秘密結社ドーマ(遊戯王)

登録日:2011/09/07 Wed 13:58:15
更新日:2025/04/06 Sun 17:15:12
所要時間:約 4 分で読めます



秘密結社ドーマとは、アニメ「遊戯王デュエルモンスターズ」の長編シリーズに登場した敵組織。


★概要

原作には登場しないアニメオリジナルエピソード(通称ドーマ編)の敵組織。
組織の構成員は全員が「オレイカルコスの結界」というカードを所持しており、
それによってデュエルで敗北した人間の魂を封じる事が可能。この封印は組織の構成員であっても適用されてしまう。
またオレイカルコスの結界を使用するためのオレイカルコスの欠片をペンダントなどにして所持している他、専用のデュエルディスクを持っている。

有史以前から影ながら人間の歴史に干渉してきた組織であり、
首領のダーツに至っては天変地異を起こせる超自然的な力や表向きの「パラディウス社」という会社の総帥の立場などもあり、影響力は強い。
インダストリアル・イリュージョン社の仕業に見せかけて海馬コーポレーションの株を買い占めるなど資金力も潤沢である。
乃亜編で世界を牛耳る野心を見せた海馬剛三郎ですら「ドーマには手を出すな」と瀬人に忠告していたほど。

オレイカルコスの神の復活が最終目的であり、封印された魂は神への生け贄となる。


★構成員


ダーツ
CV:絵麻緒ゆう
秘密結社ドーマの首領であり、ドーマ編の黒幕となる男。
名も無きファラオの魂を狙い、王の記憶の石版を封じることで彼の記憶の復活を封じて戦いの場に引きずり出した。
外道っぷりが半端ではなく、目的のためには手段を選ばない。
超常現象を引き起こしたり、世界を裏から操ったりしてするなど強大な力を持っている。

加えてデュエルでもチートカードを乱発。後のクロウでなくとも「インチキ効果もいい加減にしろ!」と言いたくなるだろう。
因みに約9年の時を経て OCG化されたが凄まじく弱体化した。まあ仕方ない。


☆ラフェール
CV:川原慶久
レの字のもみあげが特徴のドーマ三銃士のリーダー格。
OCGでは非常に扱い辛いガーディアンデッキを使い手。
その実力は本物であり、アニメオリジナルではあるが真っ向勝負で王様に勝利した数少ない人物*1
一度打ち負かした後、パラディウス社屋上でもう一度王様と戦う。

家族で豪華客船に乗っていた際に嵐に巻き込まれ、自身一人だけが無人島で生き残った悲しい過去を持つ。
そのため自分のカード*2は非常に大切にしており、使い込まれたら裏面を貼り替えて使い続けている。
その愛着たるや、デュエルでは自分のモンスターを墓地に置かないことを徹底しているほど。

OCGの歴史に残るぶっ壊れ蘇生カードである《ソウル・チャージ》は彼の使ったカードであり、彼の信念を象徴する1枚である。

彼の使う《ガーディアン・エアトス》はアニメオリジナルのカードでは非常に人気が高い。長らくカード化が望まれており、放送から6年後にOCG化された。
さらにその後、ガーディアン・デスサイスなどの使用カードも11年後にOCG化。三銃士の中では他の2人に比べて破格の扱いを受けている。

中の人は後にヘルカイザーを誕生させることになるスライム使いと同じ。


ヴァロン
CV:前田剛
三銃士の一人の決闘者にして、リアルファイター
他のリアルファイターの例に漏れず、身体能力は常人離れしている。
さらにアーマーモンスターのカード効果により体にプロテクター状のアーマーを装着し、デュエル中にリアルファイトをする猛者。
その衝撃的なビジュアルは遊戯王の作風になれた視聴者にも鮮烈な印象を与えた。
そしてミラーフォースを気合いで打ち破った。

おい、デュエルし…ているだと!?
舞同様バイクに乗るが、ライディングデュエルはしない。

かつて孤児院に預けられていたが、その孤児院が地上げ屋によって焼き払われた過去を持つ。
舞に惚れており、恋仇である凡骨と戦う。

ちなみに中の人は後のグォレンダァ!である。しかも↑の人に向けて


☆アメルダ
CV:家村幸成
三銃士の一人。
変装が得意で、口調から声まで完全にペガサスになり切るほど。
ただし、海馬に対しては戦術が古すぎて見破られており完璧とはいかなかった。

その後にKCのジェット機の機長に成り済まし飛行機の中で社長との決着に挑む。
海馬剛三郎の兵器によって弟を失ったことから海馬瀬人を逆恨みしている。*3

他の三銃士のキャラが濃すぎるため、彼らと比べるとやや影が薄い。

☆グリモ
CV:ジェームス小野田
構成員の一人。
亀のゲーム屋から三幻神のカードを奪った他、闇遊戯とのデュエルではオレイカルコスの結界の力で「オベリスクの巨神兵」を操って見せた。
その後オレイカルコスの結界の効果を活かした戦術で闇遊戯を追い詰めるものの敗北し、封印された。


孔雀舞
ダーツに闇マリクの敗北のトラウマを突かれて敵対する。
闇のデュエルで負けた時の恐怖に囚われ、勝ちにこだわるようになっていたのだった。
ヴァロンや城之内との絡み等、見せ場は多いが原作の流れから大きく異なるキャラとなったため、余り好意的に見られていない。
なお、今回はバイクに乗っているが、別にライディングデュエルはしない。


インセクター羽蛾
ドーマ編を有名にした張本人。
遊戯や城之内に逆恨みしており、復讐するために密航までして付け狙う。
やがてドーマに接触し《オレイカルコスの結界》を手に入れる。
デュエルでは王様をねちねちと追い詰めるも、過剰な挑発が王様の逆鱗に触れてしまい…
詳しくは当人の項目か狂戦士の魂の項目で。


ダイナソー竜崎
羽蛾の相方的存在。
負け犬から這い上がるべく城之内へのリベンジを画策する。
扱いは羽蛾と同じだが、そちらのキャラが濃すぎるため影が薄い。

アニメオリジナルの設定で羽蛾と共にかなりセコい行いをしていたことが判明する。
だが、これについては原作の竜崎ならこんなことしないという声が多い。


☆オレイカルコス・ソルジャー
オレイカルコスの欠片から生まれた怪物の様な戦士。
人語は話せないものの、モンスターを召喚して突っ込ませる程度のデュエルはできる。






★敵対していた人物たち

アイアンハート
CV:屋良有作
荒野にて闇遊戯を待っていた老人。
過去にデュエルモンスターズや以下の3体の竜を引き連れてダーツ達と敵対していた。
その正体はかつてのダーツの父親。

クリス
CV:樋口智恵子→谷内友美
同じく荒野にて闇遊戯を待っていた少女。
こちらもダーツ達と敵対し、デュエルモンスターズを率いていた。
その正体はアイアンハートの孫で、ダーツの娘。


≪伝説の3体の竜≫

ドーマ編のキーカードたち。
その正体は古の戦いでダーツ達と戦いデュエルモンスターズ界を守り抜いた竜であり、その戦いで力を使い果たし、その名を知る者がいなくなるほど永い眠りに就いていた。
「レジェンド・オブ・ハート」で真の姿になるのだが、その結果終盤が学芸会と呼ばれる要因となった竜達でもある。

☆ティマイオス
王様を選んだ竜のカード。
モンスターと合体しより強力なモンスターとなる。
古の戦いではダーツによって片目を奪われている。
真の姿は緑の鎧を着た王様。

☆ヘルモス
城之内を選んだ竜のカード。
モンスターと合体し装備魔法となる。
真の姿は赤い鎧を着た凡骨。

☆クリティウス
社長を選んだ竜のカード。
罠カードと合体しモンスターになる。
真の姿は黒い鎧を着た社長。

長い年月を経て2014年5月にコレクターズパック-伝説の決闘者編-にてティマイオスの眼が登場。
その後2015年5月のコレクターズパック-運命の決闘者編-にてヘルモスの爪とクリティウスの牙もOCG化を達成した。
さらにまさかまさかの合神竜ティマイオスまでOCG化された。


★登場した長編エピソードについて


なぜアニメオリジナルエピソードが入ったかというと、
『大人の事情』
=原作でバトルシティ編が終了した後、その次の記憶編開始までの間に休載を挟んだことで、アニメの方のストックが尽きてしまった
……ということである。

原作の時系列的に言うとバトルシティ編終了とファラオの記憶編開始の間に長編として挟まれ、10ヶ月に渡って放送された。



「心の闇」を題材にしており、ある意味アニメオリジナルの中でも無印の遊戯王の本質に近く、
ストーリー自体は原作者こそ評価しているものの、(…とのことだが、実際は噂の域を出ないらしい)
ハッキリと言えば視聴者からはやや不評

だが、


である。
遊戯王ではよくある超展開や、これでもかと言わんばかりに敵味方がチートカードを多用したりと、色々とぶっ飛んだストーリーで(ネタとしては)評価が高い。

後の遊戯王で当たり前になる「世界規模の危機」はここから始まった。(原作記憶編はこの後のため割愛)
また、ドーマ編で初登場した「デュエルモンスターズの精霊」「精霊の世界」「人々の心の闇」といった要素は、アニメDMの続編「遊戯王GX」で、ハネクリボーや三幻魔、ヨハン、ユベル、ダークネスなどといった形で続投されている。
というよりそれらをメインにしたストーリーを展開しているため、ドーマ編という尺の中で扱いきれなかった部分を主軸に全体を作っているといえる。



★原作のキャラクター達

≪遊戯一行≫

武藤遊戯
ご存知主人公のAIBO。
伝説の3体の竜であるティマイオスに選ばれる。
しかしある事情で途中退場してしまい、他の連中が濃すぎるのでやや空気。
なんと闇AIBOも登場した。

闇遊戯
皆大好きな王様。
表遊戯とともに伝説の3体の竜であるティマイオスに選ばれる。
本シリーズで最もぶっ壊れた人物であり、AIBOがいなくなって豆腐メンタルっぷりを見せたり、狂戦士の魂を使って大暴れしたりした。


城之内克也
伝説の3体の竜であるヘルモスに選ばれる。
今回ではかなり漢であり、舞の為に命を懸けたり、ヴァロンと壮絶な決闘(カード効果によるリアルファイト)をした。
「苦い勝利」は涙腺崩壊する。


海馬瀬人
今回は宿敵が倒された事や自身の会社もドーマにより株を買収され、社長の座も追われたことからそれを奪還すべく参戦。
伝説の3体の竜の1体であるクリティウスに選ばれる。
遊戯とタッグデュエルをしたり、モクバとの絡みで見せ場は多い。
原作と比べれば性格や行動に矛盾が生じていると言えるが、アニメ次元で言えば乃亜編で明かされた過去もありそこまででもない。
オカルトを一貫して否定し続けていたのだが、今回でオレイカルコスやデュエルモンスターズの精霊などにどっぷりと触れ、さらには原作と異なり記憶編最後の戦いの儀も観戦したため、続編の「遊戯王GX」では闇遊戯への未練もなくオカルト全開になった。


真崎杏子
今回はヒロイン降格

……だが、今回が一番活躍してる気もする。

出番は少なめだが「とっくに羽蛾のライフは0よ!」の迷言は有名。


ブラック・マジシャン・ガール
ドーマ編のヒロイン。
師匠そっちのけで大活躍した。


本田ヒロト
なんかいつも後ろの方に立ってた気がする。
空気。


御伽龍児
レベッカのことをニックネームで呼ぶが空気すぎてスルーされていた。


レベッカ・ホプキンス
AIBOラブ。
王様の豆腐メンタルに追い打ちをかける。
原作には登場していないアニメオリジナルキャラクターであるが一応こちらに記載。

★余談

「千年の記憶」によるスタッフ陣の振り返りによれば、シリーズ構成担当の吉田氏曰く、
「あの時は人気作のオリジナルのシリーズ構成を担当させてもらえるっていうんで張り切っていましたね。 張り切り過ぎて、後半は暴走しちゃってました(笑)」
とコメントしている。

自分なりに原作のテイストにチャレンジしたかったらしく、勧善懲悪ではなくどちらも正しい人たちが闘うという話で、
様々なデュエルが繰り広げられていたなか、原作ではまだやっていなかった「闇遊戯の敗北」をテーマにしたシリーズとなった。
さすがに原作でやってないテーマだったのでやっていいのかという葛藤はあったそうだが(ラフェール戦もかなり緊張しながら書いていたとのこと)。



追記・修正は、心の闇を乗り越えてからお願いします。

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最終更新:2025年04月06日 17:15

*1 王国編などで闇遊戯が負けた例もあるが、決闘が続行していれば勝利していた可能性があったため、そういった例なしで破ったのは彼が初となる。

*2 特に彼の弟たちが手に入れたエアトス

*3 KCの軍事実験が原因で弟を失くしてるのでKCそのものを恨む理由としては成立しており、その現在のトップである海馬瀬人を狙うのも筋自体は通る