トビア・アロナクス

登録日:2013/09/04 Wed 20:03:44
更新日:2020/05/26 Tue 00:42:14NEW!
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「待っていろ、ベルナデット! 今約束を守る!」


トビア・アロナクスとは『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズの登場人物。
同シリーズの『クロスボーン・ガンダム』から『鋼鉄の七人』までの主人公である。
CV:山口勝平


【機動戦士クロスボーン・ガンダム】

当時16歳。
両親を幼い頃に亡くしており、叔父夫妻によって歳の近い従兄弟のギルと同じようにわけ隔てなく愛情を持って育てられた。
地球圏からの留学生となるはずだったが、留学先となる筈だった木星圏の戦乱に巻き込まれる。

機械工学科の学生で作業用MSの免許を持っており、クロスボーン・バンガードに入る前、
ただの海賊と思っていたX1を相手にした初出撃時には、「砲台代わりにはなる」といって無理やり出撃した。
X1のビームザンバーに切られたとはいえ、咄嗟にビームサーベルで防御したり、砲台どころかMSに対しての適性はむしろ高いように見える。
キンケドゥにあっさり敗れはしたものの、この時の操縦と彼の意思、それと木星帝国の陰謀を知ったことがキンケドゥにスカウトされるきっかけとなった。

当初はどこまで信じて良いのかと思いながらも宇宙海賊クロスボーン・バンガードのパイロットとして戦い、ニュータイプとしての才能を開花させていく。
本来エースパイロット用と考えられていたX3を短期間で使いこなしている事や地上に降下したあと、
互いに不慣れな地上での戦いとはいえ数の上で不利な死の旋風隊(デス・ゲイルズ)を相手取った3対1の戦闘で互角に持ち込み、
キンケドゥが到着するまで持ち堪える等、ともかく適応力が高く「戦う度に強くなる」を地でいく主人公であった。

ただし、本編最終話にてディビニダドに乗ったドゥガチが戦闘は素人である事から「おれでも…勝てるかもしれない!」と発言するなど、
本編最後まで本人は自分の操縦技術はそこまで高くないと考えていた模様。
これは実際問題経験が浅い事、エースパイロットを何人も身近で見て来たこと、何度も死にかけていたこと、まともなMSパイロット相手に真正面から戦って勝った例はほぼない(あるのはカラス戦程度)ことなどからだと思われる。
元々策を練っておくタイプではあったが、この時の経験もあるからこそ強敵に操作技術頼りで乗り切ろうとすることはほとんどなく、柔軟な発想で戦うタイプに成長していった。


また、マザー・バンガードに同じタイミングで乗り込んでしまったベルナデット・ブリエットの面倒を艦長であるベラ・ロナに申し付けられたことがきっかけで気にかけるようになり、年の近い少年少女であることも手伝って仲を深めていく。
ベルナデットが木星の指導者の娘、テテニス・ドゥガチであることを明かした直後にザビーネに誘拐され、
木星に連れ戻された際には彼女を助けに行き、絶体絶命の危機に陥りつつも彼女を救出する。
自らの意思で平和を模索するべく木星に残ることをベルナデットが決めた際には彼女の意思を尊重し、
キスをされながらの「危なくなったら助けに来てね」という彼女からの願いを約束として受け取り、
その後MAに載せられ、自らは操縦すらできないまま戦う機体の中で苦しんでいたベルナデットを救い出す。

「ベルナデットは…返してもらう… いや…」
「きさまの…もの…では あるまいっ!」
「そうだな。ならば、海賊らしく…いただいてゆくっ!」

これ以降はベルナデットと相思相愛の関係になり、彼女のために、というのもトビアの戦う理由となった。
というよりも最初からベルナデットのことが気にかかっており、しばらくの間はクロスボーン・バンガードを信用しきれなかったため、
彼女に害をなす場合はいつでも裏切る心構えで準備もしていた。*1
ちなみに、スパロボに参戦した際、このやり取りはDVEだった。


前半では木星帝国から鹵獲(ろかく)したペズ・バタラに搭乗していたが、後半で新型のクロスボーン・ガンダムX3に搭乗し、
最終決戦においてクラックス・ドゥガチを打倒、地球圏を核による滅亡から救った。
木星戦役終結後は、宇宙海賊を離れるキンケドゥから受け継いだX1を駆るようになる。



「俺は人間だ!人間でたくさんだ!」

優秀なニュータイプだが、ニュータイプというものはただの超能力程度の認識であり、『人類の革新』の様な重要視はしていない。
そのためニュータイプを集めようとするシェリンドン・ロナに対しては強く批判するなど、ニュータイプを至上とする主義には否定的である。
カラス先生が「我々はもはや木星人という別の人種だ」と言い、続けて「地球圏のお前たちと相容れることはない」(※意訳)と主張していたことも関係しており「ニュータイプも木星人も地球圏の人類も全員等しく『人間』である」という反論が上記のセリフには詰まっている。
この考えはドゥガチと対峙した時の発言にも表れている。


キンケドゥ達と同じく、極力人を殺めないことを心がけているが「無理な場合は諦める」といった心の強さも持っている。
これは「鋼鉄の7人」で明確に描写されている。
ただ、クロボン無印序盤においては、まだ色々知る余地がなかったために、不殺を推奨するベラ・ロナに対して「それは偽善じゃないだろうか」と疑問視する場面もある。



「クラックス・ドゥガチ!あんたがどう思っていようと…」
「おれのほうは、戦争をやってるつもりなどなーーいっ!」

ベルナデットを人質の様に扱いながら、「これは戦争だ」、「戦争ではよくあることだ」等としきりに主張していたドゥガチに対する叫び。
木星帝国の暴挙を止めようとしたり、ベルナデットのために戦ってはいるが、戦争という言い訳を盾にした非道なんてまっぴらごめんだという意見である。
かなり後の作品でも再びこの台詞を述べ、その時も「これは戦争だ」的な発想をしている、いわば戦争に酔ってしまっている者を暗に批判した。


「わがブラックロー運送は健全な廃棄物処理&輸送会社でして」



クロボン無印の後日談、すなわち宇宙世紀0133年より数年後の時代が主な舞台。
この時代のトビアら海賊軍の残党は表向きはブラッククロー運送、その裏で宇宙海賊クロスボーン・バンガードとして活動していた。
元々宇宙海賊としてつま弾きにされようとも木星の陰謀を阻止するために活動していた人たちなので、多くの面々が残っていたが、
主力だからなのか、若輩者ながらクロスボーン・バンガードの実質的なリーダーとして活動している。

胸にドクロをあしらったクロスボーン・ガンダムX1改・改、通称「スカルハート」が乗機。
海賊軍時代の武装を密かに保持しており、様々な事件に巻き込まれる。

木星帝国残党のアムロ・レイ複製計画に立ち向かう『最終兵士』では、木星じいさんことグレイ・ストークの依頼を受け、
アムロ(の戦闘データが記録された学習型コンピュータのマスター)を奪還するため、木星軍の基地に攻め込む。

アムロのコピーの駆るアマクサのプレッシャーを感じ取り、その圧倒的な力に戦慄する。
主力武装や右腕を失うも、史実のアムロが遭遇したことの無い武器「シザーアンカー」で、アマクサのハンマーを逆に利用し勝利を収める。




「そうだ!あんたとやりあうなら動きを封じるしかない!俺はこの時を!この瞬間を待っていたんだーっ! 」



当時18歳。
鋼鉄の7人では、キンケドゥの意思を引き継ぎ、名実共にクロスボーン・バンガードのトップエースとして活躍。
「神の雷計画」を阻止するため、圧倒的に戦況が不利であることを承知で敢然と新生木星軍に戦いを挑む。
長く前線に出続けていたことからエースと言って差し支えないほど腕前は上達している。


「近接援護は、トビア・アロナクスがX1フルクロスで!」


木星最終決戦、作戦名「鋼鉄の7人」ではBチームの近接援護として「最後のクロスボーン・ガンダム」、クロスボーン・ガンダムX1フルクロスで参加。

亡き恋人の面影を重ねるエウロペ、そしてドゥガチの娘として木星に戻ることを誓ったベルナデットに挟まれ苦悩するも、
最終的には「トビア・アロナクスをやめてでもベルナデットの隣にいる」ことを自ら選んだ。
最終決戦前にエウロペから彼女の亡き恋人カーティスの戸籍を受け取っている。
戦いの後に木星で一時的に身を潜めるための戸籍にするよう勧められており、この際に潜入などに必要なあれこれも教わったと思われる(成形手術のツテなど)。
そして全ての迷いを断ち切り(断ち切りすぎたのかこの戦いに挑む理由すら地球を守ることぐらいだったが)、全戦力を投入した圧倒的物量を誇る木星軍を相手に圧倒。

光と影のカリスト戦では、クロスボーン・ガンダムの性能を限界以上に引きだし、防御を無視することで二対一でありながら互角に戦い、
光のカリストと戦っている間に、仲間の決死の攻撃で影のカリストは撃破。
そして光のカリストを満身創痍でありながら撃退。
その後、コロニー・レーザー内部で戻ってきた光のカリストとの一騎打ちにも勝ち、撃破するなどパイロットとしての実力は他のガンダムシリーズの主人公にも引けを取らない能力を持つまでにいたった。
光のカリストとの戦いの後、無理やり発射しようとしたコロニーレーザーの自壊に巻き込まれて消息不明となる。
発見されたのはかつて無いほどに大破したクロスボーン・ガンダムだけであった。

全ての戦いが終わった後、木星の政治家として活動しているテテニス・ドゥガチの前に現れた、
働き口を求める傷痍軍人と名乗る盲目の若者は、まるでトビアとベルナデットの別れの言葉を知っているかのようだった……




機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト
トビアは登場していないが、作中では度々言及されている。
また、バタラとクロスボーン・ガンダムしか扱えない謎の盲目青年、カーティス・ロスコも登場しているが関係性は不明。
ローズマリーやシーブックといった過去に登場した面々が登場する中、トビアは未だに登場していない……





「なにしろ今日からおれたちは、 新生海賊軍(クロスボーン・バンガード) だからな!」





冗談は置いといて、最初から登場している。年齢は35歳前後。
『ゴースト』連載開始からずっとブシドー状態だったが、パン屋のおじさんによって完全にバラされた。
名前や見た目を変えている上に色々すっとぼけているのは『鋼鉄の7人』で語られた通り、
木星の敵として有名人である宇宙海賊所属のトビアが木星でテテニスの傍に居るためである。

『鋼鉄の7人』ラストから続いているので当然ながら視覚を失っており、MS操縦の際には音響センサーで補っているが、
データベースに登録されていない正体不明機などには、センサーがうまく作動せず相性が悪い。
諜報機関『蛇の足』にて優秀な活躍を上げており、テテニス属する木星のハト派として活動していた。

『ゴースト』本編の13.4年前、テテニスと共に参加した長期にわたる外宇宙探査計画の途中で第一子が誕生、
かつてテテニスが使っていた偽名から「ベルナデット(・ドゥガチ)」と名付けた。
また、個人的な興味で木星戦役時に遭難したサナリィの補給船を捜索、発見し、
船内にあったクロスボーン・ガンダムと『天使の呼び声(エンジェル・コール)』を回収するが、同僚であったエリンが裏切り、強奪された『天使の呼び声』を探す任務に就く。
並行して、同僚のスパイが決死で入手しネット上に流した『天使の光輪(エンジェル・ハイロゥ)』のデータを偶然入手したフォントを確保するためにサイド3を訪れ、フォントを『蛇の足』に引き入れるところから『ゴースト』の物語は始まる。

『ゴースト』ではかつてのキンケドゥ的立場であり、かつての自分と同じ立場であるフォントの導き手でもある。
エンジェル・コールを追う『新生海賊軍』のリーダーなのだが普段は飄々としており、威厳よりは親しみやすさを感じさせるリーダーとして振舞っている。クルーたちにも信頼はされている模様。

娘のベルナデット(ベル)を溺愛しており、ベルに手を出すと死刑という噂を流したり、ベルが懐いているフォントに何度も釘を刺したりと、とにかくベルに関する事には目を光らせている。
カリスト兄弟がトラウマなのか、ベルが生来のサイキック能力を使おうするのには否定気味だったが、
ベルとの対話を経て、ベルの能力が間違った道に逸れないよう導こうと考えを改めた。
また、トビアの持つ「何か一つのために全てを捨てる覚悟」はベルに受け継がれている模様。

当初はベルに対して正体を明かしておらず、お付きとして振舞っていたが、ベルからは実の父親だと疑われていた。*2
正体を明かしていなかったのは、万が一自身の正体が表に割れてしまった場合、宇宙海賊と木星の姫の間に生まれたというベルの複雑な出自が政治的利用されてしまうのではないかと危惧したためである。
戦いが終わり平和な時代になったらベルに正体を明かそうと考えており、
フォントにも戦いを終わらせるために「 カーティス・ロスコ 」ではなく、「 トビア・アロナクス 」として協力を頼んでいた。
そして遂に、モニター越しではあるが自身が父親であることを告げる事が出来たのだが……

フォントに対しては一般人だった彼を戦いに巻き込んで申し訳ないと思いながらも、彼の能力を高く買っており、
フォントの提案した核ミサイル迎撃に協力したり、最終決戦ではゴーストガンダムを託すなど信頼も置いている。
しかし、フォントにベルが非常によく懐いていることに関しては心穏やかではないようで、
フォントとベルが揃って脱走した際には『婿養子』か『死刑』の二択で花占いをしていた。

乗機は探査船で見つけたクロスボーン・ガンダムX0
既に『V』の時代である『ゴースト』では時代遅れの機体になっており、機動性以外はザンスカールの量産機以下の性能らしいが、
クロスボーンを熟知したトビアは機体特性をフルに発揮し、盲目のハンデもありながら、長年の戦闘経験を活かして敵のエース級とも渡り合っている。


機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST
第二子であるニコルによって語られた話によれば、
『ゴースト』ラストの後、一旦木星に戻ってからテテニス、ニコルと共に地球圏へと戻り、
かつてコスモ・クルス教団が使用していたエオス・ニュクス号を拠点に、地球圏を彷徨うベルとフォント(を抱えたファントム)を探していた。
しかし、木星本国の政変によって木星タカ派が政権を獲得すると、
木星ハト派の中心人物であるカーティス夫妻が搭乗するエオス・ニュクス号がタカ派に襲撃され、
襲撃前にコールドスリープに入っていたテテニスはそのままに、カーティスはサイド3に連れていかれ公国宮に軟禁されてしまい、
息子のニコルはタカ派に人質として取られてしまった。

テテニスとはニコルが生まれた後に入籍したらしく、ようやく正式な夫婦となったようだ。
結婚したこともあって以前のベルの時とは違い、自身が父親であることをニコルには明かしているが、
幼いころに生き別れる形となってしまったニコルは詳細な事情を知らないため、父であるカーティスとあまりにも顔が似ていないことを深刻に悩んでいる。
なお、前作から16年ほど経過しているため、年齢は遂に50代の大台に達している模様。



「ならば海賊らしく…追記・修正してゆく!」

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