クロスボーン・バンガード

登録日:2021-06-14 Mon 18:09:24
更新日:2021/06/16 Wed 16:56:07
所要時間:約 5 分で読めます





クロスボーン・バンガード機動戦士ガンダムF91とその周辺作品に登場する組織である。
時代ごとにその構成や理念が異なるため、分けて解説する。


クロスボーン・バンガード

最初のクロスボーン・バンガードは宇宙世紀106年に設立された、複合企業であるブッホ社の私設軍であった。

ブッホ社の創設者、シャルンホルスト・ブッホはヨーロッパの名家から「ロナ」という性を買い、ロナ家の始祖となった人物である。
シャルンホルストが抱いた思想は、息子マイッツァーによってコスモ貴族主義と改められた。
そのコスモ貴族主義を中心とした国家を作るための尖兵(Vanguard)がクロスボーン・バンガードである。

ブッホ社にはパイロット育成用の訓練校やモビルスーツ開発、製造を行うブッホ・エアロダイナミックスも存在し、時間をかけながら建国のための力を少しずつ蓄えていた。
パイロットたちは練度も士気も高く、同時代の平和ボケした連邦軍パイロットとは対照的である。

宇宙世紀123年にロナ家はクロスボーン・バンガードを送り出し、コスモ・バビロニア建国戦争を地球連邦に仕掛ける。
フロンティアⅣを制圧しコスモ・バビロニアの建国を宣言すると、クロスボーン・バンガードはそのままコスモ・バビロニア軍へと移行した。
しかし、ロナ家の一人であるベラ・ロナによって貴族主義が否定されると、内部分裂によりコスモ・バビロニアは崩壊し建国戦争は終結、クロスボーン・バンガードも眠る事となる。
具体的にどれだけの期間、コスモ・バビロニアが存続したかは不明だが、宇宙世紀128年時点では既に崩壊しているとされ、5年も保たなかったようである。

コスモ貴族主義

劇中でも語られているように、優れた者達(=貴族)が民衆を統べ、有事の時には先頭に立つという歴史上の貴族的な振る舞い「ノブレス・オブリージュ」を、宇宙世紀で再建しようというのがコスモ貴族主義である。
加えて、マイッツァーは地球の保護も思想として掲げており、これもコスモ貴族主義に含まれていると見られる。

長きに渡って続いた地球連邦の絶対民主制に対するカウンター的な部分があり、またCVの者達は高潔で紳士的な振る舞いを心掛けたため、
コスモ貴族主義者たちを好意的に捉える民衆も少なくなかった。
もっとも『クロスボーン・ガンダム』の作中で語られた通り「何を以って貴族とするのか?」という矛盾を抱えた思想でもあり、
また貴族主義を否定するベラ・ロナが、最も貴族主義を体現する存在だったというのも皮肉であった。

運用メカ

ブッホ社が開発、製造したデナン、ベルガシリーズを中心に運用している。
モビルスーツはいずれも14から15m級の小型で、同時代に連邦が配備していたヘビーガンジェムズガン(初期型)とは違う、ちゃんとした性能を持っていた。
ゴーグルタイプの顔つきと、コロニー内での戦闘を考慮したショットランサー、そしてビームシールドが特徴的*1
一部の機体に装備されたシェルフノズルは革新的で、次代のモビルスーツ開発に大きな影響を与えた。
また、一部の者によって極秘兵器として巨大MAラフレシアと小型兵器バグが作られていた。



宇宙海賊クロスボーン・バンガード

宇宙世紀130年代に、地球侵略を目論む木星帝国へ対抗するために再建されたのが宇宙海賊クロスボーン・バンガードである。
組織を再建したのは、皮肉にも初代崩壊のきっかけとなったベラ・ロナ
ただし、彼女自身はコスモ貴族主義を否定し続けており、同じ名を使っているのは残存する貴族主義者達からの援助目的である。
構成人員も純粋に木星の目論見を阻止したい者と、貴族主義再興を目論む者達が呉越同舟で集う。

メカニック面での協力者としてサナリィがバックに付いており、機体や装備を供給してもらっている。
サナリィ的にも木星帝国の侵略は看過できないのと、貴重な木星圏での戦闘データの収集という二つの面からの協力である。

木星戦役後は人員が大きく欠けたことや戦う理由がなくなったことで休眠状態となり、
残存メンバーは民間輸送会社ブラックロー運送を装って暮らしているが、宇宙で何か事件が起こったときには再び帆を上げ事態を収拾している。
その後、木星帝国による再度の地球破壊作戦『神の雷計画』を阻止する過程でパイロットと機体を失ったため、宇宙海賊クロスボーン・バンガードは事実上の解散となった。
残った面々はブラックロー運送として真面目に働き、20年後には大手のデブリ回収業者として名を馳せている。

運用メカ

サナリィ製のクロスボーンガンダムを中心に、ブッホ社製の型落ちMSゾンド・ゲーや木星から分捕ったバタラを運用していた。
戦果が地球圏まで飛び火した頃には、新たなクロスボーン・ガンダムと量産仕様であるフリントも貰い受け木星戦役を戦い抜いた。
母艦としてブッホ製最新鋭戦艦マザー・バンガードも運用していたが、こちらは木星戦役の途中で失われている。
ブラックロー運送に移行した宇宙海賊は、木星戦役時に補給艦として活動していた同じくブッホ製のリトルグレイ号を新たな母艦としている。

コスモ・クルス教団

残存する貴族主義者たちの拠り所となっている宗教団体。組織自体は建国戦争当時から存在していた。
コスモ貴族主義に加えてニュータイプ主義も教義となっているようで、実際に代表であるシェリンドン・ロナ自身がニュータイプであり、また優秀なニュータイプを未来のために集めている。
宇宙海賊の活動には否定的で、連邦軍に差し出しもしたが、最終的にはコロニー軍と共に木星戦役の最終局面に援軍として駆け付けた。
足取りが追えるのは木星戦役までしかなく、以降は財政難になりマザー・バンガードの姉妹艦であるエオス・ニュクス号を手放した事だけが知られている。



宇宙海賊クロスボーン・バンガード(蛇の足)

宇宙世紀153年に木星共和国特殊部隊蛇の足が、地球圏での任務のために名乗ったコードネームが宇宙海賊クロスボーン・バンガードである。
地球圏に持ち込まれた生物兵器『エンジェル・コール』を抹消する過程で、木星と友好関係にあるザンスカール帝国とも対立するため、
あえて木星が名乗る事が無いであろう宇宙海賊の名前で偽装している。命名は木星共和国ハト派のリーダーであるテテニス・ドゥガチ

このため、それまでのクロスボーン・バンガードとの連続性は無く、構成人員も木星人と任務途中で拾った雑多なメンバーの寄り合い所帯となっている。
しかし、実働部隊のリーダーであるカーティス・ロスコが独自の人脈によって元宇宙海賊であるブラックロー運送に協力を取り付けたり、
そもそもクロスボーン・ガンダムを運用しているなど、かつての宇宙海賊を思わせる姿も見せている。

多くのメンバーを失いながらも任務を完遂し、その後は自然消滅したと見られる。

運用メカ

初期の頃は蛇の足が以前に発見したクロスボーン・ガンダムとドク・オック(バタラ)が配備されていた。
その後、リア・シュラク隊ヴィクトリータイプサーカスが生み出したファントムデスフィズも加わり、特務部隊としては充分な戦力となる。
母艦のマンサーナ・フロールはマザー・バンガードを受け継ぐミノフスキードライブを搭載した艦だが、戦艦ではないので戦闘力は劣る。



追記、修正は貴族主義の楽園を作ってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2021年06月16日 16:56

*1 それらを持たない機体もある