.エロ画像など

……直球であるが、「なぜモザイクは存在するのか」を語る上でまずこれは外せないだろう。
これは主に日本国における刑法175条の「わいせつ物頒布(はんぷ)等の罪」によるもの。
日本ではこの法律によりわいせつ物を一般に向けて公開する事は一切禁止されており、れっきとした刑務所に入れられる拘禁刑(2025年まで懲役刑)罪*2である。

……では「なぜアダルトビデオなりエロ本なりが(年齢制限はあるとはいえ)公然と売られていたり、エロ画像がネットに溢れているのか?」という疑問が当然生じることだろう。
これは「わいせつ物」かどうかの定義が「性器が露骨に描写されているかどうか」という事で判断されているからである。
モザイクや線などで性器を隠せば、この定義に当てはまらなくなるというわけだ*3。AV・エロゲなどの販売物に関しては社団法人「日本コンテンツ審査センター(旧・日本ビデオ倫理協会)」(一般ゲームで言うCERO)がこれを満たしているかを実物を見て判断し、この審査を通して一般流通させている。
なお、胸・乳首・陰毛は性器ではないので、この定義においてわいせつ物には当たらない。

ただしこれは日本での法整備であり、海外においてこういった「性器が出ている、出ていない」でわいせつ性が判断されることは一切ない。
一般的なわいせつ物を所持する事が罪になるかどうかも国によって分かれる。
イスラム圏はさすがに厳しく、わいせつ的なものは本当に所持ができない一方、キリスト教圏などでは権利として認められており、一般的なわいせつ物に法的な拘束は一切ない。
その為、エロ画像やエロ動画におけるモザイク処理も完全に日本だけの特殊なローカルルールで、海外ではほとんどの場合無修正である(その代わり、児童ポルノ関連は2次元含めて日本より明らかに厳しく、世間的な扱いも同様だが)。
これらの理由により国内企業の「DLsite.com」「Pixiv」「FANTIA」では修正しなければいけないが、海外の「Patreon」や「Steam」では無修正でもOK(日本人がアップロードした場合にはこの限りではない)というサイトごとの違いが生じている。
「Pornhub」「XVideos」「SpankBang」といった海外の動画サイトでは、当然ながら無修正動画の方が多くアップロードされている。
高速インターネット時代になった今、それらのものはスマホで簡単に視聴できてしまい、個人的な視聴や単純所持だけなら違法ではない*4

そもそも「生殖器に修正を入れたら乳首が出ていようが性交していようがわいせつ物でなくなる」という定義は冷静に考えれば一般的な感覚からはほど遠い。
加えて言えば、この「わいせつ物かどうかは性器の描写で判断される」という話は慣例的な現場上の法解釈に過ぎず、公的な議論もなされていない。
場合によっては「黒い棒線が3本ほど描かれているかどうかで可否が決まる」。それくらい曖昧なラインである。
ヘアヌード写真集は昔はダメだったのが今では無修正でよくなったりと基準も時勢によって変わる部分があり、これらの点から批判的な意見も度々挙がっている。
見栄えの悪さや修正の手間、そして憲法の中の「表現の自由」の存在から表現規制を嫌う人も非常に多い。
「レーティングを掛けているのにわざわざ修正する必要はあるのか?」という疑問点も当然の事ながら存在している他、令和になった今ではモザイク不要論が活発になっており、政財界の著名人(山田太郎、堀江貴文)らも公言するに至っている。

最大の問題として、令和のインターネット時代になった今でも、検察や警察が無修正を犯罪として検挙してしまうケースが多々ある。
この問題点を明確に挙げるならば、「お巡りさんや裁判官だってプライベートで無修正を楽しめる時代なのに、仕事では無修正を取り締まっている」という矛盾。
昔は無修正のものが出回りにくかった為、「俺らも見ないよ。だから国民も見ないでね」が通用したのだが、今はそうではない。
また、風紀や良俗の乱れになるという主張もあるが、修正を法で強制する事で無修正のものに特別な価値が付与されてしまう問題も忘れてはならない。
昭和から現在まで裏ビデオや、無修正の動画をダビングして売る裏ショップがあり、「モザイクを消せる」「無修正のAVが自宅に届く」「モザイク除去AI」といった詐欺も横行している。
それらの多くは反社組織の資金源となっており、違法の裏ビデオに出演させられる女性の方が、法で守られたAV女優よりもよほどひどい扱いを受けている
無修正を解禁する事で日本に犯罪が増えるのかどうかは不明だが、無修正が「裏モノ」になる事で儲かる反社の人間は確実にいる。
後述するように、刑法175条における日本特有のトラブルは多く存在しており、「いっそ刑法175条を廃止してくれた方が様々な問題を防げるのではないか」という意見も大きい。

なお、「モザイクなどの修正があった方が抜ける」という人も中にはいる。
「リアルな性器はグロいから嫌だ」という意見もあるが、それは個人的な嗜好であって、法で強制するのはまた別な話である。

アナルに関しては、最近ではモザイクをかけないのが一般的。ただし、種類に関わらず何かを入れると生殖器扱いとなり、モザイクが必要となる。やっぱりよくわかんねぇな。
なお、脱糞はただの生理現象だからかモザイク不要。え? うんこを出し入れしたら? 入れるのは生理現象じゃないからなぁ……。でも生殖器にうんこは入れないよなぁ……
精液などの体液も基本的にはモザイク処理されない。

主に浮世絵としての春画や裸婦画など、芸術分野における裸・性器の描写も対象外とされる。
意外なところでは一定の基準を満たした海外産の映画における性器の描写も対象外。全体として「読者の好色的興味に訴えるものであるか」が判断材料になるという事が判例として分かっている(春画は当時のエロ画像なのだが、その辺は曖昧)。
医学書や性教育の教科書も対象外*5

DLsite裁判事件

2022年3月、DLsite.comで作品を登録しようとしていた同人作家が度重なるモザイク処理のリテイク指示に激怒し、運営会社のエイシスに対して裁判を起こすに至った。
しかし、メールでやりとりを行っていた同サイト従業員2名の本名をネットに晒し、「こいつらをクビにしろ」「地獄に落ちろ」と罵り、慰謝料150万円を要求するなど、訴訟を起こした側もかなり荒っぽい言動であった。
その上で自身のDLsite登録資格取り消しを解除するように要求していた為、そこが裁判の論点になってしまった。翌年3月、本件は東京地裁によって棄却され敗訴。
もしも作家側が冷静になり、「表現の自由に対する憲法違反」やエイシス側の行き過ぎたリテイク指示を取り消す方向性で進めていたら、また違った展開になっていたかもしれない。
事を起こすにせよ、社会的なルールを無視してまで怒りをぶつけるのは効果的ではないといういい見本でもある。

2.プライバシーなどへの配慮

冒頭で示したように、その個人などの情報に配慮した場合に映像隠しが行われる。
個人プライバシーの場合は例えば車のナンバーや家の周辺など、無生物でも個人の特定につながるものを含む。
人物に関してはモザイク以外にも黒塗りで目の部分だけを塗りつぶされている手法は現在でも見られる。
ニュース番組での街頭インタビューなんかでは、インタビューは受けるけど顔を見せたくないという人にはモザイクが掛けられたり、カメラをその時だけ下のほうに向けたりといった配慮がされている。
昨今では、無料イラストの顔で覆っているというパターンも見受けられる。

エロビデオだと素人もので顔が……とかいう事もあるが、こちらは普通のテレビ番組でも行われる。
例えばすりガラスなどで顔をぼかした人物がボイスチェンジャーでしゃべるのも、モザイク演出と本質は一緒である為、この「ぼかし」というのもモザイク系演出と言えるだろう。

また、番組スポンサーへの配慮だと思われるものとして、ただのペットボトルや缶などでもモザイク加工される事があるが、近年は提供クレジットが表示される際に出演者が着ているシャツのロゴなどもその対象となっている。

テレビ番組で行われる同様の演出のうち、工場見学や産業施設、自衛隊などの特殊組織への取材で画面内の機材や資料にモザイクが入る事もあるが、これは個人プライバシーやスポンサーへの配慮ではなく、同業者(軍事・産業スパイによるデータのぶっこ抜き含む)対策という意味での配慮となるので、微妙に意味が違う。
ブラタモリ』では「卑猥すぎて見せられません!」とネタにした事もあった。

また、昼のニュースなどでは手錠にモザイクが掛かっている、もしくは上着などで覆って隠される事が多いが、これは逮捕された段階ではまだ犯人であると断定できない為、人権に配慮したものとされている。
逆に『警察24時』などでは敢えて手錠にモザイクを掛けない場合が多い(顔にはモザイクが掛かっている)。
ドラマのような番組ではフィクションにあたる事からか、モザイクは基本的に掛かっていない。


3.グロ画像など

一部の虫(Gとか不快害虫)やら人間のモツやら、そういったものがモロだしにならない為のもの。
「映像的にお見せできない」「不愉快になる人が出るからダメ」という自主規制的なもの。
アニメなどでは逆に「それだけヤバいもの」と認識させる為にモザイク状になっている事もある(ムドオンカレーのようなマズイ飯とか)。
なお、「モザイクかけないと絵面的にヤバくなるだろう」との作者の判断により、編集の反対を押し切ってモザイクかけたら、っむしろモザイクのせいでもっとヤバくなったという作品も存在するムクムクデカくなる様子をモザイクにすりゃそうなる。

また、日本テレビの『世界の果てまでイッテQ!』では、出演陣が大食い大会に参加させられたりゲテモノ料理を食べさせられたりなど嘔吐と縁が深い番組なのだが、それを逆手に取って嘔吐物にキラキラしたファンシーな感じのエフェクトを掛けるという新手のモザイク演出が編み出され、番組関係者・視聴者両方の爆笑をかっさらった。


4.意図的な演出

クイズ番組などでモザイクの度合いを徐々に薄くし、なるべく早く正体を解答させる……というお題は古くから定番中の定番。
というか、モザイクという映像技術は元々こういう使い方をする為に発明されたものであるという説があり、かつてテレビ朝日で放送されていた『象印クイズ ヒントでピント』がその嚆矢とされている。

また、1990年に発売された家庭用ゲーム機・スーパーファミコンは、表示される画像にモザイクを掛ける機能が本体にデフォルトで搭載されているというのを売りにしており、それを活かした演出が多数のゲームソフトで試みられた。
『スーパーワギャンランド』シリーズでは「モザイクあて」というまんまヒントでピントなミニゲームも収録されている。
もちろん、アダルトビデオのパロディネタをしたりとかそんな使い方がされていたワケではなく、主に場面転換で画面をフェードアウト→フェードインさせるような使われ方が中心だった*6

東映の特撮ヒーロー番組『宇宙刑事ギャバン』では、主人公のギャバンの現代的かつメカニカルなイメージを演出する為、変身バンクでモザイクが積極的に採り入れられている。
モザイクがカッコいい事のために使われているという、恐らく稀少な例。


5.上記のパロディ

このように、創作作品においてはもっと自然に隠す方法がいくらでもある※ただし、完全版商法などの関係で敢えて不自然に隠す場合でも謎の光や黒塗りの方がモザイクより容易であるわけだが、ギャグ作品においてはメタ発言めいたネタとしてわざわざモザイクが使われる場合もある。
他作品など登場してはいけないものが登場している」事を、そのものを描かず表す場合もある。
……このパターンで撮影上は本当に映っているケースもないわけではなく、例えば高野八誠氏が映画『HE-LOW』を撮影した際にあろうことか吉岡毅志氏と須賀貴匡氏*7に変身アイテムそのものを持たせた際には、その他作品であるこれこれの両公式から無修正はNGが出たと明言されており、エスプレンダーとVバックル・カードデッキが映っているであろう部分には全面的にモザイクとなっている(それに加えて「ガイアや龍騎に変身する動作を明確にさせてはいけない」も言い渡されたという)。
その仮面ライダー公式も、『イマジンあにめ』にて「Wikipediaから丸写しした」展開の際には著作権*8や引用としてのモラルの問題からページのキャプチャ画像は全面的にモザイクをかけて映していた事がある。

また、フジテレビのバラエティ番組『ワンナイR&R』では、深夜時代に『チョコボーイ山口』というAV男優風キャラクターによるコントがあり、別にエロくもなんともないシチュエーションにモザイクを掛ける事によって、さもエロい事であるかのように表現するというネタがあった。


創作作品においての類似例


             _(こ^)、_
            〃、__ノノ、__,ヽ
              {.っ>  <っト、
            (⌒i  (千于`ー┴'─────┐
         (O人  `ー|                 |
           /⌒ヽ(^う 見せられ.      |
           `ァー─イ    ないよ!   |
           /  (0::|__________|
             /\____/
          /   /  ⌒ヽ
      ___/  / ̄ ̄`)  ノ
     (__r___ノ     (.__つ

上記のAAもまたストレートな「そういうもの」である。モザイクの代わりに看板と体で映像を見せない。

ちなみに上のAAは『ハヤテのごとく!』が元ネタであるが、こうした演出も漫画やアニメには幾らか存在する。
上のAAは作中人物と特に関係がないが、作中キャラのデフォルメ顔などを使うパターンもある。あとは下記『ハイスクールD×D』のようなロゴ系か。

他に最近多いのは「謎の光」である。「どこから出てるんじゃその光」というような強烈な光線が画面外から襲い掛かってきて乳首など局部を隠す。
謎の光という呼称は『アイドルマスター シンデレラガールズ』の「《劇場第988話》あの光みたいに」や、『艦隊これくしょん -艦これ- 4コマコミック 吹雪、がんばります!』第81話*9にて公式に使われている。

アニメによっては墨みたいなものだったり、ロゴマークだったりするが、要点は一緒。
昔のアニメでは夕方アニメでも乳首券が発行されていたのだが、現在のアニメは深夜であっても地上波ではやたらめったら濃い湯気や妙にタイミングのいい木の葉などでも隠されている。
アニメ版『ドラえもん』のように、時代が経つにつれて全く裸が描かれなくなった作品も存在している。

一方、『ジョジョの奇妙な冒険』の暴力描写が比較的多い作品をアニメ化する場合、上記のグロ画像の項に倣い、人体の断面や内臓などは黒塗りやマグマのような断面(第2部『戦闘潮流』の柱の男達に顕著)で処理されたり、血飛沫をモザイク代わりにしたりといった手法で対処している*10
昭和アニメ版『北斗の拳』では、吹き上がる血液を白い光のようにしてグロさを抑えており、以降バトル系アニメではこの演出が定番となった。
同じ『北斗の拳』でも後の映画版では赤い血液や飛び散る臓腑を正確に描写した結果、ものすごくグロくなっている。
変わった所では「未成年者の喫煙描写」に対しても黒塗り処理が使われた事も。

漫画や電子コミック……主に昨今でいうメンズコミックやTLコミックにおいては(普通にエッチがメインな作品でも)、乳首は描かれているけども局部のような箇所はモザイクではなく全部白塗りにされているパターンが多い。
他にはモザイクとは少し違うかもしれないが、コマや角度の都合から読者にはもの凄く見たいのに見えないというパターン、配慮がされている事もある。このWikiのバナー広告でもそういう作品たまに流れてくるよね。
前者の場合は単行本のような別媒体に同じ作品が収録されている場合はこの白塗りが解除されていることが多い。
……が、現在は単行本化せずに電子コミックのみで終わってしまう漫画も数多い為、そういった多くの作品は残念ながら……


追記・修正は画像変換君を用いてモザイクを見破るか、Blu-ray版を買うか、ネット配信を見てからお願いします。

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最終更新:2026年05月28日 22:48

*1 実際、このタイプのモザイクで猥褻画像を公開したところ、「これでは並べ直せば容易に復元できる」と裁判所で猥褻図画公然陳列の判定になった事がある。

*2 これには文章や図画(二次元画像)も含まれる。ただし、文章や図画(二次元画像)の場合、わいせつ性が低いとされ、初犯で懲役刑になる事はほぼない。

*3 透かして見る方法の研究が最も試みられているのもこの分野。ただし、解除の方法も同法に問われる可能性があり、しかも判例もある。

*4 児童ポルノや、不正にアップロードされた動画などをダウンロードした場合は違法。

*5 当たり前のような気もするが、戦前はアメリカなどでも「性に関する物だから猥褻・違法」がまかり通っており、有名どころでは産児制限で有名なサンガー夫人は避妊を貧困層の女性に教えた際、猥褻物(避妊具や避妊の資料)を郵送した罪で何度も投獄されている。

*6 ハード固有の機能を利用したものである為、後年別機種に移植された際には別の表現に差し替えられた場合もある。

*7 両者共に特撮ヒーロー番組において高野氏と「変身する役」同士での共演歴がある。

*8 Wikipediaの記載自体もそうなのだが、『龍の子太郎』自体が厳密には昔話ではなく近現代の児童文学である為(「原案となった昔話があるだけで作品自体は現代の成立」という経緯)。

*9 単行本に至っては「謎の光」の解説まで入っている。その内容は「アニメでよく使われる謎の光。部分的に見えなくなる」というものだった。

*10 DVDやBlu-rayなどの映像ソフトなどで収録されたり、ネット配信時にそれらが解除される事が多い。エロ方面でも湯気が薄くなったり乳首券が発行されたりなど。